はむさんの映画レビュー・感想・評価 - 18ページ目

メッセージ(2016年製作の映画)

4.5

未知なる存在ヘプタポッド達からもたらされる美しいメッセージに言いようのない高揚感を感じた
未知なるものを理解する為、人間同士の争いを避ける為、家族を愛する為、それぞれの“対話”に使われる言葉というギフ
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今宵、212号室で(2019年製作の映画)

3.4

結婚20年目にして浮気がバレた妻とその事に苦しむ夫
そんな夫を残し家の真向かいにあるホテルに部屋をとると20年前の夫や死んだはずの母親、夫の元カノ…次から次に現れる訪問者のせいで過去の自分、今の自分、
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20センチュリー・ウーマン(2016年製作の映画)

3.0

息子への愛情が空回りする母親も、そんな母を理解できない息子も、二人を取り巻く面々も、人生の確かなものを探しているけど少し諦めていて、寂しくて、優しい
男とは女とは、そんな考え方につまずき始める時代なの
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ロブスター(2015年製作の映画)

3.8

独身者は45日以内にパートナーを見つけなければ動物に変えられてしまう世界
誰もが必死に相手を探そうとして、好きじゃなくても共通点を捏造したりする
そこから本物の関係になったり壊れたり、それは人それぞれ
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モロッコ、彼女たちの朝(2019年製作の映画)

3.5

女同士だからこそ厳しくなったり深く理解できたり…二人の女性の心情描写が繊細
出産直後の母と子の言葉のないやり取りに、母性への畏怖や尊敬の気持ちと、彼女をそうさせる“常識”への失望に似た感情がわき起こっ
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河童のクゥと夏休み(2007年製作の映画)

3.5

悲しい過去を持つ河童のクゥと、クゥと一緒に住むことになった上原家のひと夏の思い出
クゥの目を通して見る人間の世界の恐ろしさ、そして温かさが心を揺さぶる
序盤からほぼ泣きっぱなし😭
クゥとオッサンのこと
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かちこみ! ドラゴン・タイガー・ゲート(2006年製作の映画)

3.0

大切な人を殺されたドラゴン&タイガー兄弟とヌンチャク使いのターボの3人が敵組織のボスその名も火雲邪神シブミに復讐を誓う!
全く思い出せないけどすごい闘いだった!記憶にあるのは3人の前髪を揺らす風とド兄
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ショック・ドゥ・フューチャー(2019年製作の映画)

4.2

目が覚めて、お気に入りの曲で体を動かしてから壁を埋めつくす機械のスイッチを一つ一つ入れ腕時計をはめて眼鏡をかける
彼女のモーニングルーティンに惹き込まれ、あっという間に過ぎた78分、そして一人のミュー
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アナザーラウンド(2020年製作の映画)

4.0

歩んできた過去とこれから進む未来、そのどちらも見えてきて、不安と焦りとでたまらなくなってしまったおじさん達の物語
キラキラの学生たちや可愛いサッカーキッズたちも、この先同じように悩み間違いボロボロにな
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マイ・スパイ(2020年製作の映画)

3.9

『マイ・スパイ』
最高に楽しいやつ!ケン・チョン出てるし!
大男デイヴ・バウティスタが女の子に振り回されたり、お魚を大切にしてたり、ゲイカップルにたじたじになったり、変なダンスをしたり、楽しいしかなか
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空白(2021年製作の映画)

4.0

娘を亡くした添田(古田新太)の目から毛穴から全身から放たれる憤怒
青柳(松坂桃李)の中にある得体の知れない空洞
思考がよどみどんどん偏見と偽善的な正義に陥り、そしてそのことに打ちのめされたラスト
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アイダよ、何処へ?(2020年製作の映画)

4.0

1995年、スレブレニツァの虐殺
家族の命がかかった運命の時が刻一刻と迫る中、髪を振り乱し、なりふり構わず奔走するアイダの緊迫の時を描く
“当事者たち”の心の中に落とされた大きな影を描いたラストに「今
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孫文の義士団(2009年製作の映画)

