ミミックさんの映画レビュー・感想・評価 - 18ページ目

ビルとテッドの地獄旅行(1991年製作の映画)

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どんなにバカやっても必死であれば未来は開かれている。

ギャグに若冠の空フカシ感はあるものの頭空っぽで楽しめるのは相変わらず。

幽霊状態のビルとテッドがそれぞれの親父に乗り移るシーンが好き。

鈴木家の嘘(2018年製作の映画)

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自分に関係ないと切り捨てても依然日本では年間三万人が自殺で亡くなってる。

死を真正面から扱う作品は、作り手にどれほどの覚悟があるのか伺いながら見る傾向があるけど最後にはこの作品に携わってくれてありが
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質屋(1964年製作の映画)

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1964年のアメリカ映画でホロコーストを扱うのはかなり早かったのではないか。

生涯消えない心の傷はいついかなるときでも脳裏によみがえり苦痛を与え続けているのが肌感覚で伝わる。

フラッシュバック演出
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柄本家のゴドー(2018年製作の映画)

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『僕らの時代』にたまに家族で出ている柄本家の雰囲気はずっと眺めていられる。親が子を演出する場面は歌舞伎の伝承を思わせる。柄本明が石橋蓮司と二人で演った2000年の『ゴドーを待ちながら』の映像を少し見れ>>続きを読む

デモンズ2(1986年製作の映画)

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デモンズドッグや子供デモンズまで何でもデモンズ化。ずーっとわちゃわちゃしてる。歯の下から牙が生える気持ち悪さが良い。80~90年代はメタも含めてブラウン管映す演出が多い気がする。作風的にDVDよりもV>>続きを読む

ラストレター(2020年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

ネットに溢れるパブリックな文章を日常的に見てると'手紙'というたった一人の為だけに向けた文章のパーソナルさは人の裸を除き見るようでむずむずする。
他人がみることを想定してない文章を勝手に読む行為に無神
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真夜中の弥次さん喜多さん(2005年製作の映画)

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ほのぼのブロマンスロードムービーかと思わせて小ネタ満載でアナーキーなトリップムービーだった。

クドカン人脈ならではのキャスティングは他では見られない使い方をしてるので飽きない。いっぱいの荒川良々笑っ
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スキャンダル(2019年製作の映画)

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演者としてだけだなくプロデューサーとしても作品を作る三人の女優の共演だけでも見応えがある。

シャーリーズ・セロンがプロデュースの今作は、長年放送局のトップに君臨する男のセクハラを弱者である女性たちが
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ニューヨーク・ニューヨーク(1977年製作の映画)

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ショービジネスに身を置く男女のラブストーリー、歌とダンス、ビターな恋の行方など『ララランド』との類似をいくつもあげられる。

『タクシードライバー』がこれの前年なのか、振り幅あるな。

肩パットこそ入
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9人の翻訳家 囚われたベストセラー(2019年製作の映画)

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ファッキン出版社って感じをビンビン受ける。

最近の邦画の『騙し絵の牙』と合わせて見ると出版業界の今が多角的に浮かんでくるよう。仕掛けも一部被ってたし。

ネットに流れるのは確かに死活問題だが、マネタ
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ひとよ(2019年製作の映画)

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有名役者たちが頑張って演じてらっしゃる感じがずっとあって、映画の中の人物に他の白石作品でも『凪待ち』や『凶悪』では感じた実在感はなかった。なんでだろ、ドラマチック過ぎるからだろうか。実人生では起きても>>続きを読む

蛇の道(1998年製作の映画)

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ビデオテープと高橋洋繋がりから『リング』を連想し、黒沢清と香川照之の組み合わせと役からはどうしても『クリーピー』を想起せざるをえない。

'監禁'はずっとテーマとして描いているんだな。

直接的な場面
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EXIT(2019年製作の映画)

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前半は『タワーリング・インフェルノ』の毒ガスバージョンといった感じのパニックアクション。後半はつり橋効果状態の男女による救出地点までの脱出を試みるアクションラブコメ。重くなりすぎないポップなエンタメま>>続きを読む

東京原発(2002年製作の映画)

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2002年当時の原発に対する認識が知れたのは収穫だった。

形式としては密室会話劇なので、会話が面白くないと画が地味だし、題材が題材だけに極端な事も言いにくい。

テロリストのくだりは悪い意味のエンタ
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惨殺のサイケデリア(2013年製作の映画)

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自閉症に理解がないサイコサスペンスで、2013年なのに20年ぐらい前の作品みたい。生まれ持った症状と殺人を結び付ける安易なシナリオ。警察の主人公が子育てに悩む姿や工場や廃墟の雰囲気は良い。音効のドヤ感>>続きを読む

クローズ・アップ(1990年製作の映画)

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監督がどこでこの題材を見つけどういう時系列で撮影していったのか裏側がみたくなる。

イランで有名な映画監督に成りすまし一家に取り入った男の犯罪記録。

演じることは人生とイコールである。
カメラが映し
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あやつり糸の世界(1973年製作の映画)

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『マトリックス』や『インセプション』に繋がる多層世界を描いた近未来SF。

コンピューターが一般的でない時代の描くレトロフューチャーの感じが好き。

やたら鏡を映してしたのもあからさまだが示唆的。
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ストップ・メイキング・センス(1984年製作の映画)

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トーキングヘッズ1983年のライブの模様を映したコンサートフィルム。

