motoietchikaさんの映画レビュー・感想・評価 - 9ページ目

監督失格(2011年製作の映画)

4.5

幸せな日々ってだけでもない過去が全部思い出にさせられてしまうことの暴力を描いてる

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(2019年製作の映画)

4.6

最高の夢をみたような……。

バカでかい怒りと哀しみがあるんだけど、それをそのままぶつけるんじゃなくてユーモアで包み込むっていうのが、それこそがタランティーノの映画愛のあり方なんだなと思えて嬉しかった
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昼顔(1967年製作の映画)

4.0

医者の嫁、満たされた生活をしているはずが娼館で働くことに。別に面白い話ってわけじゃないが細部がキマりすぎてて興奮する。やばい客出てくるだけで楽しい。
チンピラみたいな男に顔を殴られそうになった主人公が
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メランコリック(2018年製作の映画)

4.0

鍵をなくした先輩がうちに泊まりに来て、翌日観に行くと聞いたので一緒に観にきた。

お風呂屋さんのお掃除バイトのお話。
ブラックユーモアと静かな幸せに、ちょっぴりヤクザな殺しの仕事がスパイス効いてていい
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工作 黒金星と呼ばれた男(2018年製作の映画)

4.3

ひたすら緊張感やばすぎるけど、ラストの弛緩したような切り返しのカットワーク(微笑み合う男二人……!)のとこで涙腺緩む。分断された思想と体制を超えて立つためには結局のところ「私とあなた」の関係に立ち返る>>続きを読む

ガールズ&パンツァー 最終章 第2話(2019年製作の映画)

3.8

はちゃめちゃに楽しかった。冒頭すぐにカタはついてしまうけど、BC自由学園との戦いの幕引きはお見事(作戦内容は雑すぎてえっ?て感じでしたが)。特にBC側がフラッグ車を突き飛ばして自分が盾になるところとか>>続きを読む

天気の子(2019年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

新しい? めちゃくちゃプリミティブなセカイ系。新海誠としては原点回帰、でもそこにあった切実な葛藤を全部ポアしてすっきり爽やかお天気アニメになってる。
正直セカイ系は大好きだけど、さすがにこれは浅すぎる
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トップをねらえ! 劇場版(2006年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

オリジナル版のOVAが完璧だとは思わないけど、総集編の編集がいまいち……
でもやっぱノリコがお姉さまを説得するシーンで鳥肌立つし、オカエリナサイで泣く。

ホットギミック ガールミーツボーイ(2019年製作の映画)

1.6

港区ムービー。人工的なのっぺりした画面が完全にアニメにしか見えないのですが、それと山戸結希脚本のポエム台詞が完璧にマッチしている。
ただ、ほぼ全員の演技がひどいし、編集もむちゃくちゃ気持ちいいところと
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主戦場(2018年製作の映画)

4.2

クソやばいやついっぱい出てくるので楽しい

ドクター・ストレンジ(2016年製作の映画)

3.4

画面がよく動くのでムービーパートがリッチなゲームのPV観てるみたいな気分になった。手垢のついた設定・展開でありながら堅実に造ってるのでそれなりには面白いのですが、別にのめり込むような話でもないし、なん>>続きを読む

ハウス・ジャック・ビルト(2018年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

「理想の家」を建てられない建築家の男が、猟奇殺人者としても芸術的に大成できない……っていうあまりにも陳腐な人間がだんだん哀れに思えてきて、つい共感してしまう。最後には家を建てられてよかったね、ハム太郎>>続きを読む

メッセージ(2016年製作の映画)

3.7

サピアウォーフ仮説に着想を受けたような言語SF。言語学者がファーストコンタクトに挑む話。SFとしては詰めが甘いし、ヒューマンドラマも薄っぺらくて表面的なんだけど、とにかく構成が秀逸。
とはいえヒューマ
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エル・スール(1982年製作の映画)

5.0

今日は『ミツバチのささやき』よりも圧倒的に震えた。ひょっとすると完全な暗転が一度も存在しないかもしれないようなカットのつなぎ、あいまいな明暗。回想される記憶は振り子を媒介して連綿とつながっていて、それ>>続きを読む

ミツバチのささやき(1973年製作の映画)

4.5

アナ・トレントの聖性。
無垢なる残酷さの萌芽。

何度観ても名画なのは間違いないけど、結局アナ・トレントの瞳にかなわない視線の交わりを期待して私達はスクリーンの前にいるだけだ。

マクロスプラス MOVIE EDITION(1995年製作の映画)

4.1

たぶん初めて観るマクロス。
菅野よう子も今作で劇伴デビューしたらしい(ふーん)

ひたすらウェットな三角関係メロドラマを積み重ねるのでちょっと眠くなるけど、最後の30分で絶大なカタルシスを与えてくれる
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オールド・ボーイ(2003年製作の映画)

4.5

十数年間ものあいだ監禁された男が超強くなってて復讐する話。監禁された理由は? なくした記憶の鍵はいったい……?
ミステリ的な謎解きの驚きみたいなものはほとんど皆無だけど、明かされる事実はたいていしんど
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ガールズ&パンツァー 最終章 第1話(2017年製作の映画)

3.6

劇場版のクオリティを求めると肩すかしだけど、気楽に観られる娯楽作としてはいい出来。
大洗学園に新登場したMk.IV戦車の使い方がまさにガルパンって感じで安心した。桃ちゃんと生しらす丼のカトラスちゃんが
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甲鉄城のカバネリ 海門決戦(2019年製作の映画)

3.8

ストーリーとか存在しないに等しい虚無脚本だけど、相変わらず冴えまくったアクションの快楽とむちゃくちゃ可愛い無名を見てたら確かにこの方向性は完全に正しいとわかる。踊るEDで嬉しくなってしまって正直敗北感>>続きを読む

プロメア(2019年製作の映画)

4.6

とにかく鳥肌が疲れ果てる。音楽と映像のどハマり快楽全部乗せ。脳に電極繋いで快楽物質ブッ込まれたらこんな感じなのかな。

疲れるのは情報量のすごさがゆえだ。ルックはかなりアメコミアニメを意識したようなの
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名探偵ピカチュウ(2019年製作の映画)

3.7

主な舞台となるのは「ポケモンと人間とが共存する街」。父の事故死に不審な点があるということで、別居していたその息子と父のパートナーだったピカチュウとが謎に迫るアクション映画。

ピカチュウが「艶のある美
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パリ、テキサス(1984年製作の映画)

4.7

哀しみと優しさに満ちた、ロードムービーの名作。
妻子を捨てて失踪した男が発見され、弟夫婦のもとへと呼び戻される。そして息子と再会したとき、彼がいったいどんな選択をするのか……。これは、過去そこに置いて
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海獣の子供(2018年製作の映画)

4.8

最初の数カットで引き込まれて、気づいた頃にはもう五感全部もってかれて海の中をひたすら連れ回された挙げ句、浜辺に打ち上げられていたような。
茫然自失。

とにかく画面の情報量が凄まじく、多用されているら
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劇場版 フリクリ プログレ(2018年製作の映画)

1.1

脚本が『フリクリ』の表面だけを薄っぺらい態度でなぞっただけ、って点ではオルタナと同じ。作り手が登場人物を信じていないのが画面越しに伝わってくるのが不快。感情の流れが雑なので、どうしても画も音も噛み合わ>>続きを読む

バイス(2018年製作の映画)

3.5

わりと面白い。前半のテンポいい成り上がり政治劇は楽しい。ただ後半だんだんメタなネタが過剰でウザくなってくるのと、過激なふうを装いつつも結論ぼかして日和ってるところがダメ。