あぺさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

偉大なるアンバーソン家の人々(1942年製作の映画)

3.0

室内の奥行き表現が凄いんだろうけど、これはもう撮影というよりどんなセットを用意するかで決まるんじゃないかと思った。脚本には興味が出ず、撃沈。

タバコ・ロード(1941年製作の映画)

4.6

エリーメイが走って水溜りを弾き飛ばすあのショットだけで泣ける。『戦争と母性』同様に犬の使い方が神がかっていた。

マンハッタン(1979年製作の映画)

4.6

ウディアレンベスト。
どのカットを切り抜いてもポストカードとして販売できるレベルでモノクロの陰影が美しく男女が街で歩きながら軽快にトークする様はヨーロッパ映画のようだが、マンハッタンの壮大さと合わせて
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許されざる者(1992年製作の映画)

4.0

フォードホークスあたりの古典西部劇を見てきたのでそろそろと思い鑑賞。脚本上の違いもあるが、映像面でも街並みを美しく捉えるということをせず暗〜い照明でどんよりと描くのは驚きだった。

プライベート・ライアン(1998年製作の映画)

2.4

流石に凄いと認めざるを得ないシーンばっかで、人が逆光でシルエットになったショットとかは惚れ惚れさせられたけど、長すぎたし、いろんな脳の味噌が疲弊したような感覚になる。
やっぱガッツリな戦争映画は年に一
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ウィッカーマン(1973年製作の映画)

4.1

トチ狂ったカルト教集団VSカタブツ男警官という相性が良すぎて何度も笑いを堪えてしまった。常に主人公が馬鹿にされ続けている感じが笑いを唆る。そう思ってたけど、最後の方は悲惨です。

リコリス・ピザ(2021年製作の映画)

4.6

PTA嫌いな僕でも大感激。というか唯一PTAの中でも好きになった作品で他のレビューを見るとやっぱりPTA嫌いな人は本作にハマるみたい。何度でも繰り返し見たい。


やっぱ清順映画が好きだからかカメラ横
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NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

4.3

電気を使わないフィルムが活躍するというシネフィルが熱狂しそうな仕掛け。

糧なき土地(1932年製作の映画)

4.2

ブニュエル作品の中でも、いやドキュメンタリー映画の中でもトップクラスにエグいショットだらけ。これを容赦なく見せつけてくるのもブニュエルらしい。

荒野の決闘(1946年製作の映画)

4.1

やっと西部劇を楽しめるようになってきた。
ストーリーは毎度似たようなパターンが決まっているが、それをどう描くかという所で監督の作家性が出やすい題材なんだと思った。ホークスは細かい仕掛けを盛り込んだりフ
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ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地、ジャンヌ・ディエルマン/ブリュッセル1080、コルメス3番街のジャンヌ・ディエルマン(1975年製作の映画)

4.8

今まであまり映画鑑賞で音の良さに惹かれたことはなかったけど、本作の生活音(ほぼ食器の音)をもれなくフォーカスしてるのは面白かった。というのも僕自身1人で過ごす時間は常に何かコンテンツを見るかラジオを聴>>続きを読む

ある男(2022年製作の映画)

4.4

ただショットが美しいというだけでなく演出、編集も最高。大人の醜い劇を見せた後に対比として純粋な子供のカットに繋げることで人間の汚さを効果的に見せていた。また、色んな映画で面会シーンを見てきたが本作が圧>>続きを読む

THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)

5.0

今年圧倒的ベスト。現実の体感時間はその時の心理状況によって変わるものだけど、漫画であればその体感時間をページをめくるタイミングで、個人のモノにできたし、それこそがスラムダンクの魅力なのではと思っていた>>続きを読む

赤い靴(1948年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

ラストで主人公がいないバージョンの舞台を披露していたが、あの空間に赤い靴の少女が踊っている姿が脳内で補填された。
中盤の「赤い靴下」本編の尺がもう30〜40分長かったら満点だったと思う。

恋する惑星 4Kレストア版(1994年製作の映画)

2.9

ダッチアングルの意図が伝わってくる時点で気を衒ってないことはわかるし遊び心満載な演出だらけで満足はする。電気代払い忘れによる停電によってロウソクで店を灯すショットは今年見た映画の中でもトップクラス。>>続きを読む

ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)

2.6

病院の廊下で三浦友和が車椅子で前進するがカメラは下がっていく。あの世に向かって進んでいくが現世からは離れていくことをカメラが下がることで表現してるんだろうけど、それにしてもあの廊下の絶妙な暗さが最高。>>続きを読む

テルマ&ルイーズ(1991年製作の映画)

4.6

リドリースコットの中で1番面白い。

「イージーライダー」「バグダッドカフェ」のようにアメリカの広大な砂地を描く映画はあったけど、本作が1番巧く描けていたと思う。

もう後に弾けないからぶっ放しちゃえ
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死霊のはらわた(1981年製作の映画)

4.0

コンセントから血が出る演出に1番鳥肌たった。
人物動物のスプラッターは本物含め多く見ているから不感症になってしまったけど、無機物のグロテスクはゾクゾクしてしまう。

アンドレイ・ルブリョフ 動乱そして沈黙(第一部) 試練そして復活(第二部)(1969年製作の映画)

