🍉原作はウィリアム・フォークナー。監督は『黄昏』のマーク・ライデルで、主演はマックィーン。アメリカ南部の田舎を舞台にした少年の成長物語。なかなか牧歌的で良い話である。
🍉一面に広がるスイカ畑の映像が>>続きを読む
🃏主演のスティーヴ・マックィーンが燻銀の演技を見せる好編。脚本は『マッシュ』などを手掛けた知性派のリング・ラードナーJr.が担当している。
🃏この手のギャンブルを題材にした映画としては『ハスラー』を>>続きを読む
自分の映画的嗜好と大林作品では微妙に「合わない」ものが数多くあるけれど、これは割と合致した方。
日本的でフレンドリーな顔立ちの林泰文さんが愛おしく、ベンチャーズのデケデケ・サウンドの虜になっていく様>>続きを読む
完成度はそこまでじゃないとしても、心にジンワリと響く死刑囚と監察官による心の交流を描いたヒューマンドラマ。原作は吉村昭。
一貫して地味な演技を披露する小林薫と西島秀俊の掛け合わせが絶妙で「死ぬ直前の>>続きを読む
何かとアクの強い映像が特徴のニコラス・ローグ監督であるが、本作は実にファンタジックな冒険譚として興味深く拝見した。
アボリジニの原住民族の少年とイギリス人の少女との淡い恋模様が幻想的な雰囲気で綴られ>>続きを読む
主演のロバート・ダウニーJr.がブレイクするきっかけとなったマーヴェル作品。
ここまでくるともう東映戦隊ものや仮面ライダー的なノリであって、クリストファー・ノーランの『ダークナイト』のような小難しい>>続きを読む
まあガイ・リッチーの「作家性」はこの際抜きにして、単純に謎解きアクション映画として良く出来ている佳品。
主演のロバート・ダウニーJr.とジュード・ロウの掛け合わせも全く違和感がない。19世紀イギリス>>続きを読む
時代劇ポルノの金字塔として名高い田中登監督の傑作。いま観るとそこまで「ポルノ映画臭」はなく、むしろ芸術的・耽美的メロドラマの要素が強めでそこはやはり『㊙️色情めす市場』同様、アーティスティックな作風だ>>続きを読む
【世の中、ゼニや👌】
監督がPTAだけに冷徹に突っぱねた雰囲気の漂うアメリカ暗黒面映画。ジョン・ヒューストンの『黄金』をトレースしつつ、主演のダニエル・デイ=ルイスの虚構性たっぷりなキャラ造形を始め>>続きを読む
ジョナサン・デミ監督作。どこか不条理テイストの全体的にワチャワチャしたノリが特徴のコメディ作品。主演のメラニー・グリフィスが大変キュート。
一応商業映画だが、一歩間違えるとデヴィッド・リンチ的な難解>>続きを読む
ヒッチコック監督らしい演出の小技が効いた、見せ場盛りだくさんのサスペンス。
主演のファーリー・グレンジャーが徐々に窮地に追い込まれる辺りがハラハラさせられる「交換殺人」を題材に取った異色作。心理的に>>続きを読む
ヒロインを演じるキャシー・オドネルが大変お美しい。
典型的なフィルムノワールにも関わらず、甘酸っぱいリリシズムを導入した異色作。アメリカ本国よりもフランスで評価されたという意味では、北野武にも通じる>>続きを読む
一世一代のファム・ファタル、ジェーン・グリアの代表作といったらまずこれ。
男を陥れる悪女、陰謀に次ぐ陰謀の連鎖…。これぞ正しくフィルムノワールの古典であり正攻法ハリウッド映画。
『白いドレスの女』>>続きを読む
🎄クリスマスイヴの夜、サンタが死んでいる…といった謎めいた冒頭から引き込まれる。
悪女役シャーリーズ・セロンのお色気とベン・アフレック演じる優柔不断な元犯罪者の堕ちっぷりがクセになる(?)クライム・>>続きを読む
本作を観るとアメリカはつくづくロード・ムービーの宝庫だなぁ、と思う。家族全員が何らかの「欠陥」を抱えている、ダメ人間へのアプローチが実に愛しい庶民派コメディの佳作。
特に自閉症の兄を演じるポール・ダ>>続きを読む
私自身、どうもこの手の粘着質な男が主人公の映画に弱いようだ。あのクリスチャン・ベイルが歯止めの効かない狂人を熱演している。
構成的にやや粗っぽい欠点もあるが、ラストはギリギリ破綻を免れた感じ。
原題>>続きを読む
