paraさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

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ポトフ 美食家と料理人(2023年製作の映画)

3.6

フランス料理の真髄 そして愛と情熱の物語

今は固形コンソメがあるけれど昔は一から作るしかなく、手間ひまかけて様々な食材の組み合わせや火の入れ方、タイミングで変わる料理の味わい。
何より食べる人に美味
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ティル(2022年製作の映画)

4.0

アメリカの白人至上主義。

シカゴ出身の少年が親類の住むミシシッピーに遊びに行き、そこで起きたエメット・ティル事件とその後。
それは公民権運動へ繋がることになり、キング牧師のあの有名なスピーチ「I h
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ウォンカとチョコレート工場のはじまり(2023年製作の映画)

4.0

⭐️あなたを夢のチョコレート国へ⭐️

観た人が笑顔になれる作りで多幸感溢れる映画。

さすがPrince of Hollywood、演じていなくてもティミーから滲み出る王子様感は半端ないし、ティ
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Winter boy(2022年製作の映画)

-

自暴自棄になっても自分を傷つけるだけ

子ども(青年)の不安定な気持ちを描いた作品。
大人は心の中をすべて他人に曝け出すことはしないのだ。

リュカはいつの日か兄ちゃんの有り難みを知るだろう。

鑑賞
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The Goldman Case/ゴールドマン裁判(2023年製作の映画)

3.8

実際の裁判を描いた映画。
ほぼ全編が法廷内のため演劇的。
また被告人(ピエール・ゴールドマン)が活動家ということでとにかくギャンギャン吼えまくる。
一審は終身刑、映画は二審が舞台。
審議の後の判決が夜
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父ありき 4Kデジタル修復版(1942年製作の映画)

4.0

戦局映画。
長く日本ではGHQによる検閲版しかなかったのがペレストロイカで旧ソ連保有フィルムが西側に知られることとなり、本作のオリジナル版が発見されて生誕120年に合わせて削除された部分を繋ぎ合わせ修
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マエストロ:その音楽と愛と(2023年製作の映画)

3.7

アメリカが生んだ偉大な音楽家レナード・バーンスタインとその妻の物語。

カメラワークに変化があり躍動感も感じられ、カズ・ヒロ氏のメイクの凄さ、キャリー・マリガンの演技力。
オケパートが本当に素晴らしく
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市子(2023年製作の映画)

3.9

自らは動かないが寄ってくるものを捕捉する食虫花

人は人生をやり直すことは可能なんだろうか?
息をするように平然と嘘と罪を重ね続けた先に一体何があるのか。
背乗りし他人になりすましてまで生きる意味っ
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ロスト・イン・トランスレーション(2003年製作の映画)

4.0

35mmフィルム上映

妙ちきりんな国、JAPAN
(実際の日本そのままだし、客観的に見て終始こっ恥ずかしく苦笑いするしかない。しかも海外では日本語部分字幕なしだそうなので本当に奇異だと思う)
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枯れ葉(2023年製作の映画)

4.3

ワンコと音楽とユーモア、そして人間讃歌。
人は変わることが出来るし、一度きりの人生をタイミング逃さずに生きていく。
随所に挟み込まれる風景も完璧な構図で美麗。
チャップリンの映画を彷彿させるようなラス
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戦場のピアニスト 4Kデジタルリマスター版(2002年製作の映画)

4.0

原作書籍保有、録画データ所持ですが、4Kデジタルリマスターされたので劇場鑑賞。
ショパンの夜想曲NO.20を聴けばこの映画を思い出す。

ポーランドに住むユダヤ人ピアニストがナチスからの迫害を逃れて潜
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ショーイング・アップ(2023年製作の映画)

3.8

ケリー・ライカート監督ティーチイン付上映

監督の地元オレゴン州にあるアートスクールが舞台。
日常を送る中で思うように行かずに苛立ったりと揺れ動く感情のさざなみのようなうねりを掬い取る柔らかな手触りの
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アダミアニ 祈りの谷(2021年製作の映画)

