故ラチェットスタンクさんの映画レビュー・感想・評価 - 9ページ目

マルホランド・ドライブ(2001年製作の映画)

4.3

『二重螺旋のまやかし』

悍ましいビジュアルというサービスエリアを経由しつつ、ゆったりと徐行するような序盤中盤。

心地の良いドライブテクニックでいつの間にか加速している物語に我々は気付かない。

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ナイトメア・アリー(2021年製作の映画)

3.8

『呑まれる』

デル・トロ監督による男の一代記モノという印象でお話自体は予定調和なのだけれど、画面全体に高級感があるので苦ではなかった。

2時間半の長尺にもそこまで疲れることなく、前置きの効いた綺麗
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アンビュランス(2022年製作の映画)

3.6

『止められるか、俺たちを』

5秒以内にカットを変えないと身体が爆発して死んでしまう男が贈るクライム・アクション

普段爆発をオカズに飯を食べているわりに、今回はやたら控えめだなと思っていたら、今回は
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コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

3.8

『CODAのCoda』

とても穏当に纏まった作品で、引っ掛かるとこもありつつ、思っていたより普通に良かった。

正直、終盤部分でゴタゴタとお話をまとめにいっている印象は受けた。
(結局漁業はうまくい
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ベルファスト(2021年製作の映画)

3.6

『少年時代』

全体的に良かったのだけど、産まれてきたくなかった理由が大体全部詰まっていて辛かった。

少年時代のどこまでも広く、どこまでも狭い世界がスクリーンに映し出されて、そのクオリティがまた高い
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ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ(1998年製作の映画)

4.1

『ドミノ倒し』

良かった!結構好き!と思うと同時に、ガイ・リッチー意外と得意ではないかもと思った。

後半のドミノ倒しは滅茶苦茶面白かった一方、前半の設定組み立て段階はかなり話が入って来なかった。
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ゴーストランドの惨劇(2018年製作の映画)

3.8

『顔面崩壊』

小説家志望の主人公、児童性愛者と来て、タイプライターを投げ捨てるアクションで確信に変わった。

パスカル・ロジェ監督にとって、物語の本質とは「逃げる」ことではなく「立ち向かう」ことなの
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鉄男 TETSUO(1989年製作の映画)

3.8

-Fool Japan-

脳を掻き乱す金属音
目を錯乱させる編集
三次元でガンギまる映像
無骨かつ雑多かつ有機的でグロテスクなビジュアル
著しく崩壊した倫理観

あらゆる不調和が調和する。
馬鹿馬鹿
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バッファロー’66(1998年製作の映画)

4.2

『おかえりなさい。』

突き刺すような批評性に対して、とても穏当に纏まったオチで安心した。
ビリーの認識が変わるあのラストの清々しさ、ド感動した。

「観たことない撮り方で良かった〜」的な意見が散見さ
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仮面ライダーオーズ 10th 復活のコアメダル(2022年製作の映画)

1.9

『大人な結末()』

説得力のために必要な演出力と演技力、そのための尺と予算と脚本のオツムが、延々と不足する60分

「視聴者と製作陣による欲望の産物」という批評内容を目にしたがまさにその通りだ。
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スカイライン-奪還-(2017年製作の映画)

3.4

『かかって来いや喧嘩上等!!』

「パッケージの中でどれだけ頑張るか」という面においてはどんなB級にも引けを取らないと思う。

ツギハギだらけでも「楽しさ」の一点に迫る姿勢は、一流のエンタメのあるべき
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羅小黒戦記 ぼくが選ぶ未来(2019年製作の映画)

3.7

『アニミズム』

「楽しかったなー」と思う一方で、「○○っぽくて楽しい。」に感想が集約されてしまう気もした。

静から動への前触れの無さ。「溜めを抜いた演出」で、アニメだからこそできる演出とそのスピー
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DEATH DAYS(2021年製作の映画)

3.8

『生きちゃった。』

精密機械のように調整された世界観と全体のリズムが、人体や生活のグロテスクな切り取りで崩される快感と不安感

退廃的で無機的なのに道徳的で有機的でもある。

「ゾンビーズ」「金魚」
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ゼイリブ(1988年製作の映画)

3.7

『信じるか、信じないかは、貴方次第です。』

社会批評としてシンプルに面白かったのだけれど、エンタメとしては割と可愛いところも多かった気がする。

陰謀映画としてライド感が満載
オフビートだからリアル
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tick, tick...BOOM!:チック、チック…ブーン!(2021年製作の映画)

3.9

『アメイジング』

小6当時、ロードショーで「アメイジング・スパイダーマン」を観ていた。
あの時の自分にとっての若さの象徴であったアンドリュー・ガーフィールドが、三十路に差し掛かり苦悩する姿を見せられ
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心が叫びたがってるんだ。(2015年製作の映画)

