ーcoyolyーさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

マレフィセント(2014年製作の映画)

4.0

ツンデレアンジーに圧倒的下僕のサム・ライリー、そこに大正義エル・ファニングで成立しちゃってる。強い。「王子様なんていらない」「お前が統べろ、お前にはその力がある」というアンジーからの力強いメッセージ最>>続きを読む

ゲーテの恋 〜君に捧ぐ「若きウェルテルの悩み」〜(2010年製作の映画)

3.3

ゲーテウゼェクッソウゼェ!まあでも観る前からどうせウゼェんだろ、どんだけウゼェんだろう?という興味だけで再生しちゃったからそのウザさは想定内。でもウゼェ。自分だけではなく一家の生活がその肩にのしかかっ>>続きを読む

シンデレラ(1997年製作の映画)

3.9

シンデレラらしからぬパッケージに何事?と思って観てみたのだけどこれはちょっと思いがけない拾い物でしたよ。『ハミルトン』観るくらいなら半分の時間でこっち観た方が良い。シンデレラがアフリカ系、王子がアジア>>続きを読む

シンデレラ(2015年製作の映画)

3.5

リリー・ジェームズが意地悪な継姉役やる気満々でいたらシンデレラ役の方に抜擢されてしまったという逸話をどこかで見かけて気になってた、という一点のみで観てみた。なるほどこれは継姉役やりたかったの分かる。『>>続きを読む

乱世備忘 僕らの雨傘運動(2016年製作の映画)

3.7

この後の香港がどうなったかを知っている、民主化運動もできなくなるような国安法に支配されてその地に住む人が沈黙を強いられ、報道するようなことを起こすことすらできずにいる2022年に雨傘運動を振り返ると胸>>続きを読む

リザとキツネと恋する死者たち(2014年製作の映画)

3.9

東欧臭く垢抜けず野暮ったいウェス・アンダーソンって感じ。だがそこが良い。ゆるくて詰めが甘くて完成度はウェス・アンダーソンとは比べ物にならないのだけど、えも言われぬフラがある。ウェス・アンダーソンのは計>>続きを読む

砂漠でサーモン・フィッシング(2011年製作の映画)

3.6

言ってみればワールドワイドな『釣りバカ日誌』なんですわ。スーさんハマちゃんがアラブの王族とイギリスのさかなクンに置き換わってるだけの。恋愛とか政治とかビジネスとか絡めてるけどまあまあ『釣りバカ日誌』。>>続きを読む

提報者 ES細胞捏造事件(2014年製作の映画)

3.8

アメリカの中絶の問題もそうだけど、卵子のことを卵子を持ち得ない人々主導で決められるグロテスクさってもっと語られるべきだし問題にされるべきだとも思うんですよね。そこについては要検討ではあるかなと思いまし>>続きを読む

サイの季節(2012年製作の映画)

4.5

映画という表現媒体が羨ましいのは静かに雄弁に1時間半で余す所なく言語化できないメッセージを伝えられるところ。

イラン映画の善きものが詰まったイラン映画だった。

その地の歪みも美しさも全て。


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ハミルトン(2020年製作の映画)

2.5

あーこれオバマ好きですわ。極めてバラク・オバマ的。全く褒めてません。優等生が必死にイキってるの見ると痛々しくてしんどいじゃん、それをさ、黒人が白人の目を気にして媚び媚びしながらやってんの。「理解ある白>>続きを読む

ザ・ロイヤル・テネンバウムズ(2001年製作の映画)

4.5

Disney +解約する前に久々に観た(こういう場合の例に漏れずすっかり内容忘れてたり、ある登場人物の行動が他の人物の行動にすり替わって記憶されたりしていました)。
ウェス・アンダーソンで一番好きなの
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ザ・ビーチ(2000年製作の映画)

3.4

これ監督ダニー・ボイルだったんですね。レオナルド・ディカプリオが『タイタニック』でレオ様として大ブレイクした次に選んだ作品なのに大コケしたという記憶しか残ってなかったんですけど観てみたら選んだ理由も大>>続きを読む

