QRPさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

ビヨンド・ユートピア 脱北(2023年製作の映画)

3.0

北朝鮮関連のドキュメンタリーはいくつか見てきたけど、見るたびにやりきれなさを感じるだけである。一緒に脱北した年老いた母親が祖国の現状のおかしさに違和感を覚えながらも金正恩を尊敬する気持ちが同居している>>続きを読む

TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー(2022年製作の映画)

3.0

年一にこんな新星現れて欲しいな枠。
降霊ゲームがなぜ快感に繋がるのかが今ひとつ掴めないけど、SNSで耳目を集めるために危険行為に手を染めるメタファーであるとかそういうことなのかな。有識者による解説が待
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枯れ葉(2023年製作の映画)

3.0

公開からひと月も経っているのにかなり埋まっていてカウリスマキの人気を実感する。
オフビートは苦手なので特に好きってわけじゃないけどなんだかんだで見ていられる絶妙な味わいがある。
ブロンドの女性と犬の組
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市子(2023年製作の映画)

4.0

市子の半生が語られた後に繋がるプロポーズ場面の婚姻届の残酷さが辛い。最初と二度目とでは涙の意味が全く変わってくる。
杉咲花は出始めからずっと良いけど、ここにきてのベストアクト。それもこの先どんどん更新
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サンクスギビング(2023年製作の映画)

3.5

最初からクライマックス。初っ端のスーパーの暴動が民度低過ぎて笑った。その後はゴアの大喜利を楽しむ流れ。顔面串刺しと人間七面鳥が最高。

2024年5本目

ファースト・カウ(2019年製作の映画)

3.5

川映画に間違いはない。ゆったりとした時間の流れと二人の仲睦まじい関係性が癒しだった。これこそ「こんなふうに生きていけたらな」だ。窮地に立たされてから、普通だったらもっと切迫感が出ると思うけど、もはや死>>続きを読む

(2023年製作の映画)

3.5

予告を見たときの印象と違って思っていたより真っ当に時代劇をやっていた。一般的な戦国時代の歴史観に対して、ここまで皮肉を込めて描くのは北野武にしかできない。強すぎる同性愛要素はさすがに無いだろうなとは思>>続きを読む

アンダーグラウンド 4K デジタルリマスター版(1995年製作の映画)

3.5

3時間近くハイテンションで駆け抜けるはちゃめちゃで壮大なストーリーで祖国の辿った負の歴史を圧倒的な熱量で描ききる。狂ったように鳴り続ける音楽が耳に残って離れない。デミアン・チャゼルの『バビロン』はこれ>>続きを読む

屋根裏のラジャー(2023年製作の映画)

3.0

想像力が乏しいのでイマジナリーが過ぎて混乱した。ただアニメーション自体は素晴らしい。
ポノックは高畑勲がぶっこわしたジブリの後始末を引き受けたという認識でいるので行方は気になっているのだけど、なんとな
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

3.5

序盤のマジで何にも起こらない日常の繰り返しがまんま俺の日常。ただし俺は役所広司ではない。「こんなふうに生きていけたなら」そら良いけども、これはおひとり様ポルノなんだよな。太い実家があるのに訳あってドロ>>続きを読む

ヘル・レイザー 4Kデジタルリマスター版(1987年製作の映画)

4.0

セノバイト全員が揃ったときの絵面が面白すぎる。キャラクターデザインの勝利。
それなりにグロい肉体損壊描写がある割にセノバイト本人たちは詰めが甘いのがポイント。絶望的な最悪の結末を望みつつも、このくらい
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ウィッシュ(2023年製作の映画)

3.0

思考停止して白紙委任しちゃってる我が国の話やんて思っちゃった。政治的な話って暗喩程度にあるのがいいけど、こうストレートな話になるとクサみが出ちゃうのと、現実は巨悪が一人いるという単純な構造じゃないので>>続きを読む

窓ぎわのトットちゃん(2023年製作の映画)

3.5

誰に対しても常に優しくて何事にも寛容な校長先生は自分とは正反対の理想的な人間で、かくありたいと思った。トットちゃんを中心にした優しさに溢れる世界に何度も涙腺を刺激される。学園にやってきた他校のいじめっ>>続きを読む

ナポレオン(2023年製作の映画)

3.0

ジョゼフィーヌへの執着をはじめとしたナポレオンの人物像を描きたかったんだろうなというようには見えるけど、史劇特有の格式ばった演技のせいか、あまり人間味を感じられるものではなかった。
合戦シーンはスケー
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⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)

3.5

水木しげるリスペクトで『ゴジラ-1.0』よりきちんと戦後日本を描いていた。
時代に合わせたキャラデで美男美女にされた両親になんだかなあと思っていたけど、エンディングでなるほど、となる。鬼太郎版ローグワ
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正欲(2023年製作の映画)

3.5

近年最も信頼できる俳優の磯村勇斗。
奇しくも今朝みたばかりのベルトルッチ『暗殺の森』のテーマと本質的には同じ。こちらは普通になれない人に寄り添おうとしているので自分好みな題材ではあるけど、正直あと3捻
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ナイアド ~その決意は海を越える~(2023年製作の映画)

3.5

キーウェストの明かりが見えたとき泣きそうになった。狂気に取り憑かれた人間が時として周囲との軋轢を生みながらも、ひたすら目標に向かって進み続ける。強い信念はたとえ成功しなくてもそれだけで心を動かされるも>>続きを読む

暗殺の森(1970年製作の映画)

3.0

午前10時の映画祭にて。
正常であることにこだわる男。ここでの正常とは多数派に迎合することだと思うけど、その意味で当時はファシストであることが正常だった。そして終戦を迎えてそれは一転する。空虚さを描こ
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こいびとのみつけかた(2023年製作の映画)

