塚本さんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

塚本

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キラー・インサイド・ミー(2010年製作の映画)

4.0

ジム・トンプソンの同名小説は幾度か映画化されているが、ケイシー・アフレックの狂いっぷりにおいて、一線を画している。

野いちご(1957年製作の映画)

5.0

その後の映画のスタイルに、大きな影響を与えた傑作。

秋のソナタ(1978年製作の映画)

4.5

スヴェン・ニクヴィストのしっとり艶やかなカメラが美しく、傷ついた心を優しく包み込む。ベルイマン、余裕の逸品。

ジャズ大名(1986年製作の映画)

3.9

喜八作品の中でも、傑作とは言い難く…むしろ失敗作と言っていいかもしれません。
しかし、俺はこの作品が岡本喜八の”最後”の作品だと思っとります。

この映画…映画そのものが狂ってます。世の中が狂う前
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ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)

2.4

…『カイロの紫のバラ』のラスト….もし、ミア・ファローが失意のうちに、ふと映画館に入って思いがけず観た映画が、『トップハット』じゃなく、『ララランド』であったとしたなら、果たして彼女は癒されただろうか>>続きを読む

影なき狙撃者(1962年製作の映画)

3.9


町山智浩氏久々の”映画評論集”「最も危険なアメリカ映画」が滅法面白く、本書で取り上げられている映画作品をここんとこ順繰りに観ております。
中には発禁になっているものもあり、その全てを観ることは叶わな
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ストップ・メイキング・センス(1984年製作の映画)

3.8

ジョナサン・デミが亡くなった。

”「羊たちの沈黙」のジョナサン・デミ”ってことになるんでしょうね、やっぱり…。

確かに名作だとは思うんですが、主演2人と、タク・フジモトによる腰の据わったゴシック感
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ストレンジャー・ザン・パラダイス(1984年製作の映画)

2.0

学生の頃、周りみんな観てたよな~。
3番街シネマで、何故か「真夏の夜のジャス」との併映だった。
モノが溢れてたバブル黎明期、ちょっとミニマムしてみましたー、って感じの、シンプルで、モノトーンな、アパレ
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バットマン(1989年製作の映画)

2.8

スーパーマンと並ぶアメコミのスーパーヒーローの初の映画化である。

俺の中では、アメコミ=スーパーヒーロー=スーパーマン=リチャード・ドナー版・クリストファー・リーブのスーパーマン(そしてスコアはも
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バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)(2014年製作の映画)

3.8

アレハンドロ・ゴンザレス・イ二ャリトゥ(←なんか、武者小路実篤っ!!ってカンジの名前やね)…というより、イニャリトゥとエマニュエル・ルベツキ(撮影監督)のコンビ作が、ベストに2本も入っちゃいました。 >>続きを読む

ミッション:インポッシブル ローグ・ネイション(2015年製作の映画)

3.9

アクションものでこれほどまでのカタルシスを感じさせてくれた作品って、俺はいつ以来だったか…思い出せません。

それと、トム・クルーズってこんなにもカッコよかったんやなぁ、って今更ながら思い知らされま
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テナント/恐怖を借りた男(1976年製作の映画)

4.0

怖かった。。。もう、そりゃ色んな意味で。

ベルトリッチの「暗殺の森」は大衆(マジョリティ)に染まることで、何とか己のアイデンティティを堅持しようとした男の話だったけど、この作品では目に見えない偏見
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イット・フォローズ(2014年製作の映画)

3.6

ネットで、”作中に出てくる文学作品がキー”とあったのを読んで、色々と調べてみた。
一つは、T・S・エリオットの「プルーフロックの恋歌」。
もう一つはドストエフスキーの「白痴」。

なるほど。。(
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戦争のはらわた(1977年製作の映画)

4.6

最初に観たのは高校の時、月曜ロードショーでだったと思う。

「蝶々」とジェームズ・コバーンの高笑い…

それからかなりのブランクがあって、DVDを探してみればバカみたいなプレミアが。
そしてやっと再販
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結婚の条件(1988年製作の映画)

3.6

ジョン・ヒューズの…青春モノでなく大人のお話です。と言ってもそこはジョン・ヒューズ。大人になり切れない男が主人公の作品であります。
若くして結婚したジェイクとクリスティ。クリスティの方は妻という役割を
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マイライフ・アズ・ア・ドッグ(1985年製作の映画)

