盆栽さんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

原子怪獣現わる(1953年製作の映画)

3.3

結局人間のせい


 『ゴジラ』よりも1年前に公開されたということで『ゴジラ』の原点ともいわれている本作。『キング・コング』(1933)が特撮の元祖なら、本作は特撮怪獣の元祖かもしれません。

 北極
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カラマリ・ユニオン(1985年製作の映画)

3.7

世界にはたくさんの「フランク」がいる


 フィンランドの名匠アキ・カウリスマキ監督作品を初鑑賞。本作はロードムービーではありますが、個性的でシュールすぎる作り。かなり笑えます。
 ストレス社会に嫌気
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戦慄の絆(1988年製作の映画)

3.9

愛と絆が奪われる


 一卵性双生児の兄弟が一人の女優と出会ったことにより、互いのアイデンティティを失っていく姿を描くデヴィッド・クローネンバーグ作品。相変わらず不気味な世界観ではありますが、本編が終
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ヴィデオドローム(1982年製作の映画)

3.5

性的欲求が導く裏の世界


 見事なクローネンバーグ・ワールド。身体破壊をはじめ、現実と幻想の境界の曖昧さ、人間の欲望と理性の対立をサイコロジカルホラーとして視覚的に襲ってくる。難解で悍ましいけど、ど
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インランド・エンパイア(2006年製作の映画)

3.6

リンチ・ワールド、ついに極限の最難関へ


 デヴィッド・リンチ監督による長編10作目にして現状リンチ最後の長編映画。今まで散々観客を狂気と不条理のドン底に突き落とし、頭を錯乱させてきたリンチですが、
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SISU/シス 不死身の男(2022年製作の映画)

3.9

諦めるな、絶対に!


 ナチスをボコボコにする新たな最強ヒーロー爆誕。しかも本作を製作した国が6年連続「世界幸福度ランキング」で1位に輝いたフィンランド🇫🇮!?この時点でもう面白い。

 物語がチャ
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ノック 終末の訪問者(2023年製作の映画)

3.1

荷が重すぎる


 M・ナイト・シャマラン監督による世界終末映画。終末といってもパニック映画ではなく、シチュエーション・スリラーに近いかんじ。

 森の中にあるポツンと一軒家に住んでいるとある家族の元
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アフター・アース(2013年製作の映画)

2.0

頑張る息子、見守る父


 M・ナイト・シャマラン監督作品で、原案はウィル・スミス。一見興味を引くメンツですが、これが見事につまらない。この時は未だスランプから抜け出せていないシャマラン監督なので、も
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デビル(2010年製作の映画)

3.4

なにもかも悪魔のせい?


 M・ナイト・シャマラン原案の本作。言われていればシャマランっぽいストーリーの運び方で、怒涛のどんでん返し。80分間で展開するハイテンポの緊張感が素晴らしい作品。

 タイ
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クロース(2019年製作の映画)

4.1

みんなの笑顔が1番のプレゼント🎁


 傑作クリスマス映画がまた現れてしまった。サンタクロース🎅がクリスマス・イヴの夜にプレゼントを子供たちに届けるまでを描いた本作。最高に心温まるハートフルストーリー
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レクイエム・フォー・ドリーム(2000年製作の映画)

4.2

破滅への道を選んでしまった4人


 中毒が引き起こす、人間の破滅を描いたダーレン・アロノフスキー監督の代表作。主に薬物を破滅への引き金として設定し、自己顕示欲、成功、夢の追求など、現代社会の暗部を描
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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.9

DUNEが時代を超えた


 『DUNE PART1』から約2年半。遂に待望のPART2、そして原作の後半部分の映像化。キャスト・スタッフは前作とほぼ同じで、絶対的な信頼を持って劇場へ。結果としてあま
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ベン・ハー(1959年製作の映画)

4.1

大迫力!!


 レビュー1500本目に選んだのは、アカデミー賞で『タイタニック』『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』に並ぶ最多11部門受賞した名作。つまり、世界初の11部門受賞作品。これは化け物だ
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ダムゼル/運命を拓きし者(2024年製作の映画)

3.4

己の力を信じろ


 2024年新作のNetflix映画。今の時代にピッタリな内容の冒険ファンタジー活劇である本作は、最高に面白いのにどこか惜しい。鑑賞中、ずっと痒いところに手が届かない感覚に陥れられ
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瞳をとじて(2023年製作の映画)

4.0

一生に一度の出会いは何を意味するのか


 恥ずかしながら本作が初めて観るビクトル・エリセ監督作品。そのため彼の映画手法に関しては皆無なので多く語ることは出来ませんが、本作は映画の構成としてあまりにも
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アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)

3.7

皮肉な物語が売れるってマジ??


