エーコさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム(2021年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

冒頭、当局の捜査を受けて釈放はされたもののマスコミに追われているピーター・パーカーのもとに盲目の弁護士が現れ、自分のような腕利きの弁護士が必要だと諭す場面で、突然窓を破って飛んできたレンガを、その弁護>>続きを読む

デス・ウィッシュ(2017年製作の映画)

3.3

安心して見れるけど、もう少しなんかやってくれないだろうかと思った。だいぶ製作は難航していたっぽいから、真面目に仕事を完成させたという感じか。

100,000年後の安全(2009年製作の映画)

-

フレデリック・ワイズマンの映画ではないので当たり前だけど、フレデリック・ワイズマンの映画では決して使われないような手法が使われまくる。言語的で、途中で見るのをやめた。

編集が非音楽的。もっと短いか、
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ホテル・ムンバイ(2018年製作の映画)

3.8

映画に出てくるテロリストは能書きを足れずに機械的に動くものをすべて撃てばいい、ということがわかる(黒幕は出す必要さえない、むしろ出さない方がいい)。

靴をなくしたせいで予備の合わない靴を履かされるホ
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トゥー・ウィークス・ノーティス(2002年製作の映画)

4.5

老若男女の愛するアメリカ映画。

ダメ人間エリート社長のヒュー・グラントと人権派弁護士サンドラ・ブロックのラブコメ。いきなり劇場解体工事に体を張って反対する場面から始まり、サンドラ・ブロック以外の二人
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バニシング・ポイント(1971年製作の映画)

-

全然思い出せないけど、止まれない男の出てくる話だった気がする。

オールド・ジョイ(2006年製作の映画)

4.0

おっさん二人と犬が山奥に行って、道に迷って野宿し、翌日に目的地の温泉に入って帰るというだけの映画なんだが(大胆すぎるだろ)、心の深いところに触れられたような感覚があって、素晴らしかったな。「悲しみは古>>続きを読む

サマ(2017年製作の映画)

3.9

とにかく音響が異様で面白い。オフスクリーンから音を響かせる映画はいくらでもあるけど、本作は音そのものがかなり変で、内言のモノローグや、シンセ音とあいまって催眠術をかけられているような気分になる。虫の声>>続きを読む

オールド(2021年製作の映画)

3.9

『ハプニング』、『ヴィジット』以来のカルトなシャマランの気配が濃厚で面白かった。そして嬉しい。

カクテル持って現れる女性の顔がすごいなと思ったが、イーストウッドの娘さんだったのか。

密林の悪魔(2017年製作の映画)

3.2

このレビューはネタバレを含みます

ベトナム戦争の真っ最中、ベトコン側についた悪魔で、元農民のリバー・ゴッドをめぐる挿話。ストロスの「コールダー・ウォー」を映画化したらこんな感じでは?という雰囲気で非常によかった。

記録映像であること
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呪怨 黒い少女(2009年製作の映画)

3.5

時系列や視点をバラバラにして、怪奇現象に襲われる短い挿話を束ねたような形式や、デジタル撮影の画面のきつさ(黒の多いカラー映画)、救いのない展開などが荒々しく、殺伐としていて楽しめた。

壁やドアを一定
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機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ(2021年製作の映画)

4.0

続き物だから不完全燃焼なところはあるけど、かったるい説明や配慮を抜きにガンガン進むところと、凄惨な市街地戦がとてもよかった。

エコテロリストというのは主役に置くのが難しいし、政治議論をプロットに組み
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リバー・オブ・グラス(1994年製作の映画)

4.9

超絶大傑作。天才の仕事だ。静止画にナレーションという意外な冒頭が、そのままするすると粗いビデオ撮影とナレーションに移って、そのあと夫を殺した妻の話になるところ天才の発想じゃないか?(写真をベースに自伝>>続きを読む

拾った女(1953年製作の映画)

3.8

スリ、アカ、刑事の三つ巴に巻き込まれた薄着の女というところ。スリの住処が海辺の今にも水没しそうな小屋というのが意外だが。

二度あるスリのシーンや、終盤の過剰な殴り合い(というか一方的な殴り)が見どこ
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キャッシュトラック(2021年製作の映画)

3.7

ガイ・リッチーがこんな映画を撮るの?と思うくらい、軽薄さのない無骨な犯罪映画になっている。冒頭の空撮からして、粗野な印象があり、その後は『ヒート』のような現金輸送車襲撃シーンに移るのだが、カメラは常に>>続きを読む

モンタナの目撃者(2021年製作の映画)

3.4

どことなく気の毒な悪役を演じるエイダン・ギレンが魅力的だった。絶妙な顔をしている。

クリストフ・ヴァルツに少し雰囲気が似ているというか、殺し屋という役割がしっくりと来ていないようなホワイトカラーっぽ
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マリグナント 狂暴な悪夢(2021年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