3.9

E・F・トリーは「分裂病と現代文明」という著者の中で、次のように書いている。

分裂病の正式な登場を打ち鳴らす鐘は、あたかも19世紀の始まりを正確に告げているかのようであった。その時までは、文献の中に
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ニーチェの馬(2011年製作の映画)

5.0

DVDで鑑賞したのだが、まばたきさえも許されない程の緊迫感と終末感に打ちのめされた。
延々と続く長回しカットが冷徹に、極貧である父娘の暮らしの、終末に向かうまでの6日間を切り取って観察し続ける。

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素晴らしき哉、人生!(1946年製作の映画)

4.0

アメリカではイヴの夜に必ず放映され、これまた国民を挙げて必ず家族で観る映画があります。

『素晴らしき哉、人生』

俺もこの映画が大好きなんです。

本当は世界を股に駆けて人生を謳歌すべく、はち切れん
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ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ!(2005年製作の映画)

4.0

粘土でこしらえた造形物をひとこま、ひとこま手作業で動かしてフィルムに収めていく技法による、いわゆる“クレイアニメ”に案外と名作が多い。

NHKで朝、放映されていたスペイン制作の『カペリート』は一話5
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オール・ザット・ジャズ(1979年製作の映画)

4.0

ショービジネスの世界を「なまもの」の質感で描き切った作品でこれ以上のモノを俺は知らない。

虚構が現実を浸食し、融解して行く際のうだるような熱気から湧き立つ、危うい陽炎の中で蠢くプロフェッショナル
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奇跡の海(1996年製作の映画)

5.0

オールタイム・ベストの一本。

「フォレストガンプ」やら「レインマン」やら「アイアムサム」なんかより、俺はこの映画を信じる。

ファニーとアレクサンデル(1982年製作の映画)

4.9

オールタイム・ベストの一本。
ベルイマンのフィルモグラフィの中ではやや大味だが、エンタテインメントに振り切った一代絵巻。

ブルーベルベット(1986年製作の映画)

5.0

オールタイム・ベストの一本。

「イレイザーヘッド」との置き換えも可能。

ストーカー(1979年製作の映画)

5.0

オールタイム・ベストの一本

最初に本作を読み解くキーワードを取り敢えず3つ挙げておきます。

タルコフスキーは……

➊敬虔なクリスチャン、それもギリシア正教の熱心な信者
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8 1/2(1963年製作の映画)

5.0

オールタイム・ベストの一本

男は幻想の女を求め続ける。

男は女が嫌いだ。

男はいつでも逃げたがる。

男は子供。

叫びとささやき(1972年製作の映画)

5.0

オールタイム・ベストの一本
"…そして全ては沈黙に帰した。”

この字幕が出た瞬間、本当にあらゆる全ての事どもが、一瞬、フェイドアウトしたような恐怖を感じた。

時計じかけのオレンジ(1971年製作の映画)

5.0

オールタイム・ベストの一本

中3の秋。。。
この映画で人生を狂わされました。

2001年宇宙の旅(1968年製作の映画)

5.0

オールタイム・ベスト・1

中3の秋。。これを観た私も猿からやっと人間のとば口にたどり着きました。

デビルズリジェクト〜マーダーライドショー2〜(2005年製作の映画)

4.9

もしエドガー・ライトが10年早く生まれてたらなら…こんな映画を作ったかもね…って思う。

エドガー・ライトの作品って、彼が多感な時期にインスパイア(触発)された、ロメロだの、スピルバーグだの、カーペン
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トランボ ハリウッドに最も嫌われた男(2015年製作の映画)

3.8

彼の名声は俺が映画を本格的に観始めた頃から、ハリウッドの歴史に刻まれし偉人として、俺の“映画脳”にしっかり刻印されたまま今日に至っておりました。
…その刻印とは、決して憧憬やリスペクトというポジではな
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ムカデ人間2(2011年製作の映画)

4.5

いやー、愉快、愉快。

なんでもっと早くにコレ、観んかったんやろ。“人間、やればできる!”、“人間の想像力は無限だ!”、…「これは人生、するか、しないか…という場面で、“する!”を選んだ、勇気と、そ
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ボーダーライン(2015年製作の映画)

3.9

ここにきて前3作を糧に、ついに自身のスタイルを確立したんじゃないかな、と。「特攻大作戦」や「ワイルドギース」のようなケイパーかものとしてのジャンルものの醍醐味、「バーン・アフター・リーディング」のよう>>続きを読む