似太郎さんの映画レビュー・感想・評価 - 45ページ目

そして人生はつづく(1992年製作の映画)

4.7

『友だちのうちはどこ?』の後日談。主人公はなぜかアッバス・キアロスタミ自身という謎な設定。大震災後もたくましく生きるイラン市民への応援歌。全編、車でノロノロ走っているだけなのに頗る面白い。

かくも長き不在(1960年製作の映画)

4.3

直接的ではなく、間接的に描いた戦争後遺症映画の秀作。ベタな感傷を排した作風がいかにもフランス的。このように謎が謎を呼ぶミステリアスな雰囲気も捨てがたい。

プライベート・ライアン(1998年製作の映画)

4.6

ぶっきら棒に人が死んでいく。ただそれだけなのだが、なぜか「面白い」と思わせてしまう映像の魔力がある。全くもってスピルバーグ的。

シンドラーのリスト(1993年製作の映画)

5.0

あらゆる意味でスピルバーグ、というかハリウッド映画の総決算だった。彼自身が敬愛する黒澤明とデヴィッド・リーンへの憧憬を感じる。当然の如くこの年のアカデミー賞を受賞。

無防備都市(1945年製作の映画)

4.3

これ、リアルタイムで観たら相当ショッキングな内容ではないかな? 構成がちとガサツな気もするけど。

シザーハンズ(1990年製作の映画)

4.6

ティム・バートンならではの作り物っぽさが愛しい映画。あざとい要素が無いだけ安心して観れる。主演のデップ以上にヒロイン役のウィノナ・ライダーが光っていた。

マルホランド・ドライブ(2001年製作の映画)

3.7

映像が安っぽい。設定を色々こねくり回し過ぎて監督自身が迷宮入りしちゃった感感感感感感…。

バーバー(2001年製作の映画)

4.4

コーエン兄弟ってどちらかと言うと職人気質の監督なのでは…? 最後まで退屈させない画とシナリオの吸引力。

バーバー吉野(2003年製作の映画)

4.2

初期の荻上直子は随所にキ印入っててとても楽しいよー。

彼らが本気で編むときは、(2017年製作の映画)

3.7

『かもめ食堂』の監督が撮った異色作。着想は良いとして、人間描写があまりにお粗末。是枝さんとはエライ差がある。

斬、(2018年製作の映画)

3.6

設定にリアリティを感じない。これは一種のファンタジー映画なのだろう。池松壮亮のナルシシズムが全編に迸る。

止められるか、俺たちを(2018年製作の映画)

3.8

井浦新演じる監督がチョ〜最低で感情移入のしようがない。

菊とギロチン(2016年製作の映画)

3.8

撮り方が拙い上、台詞も直接的。全編自主制作映画っぽい作りだが情熱とロマンは見えてくる。

5つの銅貨(1959年製作の映画)

4.6

サッチモ目当てで鑑賞。はっきり言って影の主役は彼だね。主演のダニー・ケイも良いが、本作のキーパーソンはどう考えてもサッチモである。まるでこの世に奇蹟を起こす天使のような存在。

ハリウッドには昔から「
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ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)

4.0

冒頭からいきなりドローン撮影…。CGに頼らずナマで見せる踊りのシーンは圧巻。

まだこの監督が若い為か、地に足がついてない感じもしなくはないが、映画や音楽といったカルチャーへの愛情をビシビシと感じる出
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ジャージー・ボーイズ(2014年製作の映画)

4.4

イーストウッドの音楽好きは『バード』にも反映されてるように、非常に懐古趣味的で落ち着きがある。🎷

本作ではフランキー・ヴァリ&フォー・シーズンズの各々の生き様を通して「家族への愛情」「仲間との絆」が
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アメリカン・ユートピア(2020年製作の映画)

4.6

【人間性の恢復の話】

いや〜、やっと観れましたよ『アメリカン・ユートピア』。期待通りの出来栄えで思わずニンマリしてしまう。☺️

元・トーキング・ヘッズのフロントマン、デヴィッド・バーン氏の飄々とし
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由美香(1997年製作の映画)

5.0

AV監督の平野勝之が伝説のピンク女優、林由美香と不倫に陥り東京から北海道の礼文島沖付近まで走行距離1052km・41日間にも及ぶ旅を克明に記録した「珍」ドキュメンタリー映画。

当初ピンク映画枠で『わ
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赤い殺意(1964年製作の映画)

5.0

【女は強くなる💪】

今村昌平作品中、最もフリーキーで危うい雰囲気が満点のコメディである。前作『にっぽん昆虫記』ではまだ構成らしきものがあったが、本作にはそれすら無い。映画全体の抽象度が高いからだ。
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神々の深き欲望(1968年製作の映画)

5.0

🐙本作に関して言えば「かつての今村作品にあったリアリズムが皆無」という点から過小評価されがちな映画なのだが、たとえ寓話的な作風になっても今村は今村であってそのミステリアスな世界観は相変わらず。