それなりによく出来てるけど、肝心のオチが丸々手塚治虫の『ワンダー・スリー』みたいで何だかなー、と白けてしまう。どうやらこっちが元ネタのようだが。ロバート・ワイズらしい律儀な演出を堪能した。
ティム・ロビンス監督作。主演のショーン・ペンの演技がたまに鬱陶しく思う自分でもこれは納得せざるを得ない力作。死刑囚の彼(キリスト)を見届けるスーザン・サランドンは恰も聖母マリアのようである。よく考える>>続きを読む
これは渋い。レナード・コーエンの曲と映画の世界観が見事にマッチしている。ロバート・アルトマンだけに反ハリウッド的な芸術志向の西部劇と言える。当時(70年代)らしい陰鬱な雰囲気も自分好みで、何ともスタイ>>続きを読む
バート・レイノルズとジョン・ヴォイトの顔合わせってだけで仰け反りそうになる映画だが、内容的には割りかし面白かったサスペンス。ラストの悪夢的イメージがそのまま主人公の「現実世界」に侵食してくる辺りも乙。>>続きを読む
監督はボブ・フォッシー。MGM黄金期の華々しいミュージカル映画と比べ、厭世的な雰囲気が特徴のシリアスな作品。脇役のジョエル・グレイが物凄く気持ち悪い。この映画でアカデミー助演男優賞を見事受賞。
頭の固い保守的なユダヤ人の父親(トポル好演)が新時代の到来と共に祖国を離れるまでを抒情的に綴ったミュージカル映画。伝統を守るか、革新を受け入れるかで葛藤する頑固な父親像がどこかクリント・イーストウッド>>続きを読む
小川プロが『三里塚』ドキュメンタリー以降、ある程度万人受けを想定して作った映画なので正直『三里塚』シリーズほどのインパクトは無い。それでも名手・田村正穀のカメラは相変わらず冴えており、失われた「ニッポ>>続きを読む
あの勝新太郎が直接監督した前衛的アクション映画。ストーリー性もへったくれも無いが、全編「無意味という有意味」を追求した結果こうなるのか?と思わせるアート作品のようにも思える。普通の映画では満足出来ない>>続きを読む
マンションに凄む殺人鬼役の秋山未知汚(チーム若松の助監督)のキレッキレの怪演が忘れ難いどん詰まりの青春映画の傑作。マンション屋上を舞台にした密室劇という着想自体が相当非凡なもの。
主人公の童貞少年役、秋山未知汚が最高。「他人に裏切られるよりも早いスピードで自分を裏切らなければ、人殺しひとつ、犯罪ひとつできやしない」。ラストに於ける「地区反戦」グループとの銃撃戦場面は絶品。
人が人を搾取してるんじゃなく、金が人を搾取しているという事実をあからさまに提示した作品。高利貸しのロッド・スタイガーは明らかに被害者。(一方では加害者とも言うが)
そこにある筈のモノが実は無い、といった無世界論的なテーマが根底にあるみたい。エドワード・ヤンの『恐怖分子』の元ネタとしても知られる。画面に映っている対象自体が虚構でしかないことを白日の元に晒した作品。
実際トリュフォー自身が人間に飢えている、悪く言えばストーカー気質の監督なのだと思う。虚飾を排した白黒画面が美しい。ラストまで延々と続く風景の「持続」と「停止」が肝。
主人公は子供ながら、大人にしか分からない深淵なる世界。さながら「大人の見る絵本」のようでもある。ただその一瞬が永続していく感じ…。
『友だちのうちはどこ?』の後日談。主人公はなぜかアッバス・キアロスタミ自身という謎な設定。大震災後もたくましく生きるイラン市民への応援歌。全編、車でノロノロ走っているだけなのに頗る面白い。
直接的ではなく、間接的に描いた戦争後遺症映画の秀作。ベタな感傷を排した作風がいかにもフランス的。このように謎が謎を呼ぶミステリアスな雰囲気も捨てがたい。
ぶっきら棒に人が死んでいく。ただそれだけなのだが、なぜか「面白い」と思わせてしまう映像の魔力がある。全くもってスピルバーグ的。
あらゆる意味でスピルバーグ、というかハリウッド映画の総決算だった。彼自身が敬愛する黒澤明とデヴィッド・リーンへの憧憬を感じる。当然の如くこの年のアカデミー賞を受賞。
これ、リアルタイムで観たら相当ショッキングな内容ではないかな? 構成がちとガサツな気もするけど。
ティム・バートンならではの作り物っぽさが愛しい映画。あざとい要素が無いだけ安心して観れる。主演のデップ以上にヒロイン役のウィノナ・ライダーが光っていた。