GENOKENさんの映画レビュー・感想・評価 - 13ページ目

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トゥループ・ゼロ~夜空に恋したガールスカウト~(2019年製作の映画)

3.5

宇宙に憧れる少女を中心に女の子らしくない個性豊かなメンバーとガールズスカウトに参加する。キッズ映画定番のジュブナイルものであるが芯の部分は、女の子らしさが評価される慣例にどう立ち向かうのかが主題。クラ>>続きを読む

ラストナイト・イン・ソーホー(2021年製作の映画)

3.8

基本は戦慄スリラー。キャリアへの野心をもつ若い女性が搾取される暗い現実について語っているが60年代ロンドンがスタイリッシュに再現されることで、おとぎ話の世界に入ったような陶酔感。ナイフに写る顔や鮮血の>>続きを読む

僕らの先にある道(2018年製作の映画)

4.4

衝動的に発生した恋は、愛情に変化する過程で相互理解が不十分になっていくベタな展開。それでも見れちゃうのは、大袈裟ではない丁寧な作り込みを感じる部分が多いから。ゲームのストーリーが前振りになっていたり、>>続きを読む

ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ(2021年製作の映画)

3.3

ツンデレ感満載な掛け合いを繰り広げるエディとヴェノムの異色コンビ。ちょっとヴェノムが愛らしすぎて心配になってしまうほど。バディと言うより夫婦漫才。もはや究極の「愛」と化し、観ているこちらの心を萌えさせ>>続きを読む

バード・ボックス(2018年製作の映画)

3.8

視界に入ったら即終了という、理不尽すぎる設定ゆえの緊張感がいい。「それ」を見てしまった時の発作的な反応、瞳孔の変化など、荒唐無稽とも言える設定をサンドラ・ブロックの演技力と細かな表現によって支えられて>>続きを読む

パーフェクト・ケア(2020年製作の映画)

4.9

高齢者を搾取する法廷後見人がロシアンマフィアに手を出してしまい、タフな攻防戦へと転がっていく展開がお見事!良心のかけらもない徹底した悪者を演じるロザムンド・パイクが優雅で無双状態!女性=弱いとか、高齢>>続きを読む

ある女流作家の罪と罰(2018年製作の映画)

3.9

かつてのベストセラー作家が売れない作家へと転落し、著名人の私的な手紙を捏造しては古書店へ売る詐欺を働く日々。犯罪には間違いないけど、なぜだか嫌いになれないリーとジャックの2人の友情はしみじみしていて心>>続きを読む

パワー・オブ・ザ・ドッグ(2021年製作の映画)

4.8

「男はこうあるべき」を過剰なまでに、セリフや登場人物たちの行動に散りばめ、現代的テーマを繊細に切り込み、複雑に絡み合った人間模様が混在。カンピオン監督の演出力に平伏す。西部の遙かな大地と、人間の不毛を>>続きを読む

ディア・エヴァン・ハンセン(2021年製作の映画)

3.2

賛否もあったオリジナルキャストであるベン・プラットが高校生を演じることに関してはギリセーフ。孤独な高校生、嘘から始まる人と人の繋がり、SNSの怖さ…と多くのリアル要素は非ミュージカルの方が描きやすい。>>続きを読む

ミラベルと魔法だらけの家(2021年製作の映画)

3.8

魔法を使える一家の中で唯一、魔法が使えないミラベル。南米コロンビアが舞台で”持たざる者”がヒロインという2021年のディズニーらしさ全開で面白い。際立った曲はないものの、リン=マニュエル・ミランダが自>>続きを読む

7月22日(2018年製作の映画)

4.0

オスロでの自動車爆破事件からウトヤ島での銃撃事件までの流れを息もつかせぬスピード感で展開。虐殺を長々と描かず、大部分はその後の物語。重傷を負いながらも生き残った10代の青年と極めて利己的な犯行動機の主>>続きを読む

エターナルズ(2021年製作の映画)

4.3

MCUフェーズ4(26作目)にして、かなりの意欲作。永遠の命、そして人類の争いとの関係も過去のマーベル作品と一線を画し、とにかく新鮮。クロエ・ジャオ監督の独立性が強く全体的なトーンやテンションが低いこ>>続きを読む

