この映画の素晴らしいところは、要はエイブも実は何が悪いか気付いているんですよ。でも気付かないふりをしている。意識と無意識の拮抗を描いていて、しかもランニングタイムが80分ちょっとという。終盤でエイブの>>続きを読む
レンタルDVDで鑑賞。狂気の入れ子構造が見事だった。この物語を牽引する人物は、すべて外界からもたらされたもの、つまり「転校生」なんです。だから、物語が進むにつれて、虚構には手を触れることもできないが、>>続きを読む
現在の映画にも通じる技法の見本市で、一度観ただけではそのすべてを網羅しきれていない。個人的に一番重要だと思ったのは反復の使い方だった。あと、これは映画史的な傑作という視座を外し、『レボリューショナリー>>続きを読む
完璧な映画ではないがとても「親密」な映画だと感じた。ニシノユキヒコという存在は極めて自我が薄く、それゆえ女性の欲望を写し取る。このあたり、ジジェクのラカン解釈を連想し、非常に楽しんでみることができた。>>続きを読む
ひょっとすると主人公はロバート・スタック演じるカイル・ハドリーなのかもしれない。『エル』(ルイス・ブニュエル)の視点を転じて描いたような作品。色調は比較的穏やかだが、描かれる出来事は酷薄。過去に妄執す>>続きを読む
うぉぉマジかよ・・・。これはネタバレできん。観る予定のある人はなるべく事前情報を入れずに見てとしか。もし俺が普段あまり映画見ない人に最近のおすすめは?と聞かれたら間違いなくこれを勧める。最初思ったのが>>続きを読む
親不孝とは、本心とは逆に照れが邪魔したことで生まれる、ということをアニメの「ツンデレ」とオーバーラップさせて語った点で、これも吉田監督の他作品同様「発明」であると思う。ただ、主演女優はちょっと芝居に癖>>続きを読む
この時期は『麦子さんと』もそうだが、山梨県を舞台にした、親子関係を描いた作品が続いたが個人的にはこちらのほうが好みです。何も起こっていないように見えて実は感情のドラマが前田敦子の無表情の裏で進行して>>続きを読む
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トリックの劇場版の中では一番出来がいいと思う。そりゃ、ミステリーとしては犯人が聞かれてもいないのに真相を明かすタイプのダメダメ作劇だし、小ネタの挟みもわずらわしい。けど、嫌いになれません。
1期トリッ>>続きを読む
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面白かったし、何シーンかでは泣いたし、中盤まではひょっとして前作超えもありうるかと思ったけれど、収束に手間取った印象。
正直、なんでモヤモヤ抱えているのかうまく言葉にできない。これは人によっては評価す>>続きを読む
歴史の不透明さに誠実に向かい合った作品。朝ドラのようなセットや芝居がかったセリフ回しがすべて有効に作用している。かといって、完全な絵空事にならないように役者の演技の間によって息が吹き込まれている。
好きな要素をこれでもかって盛り込みつつ、虚構と現実を相混ぜて批評性を持たせる。あたる達が誰もいない夜の町を車で走るシーンがあるけれども、あの夜の暗さが私が心象風景として持っている80年代の風景だ。 好>>続きを読む
確かに面白かったし、何度か泣いたけれども、(嫌な言い方になるが)多分年間ベストには喰い込まない気がする。あまり毒のない映画なので。『エンド・オブ・ザ・ワールド』(スティーブ・カレルとキーラ・ナイトレイ>>続きを読む