天津甘栗さんの映画レビュー・感想・評価

天津甘栗

天津甘栗

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ナイト・オン・ザ・プラネット(1991年製作の映画)

2.7

夜の街のドライブだからか、行間たっぷりのゆったりとしたテンポ感からか、戸田なっちゃん語字幕の影響か、この会話劇が愉しめるほどに人生レベルが足りていないのか、作品との相性か、単に仕事の疲れによるコンディ>>続きを読む

二重性活 女子大生の秘密レポート(2016年製作の映画)

3.0

映像は鮮度高く、ベルリンの街並みが色彩鮮やかで、ハウスミュージックで織りなす音楽もポップでハイセンス。こんなC級ポルノのような邦題とジャケットでなかったら青春映画としてそれなりに好評を得られたかも。>>続きを読む

月曜日のユカ(1964年製作の映画)

3.2

大したストーリーではないし演技もしょぼいんだけど、小悪魔系ビッチ加賀まりこが美貌無双。
棒読みからの「悪い女でしょうか」の顔。ビジュ大・爆・発。

加賀さん当時若干19才。くりっとした目とぽてっとした
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ゲキ×シネ 『髑髏城の七人』 Season 花(2019年製作の映画)

3.6

数あるシリーズ作の中でもオーソドックスな正統派パターン。これぐらいシンプルテイストの方が自分は好き。
ワカドクロの時よりも良い塩梅に力が抜けて色気が増し捨之介を完全にモノにした小栗旬と、声を枯らして絶
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ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー(2023年製作の映画)

3.0

マリオには馴染みが深すぎて、平面のゲームキャラクターという確固たる概念が刻み込まれています。
そのため、イタリア系移民の配管工という出自や、パルクールの達人など、現実との繋がりを感じられる平面世界には
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竜とそばかすの姫(2021年製作の映画)

3.6

仮想空間、晒しによる誹謗中傷、美女と野獣、児童虐待、自己の解放によるトラウマ克服などなど。流行りの各構成要素の繋ぎがかなり強引で飲み込み難い。

ただ、色彩豊かな豪華絢爛な映像や、ベルの透明感ある美し
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太陽の塔(2018年製作の映画)

3.7

「人類の進歩と調和」と聞くと、大阪万博よりも20世紀少年を連想する世代です。

本作は20数人のかしこが太陽の塔について語るドキュメンタリー。
中でも民俗学者赤坂憲雄さんが最も印象的でした。すごく静か
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イコライザー2(2018年製作の映画)

3.0

マッコールさんは百戦錬磨の同僚相手でも無双状態。チートな強さは相変わらず。
一切隙を見せず一瞬たりとも背を向けず、ニッコニコでおまいら殺す宣言をして相手の娘を人質に脱出を図る流石の手際。

マッコール
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イコライザー(2014年製作の映画)

3.4

世のため、人のため、平和のため。クールでチートな凄腕必殺仕事人、ロビンフッドや五右衛門的なデンゼル・ワシントンのハードボイルドアクション映画。

デンゼル・ワシントン扮するマッコール氏の立ち振る舞いは
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ブロウ(2001年製作の映画)

3.6

これは!意外な掘り出し作品。
現在のアメリカ麻薬文化へ繋がる歴史を知れ、演者が素晴らしく、物語の運びもしっかりしているので集中して見ることができました。

1970年代から80年代にかけて、アメリカ全
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ビフォア・サンライズ 恋人までの距離(1995年製作の映画)

3.8

数年後は、数ヶ月後は、数日後には明日にはこの気持ちが醒めて、違う考え方の自分になるのはわかっている。だからこの今この時が尊く、それは切なく、苦しい。
この気持ちの高鳴りは今、この時だけ。
ふと思い出す
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WEEKEND ウィークエンド(2011年製作の映画)

3.1

彼らは二十代後半ぐらいなのかな。ある程度人生経験は積んだものの、将来に不安があって自信が無くて、でも我と欲は強くて。なにか途方も無く気怠い。その気怠さを紛らすためならコカイン、マリファナ当たり前。繋が>>続きを読む