ジュディ 虹の彼方に(2019年製作の映画)

3.0

これはあかん。醜い。ジュディ・ガーランドへの愛やリスペストよりもまず面の皮厚く「私はオスカーが欲しいです」という欲だけが突っ張って鼻息荒く前面に押し出されている。『グリーンブック』と同じ賞が欲しいだけ>>続きを読む

サマー・ストック(1950年製作の映画)

3.4

ジーン・ケリーが怯えている。ジュディ・ガーランドに終始怯えて腰が引けている。『踊る海賊』の時に較べれば大分持ち直しているように見えるけどその時のトラウマとジュディ・ガーランドに敵視されてそうな雰囲気は>>続きを読む

グッド・オールド・サマータイム(1949年製作の映画)

3.6

『踊る海賊』以降のジュディ・ガーランド作品を見続けるのは憂鬱になってきてたんだけどもこれはちょっと持ち直していた。目に強さが戻ってきた。何があった?と思ったら赤ちゃんのライザ・ミネリと共演していた。あ>>続きを読む

ワーズ&ミュージック(1948年製作の映画)

3.3

『アメリカ交響楽』に端を発する(そこより先行作品があったらごめんなさい)アメリカ音楽家バディ伝記物プログラムピクチャーというジャンルがかつてどうやらあったらしいと気付く。『雲流るる果てに』とこの映画、>>続きを読む

踊る海賊(1948年製作の映画)

3.4

非常に下賎な表現の仕方をしますとモラ男とメンヘラジャンキー、悪夢の競演です。

「現実と夢の世界があるわね 違いはわかってる 混同したりしない 絶対に」
こんなことジュディ・ガーランドに言わせんなよ…
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雲流るるはてに/雲晴れるまで(1946年製作の映画)

3.5

「つらくても希望はある 広がる青空を雲が覆い隠してしまっても 忘れないでいよう 太陽は必ずどこかを照らしている それなら私はこうしよう 楽しいことを考えるの 私の心の中を喜びで満たそう そうすれば悲し>>続きを読む

オン・ザ・ロード(2012年製作の映画)

4.0

プルーストの『失われた時を求めて』第1巻『スワン家のほうへ』は英題だと『SWANN'S WAY』になるのだと初めて知った。On The Roadだからこんなに大写しでWay出してきたかー……ってなる。>>続きを読む

ボーイズ・ドント・クライ(1999年製作の映画)

3.8

90年代に起こった事件のことを90年代の内に映画化したことで当時の空気感や限界が生々しくパッケージングされていて史料としての価値が生まれ始めているように思います。
近い将来、トランスジェンダーの役をト
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マリーゴールド・ホテルで会いましょう(2011年製作の映画)

3.5

イングランドサッカー推し中国人とオランダサッカー推し日本人、昨日から、つまりはW杯開会式と開幕戦、そしてお互いの推しの(現地時間)初日を目前に控えている今現在まで隙あらば大して知りもしないカタールに対>>続きを読む

ノマドランド(2020年製作の映画)

3.4

自分は「ホームレス」じゃなくて「ハウスレス」だと主張するじゃないですか。もうこの時点で私は阻害されてしまった。主人公の論理だと私は物心ついた時からずっと「ホームレス」なんですよね。

これなんだかんだ
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セッションズ(2012年製作の映画)

3.8

これ観てる途中で気付いたんですよ、人間の三大欲求って「食欲・性欲・睡眠欲」じゃなくて「食欲・排泄欲・睡眠欲」じゃね?って。介護って主に睡眠の合間の食と排泄の補助の提供じゃないですか。人間が生命を維持す>>続きを読む

リトル・ミス・サンシャイン(2006年製作の映画)