全身が楽器なようなデヴィッド・バーンのスキャットや動きに釘付け。

舞台の袖やホリが丸見えの状態からメンバーがセットと共に一人ず
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ファンタジー・アイランド(2020年製作の映画)

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島での行動が個別で繋がりがなくてドラマでやればいいのにと思ったら元がドラマなのか。

自分の夢かと思ったら実は誰かのでしたオチもストーリーとしてはありきたりで、まとめも雑。

マイケル・ペーニャの不気
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バクラウ 地図から消された村(2019年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

長老の死後村を覆う不穏な気配、水は村の生命線、新町長は権力志向、指名手配の青年、謎の小型UFO、村を襲う傭兵部隊、イヤホンから謎の指示、電波妨害で村を消す、村人は本当に弱者か…一つ一つまとまりのないマ>>続きを読む

ライフ・イズ・カラフル! 未来をデザインする男 ピエール・カルダン(2019年製作の映画)

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Aラインのファッションは体型を問わず着られる為世界でヒットしたのか。

ブランドロゴをいち早く全面に押し出したのもピエール・カルダンが最初とか。

デザイナーは美的センスが尖りきってるから、男女問わず
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人数の町(2020年製作の映画)

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無機質な管理社会の近未来ディストピアものは日本ではあまり見ないので新鮮。

社会からドロップアウトした人間がどういう末路を辿るのかその使い道のアイデアは面白い。

日本の社会問題を表面をなぞったくらい
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犬猿(2017年製作の映画)

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予告が入ってはよ始まらんかな~と思ったら本編の一部だった。

演技力もあるだろうが、筧美和子と新井浩文のキャスティングが絶妙。

男二人、女二人それぞれの兄弟(姉妹)特有の関係。

多分年がもっと離れ
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ニュー・ミュータント(2020年製作の映画)

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日本でビデオスルーなのも納得の、何とも物足りなさと蛇足感がある若手X-MENだった。

若者5人と彼等を管理する施設の大人一人しか出てこないのも規模感の小ささが出てる。

ラスボスの熊のVFXはそこそ
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ビルとテッドの大冒険(1989年製作の映画)

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頭空っぽなギター少年らが電話ボックス式タイムマシンで世界の偉人集め。

ご機嫌な作品は気楽に見れるから息抜きに良いね。

二人が作った歌が遠い未来で世界を救い、700年後先では紙のごとく崇められる設定
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あの日々の話(2018年製作の映画)

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たかだか一年や二年くらいしか違わないのにハッキリとした上下関係があるところや、店員が片付け始めてるのにまだうだうだ駄弁るところが最高に大学生だった。

自分が懐かしいと思うモンゴル800とか湘南乃風な
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明日に処刑を…(1972年製作の映画)

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アメリカンニューシネマ風味なスコセッシ長編第1作目。無法者四人組の窃盗生活とその終わり。スコセッシといえど初めからキレキレだったわけではないんだな。銃の威力を存分に感じられる吹っ飛び。バーバラ・ハーシ>>続きを読む

カリギュラ(1980年製作の映画)

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この作品が上映禁止になったことで逆に話題になったことから「カリギュラ効果」が生まれたんだ。

史劇を撮す場面とポルノシーンがなんかチグハグしてるなーと思ったら、どうやら制作で大分もめてたみたい。

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サーティーン あの頃欲しかった愛のこと(2003年製作の映画)

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むしろ家庭環境が複雑でないところでも非行に走る事はあるだろうし、親という逃げ道を用意してるだけまだ優しい方なのかも。

まだ自分で責任が取れない年齢で悪ぶってイキる姿ほど痛々しいものはない。

自分の
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あのこは貴族(2021年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

東京に暮らす27歳女性の現在地がよく分かる解像度の高い作品だった。

自分が立ってる場所から見える景色しか無いのは確かにそうで、階層が違う人達の見え方なんて仲良くならない限り想像するしかない。

門脇
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花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

やっぱり坂元裕二の書くモノローグが好き。

映画を見終わったらそれだけでひと恋愛を終えた気分になるくらい始めから終わり(とその後)が詰められた5年間だった。

ただ映画や小説、美術館などのカルチャーを
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恋するけだもの(2020年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

白石監督にはメジャーな商業作品で小銭を稼いでもらって、たまにこういったスルフイングした作品を撮って貰えればそれだけで満足。それくらい濃厚な白石印のラブコメを堪能した。

祝、江野祥平カムバック。

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藁にもすがる獣たち(2018年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

原作が日本だからか韓国映画らしい陰鬱さや凄惨さは控え目で、確かに血は多いけど打撃の瞬間は映ってないし、程よくグロくむしろエンタメ成分が濃くて見やすかった。
感覚としては『運命じゃない人』とか『アフター
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悲愁物語(1977年製作の映画)

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スポ根からストーカー映画への急ハンドル。原田芳雄は宗方コーチ。江波杏子の般若顔。影で隠す裸体がかえってセクシー。サインの千切り。ラストはアバンギャルド。鈴木清順だもの、普通にはいくまい。

COLD WAR あの歌、2つの心(2018年製作の映画)

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混乱する戦況から男女の恋愛だけをピックアップしてモノクロの美しい映像に仕立てる監督の映像マジックを楽しむ。

映像と歌に酔いしれて話や人物の内面までは入ってこず。

プリシラ(1994年製作の映画)

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広大な砂漠の道を、ただひたすらバスで進む旅の解放感に浸る。

自分にとってどこが生きやすい場所かは人生をかけて探さなければ行けない。あるいはもがいているうちに自然と辿り着くものかもしれない。