monomiyuzanさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

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セールスマン(2016年製作の映画)

4.0

相変わらずのバッドエンド

名匠アスガーファルハディらしい人間の機微を丁寧に描写したサスペンス作品であるがもれなくバッドエンドなのでずっしりのしかかるような重たさがある。ぶつけどころのない怒りは結局自
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王の運命 歴史を変えた八日間(2015年製作の映画)

4.0

追い詰められたユアイン

じわじわと実父にいたぶられ追い詰められてついに発狂したユアインの姿に今の薬物依存を重ねないわけにはいかない。役に対して真摯であればるほど自分自身を削っていったのだと想像すると
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尚衣院 サンイウォン(2014年製作の映画)

4.0

鉄板の韓国宮廷物語

世襲権力出世欲陰謀裏切りと鉄板のテーマを詰め込んだ華やかな韓国宮廷作品であるが軽いタッチで描かれてるので爽やかな作風であった。どろどろの展開を期待してると肩透かしを食らうかも。

プロミス ~氷上の女神たち~(2016年製作の映画)

4.0

細かいことは気にしない

脚色にやや誇張がありすぎたが(脱北者の姉妹の絡みとか)細かいことは気にせずにどっぷりゲームの高揚感に浸れるのがスポ根物の強み。オダルスが入るとどうしてもコメディ寄りに傾くきら
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ぼくたちのムッシュ・ラザール(2011年製作の映画)

4.0

不公平な死と向き合う

学校の教室で担任が自殺と言う衝撃的な幕開けでスタートする物語であるがその後の展開に過剰な演出や感動があるわけでもなく大人も子供も淡々とその不公平な死に向き合う姿に美しささえ感じ
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プリンス&プリンセス(1999年製作の映画)

4.0

平面を立体的に魅せる技法

影絵に立体感と表情を与える独特の手法がさすがのアニメーション。シンプルな表現美にはやはりシンプルなストーリーが良く似合う。西宮から富士山まで一晩で辿り着くのはさすがに無理が
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ほとぼりメルトサウンズ(2021年製作の映画)

3.0

右から来たものを左へ受け流す

独特の世界観と脚本で尖った風の作品ではあるが内容はまるで尖ってない。終始たらたらと耳元で右から左へ流れる生活音のような緩い映画であった。主演の女の子が趣里に似ているなあ
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離ればなれになっても(2020年製作の映画)

4.0

壮大な叙事詩

イタリア気質らしい大らかな恋愛観で友達が恋人になったり友達と友達が引っ付いたり別れたりと波乱万丈な友情を30年と言う長いスパンで描いた壮大な人生叙事詩であったが一切長さを感じないスムー
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追想ジャーニー(2022年製作の映画)

3.0

晴馬君が重なった

主演の男の子が若かりし日の三浦春馬を彷彿とさせるなよなよ系美男子で昔の晴馬君を思い出してああこんな感じだったよなあ似てるなあと思ってるうちにエンディングを迎えてしまった短っ。設定が
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よりそう花ゝ(2019年製作の映画)

3.0

消化不良

韓国版おくりびとと言った内容であるが登場人物が少ないのだから親子と隣人親子像だけを掘り下げて丁寧に人物背景を描いたほうがよかったのでは。チャンさんの話とかが余計。散らかしたまま放り投げた終
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長ぐつをはいたネコと9つの命(2022年製作の映画)

3.0

浦島太郎

ドリームワークスらしい人の優しさ思いやりを大切にという普遍的なテーマの秀作であったとは思うのだが久々に目にした長靴をはいた猫やその他のキャラにそれほどトキメクものがなかった。やはり創作の世
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ラーゲリより愛を込めて(2022年製作の映画)

4.0

くどくてよかった

お涙頂戴前提のくどい物語であるがこういう古典的な作品こそ瀬々さんの真骨頂。何度も何度も醒めそうになる瞬間はあるのだが(クロが船を追いかけてくるとことか奥さんが庭で号泣するとことか)
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天間荘の三姉妹(2022年製作の映画)

4.0

東北鎮魂歌

このストーリーで東北の震災を重ね合わせる人は多いであろう。人は死んで終わりではない想いは遺された人の中にずっと生き続けるというメッセージが心をえぐる。三姉妹良かったですね。能年玲奈は演技
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あつい胸さわぎ(2023年製作の映画)

4.0

たー坊に全部持ってかれた

田舎を舞台にした少女の日常や葛藤そしてそれを支える周りの人間の優しさを丁寧に淡々と描いた良作であった。ぎごちない関西弁に多少違和感を感じるが常盤貴子を始め演者さんが自然体だ
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ALIVEHOON アライブフーン(2022年製作の映画)

4.0

勘違いしないで

作品の世界観に触発されて公道で無茶な運転するアホが続出しそうなほど臨場感あふれる映像であった。レース物の特性としてストーリーが単純ゆえにいかに迫力あるレースシーンを演出できるかが全て
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デリシュ!(2021年製作の映画)

4.0

料理界のフランス革命

貴族や一部の特権階級のためであった外食産業を一般市民にも開放しレストランの礎を作ったおっちゃんの話。たぶんこれ実話ベースなのであろう。かなり雑な脚本であったがそれが逆にフランス
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パラレルワールド・シアター(2018年製作の映画)

4.0

生々しい

演劇というコアな世界に憑りつかれてしまった人そしてそれを手放してしまった人まだじたばたともがいている人。その全ての演劇人にとっては痛いほど刺さりまくる作品であろう。世界線が余りにもピンポイ
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ハッピーニューイヤー(2021年製作の映画)

4.0

たまにはおとぎ話もいい

全てがハッピーに導かれるおとぎ話のような物語であるがラブアクチュアリー同様誰も傷つかない傷つけない夢物語もたまにはいいものである。さすがに三食これなら鼻につくとは思うが。