あまりにも斬新で不謹慎ながら笑ってしまうブラックコメディ。脚本のクオリティに圧倒されました。

 白人が喜ぶ攻撃的なテロップに頼るブラックエンターテイメントで利益を
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地球が静止する日(2008年製作の映画)

2.5

宇宙人に「更生しろ」と言われたら迷わずそうします。


 1951年版のリメイク作。フルリメイクというよりはオリジナル版の要素を現代SF風にアップグレードした感じ。結果的に、本作のオリジナル要素はあま
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地球の静止する日(1951年製作の映画)

3.5

地球の未来は地球人にしか決めれない


 『宇宙戦争』よりも前に製作された古典SF映画のひとつ。ある日突然、空から謎の飛行物体が地球に着陸し、英語を話す宇宙人が現れた。彼の目的は一体…

 決してパニ
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ゴーストランドの惨劇(2018年製作の映画)

3.7

全ての辻褄が合った時、最大の恐怖に襲われる


 『DUNE PART2』の興奮と余韻に襲われながら観た本作(レビューは封切り後に出します)。まともに他の映画が観れるか心配でしたが、ホラーだったので問
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華麗なる晩餐(2008年製作の映画)

3.7

堕ちる寸前まで美味しく食せ


ドゥニ・ヴィルヌーヴの短編映画。「七つの大罪」のひとつ"暴食"を過度に演出したかのような本作。「うわ…プラットフォームじゃん…」とあの作品を観た時の嫌悪感がまた再発しま
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ダーケストアワー 消滅(2011年製作の映画)

2.5

このB級感がたまらん


ロシアを舞台に、見えないエイリアン相手に全力で立ち向かう爽快(?)アクション超大作(?)。『宇宙戦争』と『プレデター』を足して『ゴーストバスターズ』で割った感じ。ホラーではな
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サインスピナー(2013年製作の映画)

-

銃社会と悪魔


13分ながらしっかりとストーリーがあり、引き込まれる。サインスピニングも銃も日本とは無縁の関係だけど、恐ろしさと残酷さは伝わります。あとティミーのカッコよさと可愛さが混合しててマジで
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Clown(原題)(2008年製作の映画)

-

ティモシー・シャラメの映画初出演作品。
誘拐された子供が狂気に呑み込まれ、悪いピエロと化するまでの物語。

観終わった直後に"Clown"の本来の意味を今一度調べました。結果「なるほどね」

キング(2019年製作の映画)

3.6

誰のために、何のために王になるのか


ウィリアム・シェイクスピアの戯曲を原作とした本作は、歴史的な重厚さとキャラクターの奥深さが見事に調和した作品。コミカル描写が一切なく、「平和」を求めるために躍動
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MEN 同じ顔の男たち(2022年製作の映画)

3.4

しばらくロリー・キニアの顔は見れないかも


これまた斬新なホラー映画。夫の死を目撃したハーパーは心を癒すため、とある村で過ごすことに。しかしその村にいる男性はみんな同じ顔だった…

どこを見てもロリ
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アラビアのロレンス(1962年製作の映画)

4.0

砂と情熱


壮大なスケールの骨太な叙事詩。T・E・ロレンスの波瀾万丈な生涯を描く言わずもがなの名作。鮮やかでまるで絵画のような映像美と複雑なキャラクター描写が織り成す魅惑的な207分。VFX無しの映
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Saw original short film(原題)(2003年製作の映画)

3.8

天才と天才が生み出した"傑作"の始まり


ジェームズ・ワンとリー・ワネルが全世界に衝撃を与えた伝説のソリッド・シチュエーション・スリラー映画『SAW』の原点。

映画本編でアマンダが参加させられる「
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インシディアス 赤い扉(2023年製作の映画)

2.9

ここで失速したか


『インシディアス』シリーズ最終章(今のところ)である本作。主人公は第2章以来の登場となるランバート家の皆さん。ノスタルジックな気分と、思わず「成長したね」と言いたくなる同窓会ホラ
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インシディアス 最後の鍵(2018年製作の映画)

3.6

恐怖の連鎖


なかなか冷めないインシディアス熱。今回も前作同様にエリーズが主人公であり、彼女の過去が明らかになるというもの。"なにか"がとにかく襲ってくるので本シリーズ4作目にしてモンスター・パニッ
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インシディアス 序章(2015年製作の映画)

3.6

まだまだ恐怖は終わらせない


怖くて面白いホラー『インシディアス』の第3章であり前日譚。ランバート家が"なにか"襲われる数年前を描く本作は、みんな大好きエリーズが大活躍。こんなに強かったんですか!?
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ARGYLLE/アーガイル(2024年製作の映画)

3.5

ダマされる前にダマせ!


『キングスマン』シリーズ3作を経てのマシュー・ヴォーン監督最新作。今回もド派手なスパイ映画であり、必ず観客全員が騙される展開はなかなか清々しい。豪華キャストが贈る、新たな映
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キック・アス(2010年製作の映画)

3.9

ヒーローになりたい"気"があれば誰でもなれる


マシュー・ヴォーン監督による決して王道とはいえない、どこか捻くれているヒーロー映画。ヒーローになりたい青年からヒーローとは何かを学ぶ、本作はまさに青春
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