天津甘栗さんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

天津甘栗

天津甘栗

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マルティニークからの祈り(2014年製作の映画)

3.0

エメラルドグリーンの海が広がる浜辺を見て、ハバナを連想したら通りでカリブ海。
韓国領事、お役所仕事に相当いらつく。韓国警察がボロクソなのはいつもの事だけど、韓国映画って本当に権威側をコミカルぽんこつに
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雪山の絆(2023年製作の映画)

3.6

史上随一の生々しい墜落シーンの後、ずっと寒くて、ずっとツラい。
眼前へ真っ白に広がる、残酷なまでに雄大な地獄。

遺体を食べるなど、きっと神が許さない。そんな所業を行ったら、神に見捨てられてしまうこと
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エール!(2014年製作の映画)

3.2

CODAから入ったのであらゆる点で物足らなさを感じてしまいました。
話の筋も登場人物もほぼ同じなのに、演出によってこうも捉え方が変わるものかと思った。

まず、本作のポーラは CODAのルビーと比べて
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火花(2017年製作の映画)

3.7

期待してなかったけど良かった!関西弁ネイティブ2人の会話の間がむっちゃ良い。日常的にフってボケる能力を身に付けたいと思う作品でした。

菅田くんはやはり超絶器用で、漫才うますぎ。二ちょけん川谷との解散
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ブリキの太鼓 ディレクターズカット版(1979年製作の映画)

3.1

見た目は子ども、頭脳は大人、その名は太鼓の達人オスカル。

欲深い愚かな大人を見て自身の未来に幻滅したオスカルは、3歳で成長を止めた。同時に奇声で周囲のガラスを破壊する能力を身につける。それらは哀しき
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泣く子はいねぇが(2020年製作の映画)

3.2

ガン詰めしてくるうちのかわいい嫁吉岡里帆の刺すような視線がツラい。かわいい。いややはりツラい。ツラかわいい。ただあの状況は酒飲むよね。うん、飲んじゃう。ギバちゃん怖いもの。ごめん。流石に幸い露出癖はな>>続きを読む

CUBE 一度入ったら、最後(2021年製作の映画)

1.5

CUBEをリメイクするのなら、トラップの恐ろしさからくるヒリヒリ感とグロ表現の鮮度をどこまで保つことが出来るか、これに尽きる。
なのにキャストを見た瞬間に想像できる超絶マイルド描写。加えて行動、言動が
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クーリエ:最高機密の運び屋(2020年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

冷戦下でのキューバ危機時、世界特に米国で流れていた切迫した空気感を感じ取れる映画。地味ではあるが見応え充分。副題には違和感。
逮捕劇から収監以降のボルテージの上がり方と反比例し、げっそりとやつれるカン
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マーターズ(2007年製作の映画)

3.1

このレビューはネタバレを含みます

ホラーというジャンルに疎いもので、あんまり深く考えずに見出したらえらい怪作でした。もうとにかくエグい痛い不快がエンドレス。痛いぜランキングにばちこんランクインしました。
頭に刺さった巨大ホッチキス抜く
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⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

幼少期、鬼太郎のキャラ枕で寝ていた第3期世代です。境港の水木しげる記念館には行ったことがあるのですが、主要妖怪のフォルムと名前を知っているだけでエピソードはほとんど覚えていません。

ゲゲゲの鬼太郎エ
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ゲキ×シネ「蛮幽鬼」(2010年製作の映画)

3.3

巌窟王と訳されるフランス文学の復讐劇、アレクサンドル・デュマ著「モンテ・クリスト伯」をモチーフにしている作品。
ギャグは最小限、終始シリアスな救いのない暗めのストーリーが好みでした。
本作オリジナルキ
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SKIN/スキン(2019年製作の映画)

3.0

肌に刻まれた数多のタトゥーは、自身を形成した呪縛のしるし。除去には自己否定という激しい痛みを伴う。
だが、俺は痛みに耐える。それが唯一、生きる道を取り戻す方法だから。

短編ver.の方が、短尺の中の
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SKIN 短編(2018年製作の映画)

3.5

毒蛇の見分け方。
アメリカの黒人差別と銃社会、それが及ぼす未来への影響を端的に著した作品。
どぎつい20分間で、冒頭からぎんぎんに迸る不穏極まり無い緊迫感。終始ヒリヒリと心臓が痛かった。

血と骨(2004年製作の映画)

3.7

金銭欲と性欲と支配欲の権化。理屈、理性なんぞ皆無の怪物。エゴの塊、嫌われたけしの一生。
胸くそ悪くなる内容だが完成度は高い。『ゴジラ-1.0』などより高精度で昭和中期の陰鬱な雰囲気が捉えられており、終
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黒い司法 0%からの奇跡(2019年製作の映画)

3.3

『13th 憲法修正第13条』と合わせてみるべし。歴史の繋がりから黒人(マイノリティ・弱者)がハメられるように、守る対象から外れるようにルール・司法は構成されているのだという事がよくわかる。

差別制
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灼熱の魂(2010年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

精神的に不安定だった母が亡くなった。放心状態の末の、突然の死だった。もちろん悲しく、寂しく思った。しかし同時に、肩の荷がおり気が軽くなった心地も覚えていた。
母は妙な遺言を残した。死んだと知らされてい
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虐待の証明/ミス・ペク(2018年製作の映画)

3.0

加害者側の虐待の背景描写や、社会構造の問題を浮き彫りにするようなアプローチがもうちょっと欲しかった。
あと女同士の取っ組み合いをシンプルに見せると映画的に栄え難いんだなぁと感じた。
虐待姐さんの卑屈な
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犯罪都市(2017年製作の映画)