約束のネバーランド(2020年製作の映画)

2.5

カズオ・イシグロの『わたしを離さないで』に設定も雰囲気も似てる。ジャンプの漫画原作なんですね、全く知らなかった。
ずっと白い服を着ながら緑の森や草原で戯曲っぽく問答を続ける、地に足のつかない浮遊感のあ
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新感染半島 ファイナル・ステージ(2020年製作の映画)

2.8

息を吐く間も無く次々にゾンビが迫る凄まじいジェットコースター展開と、父親の不器用な愛に震えた前作。
今作では物語全体のテンポ、ゾンビ化する時のシークエンス、人間模様等、あらゆる面でのクオリティが低下。
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トガニ 幼き瞳の告発(2011年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

映画史上最も醜悪な双子がえげつない。

本作大ヒットの後、韓国世論は加熱。事件の再捜査を求める声が広がり、遂には児童や障がい者女性への性的虐待の厳罰化と、公訴事項を廃止する法律、通称「トガニ法」が成立
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マルティニークからの祈り(2014年製作の映画)

3.0

エメラルドグリーンの海が広がる浜辺を見て、ハバナを連想したら通りでカリブ海。
韓国領事、お役所仕事に相当いらつく。韓国警察がボロクソなのはいつもの事だけど、韓国映画って本当に権威側をコミカルぽんこつに
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雪山の絆(2023年製作の映画)

3.6

史上随一の生々しい墜落シーンの後、ずっと寒くて、ずっとツラい。
眼前へ真っ白に広がる、残酷なまでに雄大な地獄。

遺体を食べるなど、きっと神が許さない。そんな所業を行ったら、神に見捨てられてしまうこと
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エール!(2014年製作の映画)

3.2

CODAから入ったのであらゆる点で物足らなさを感じてしまいました。
話の筋も登場人物もほぼ同じなのに、演出によってこうも捉え方が変わるものかと思った。

まず、本作のポーラは CODAのルビーと比べて
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火花(2017年製作の映画)

3.7

期待してなかったけど良かった!関西弁ネイティブ2人の会話の間がむっちゃ良い。日常的にフってボケる能力を身に付けたいと思う作品でした。

菅田くんはやはり超絶器用で、漫才うますぎ。二ちょけん川谷との解散
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ブリキの太鼓 ディレクターズカット版(1979年製作の映画)

3.1

見た目は子ども、頭脳は大人、その名は太鼓の達人オスカル。

欲深い愚かな大人を見て自身の未来に幻滅したオスカルは、3歳で成長を止めた。同時に奇声で周囲のガラスを破壊する能力を身につける。それらは哀しき
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泣く子はいねぇが(2020年製作の映画)

3.2

ガン詰めしてくるうちのかわいい嫁吉岡里帆の刺すような視線がツラい。かわいい。いややはりツラい。ツラかわいい。ただあの状況は酒飲むよね。うん、飲んじゃう。ギバちゃん怖いもの。ごめん。流石に幸い露出癖はな>>続きを読む

CUBE 一度入ったら、最後(2021年製作の映画)

1.5

CUBEをリメイクするのなら、トラップの恐ろしさからくるヒリヒリ感とグロ表現の鮮度をどこまで保つことが出来るか、これに尽きる。
なのにキャストを見た瞬間に想像できる超絶マイルド描写。加えて行動、言動が
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クーリエ:最高機密の運び屋(2020年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

冷戦下でのキューバ危機時、世界特に米国で流れていた切迫した空気感を感じ取れる映画。地味ではあるが見応え充分。副題には違和感。
逮捕劇から収監以降のボルテージの上がり方と反比例し、げっそりとやつれるカン
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マーターズ(2007年製作の映画)

3.1

このレビューはネタバレを含みます

ホラーというジャンルに疎いもので、あんまり深く考えずに見出したらえらい怪作でした。もうとにかくエグい痛い不快がエンドレス。痛いぜランキングにばちこんランクインしました。
頭に刺さった巨大ホッチキス抜く
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⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