3.5

正直他の「ノスタルジア」「ソラリス」の方がまだわかるし歴史物は苦手だが、やっぱりタルコフスキーショットを見物できるだけでも幸せな気持ちになれた。

港々に女あり(1928年製作の映画)

4.0

指の仕草で人情を物語る演出に感激。
濱口の「PASSION」を観た時も思ったけど、こういう友情関係って自分はなかったなあと切なくなる。

ギャング・オブ・ニューヨーク(2001年製作の映画)

4.5

やっぱり情報量が多い映画は大好物。大量でカラフルな装飾と人でごった返してるだけで満足だし安っぽくなりがちなスローモーションを上手いことキメて品位を保っていたのも好感だった。
ダニエルの目に入っていた青
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赤い河(1948年製作の映画)

3.3

自分がホークスに求めているのはワイドなショットではなく人物に寄ったショットと演出だったから本作はハマらなかった。牛の大群は凄いんだけど「タワーリングインフェルノ」同様繰り返してしまうと飽きてしまう。

タワーリング・インフェルノ(1974年製作の映画)

2.9

撮影も凄いってことはわかるし丁寧に描きたいんだなってことはわかるけど長すぎる。途中で興味がなくなってしまった。ヨーロッパ日本の長尺は全然いけるのにこの手の映画で長尺なのは体力が持たない。

実際の炎を
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あなたの番です 劇場版(2021年製作の映画)

3.5

あな番はツッコミ所も満載だがマンションという何とも絶妙なコミュニティで群像劇をやる所が素晴らしいと思っていた。今回は船の上だがら金田一とかでもよく使われてそうなサスペンスの舞台になってしまった時点で少>>続きを読む

リバティ・バランスを射った男(1962年製作の映画)

4.0

やっぱフォードとホークスの室内の描き方は絶品。多分現実のセットを見たら大したことないんだろうけど(昔アメリカでスタジオを何件か回ったがどれも味気ない空間だった)この手の監督に撮らせたら一気に別次元。>>続きを読む

窓辺にて(2022年製作の映画)

5.0

今までの今泉作品の中で1番良い。

「好きな人に浮気をされたら必ず憤りを感じる 感じなければ好きではない」という考えを大半の登場人物が持っているが、そんな人間の感情は1次方程式みたいにシンプルなロジッ
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初体験/リッジモント・ハイ(1982年製作の映画)

4.3

中絶した直後に校外学習で生まれたての赤ん坊とガチの死体解剖を見させられるって半端ない。壮絶なモラトリアムを体験しているな。
ラストのタイミングもここ?って感じで最高。

レディ・バード(2017年製作の映画)

4.1

なんだかんだベタだけど免許とって実家の近所を回ったら全然違う景色に見えたっていうシーンが1番刺さった。実家周辺のショットは凡庸だけど、実家周辺だからこそ凡庸でなければいけないし、アングルも月並みなのが>>続きを読む

リオ・ブラボー(1959年製作の映画)

5.0

ジョンウェインが保安官バッチを投げる運動で泣ける。。

「脱出」の時からホークスは人が人に物を投げる動作に意味を持たせていたが、本作ではモロに物語に絡んでいきラストシーンまで意味を持たせていた。

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ノベンバー(2017年製作の映画)

4.1

男女が水中で抱き合うシーンは「シェイプオブウォーター」等何度も見てきたが本作が圧勝。元ネタがあったとしても最終的に仕上がってる作品の方が優れていると思う 
後半の棺桶の交錯には涙。

白飛びがあまりに
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ゼア・ウィル・ビー・ブラッド(2007年製作の映画)

2.5

PTAとは基本的に馬が合わないな。

なんだかんだ会話劇が中心でブギーナイツのような細かい演出を見ることができず残念。

映像が淡白というか情報量が少ないのも辛い。

クルーレス(1995年製作の映画)

4.5

モノクロの映画を見た後の反動もあるけど、全力で楽しめた作品。

男女が結ばれキスをするなんていう何百回も見てる展開なのにここまでの感動を生み出す力はなんなんだろう。ハイウェイでの危機を乗り越えた黒人カ
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怒りの葡萄(1940年製作の映画)

3.2

「戦争と母性」「わが谷は緑なり」みたいにショットで感激することはなく脚本の方が輝いていたように見えた。

ただ、あの人物の影の写し方は最高、

やたらフォード好きの中でも評価が高いのは何故だろう。

わが谷は緑なりき(1941年製作の映画)

4.6

室内のライティングがドライヤー並みにシャープでエモい。脚本は月並みというか既視感があるモノだけどやはり高山のショット、丘のショットで泣けてしまう。学校でボコボコにされた息子に対して親族がボクシングで鍛>>続きを読む

真昼の決闘(1952年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

西部劇といえばクライマックスの決闘シーンまでの人物紹介で飽きてしまうのだが、本作は全く退屈しない。戦い方も典型的な西部劇と違い3Dな戦いをしていた。

西部劇は男として力を全力に押し付けてくる感じが苦
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ザ・バニシング-消失-(1988年製作の映画)

3.5

映像の良さは認めざるを得ないし、沢山良いところあったけど、この手のサスペンスはヒッチコックでお腹いっぱい。