4.3

1906年、武装蜂起の為に香港を訪れる孫文を守るべく集められた義士団
会合の1時間を死守する為、影武者と義士団の面々が清王朝から放たれる刺客500人と死闘を繰り広げる
1人また1人と激闘に倒れる義士団
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カンフー・ジャングル(2014年製作の映画)

3.5

武術界の達人達が次々に殺される連続殺人事件。犯人は彼らの得意とする技で殺す最凶最悪の殺人鬼…とくれば食い止めることができるのはド兄だけ!なのに獄中!
脚技に擒拿術、あらゆる技をミステリー風味で堪能でき
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プリデスティネーション(2014年製作の映画)

4.0

『プリデスティネーション』
「悪事を再形成する」だの「時標変更キット」だの「過去とのつながりを持たぬ者」だの…奇妙な単語や台詞が出てくる度に脳裏にこびりつき鑑賞後それらが意味を持ち始めた瞬間、物語さな
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閃光少女(2017年製作の映画)

3.5

音楽学校の伝統音楽部のジンが大好きな西洋音楽部のワン先輩の気をひくために結成したバンド「2.5次元」が巻き起こす大騒動
大好きな物への情熱、友情、恋、そこにオタクカルチャーまで詰め込んだ気持ちがいいほ
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君は永遠にそいつらより若い(2021年製作の映画)

3.5

死や災い、それらは私たちの目の前に唐突に訪れる。救いですら。
あなた達は無知なのだから、それを自覚しろ、想像しろ、そこから学べ、そう言われているような気がした。
これから起こることへの不安とそれ以
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死霊館 悪魔のせいなら、無罪。(2021年製作の映画)

3.9

今回はエドとロレインの二人による事件捜査といった様相で、悪魔がその事件の犯人というなかなか新鮮な展開
そしてそこにはシリーズを通して一貫している「二人の信頼と深い愛情」がしっかりと描かれているので鑑賞
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囚人ディリ(2019年製作の映画)

4.3

警察VSギャングの抗争に巻き込まれた囚人ディリ
娘に会いたい、娘を幸せにしたい、その一心でタイムリミットのあるミッションに命をかける!
ゴツゴツ腹に響く肉弾戦あり!スパイあり!家族ドラマに友情も!覚醒
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tick, tick...BOOM!:チック、チック…ブーン!(2021年製作の映画)

3.5

ミュージカル作家ジョナサン・ラーソンの自伝ミュージカルを映画化
創作に全てを捧げる才能ある若者の物語、と多少遠巻きに観ていたら、ちゃんと観ている人に自分自身の人生のチクタクという時計の音を実感させてく
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ザ・ハーダー・ゼイ・フォール 報復の荒野(2021年製作の映画)

3.8

20年前に目の前で両親を殺された男と、殺した男
2人の因縁、復讐、そして魅力的なキャラクターたち
実在の人物と“今”の音楽を使うことで黒人カウボーイたちが確かに存在し、今の世にも彼らの魂が生きているこ
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スタントウーマン ハリウッドの知られざるヒーローたち(2020年製作の映画)

3.4

ペラペラの衣装や偏見との闘い、危険な仕事への惜しまぬ努力と覚悟、そのお陰で日々楽しませてもらっているのだなぁと感謝
「イメージのできないことには危険が潜んでる、だから立ち止まってよく考える」
とりあえ
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私というパズル(2020年製作の映画)

3.2

冒頭から緊張感のある出産シーンが延々と続く
作品を通して流れるその緊張感と僅かな違和感が、他者を全て排除していく彼女のキリキリとした孤独や悲しみをより鮮明にする
悲しみを共有することがこんなにも難しい
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パターソン(2016年製作の映画)

4.5

静かに始まるパターソンの朝
ベッドで彼女の夢を聞く時間が好き
彼の目で見る景色が好き
彼の詩も、それをノートの右側にしか書かないのも好き
携帯が嫌いなところも好きだな
なんにも起こらないようで、彼の心
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COLD WAR あの歌、2つの心(2018年製作の映画)

