乙郎さん

トリック劇場版 ラストステージの乙郎さんのネタバレレビュー・内容・結末

2.5

このレビューはネタバレを含みます

トリックの劇場版の中では一番出来がいいと思う。そりゃ、ミステリーとしては犯人が聞かれてもいないのに真相を明かすタイプのダメダメ作劇だし、小ネタの挟みもわずらわしい。けど、嫌いになれません。
1期トリックの醍醐味は、仲間由紀恵演じる山田奈緒子が「自分は霊能力者かもしれない」とアイデンティティを揺るがす、その不安定さが、不安定さを煽る演出と、深夜に見ているという感覚にマッチングしていたところにあると思うので、それが戻ってきた気はした(ただし、完全にではない)。
その揺さぶりはもっと大きくてもよかった。例えば、上田次郎(阿部寛)が自身の科学信仰を揺るがせるかもしれない事件が起こるのに、それを活かさないのはもったいないし。あそこで山田の霊能力者観を露わにするなら、村民の姿を映す必要があったと思う。
 一番文句があるのは、エンディングの切り方で、あれよりもっと早いか、最後まで映すかのどっちかを選ぶべきだったと思う。ちょっと説明的にしすぎたような。
 正直文句の方が多いのだけど、でも嫌いになれない作品ではあります。
乙郎さん

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