3.0

『まともじゃないのは君も一緒』がめちゃくちゃ良かったので。まともじゃないのはこちらの方かも。芋生悠の歌う劇中歌が意外にも良くて聞き入ってしまった。

2023年84本目

愛にイナズマ(2023年製作の映画)

4.0

あのマスクを洗濯してまで使っちゃうような人たちが報われない世の中に心底うんざりしていながらも、決して諦めてたまるかという気持ちがビンビンに伝わってきてめちゃくちゃグッとくる。
松岡茉優最高!池松壮亮最
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ザ・キラー(2023年製作の映画)

3.0

オープニングクレジットからフィンチャーの映画見ているなという気分にさせてくれる。
冷酷でドライな映画かと思いきや心拍数上がりまくりの小心者な暗殺者がジタバタする話だった。そんな小心者が心を落ちつかせる
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ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

3.5

ゴジラがちゃんと怖くて良い。序盤のボロ船でのチェイス場面なんかは相当期待感高まる始まりで、ハラハラさせられつつも分かりやすいココが伏線ですよっていう見せ方もこういうのでいいんだよって思えた。その後のド>>続きを読む

テイラー・スウィフト:THE ERAS TOUR(2023年製作の映画)

3.0

日本で最初にヒットした?『you belong with me』とその数年後にやたらと評価されていたアルバムの『1989』くらいしか知らないけど、この映画を見るためだけにセットリストを聴き込んでのぞん>>続きを読む

ザ・クリエイター/創造者(2023年製作の映画)

3.0

画面に馴染んだCGが素晴らしい。それが良いかはさておき、ニール・ブロムカンプよりは上品な感じ。SF映画はかくあるべしと言わんばかりの上空に浮かんだ要塞を爆破させる大団円をしっかりやってくれる。年一でこ>>続きを読む

(2023年製作の映画)

3.5

スターサンズお得意の社会派エンタメ。こんな問いかけを個人に突きつけられても答えられるはずがない。だから社会全体で考えるべきテーマなんだけど、残念ながら現実にはそういった考えは多数派じゃない。なのでこう>>続きを読む

アンダーカレント(2023年製作の映画)

3.0

ロケーション選定の素晴らしさ。あの犬の糞尿が撒き散らされてそうな小汚いコンクリ川のほとりの往来が日本のリアル。数々の傑作邦画で見てきた光景だ。ローカルの遊園地も良いし、一転して壮観な岸辺の風景もヨーロ>>続きを読む

シック・オブ・マイセルフ(2022年製作の映画)

3.0

最初から最後まで共感性羞恥で見てらんない。過剰に描かれたコメディではあるんだけど、ここまで行かずとも自分の中の黒歴史トリガーを引かれる箇所があってキツい気持ちになる。

2023年76本目

奇跡の海(1996年製作の映画)

3.0

トリアーで抜けていたやつの補完。
無垢な祈りが虚しくもその身を滅ぼす皮肉な話。でも世の中こういうことだよなと。
悪人面のステラン・スカルスガルドは意外にもひたすらにいい奴。ただ死にかけの割にはまあまあ
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キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

3.0

ディカプリオとデニーロの共演って『ボーイズライフ』以来なのか。待ち望んでいた組み合わせだとは思うけど、前作のパチーノとデニーロとジョーペシの並びには負けるな。すごく金かかってそうだなと調べたら製作費2>>続きを読む

ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE(2023年製作の映画)

3.5

この映画を見ることでようやく俺の夏が終わった。あの辛い日々の記憶にも別れを告げられる。もはや見なくても良いやと思っていたけど、ド迫力のアクションシーンを次から次へと見せられて、ただただ楽しい。予告で散>>続きを読む

キリエのうた(2023年製作の映画)

3.5

気軽に見るには覚悟のいる長さなので身構えていたけど、始まってすぐにこれはイケるやつだと一安心。
現実であってそうでない気がする、どことなく浮遊感のある映像は正しく岩井俊二ワールドとしか言いようがなくて
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くるりのえいが(2023年製作の映画)

3.0

20年来のファンなので一応押さえておくやつ。といいつつ近作はまともに聴いていないけど。でもちゃんと聴いてみたら相変わらず作り込まれてるし演奏力も高いんでなんだかんだ良いんだよな。普段利用しているSpo>>続きを読む

PIGGY ピギー(2022年製作の映画)

3.0

一週限定の最終日だからか割と入っていた。
基本ビデオスルー作品なムードでありつつも意外にもドラマ性が高くてちょっとアートっぽくもあり最後はB級ゴアもキチンとあって劇場にかけて然るべきちゃんとした映画。
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アリスとテレスのまぼろし工場(2023年製作の映画)

2.5

見ている最中はクソつまらんなと思っていたけど、終わった後に結局何だったんだと考え出したら意外と意欲的なことをやっていたような気がしてきた。
前評判で『ビューティフルドリーマー』というのを目にしていて、
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グランツーリスモ(2023年製作の映画)

3.5

デカい画面と音で見ないと始まらないやつ。映画の醍醐味あるあるだけど既存ポップス音楽を劇場のデカい音で聴くのは気持ちが良い。師匠のおやっさんがかけるサバスがレースシーンと良く合う。そして主人公のチョイス>>続きを読む

ミステリと言う勿れ(2023年製作の映画)

3.0

ドラマ版は好きでありえないけど少し気になるストーリーをキャストの魅力で違和感を払拭する展開で気づけばなんか最後まで見ていた。
劇場版にも伊藤沙莉や門脇麦レベルの核となるキャストが欲しかった。

202
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