4.5

ジョージアの山岳地帯パンキシ渓谷に暮らすキスト人(ほぼムスリム)を追ったドキュメンタリー。
近年はチェチェンから逃れてきた人々も多く、ゲリラ養成所や犯罪多発など血なまぐさい状態だったことからヨーロッパ
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ペルリンプスと秘密の森(2022年製作の映画)

-

人間は己の飽くなき欲望のために破壊と殺戮を繰り返す。

利便性の追求…
電力の恩恵受けている身で偉そうなことは言えないのだが、俯瞰でみれば人間は地球に対してとんでもないことをしているんだ。地球は人間だ
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ル・アーヴルの靴みがき(2011年製作の映画)

3.9

ワンコと音楽とユーモアそして人情と。

コンテナに隠れて密航するもの途中で見つかり、逃げ出す少年。
優しい気持ちが世界を動かす。
こんな暖かな世界なら、という希望の物語。

「移民とわたしたち」
日本
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ナポレオン(2023年製作の映画)

3.7

フランスの歴史を映像で学ぶ。
時代の寵児ナポレオンが下克上でのし上がる歴史物ということもあり、駆け足でその人生を追うためやや大味な印象。

戦闘シーンはスペクタクルではあるもののIMAXカメラは使用し
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ロスト・フライト(2022年製作の映画)

3.8

鑑賞だけでヘロヘロ。

元M I6のスパイ作家チャールズ・カミングが共同脚本で、元ネイビーシールズの俳優が傭兵役で出演という文言に惹かれての鑑賞。

もちろん“それは流石に有り得ない“点もあるのです
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ほかげ(2023年製作の映画)

4.1

敗戦後日本のある一場面。

演者たちの凄まじい熱演。
子役の塚尾くんの射るような強い目力に吸い込まれそうになる。

鑑賞後に心に浮かんだのは、終戦後逞しく生き抜いて傷ついた日本を立て直し復興してくださ
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ディス・マジック・モーメント(2023年製作の映画)

4.2

ちょっと読後感想文的レビュー。

リム・カーワイ監督×作家岩井圭也さんトーク付

テアトル梅田の閉館が決まり、リム監督が全国のミニシアターを回る旅に出る。
どの劇場も厳しい運営を強いられる中、な
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黒衣人(2023年製作の映画)

4.0

王西麟氏が何者か知らなかったため、最初は何を見させられているのやら状態で、何故着衣なしなのかがわからず、また謎の踊り(Q&Aでこの踊りに意味があることを知る)に上手なピアノ…
から王氏が自ら語り始めて
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火の娘たち(2023年製作の映画)

-

3画面スプリットスクリーンで3人の女性が輪唱する。
フォゴ火山で離れ離れになった姉妹という設定らしい。
最後は実際の火山や人々の映像で終わるペドロ・コスタの8分間。

東京フィルメックス2023

川辺の過ち(2023年製作の映画)

-

Wの悲劇からの「ホン」

原作(小説)ありのフィルムノワール。
舞台は1995年山東省。16mmフィルムにての撮影。
ベートーヴェンの月光が雰囲気に合っているものの少し消化不良気味。

東京フィルメッ
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Last Shadow at First Light(原題)(2023年製作の映画)

-

ニコール・ミドリ・ウッドフォード 監督、永瀬正敏さん、筒井真理子さん、白田さんの挨拶とQ&A付。

監督が光の筋を思い出の象徴と語られていたのですが、日本人的感覚からすると魂の鎮魂(成仏)と捉えらる
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ゴーストワールド(2001年製作の映画)

4.3

Not in service
来るはずのないバスを待つ人だけが見ることが出来る世界。

今は運行していないバス停から乗り込んだバスは闇の中に消えていく。社会に居場所を無くした者が向かう行き先は…いずこ
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GIFT(2023年製作の映画)