🐙絶
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馬鹿が戦車(タンク)でやって来る(1964年製作の映画)

4.7

🍜山田洋次✖️ハナ肇の『馬鹿』シリーズ中、もっともはっちゃけた内容の作品。

🍜回想形式によるほのぼのとしたムードで映画は進行するが、同時に「村」という共同体にメスを入れた秀逸な文明批評にもなっている
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いいかげん馬鹿(1964年製作の映画)

4.6

瀬戸内の郷土愛ゆえに巻き起こすハナ肇の珍騒動。山田洋次の前作『馬鹿まるだし』よりもシナリオの完成度が高い典型的お騒がせコメディ。ヒロインを演じる岩下志麻のナレーションによって全編進行する。

村の住人
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馬鹿まるだし(1964年製作の映画)

4.3

クレイジーキャッツのハナ肇を主演に据えた人情喜劇。同じくクレイジーキャッツ総出演の『ニッポン無責任時代』とは真逆で、山田洋次らしい庶民性が活きた作。高度経済成長期の映画でもここまで違うんですネ。

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千年女優(2001年製作の映画)

3.8

うーん。これくらいの内容だったら別に漫画でいいんじゃないかとも思った。今敏らしいリアル志向の絵は好み。

この手の題材を何故アニメで?という疑問が湧くのだが、画面というか作画は非常に美しい。ラストは完
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失われた週末(1945年製作の映画)

3.8

🍺🥴呑んべえの人が陥りやすい錯乱の描写がお見事。さすが、ビリー・ワイルダー。冒頭から引き込まれる演出。

🍺🥴彼の映画の中ではやや小品といった趣きで「え、こんなのがアカデミー賞?」といった疑問は残るけ
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地上より永遠に(1953年製作の映画)

3.8

【くたばれ!C.I.A】

🪖『マッシュ』と違い、アメリカの軍隊を徹底的に茶化していないので良くも悪くも優等生的な映画になってしまった。如何にもアカデミー賞向け。主演のモンゴメリー・クリフト、バート・
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ブラックホーク・ダウン(2001年製作の映画)

3.0

💣なんですかこれは!? 全編Xboxみたいな映画である。リドリー・スコット監督、頭おかしいんじゃないの?

💣2時間半掛けてずっと手持ちカメラで揺れっぱなし。しかもドラマ性希薄で何が起こってるのかさっ
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ハート・ロッカー(2008年製作の映画)

4.0

よくある戦争賛美映画、なのだが。

巨匠キャスリン・ビグロー監督だけあって、兵士の不安神経症的な内面をジワジワと締め付けるように撮る辺りはさすがに上手い。不吉極まりない内容。

好きか嫌いか、で言えば
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モード家の一夜(1968年製作の映画)

4.9

懐かしい。この映画は10代の頃、わざわざ渋谷TSUTAYAまでビデオを借りに行った程観たかった映画でもある。エリック・ロメール監督作品。

全編、機知に富んだダイアローグと名手ネストール・アルメンドロ
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5時から7時までのクレオ(1961年製作の映画)

4.6

🃏アニエス・ヴァルダ監督作品。歌手のクレオがカード占いで「癌による死」を宣告されて慌てふためく2時間の行動をセミ・ドキュメンタリータッチで構築したもの。

🃏さすがはフランス映画!といった機知に富んだ
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秀子の車掌さん(1941年製作の映画)

4.5

偶然、YouTubeに上がってたから暇つぶしに拝見した戦中の成瀬巳喜男作品。高峰秀子が若い。映像も綺麗。

主人公等を乗せた路線バスで日本の田舎をグルグル周回させただけで物語が成立してしまった不思議な
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イージー★ライダー(1969年製作の映画)

5.0

🇺🇸アメリカン・ニューシネマの代表作であり、デニス・ホッパーとピーター・フォンダ共同脚本によるロックンロールとLSDに塗れた「アメリカ巡礼の旅」。物語性は希薄で、ただ延々とバイクで移動することのみを目>>続きを読む

書を捨てよ町へ出よう(1971年製作の映画)

4.6

寺山修司の演劇は昔、下北沢のスズナリ劇場で観たことがある。『田園に死す』が最初だったが、寺山の屈折した少年期と故郷(ふるさと)への郷愁が前衛的な手法で構築されており見応えがあった。ちなみに伴奏はJ・A>>続きを読む

下妻物語(2004年製作の映画)

3.8

うーん、懐かしい。公開当時渋谷のパルコで観たんだよな、これ。

たしかに全編、疾走感のある演出で中島哲也監督らしくテクニカルな小技が効いた映画ではあると思う。サブカル要素満載で少し引きますけど。
現在
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ゴーストワールド(2001年製作の映画)

4.3

卑屈で根暗なガール二人組が世間の厳しさを目の当たりにし、やがて「ここではない何処か」へ旅立つという哲学的テーマを含んだ青春コメディ。ダメダメな人々への眼差しがどこか暖かく、徹底的にルーズな画面設計も冴>>続きを読む