3.4

今のフィギュアスケートの客ってこれなんですよね。寸分違わずこれ。年端もいかぬ子供たちに仕込まれた芸を見て熱狂している。体型変化前のロシア人の女の子じゃないと跳べないジャンプを見て喜んでる。推しが五輪を>>続きを読む

オデッセイ(2015年製作の映画)

3.6

これ『インターステラー』の直後なんですよね。撮影順は分からないけど公開順としては。マット・デイモンマジマット・デイモンだなと思う。実像のマット・デイモンなんて『インターステラー』レベルだと思うんだけど>>続きを読む

サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)(2021年製作の映画)

3.7

黒人牧師の説教をサンプリングしたスティーヴ・ライヒ『It's gonna rain』好きなんだけどサンフランシスコの街頭で感銘を受けたライヒがこの素材を録音したのが1964年らしい。このフェスにも繋が>>続きを読む

ヘルプ 〜心がつなぐストーリー〜(2011年製作の映画)

5.0

エンドロールのトップクレジットがジェシカ・チャステインなの事情があるんでしょうけど、というか事情がなければそうならないでしょうけど、これ一番居心地悪いのジェシカ・チャステイン本人じゃない?実質的な主人>>続きを読む

フォードvsフェラーリ(2019年製作の映画)

3.5

マット・デイモンってなんっか香川照之とかぶるんですよ、いつまでもどこまで行っても学歴がついて回るところとか強いものにはとことん媚びて弱いものにはがっつりパワハラかましてそうなところとかコンプレックスの>>続きを読む

シェイプ・オブ・ウォーター(2017年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

映画観る時大抵編み物をしていますが編み物をする余裕もなく見入った映画はその旨を書き残すことにしています。これが私の場合一番の判断基準です。

この映画、編み物はする余裕なかったんだけど何故かやたらとお
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プーと大人になった僕(2018年製作の映画)

2.5

親にモデルにされた実在のクリストファー・ロビンがそのことで大変傷つき苦悩していたということは知っていたのでそのことについて描く映画なのかと思ったら違った。

そのことを作り手は全スルーではなくて知って
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わたしを離さないで(2010年製作の映画)

3.8

そういやTBSドラマ版は押さえてたけど映画まだだったと思い出したので観た。

TBSドラマ版も頑張っていたけど原作の雰囲気は流石にこちらの方が上だと思う(原作未読)。

ただトミーはアンドリュー・ガー
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ハクソー・リッジ(2016年製作の映画)

3.6

敬虔なクリスチャンアンディ、日本に飛ばされる羽目になり酷い目に遭うの巻沖縄戦編です。

江戸初期に続きまたしても日本に飛ばされたアンディ、今度は一体どんな酷い目に!?という興味しかなかったので沖縄に飛
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永遠に僕のもの(2018年製作の映画)

3.3

ずっと神木隆之介のことを考えていた。

なぜシスジェンダーでヘテロセクシュアルにも関わらず「魔性の少年」に夢見るおじさんたちの一群(以下ノンケおっさん)があるのだろうかと。
10年ほど前の神木隆之介が
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砂上の法廷(2015年製作の映画)

3.9

ほぉ、こう来るか!と。

これスタッフほぼ無名の人なんですよ。ただ脚本がエリア・カザンの息子でキアヌ・リーブスとレネー・ゼルヴィガーをキャスティングできるってことは脚本が良かったのかなと思ったらその通
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欲望のバージニア(2012年製作の映画)

3.4

あれ?これよく見たらパッケージにジェシカ・チャステインいる?と気付いたのでそれだけで鑑賞しました。

私はジェシカ・チャスティンの強い女を見たいだけなので、これは強いかどうかはさておきジェシカ・チャス
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マダム・フローレンス! 夢見るふたり(2016年製作の映画)

3.1

こうやって他人を笑いものにして馬鹿にする感性嫌い。『偉大なるマルグリット』の時はこうやって馬鹿にすることはなかった。

メリル・ストリープの実在人物モノマネ芸にも胸焼けがしてきたのです。これ演技と呼ん
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