幼少期、鬼太郎のキャラ枕で寝ていた第3期世代です。境港の水木しげる記念館には行ったことがあるのですが、主要妖怪のフォルムと名前を知っているだけでエピソードはほとんど覚えていません。

ゲゲゲの鬼太郎エ
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ゲキ×シネ「蛮幽鬼」(2010年製作の映画)

3.3

巌窟王と訳されるフランス文学の復讐劇、アレクサンドル・デュマ著「モンテ・クリスト伯」をモチーフにしている作品。
ギャグは最小限、終始シリアスな救いのない暗めのストーリーが好みでした。
本作オリジナルキ
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SKIN/スキン(2019年製作の映画)

3.0

肌に刻まれた数多のタトゥーは、自身を形成した呪縛のしるし。除去には自己否定という激しい痛みを伴う。
だが、俺は痛みに耐える。それが唯一、生きる道を取り戻す方法だから。

短編ver.の方が、短尺の中の
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SKIN 短編(2018年製作の映画)

3.5

毒蛇の見分け方。
アメリカの黒人差別と銃社会、それが及ぼす未来への影響を端的に著した作品。
どぎつい20分間で、冒頭からぎんぎんに迸る不穏極まり無い緊迫感。終始ヒリヒリと心臓が痛かった。

血と骨(2004年製作の映画)

3.7

金銭欲と性欲と支配欲の権化。理屈、理性なんぞ皆無の怪物。エゴの塊、嫌われたけしの一生。
胸くそ悪くなる内容だが完成度は高い。『ゴジラ-1.0』などより高精度で昭和中期の陰鬱な雰囲気が捉えられており、終
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黒い司法 0%からの奇跡(2019年製作の映画)

3.3

『13th 憲法修正第13条』と合わせてみるべし。歴史の繋がりから黒人(マイノリティ・弱者)がハメられるように、守る対象から外れるようにルール・司法は構成されているのだという事がよくわかる。

差別制
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灼熱の魂(2010年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

精神的に不安定だった母が亡くなった。放心状態の末の、突然の死だった。もちろん悲しく、寂しく思った。しかし同時に、肩の荷がおり気が軽くなった心地も覚えていた。
母は妙な遺言を残した。死んだと知らされてい
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虐待の証明/ミス・ペク(2018年製作の映画)

3.0

加害者側の虐待の背景描写や、社会構造の問題を浮き彫りにするようなアプローチがもうちょっと欲しかった。
あと女同士の取っ組み合いをシンプルに見せると映画的に栄え難いんだなぁと感じた。
虐待姐さんの卑屈な
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犯罪都市(2017年製作の映画)

3.3

レスラーのようなガタイのマドンソク兄貴の魅力が爆発。パンチ、張り手がむちゃくちゃ重たそう。がちむちの武闘派だがユーモアのある人間性もチャーミング。 「1人か?」「ん。まだ独身だ」ここ好き。

(2023年製作の映画)

3.6

戦国BL版アウトレイジ。男の世界の切った張った。表向きは忠義・仁義を重んじながら、腹の内にあるのはエゴイズムのみ。裏切りに次ぐ裏切り。そしてそこに深く関わるのは、情欲。

たけしが描きたい血生臭さや身
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市子(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

地元、阪奈トンネルががっつり出てきて嬉しかった。物語上ネガティブスポットだけど。

本作の見所は、何と言っても杉咲花の新境地。これに尽きる。無味無臭の国民的少女女優からの脱却、覚醒をみた。
小動物感が
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サトナム -インド初のNBA選手となった男-(2016年製作の映画)

3.2

アメリカさんの口のうまいポジティブな善意の市場開拓っぷりに、骨の髄まで浸透している資本主義思想をむちゃくちゃ感じた一本。

本作でサトナムの苦労を見ると、1巡目9位指名の八村塁、そして叩き上げでNBA
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