4.5

石橋英子さんの生演奏上映+Q&A

東京フィルメックス2023

美しい長野の自然とサイレント(字幕付)によるドラマに音楽。
段々と呼吸が深くなりメディテーションのような贅沢で至極の74分。
素晴らし
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シチリア・サマー(2022年製作の映画)

3.7

1980年に起きた実話ベース。
映画では1982年ワールドカップイタリア優勝の年に設定されて、家族の結びつきを描くためのサッカーかな。

保守的なカトリックの国イタリア。シチリアなら輪を掛けて保守的だ
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About Dry Grasses(英題)(2023年製作の映画)

4.0

Dry Grasses(メタファー)について語る作品。
英題タイトルがラストに主人公のモノローグで回収されるのだが不覚にも泣きそうになった。
理想と現実を隔てる高い壁。

セルフィッシュでヤな奴が主人
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ツィゴイネルワイゼン 4K デジタル完全修復版(1980年製作の映画)

4.0

この世とあの世。

六文銭の先は三途の川。
生きているのに死んでいるようで、死んでいるのに生きているようなどちらの世界かわからない幻想ワールド。
色彩の鮮やかさとコミカルな場面も怪しさで満たされている
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リアリティ(2023年製作の映画)

3.8

アメリカの国家機密を漏洩した罪で任意で聴取されたFBI尋問記録(音声)再現ドラマ。
セリフは記録の通りで経過時間もほぼ再現らしく、緊迫した時間を味わう。
記録の黒塗り部分の演出が斬新。
女性の名前が嘘
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ロイ・ハーグローヴ 人生最期の音楽の旅(2022年製作の映画)

4.0

早逝した稀代の天才ロイ・ハーグローヴ。
図らずも彼の最期となったツアーを追ったドキュメンタリー。
とは言え最後に明らかになる理由でステージは撮影出来ていないし、彼の作曲した楽曲は使用できない。

この
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SISU/シス 不死身の男(2022年製作の映画)

3.9

鑑賞後の最初の感想
この映画を買い付けた配給会社凄いな。

ラストにかけてスオミ語のみになるがそれまでは英語のフィンランド発バイオレンス?アクション?映画。

一瞬たりとスクリーン以外のことを考えずに
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VORTEX ヴォルテックス(2021年製作の映画)

4.1

公開後に書き直します。

ギャスパー・ノエ監督と塚本晋也監督のトーク付き先行上映
なんと終映後にギャスパー・ノエ監督もう一度劇場に戻ってきて挨拶してくださった!!感激。公式見る限り打ち上げから劇場に戻
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インファナル・アフェア 4K(2002年製作の映画)

4.0

無間地獄。
潜入と内通の傑作が公開20年を記念して4Kで甦る。
ということでお気に入りの第一部無間道のみ大画面で鑑賞と、4K劇場と迷いながらシネマートで。
生きているものが受け続ける艱難辛苦。

いつ
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ぼくは君たちを憎まないことにした(2022年製作の映画)

3.7

2015年パリ同時多発テロ事件で最愛の妻を亡くしたジャーナリストがFacebookに載せた手紙と彼の葛藤の日々を綴った手記の映画化。(未読)
今どのように暮らされているのでしょう。

ISILのテロ犯
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暗殺の森(1970年製作の映画)

4.0

原題:conformista(遵法者、順応主義者)

午前十時の映画祭 町山解説付き

ベルトルッチ監督29歳、撮影のヴィットリオ・ストラーロ30歳。
若さゆえの画期的な撮影方法(青と白で表す時間軸)
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アンダーグラウンド 4K デジタルリマスター版(1995年製作の映画)

3.9

この物語に終わりはない

旧ユーゴスラビアの混乱をユーモアを交えて描く。
みんなが歌って踊って楽しく生きられたら幸せなのに。
元々多民族、多宗教、多言語の連合で、世界史でヨーロッパの火薬庫と習ったバ
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