連続殺人の悪夢、電気を操る殺人鬼、テレビ番組の強調など、ウェス・クレイヴン『ショッカー』を思わせるような仕立てが連発されるし、家と庭に停められた車の位置とかまんま一緒じゃない?と感じる前半。

ただ、
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ファイナル・プラン(2020年製作の映画)

3.2

序盤は悪くはないが、ゆるいシナリオで楽しみきれなかった。敵が弱くて、打開の手段があちこちに用意されている(共犯の離反、FBI内部からの捜査、証拠のビデオ)ため、予定調和的に感じられた。もっとリーアム・>>続きを読む

ブレードランナー 2049(2017年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

意外と言っては失礼だが、面白かった。ヴィルヌーヴの堅実さというか、作家としての統制が満遍なく注がれている感じで。背景での微妙なアクセントや動きまで満足した。

シルヴィア・フークスがネイルをやってもら
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アオラレ(2020年製作の映画)

3.4

車、道路、携帯電話といった即物的なものばかりを活用したシンプルな活劇を楽しんだ。渋滞の場面が多いのも新鮮で、道路ってやっぱ動線のことを嫌でも考えなきゃいけないから楽しいわ。

公共の場での暴力シーンが
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シン・エヴァンゲリオン劇場版(2020年製作の映画)

2.0

まず冒頭10分が素晴らしい。あのワイヤー吊りの着想元は特撮なんだろうけど、それをアニメでやっていることで独特の不可思議な重力表現ができている。このような場面がせめてあと2回あれば個人的にはまあいいかな>>続きを読む

ザ・ファブル(2019年製作の映画)

2.9

冒頭の謎のエフェクトの必要性がよく分からなかったけど、それ以降はむしろ堅実であまり冒険のない作り方だった。岡田准一の身体能力は確かに凄い。

柳楽優弥は後半に行くにつれてどんどんやり過ぎてしまって映画
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あるメイドの密かな欲望(2015年製作の映画)

3.7

やっぱり見どころは、奥様のいじめで3回階段を上り下りさせられて針と糸とハサミを持ってくるところ。

自然光で撮影された歴史物なのにマイケル・マン『パブリック・エネミーズ』みたいにカメラが荒っぽくて動き
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宮本から君へ(2019年製作の映画)

3.8

しつこいし、くどいが、単調にはなっていないので楽しめたという感じで、ラストの喧嘩も見応えがある。撮影は三宅唱と組んでいた人か。

PTU(2003年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

時間制限があって、一つの事件を中心に、複数の勢力がマクガフィンを追いかけながら交錯し、最後にメキシカンスタンドオフをやるという90年代くらいに流行ったような犯罪映画だった。発端になった拳銃紛失事件がか>>続きを読む

ロケッティア(1991年製作の映画)

3.8

かなり前に見た。以下そのときの感想。

主人公、ヒロイン、悪役を初めとしてあらゆる俳優の顔がディズニーアニメ的な紋切り型を体現しており、そもそも原作がアメコミで、なんだか宮崎アニメのように飛翔と落下に
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リチャード・ジュエル(2019年製作の映画)

3.4

純粋にこういう老練で上手い映画って久々に見たな、と。特に冒頭の挿話にとても感じ入った。

「SECURITY」と書かれた制服が非常に印象に残るように撮ってあるので、ラストシーンで警官の制服を着ているリ
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天才マックスの世界(1998年製作の映画)

4.0

すごい人は最初からすごいというか、2作目ですでに特徴的なスタイルが完成されつつあり、あとはもう完成度をどれだけ高められるかという段階に達している。しかし、一方で後の作品に比べるとまだ雑味が多いように感>>続きを読む

雪の断章 情熱(1985年製作の映画)

4.3

意外性に意外性をぶつけていくような演出の連続に興奮する。特に最初の一時間は全カット見どころと言ってもいいくらい。音の演出含め、前後の流れをぶった切るような編集もかなり多くてこれも観客を飽きさせない工夫>>続きを読む

ラブソングができるまで(2007年製作の映画)

4.5

老若男女が愛するアメリカ映画。
何でもないことのようで、特に作詞風景の光がいい。

ワンダーウーマン 1984(2020年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

とても良かった。ちょうどリチャード・ドナー版『スーパーマン』のような楽天性があるアメコミ映画で、私がヒーローコミックに求めるものが詰め込まれている。

それは例えば執拗に人命救助の場面を挿入し続けると
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誘拐犯(2000年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

若い無法者二人組が、代理母を誘拐して金持ちから身代金を強請ろうと画策するのだが、実はその代理母の依頼主は裏稼業とも通じている大物で、二人の計画は狂い始める。
代理母がまず心変わりして子を自分のものにし
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驟雨(1956年製作の映画)

3.9

上手いけど何でこんなに嫌な気持ちにならなきゃいけないんだ......と思わずにはいられなかった。最後の紙風船もそうだけど、悲喜劇というには殺伐とし過ぎている。救いのように訪れる紙風船の場面も、スピルバ>>続きを読む