レッド・ノーティス(2021年製作の映画)

3.5

世界中を巡る騙し騙されのゲームに『インディ・ジョーンズ』的秘宝探検もプラスの大盤振舞。そして主演3人は各人気キャラのイメージ設定で、オールスター感謝祭な安心感。ただ意外性も謎解き要素もなく、あまりにサ>>続きを読む

tick, tick...BOOM!:チック、チック…ブーン!(2021年製作の映画)

4.8

ミュージカル『レント』の作曲家ジョナサン・ラーソンの自伝的ドラマは、創作する作品と日常の美しき多層構造で、楽曲の必然性に説得力を与える。アンドリュー・ガーフィールドは歌の中でも実に豊かな感情表現で引き>>続きを読む

Love,サイモン 17歳の告白(2018年製作の映画)

4.1

主人公の抱える秘密、それはゲイであることの葛藤。現代においては大した問題ではないが、17歳の高校生となると話は別。高校生だからこそ恋への切実な思いが丁寧で、あっという間に物語にのめり込んでしまう。ニッ>>続きを読む

ナイトティース(2021年製作の映画)

2.0

一夜限りのリムジン運転手のバイトをしたところ、ヴァンパイア美女2人を乗せたことで人間VSヴァンパイアの攻防戦に巻き込まれていく。ロスの夜景など幻想的でスタイリッシュなカメラワークは観光気分も味わえて楽>>続きを読む

ザ・レポート(2019年製作の映画)

3.9

とにかくストイックを極めた演出。窓のないCIAの資料室にこもって膨大な文書に目を通して、ほとんどのシーンが室内の会話劇で映像的にも華やかな要素は一切ない。終始、抑制の効かせた演出はクールでミニマムな外>>続きを読む

サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)(2021年製作の映画)

4.0

1969年の知られざるブラックミュージック・フェスの映像。若きスティーヴィー・ワンダーやスライがいて、それだけでも音楽ファンには有難い。半世紀前の映像を、本人がしみじみ振り返る「演出」部分は押し付けが>>続きを読む

ボクたちはみんな大人になれなかった(2021年製作の映画)

3.8

コロナ禍の2020年から1995年へ遡るスタイルは、逆流感でわかりやすく、原点の「あの頃」に返っていく感覚が切なく締めつけてくる。25年にもわたる主人公の変化を表現する森山未來。その違和感のなさは奇跡>>続きを読む

マリグナント 狂暴な悪夢(2021年製作の映画)

4.4

序盤は王道ホラーな感じだが、とにかくストーリー後半の振り切り方が凄まじい。もはや元ネタがどうでもよくなってしまう。スリラーにホラーそしてアクション。あらゆるジャンルを縦横無尽に行き交い、全てをブチ込ん>>続きを読む

リスペクト(2021年製作の映画)

3.4

ジェニファー・ハドソンの歌唱力と存在感は文句なしに素晴らしい。偉大なアーティストの伝記映画として波瀾万丈な半生を綴ってはいるが、事実を淡々と進めているベーシックな作りで感情に刺さらず。エンドロールでの>>続きを読む

MONOS 猿と呼ばれし者たち(2019年製作の映画)

4.7

南米コロンビアの山岳と密林でゲリラ組織に属する8人の少年少女兵。入口も出口も今いる地点もわからない不穏な空気が全篇に満ちており権力構造の寓話の隅々と内戦の歴史のリアルが詰まっている。高地の廃墟と湿地の>>続きを読む

トゥルーノース(2020年製作の映画)

4.5

北朝鮮に存在する政治犯強制収容所の実態。これでもかというほど北朝鮮という国の狂気や正義の不在が描かれる。息つく暇もなく胃に穴が開きそうな出来事が湧き起こっていくが3Dアニメで描くことで目を覆う惨状にワ>>続きを読む

キング(2019年製作の映画)

3.8

実話とシェイクスピアの戯曲を融合した重厚な歴史ドラマ。フランス軍との戦いは派手さはなくとも泥濘の中の満員電車並みの肉弾戦は見所。王の偉大さを称える史劇ではなく戦争の虚しさと歴史の業の深さを炙りだす。若>>続きを読む