3.3

レスラーのようなガタイのマドンソク兄貴の魅力が爆発。パンチ、張り手がむちゃくちゃ重たそう。がちむちの武闘派だがユーモアのある人間性もチャーミング。 「1人か?」「ん。まだ独身だ」ここ好き。

(2023年製作の映画)

3.6

戦国BL版アウトレイジ。男の世界の切った張った。
表向きは忠義・仁義を重んじながら、腹の内にあるのはエゴイズムのみ。裏切りに次ぐ裏切り。そしてそこに深く関わるのは、情欲。

たけしが描きたい血生臭さや
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市子(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

地元、阪奈トンネルががっつり出てきて嬉しかった。物語上ネガティヴスポットではあるけど嬉しい。

本作の見所は、何と言っても杉咲花の新境地。これに尽きる。無味無臭の国民的少女女優からの脱却、覚醒をここに
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サトナム -インド初のNBA選手となった男-(2016年製作の映画)

3.2

アメリカさんの口のうまいポジティブな善意の市場開拓っぷりに、骨の髄まで浸透している資本主義思想をむちゃくちゃ感じた一本。

本作でサトナムの苦労を見ると、1巡目9位指名の八村塁、そして叩き上げでNBA
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ハリー・ポッターと賢者の石(2001年製作の映画)

3.8

人気シリーズ第1作目。キラキラとわくわくがふんだんに詰め込まれた作品。初回は公開当時に今はなき映画館で友人とみた。何度も観てるけどようやくレビュー。

映画自体のピークは中盤の9と3/4番線〜ホグワー
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あなたの名前を呼べたなら(2018年製作の映画)

3.0

インドの貧富格差、階級社会をヒシヒシと感じる作品。心と心が近付いていく様子を丁寧に描く。邦題正解の方。
御曹司とメイド、2人の心の重なりを決定付けたのはインドに流れる血。太鼓のビートは命の鼓動、なーっ
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バトル・ロワイアル(2000年製作の映画)

3.7

「この国はすっかりダメになってしまいました。そこで今日はみなさんに、ちょっと殺し合いをしてもらいます。」

何度目かの再見。東映の荒波と共にヴェルディのレクイエムで始まる戦慄のオープニングが超絶センセ
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ディープ・インパクト(1998年製作の映画)

4.0

世界の終わりのカウントダウン。あなたなら訪れる最期をどう過ごすか。

ノアの方舟への一般抽選乗船条件は、50歳以上は基本対象外であり、未成年が選ばれる場合においてのみ家族単位で選ばれるという合理的な規
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メランコリック(2018年製作の映画)

3.5

ゆるっと殺しのアルバイト。
近所の銭湯で殺人・遺体処理が行われているという、日常のすぐそばに転がっている残虐性が本作の最大のウリ。主役の鍋岡くんヒロイン副島さんら各演者が醸し出す、ぎこちないナチュラル
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ザ・ウェイバック(2020年製作の映画)

3.3

っぱバスケはいいすね。
弱小チームが勝てるようになる裏付けが弱めだけど、コーチカーターよりコーチベンアフの方が人柄的には好みで良かった。チームの向上とは対照的に、自身は苦しみから逃れられず堕ちていく、
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ベネデッタ(2021年製作の映画)

3.3

サイボーグのアクション映画、エロティックサスペンス、ぶっ飛びSF、WW IIの女スパイ、そして今作は宗教物の伝記。ヴァンホーヴェン作品の際限のない振り幅には本当に驚かされる。
教会が福音をもたらす精神
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FUNAN フナン(2018年製作の映画)

2.9

クメールルージュの狂気。
ただ、狂いっぷりの表現がややマイルド。クメールルージュ時代を知るなら他の実写作品の方がいい。アニメならばより自由にシビアな表現ができるだろうに、シンプルストーリーすぎてだれち
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ユナイテッド93(2006年製作の映画)

3.1

ドキュメンタリータッチでカメラの揺れが激しい、911を描いた作品。
管制センター、管制塔での情報錯綜っぷり、混乱がよくわかる。ほぼ同時に4機もハイジャックされたらそりゃ混乱するわな…。
後半は反撃する
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ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

無骨で真っ当で、良くも悪くもザ邦画のこれぞ正統派ゴジラ。
その名の如く、鮮烈にゴジラのスタンダードを塗り替えた『シン・ゴジラ』のエヴァでポップな異質の味わいが一層際立つほど。
ゴジラの地鳴りのような足
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ラブ&ポップ(1998年製作の映画)

3.0

庵野秀明の性癖を純度100%で表現した作品。
おっさんが女子高生の虚無感を語る時点でキモいのに(これは村上龍発信)、スカートの中が見えそうなカメラのローアングルが輪にかけてひじょーにキモい。シンウルト
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映画プリキュアオールスターズF(2023年製作の映画)

4.0

初のプリキュア映画館鑑賞with長女ちゃん。

いやはや良かった。女の子版ジャンプやわ。「友情・努力・勝利」ならぬ、「キラキラ・かわいいは・正義」だわ。
フリーザ様やカーズ、ラオウなど最強ボスと対峙し
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(2020年製作の映画)

2.9

菅田将暉✖︎小松菜奈の個性派夫婦(婚前)をメインキャストに据えた、個性のない王道シンプルストーリー。もうちょっと伏線はったどんでん返しや、ひりつく感じが欲しかった。
10年程に渡る男女のすれ違いと巡り
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ゴジラvsコング(2021年製作の映画)

2.7

このレビューはネタバレを含みます

次々にモンスターたちが現れた、祭りだワッショイ的な前作から比べるとインパクトがかなり薄く、バトルシーンほぼ憶えてない。印象濃く残ったのはトランス小栗んのピスタチオ化。
コングはゴジラのライバル?だっけ
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