乙郎さん

キック・アス ジャスティス・フォーエバーの乙郎さんのネタバレレビュー・内容・結末

2.0

このレビューはネタバレを含みます

面白かったし、何シーンかでは泣いたし、中盤まではひょっとして前作超えもありうるかと思ったけれど、収束に手間取った印象。
正直、なんでモヤモヤ抱えているのかうまく言葉にできない。これは人によっては評価するポイントなのかもしれないけれど、「死」の描き方のトーンが一様ではなかったのが理由かもしれない。
最初にポジションを明確にしておくと、僕は『キック・アス』一作目は大好きです。ちなみに、弟にも勧めて、弟はアメコミ映画で一番好きだといってました。で、僕が『キック・アス』のどこに惹かれたかというと、それはポップさでした。要は、僕が中学生や高校生頃にぼんやりと憧れていたイメージとしてのアメリカが、『E.T.』や『バック・トゥ・ザ・フューチャー』を通して観たティーンのアメリカが『キック・アス』にはあった。そしてその要素は確かに今作にも継承されている。ただ、前作から継承したポップなトーンが物語に合ってない気がする。冒頭で一名、戯画化された死に方をする人物がいるけど、段々「死」の描かれ方が凄惨なものになっていく。人によっては評価ポイントかもしれないし、僕もそれ自体を批判するつもりはないけど、食合せが悪かった。あと、ある人物の正体に声で気づく場面があるが、それやったら「じゃあ今までどうしてバレなかったの?」ってならないか?
でも、やっぱり魅力的なシーンもあって、やはりヒットガールが戻ってきた時には脳内麻薬が溢れるのがわかったし、ワゴンの上でミンディが銃撃するシーンはこの映画内で一番好きだ。賛否両論な「ゲロゲリ棒」も支持したい。あと、ヒットガールが壁をかけ上がるところをマザーロシアに阻止されるところなど、「これは本当に歯がたたないかも」と思わせられてよかったし、僕個人としてはジャスティス・フォーエヴァー絡みのシーンも悪くないと思う。
初期の続編情報だと、ヒットガールのスピンオフとキック・アスの話の二本立てになるという噂があった気がするけど、キック・アスとヒットガールのエピソートがうまく結び付いていない気がするのもその辺に理由があるのかななんて思った。
乙郎さん

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