-

「超平和バスターズ」の作品がこんなところに。「あの花〜」が全くハマらない理由を他の作品などからも突き止めるためにいずれ見直します。

センコロール コネクト(2019年製作の映画)

3.0

「絶対好きなやつ!」と思って観たらそうでもなくてやや悲しかったやつ。

コンセプトは良いけどそこに対して作画が追いついてない。全体の演出がコストを抑えるためにしか感じられず、申し訳ない気持ち。

オフ
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ウォッチメン(2009年製作の映画)

3.4

『コメディアンが死んだ』

「進撃の巨人」にしろ「コードギアス」にしろ「まどか☆マギカ」にしろこの作品にしろ、人の不完全さを愛する作品のオチは当然そうなるよなと思った。(ラストの「ロールシャッハの日記
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レディ・オア・ノット(2019年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

『ニコチンの力〜』

思ったよりも具体例に触れてしまい、自粛しよう思っての「ネタバレ注意」。

面白いねー!

サマラ・ウィーヴィングのクッキリとした顔立ちがホラーとして映えすぎていて、芯から出るエネ
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REDLINE(2010年製作の映画)

3.7

『ニトロとノータリン』

カーレースドラマ×国家の陰謀もの×SFということで「何じゃそりゃ」な設定の緻密な連発

脚本の榎戸洋司さんという名前をみて(フリクリの脚本家さん)納得。変な設定と変な設定を共
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THE BATMAN-ザ・バットマンー(2022年製作の映画)

3.9

『復讐するは我にあり。』

前夜祭にて。
一部映画のテーマや具体例を列挙するのでネタバレだと思いそうな方は自衛を!

んー難しい!
とても、とても素敵で熱狂した点と同時に、とんでもなく、途方もなく頭を
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映画 聲の形(2016年製作の映画)

3.8

『河合、喋るな。』

「君の名は。」と同時期公開の青春映画、こちらは大分地獄
大衆"向け"映画嫌いな逆張りしたがりな方(とても失礼な言い方)、またはあの作品から零れ落ちた方向けの作品

対になる作品群
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天気の子(2019年製作の映画)

3.5

『私たちは大丈夫だ』

原作・脚本・監督・演出・編集、全部新海監督ですが、とことん一人でやってきたのもあって、画面統制がよく出来てると思います。

前作よりも、悪く言って仕舞えばラノベ感が強くて、浸り
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君の名は。(2016年製作の映画)

3.8

『青春は、バクハツ?』

映画というものにハマる一つのきっかけとなった作品
最も大切な劇場体験なのでかなり色をつけた高評価にはなりますが。

好きじゃない人もいるとは分かっていつつ、それでも私は声を大
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言の葉の庭(2013年製作の映画)

3.0

「物作りの救済性」という一点に迫った映画としては悪くないと思うけど、リアリティはあまり足りていない気がした。

身勝手な行動に苛立たされるばかりで、共感があまり出来なかったりする。

世間一般の正義か
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星を追う子ども(2011年製作の映画)

2.5

新海監督、史上の問題作

新海誠監督の過去作をある程度おさらいしてから考え直すと、今作はジブリ×エヴァといった感じ。

彼の作品史上最大級の要素満載のごった煮状態
ここまで来てしまうとオマージュという
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雲のむこう、約束の場所(2004年製作の映画)

2.7

んーこの…映画としては誉め難いのに何か嫌いになれないこの感じ。
どうやら自分はロマンチストのようです。間違いなく新海監督と親和性が高い。

センチメンタリズムとノスタルジー全開の世界観と映像は多分私の
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ほしのこえ(2002年製作の映画)

2.9

新海誠劇場初公開作品
なるほど。
恐らくは「伝えたいし感じて欲しい」映画なのだ。

壮大な絵や世界観に対してやっていることは非常にミニマルなところへこそ、私たちの感情は代入されるべきなのかもしれない。
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だれかのまなざし(2013年製作の映画)

2.7

不動産のCMなので建築がとても魅力的だった。
それ以外のSFデザインは無理に入れなくて良いよって思った。ゴツゴツの車出てきて笑ってしまった。

2048:ノーウェア・トゥー・ラン(2017年製作の映画)

3.0

2049の前日譚
プロットの整理以外には特に何もない。映像は綺麗なんだけどね。

2036:ネクサス・ドーン(2017年製作の映画)

3.0

2049の前日譚、まあ前日譚ですよ。
2049同様映像がやっぱ好き。
本編で足りない人向け。

ブレードランナー ブラックアウト 2022(2017年製作の映画)

3.7

2Dになるだけで一気に押井守版攻殻機動隊的な世界観と映像表現に見えてしまうあたり、私は気付かぬうちに押井守ナイズされていたらしい。

2049の予習としても一本の短編としても面白いです。

低予算だと
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