インディ・ジョーンズと運命のダイヤル(2023年製作の映画)

4.0

ついに預金に手を出したハリウッド

マンネリ気味のCG一辺倒作品が飽和状態になってきたハリウッド映画界はついに過去の功労者に頼らざるを得ないところまで追い込まれてしまった感は否めないがそういうのを差し
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オードリー・ヘプバーン(2020年製作の映画)

3.0

光と影

ドキュメンタリーだから仕方ないとは思うのだがやはりオードリーには輝かしいトップアイコンとしての存在であり続けてほしい。後半生の余生はどうしても人間臭さが漂って重苦しい。スターだった時の華やか
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バビロン(2021年製作の映画)

3.0

削る所は削れる勇気も才能

これもとにかく長い。どのシーンも思い入れがあるのは解るが観る人のことを考えて削れるところは潔く削れる決断力も演出家として必要な才能だとつくづく思う。セッションで一躍脚光を浴
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ワン セカンド チャンピオン(2020年製作の映画)

3.0

良くも悪くも香港っぽい

ダメダメ人間が愛する子供のために生まれ変わるというありきたりなスポ根ものであるが生まれながらに1秒先の未来が見えるという設定で多少は目新しさもある。ただしやはりそこは香港なの
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土を喰らう十二ヵ月(2022年製作の映画)

3.0

べた凪

予想はしていたがそれを上回るほどなんの起伏もない単調な物語であった。原作が作家さんの料理エッセイ本だからこんなもんなのかもしれないがどうせ映画にするなら。森で熊に出くわしてじじいを庇った犬が
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RRR(2022年製作の映画)

3.0

長いわ

バーフバリシリーズに比べると映像に力を入れすぎて(動物のCGとか)ストーリーがかなり大味になってしまった。虫けらのように殺されるイギリス人の気持ちを考えると無邪気にはしゃげない。そして何より
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空気殺人~TOXIC~(2022年製作の映画)

4.0

なんやこの邦題

てっきりホラー系の映画かと思って身辺整理してたのに(特に飲み物の位置とか)実際には薬害問題がベースの企業との裁判劇と言う硬派な作品であった。多少演出や設定に稚拙な面はあるが実話と言う
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アウシュヴィッツのチャンピオン(2020年製作の映画)

4.0

したたかに生きる

アウシュヴィッツを舞台にした実話ならではの重苦しい品あるがどんな状況でも生き残るための強かさは忘れてはいけないという戒めにもなる。それにしてもドイツは何年経ってもことごとくディスら
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神々の山嶺(2021年製作の映画)

4.0

日本リスペクト

日本の漫画をフランスでアニメーション化というパターンであるが登場人物の設定が日本人のままというところにフランス人の日本のアニメ文化に対する限りないリスペクトを感じる。シティハンターも
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パーフェクト・ドライバー/成功確率100%の女(2020年製作の映画)

4.0

整形必要なし

とにもかくにもパクソダムがかっこかわいい。無理に二重にしたりあれやこれやと顔をいじらないでも人間の魅力は中から溢れてくるといういい見本である。

沈黙のパレード(2022年製作の映画)

3.0

詰めが甘い

前半の謎解き部分は実に面白いものがあるが種明かし以降のストーリーが浅いのは前作の真夏の方程式と同じ。このシリーズを存続させたいのならそろそろ脚本を外部に委ねたほうがいいのかもしれないキャ
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ボイリング・ポイント/沸騰(2021年製作の映画)

4.0

笛吹きケトル

鳴りっぱなしのやかんを誰も止められないようなストレスの塊のような作品であったが最初から最後までそれがワンカットで続くのだからラストはそうなるしかないであろうという結末。もうちょっと厨房
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彼女が消えた浜辺(2009年製作の映画)

4.0

怒涛の会話劇

小さな嘘がやがて大きな渦となって人間の醜さが露出し始める。というアスガーファルハディ真骨頂の人間ドラマであるがサスペンスの要素も含んでるので会話だけでぐいぐい真実に迫っていく描写はさす
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オアシス(2002年製作の映画)

4.0

みんな若い

当然のことながらソルギョングもムンソリもそしてイチャンドンもみんな若い。その若さの分だけ荒削りな要素の多い作品ではあるが社会から疎外された人間の怒りだとか悔しさだとか苛立ちだとかをありの
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ラスト、コーション(2007年製作の映画)

4.0

濃密

愛もエロも欲望も裏切りも全てが濃密な作品であった。ブロークバックマウンテンと並んでアンリーの最高傑作。身体を張ったタンウェイがスターへの道を掴んだ登竜門でもある。

劇場版 ソードアート・オンライン -プログレッシブ- 冥(くら)き夕闇のスケルツォ(2022年製作の映画)

3.0

まだまだ続くよ

繋ぎであるのは端から解ってはいたがやはり中途半端が過ぎた。まあこのゲームをクリアするには一つ一つ階段を登っていくより他ないであろう。いっそのこと結末を待たずに抜け出せるアイテムが欲し
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劇場版 永遠ノ矢トワノアイ(2021年製作の映画)

4.0

アイヌの誇りとは差別とは偏見とは

教科書や学校で学ぶよりもアイヌの歴史を知る入口にはうってつけの題材である。アイヌらしく生きることを奪われても争うことを選ばなかったアイヌの誇りは宇梶さんの生き方にも
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あのこと(2021年製作の映画)

4.0

激痛

とにかく痛い。身も心もぐさぐさ刺されるような激痛を伴う作品であった。いまだに中絶を禁止してる国でも是非とも上映してほしい。身体を張った主演の女の子は恐らく今後ハリウッドに引き抜かれるであろう。
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