アンテベラム(2020年製作の映画)

4.3

かつてのM・ナイト・シャマラン監督の映画を連想させるような”大仕掛け”が仕込まれた映画。現代社会における根強い人種差別問題をテーマにしながら、仕掛けがバレていく過程で脳内がパニック状態になることは必至>>続きを読む

トリプル・フロンティア(2019年製作の映画)

3.9

麻薬王から大金を強奪する計画を立てる退役軍人5人。ブラジルの密林地帯での敵地潜入&現金強奪作戦から現金輸送の過程で起こる予期せぬアクシデント。追手勢力との攻防などスリリングに展開。ミリタリー映画として>>続きを読む

コンクリート・カウボーイ: 本当の僕は(2020年製作の映画)

3.3

フィアデルフィア市の都会であるコンクリート上に住む、歴史と伝統を守る時代遅れのカウボーイたち。アメリカにおける西部劇の時代と現代とのギャップの問題をテーマにしている珍しい作品。馬と通じることで素行不良>>続きを読む

モーリタニアン 黒塗りの記録(2021年製作の映画)

3.9

9.11テロ事件の首謀者のひとりと疑われ、14年間も不当に拘束されたモーリタニア人男性の実話。人権問題が絡む実話だけに脚色は最小限と思われ淡々と物語が進む。拷問シーンはあまりに強烈で目を逸らしたくなる>>続きを読む

ヒーズ・オール・ザット(2021年製作の映画)

3.8

『シーズ・オール・ザット』のリメイクで冴えない男子をプロムキングにさせるべくイケイケのヒロインが男子を大改造する本作。今の時代、インフルエンサーが主役の映画は既視感のあるストーリーになるのは仕方ない。>>続きを読む

ロストガールズ(2020年製作の映画)

2.9

セックスワーカーであった被害者女性に対する人々の反応をはじめ、白人社会における格差なども仄めかされ、社会的な負の連鎖が続く様子がリアルに描かれる本作。未解決事件を題材にしているため、映画的な脚色もなく>>続きを読む

かそけきサンカヨウ(2021年製作の映画)

3.2

窪美澄と今泉力哉。欠落感を抱えた人々の繊細な心理劇という意味で期待したが、本作はむしろ相性の悪さを露呈した結果に。なにか特別にドラマチックな展開があるわけでもなければ、ことさら波風を立てるような人間が>>続きを読む

ザ・テキサス・レンジャーズ​(2019年製作の映画)

4.4

『俺たちに明日はない』を追跡者側から描いた史実に基づく作品。ボニーとクライドのカリスマ性の神話を根本から破壊し、ただの冷酷な殺人者として描く。二人の姿をハッキリと描かない演出が効果的。世間の騒ぎと熱狂>>続きを読む

ロマンティックじゃない?(2019年製作の映画)

3.9

「ロマコメとはこういうもの」という価値観の解体と再構築に挑んだ意欲作。有名ロマコメ映画のオマージュやパロディーは、過去の遺産を笑い飛ばすと同時にリスペクトを示し、お約束の裏をかきながら現代ならではの着>>続きを読む

最後の決闘裁判(2021年製作の映画)

4.3

強姦事件を男女三人の視点で見つめながら男性の所有物とされた女性の苦悩や固定概念に縛られた男の哀れを炙り出す。視点が変わる中盤からグイグイとドラマの核心が迫ってきて、したたかに真実が見えてる構成に唸る。>>続きを読む

THE GUILTY/ギルティ(2021年製作の映画)

3.5

警察オペレーターが聴く音声だけで異様な恐怖とテンションを描くデンマーク映画のリメイク。ストーリーだけでなくセリフまでオリジナルとほぼ同じ。舞台はLAに移動したので山火事が背景になるのが新アレンジ。ギレ>>続きを読む

DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)

4.5

あくまでも続編を想定した作りなので、単体としてストーリー全体のバランスは、やや疑問が残るが、ビジュアルの構築が、異様さと迫力を重視したヴィルヌーヴ監督流の美学が炸裂。惑星の風景や飛行機などのガジェット>>続きを読む