4.3

『COLD WAR あの歌、2つの心』
15年もの歳月、再会と別れを繰り返す男女の激しい愛の物語
二人で幸せになる為に変化を求め奔走する男
一緒にいられるこの瞬間を幸せだと感じ、ありのままの自分を愛す
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ズーム/見えない参加者(2020年製作の映画)

3.0

コロナ禍のロックダウン真っ只中のイギリス
友人6人と霊媒師がオンライン交霊会と銘打ちZoomを介し集う
自身のテリトリーだからこその安心感と恐怖のギャップにビクビクしっぱなしで身体はバッキバキ
これは
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43年後のアイ・ラヴ・ユー(2019年製作の映画)

4.0

かつて愛し合った女性がアルツハイマーに
長い年月が経ち、再会を果たした彼はもう一度愛を伝えるために彼女の心の扉をノックし続ける
そんな風に愛される彼女も幸せだけど
そんな風に愛せる人のいる彼もなんて幸
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サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~(2019年製作の映画)

4.8

突然聴覚を失うメタルバンドのドラマー、ルーベン
音の無い世界と有る世界を交互に見せられることで彼の孤独を自分の事のように感じる、ここが巧み
最後に、音の有無に関係のない“心の平穏と静寂”を得られた瞬間
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アイヌモシリ(2020年製作の映画)

5.0

アイヌの血を引く14歳の少年カント
「今」を生きる少年とここまで生きてきた大人達のアイデンティティのすれ違い
アイヌに限らず文化や伝統というものは、それを重んじ守っていく人達の血となり肉となり、生きる
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ワイルドライフ(2018年製作の映画)

3.8

仲睦まじく慎ましく暮らす家族の日常が父親の失業によってジリジリと崩壊していく
父親のプライドや母親の不安に翻弄される少年
大人が間違ってようが汚かろうが少年の瞳は彼らを見つめ続ける
その視線だけが希望
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ロックンロール・ストリップ(2020年製作の映画)

3.4

ジャルジャルの後藤さんが好きなんです。とっても。
徳永えりさん、やべきょうすけさん、とろサーモンの村田さんも好きなんです。
エンドロールに「551蓬莱」の名前があるだけで感無量ってとこもあります。
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KCIA 南山の部長たち(2018年製作の映画)

4.0

大統領暗殺までの40日
語り口は極めて客観的かつクールな印象だがその実行犯キム部長の人物描写は実に繊細
冷静で無表情な顔に見え隠れする僅かな正義、怒り、絶望…何が彼に引き金を引かせたのかこちらの想像力
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イップ・マン 継承(2015年製作の映画)

4.5

タイソンとの対決とか詠春拳の頂上決戦とか心躍る熱い闘いが目白押し
中でも大好きだったのが奥さんと乗ったEVの中で何だかすごい人(雑)に襲われ、奥さんをEVに残し、自分たちは階段を下りながらバトル!って
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私は確信する(2018年製作の映画)

3.3

2000年にフランスで起きた未解決事件を題材とした法廷劇
証拠もなく数名の証言と憶測で容疑をかけられた被疑者は本当に犯人なのか
物語の焦点は事実の究明ではなく、推定無罪の原理を司法に関わる人、陪審員、
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KILLERS キラーズ 10人の殺し屋たち(2019年製作の映画)

2.8

殺し屋を殺した殺し屋がまた次の殺し屋に殺される…
設定は面白いのに人物描写の曖昧さとテンポの悪さで入り込めないのが残念
でも美女の誘いにはとりあえず乗っちゃったり、自ら始めた長話に感情を高ぶらせ泣きな
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ハッピー・バースデー 家族のいる時間(2019年製作の映画)

3.5

母親の誕生日に久々に集う家族
穏やかな時間もある人物の登場で一変、心を削り、傷つけ合う壮絶な地獄と化すが思いがけない救いもあって…
嵐が来たと思ったら気づかないうちに穏やかな晴れ間がのぞく、家族という
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