ノクタンさんの映画レビュー・感想・評価 - 12ページ目

ノクタン

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ザ・ロイヤル・テネンバウムズ(2001年製作の映画)

4.3

フレンチディスパッチ見る前にまだ見てなかったやつを。
なんか珍しく分かりやすくて普通にいい話じゃない?良い意味でだけど。
そしてもちろん映像のセンスは冴え渡ってる。配色やキャラの配置なんかの圧倒的な個
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tick, tick...BOOM!:チック、チック…ブーン!(2021年製作の映画)

4.2

ジョナサン・ラーソンの伝記ミュージカル映画。最後まで見て初めて彼の自伝的なミュージカルが原作ってことを知ったよ。

これは命を削って作品を生み続けるすべてのアーティスト、芸術家へのラブレターであり、人
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仮面/ペルソナ(1967年製作の映画)

4.0

初体験のベルイマン監督作品。
これがファイトクラブやマルホランドドライブなんかのルーツなんだなぁ(小並感)。

2人の女性が溶け合っていくさまをユニークに描く作品。と捉えました。
現実と虚構、内と外の
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空白(2021年製作の映画)

4.1

1つの不幸な事故を巡る鮮やかすぎる人間模様。
壊れやすい人間の弱さとそれを修復する強さ。人間臭さおてんこ盛りで贖罪と受容と赦しをとても誠実に描いております。

なんといっても古田新太と松坂桃李の演技が
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バッド・チューニング(1993年製作の映画)

4.5

「アメリカン・グラフィティ」から連なる、70年代アメリカが舞台の学園青春コメディ。夏休みだせ!ヒャッハー!な一夜のパーティー。

傑作とされてるアメリカの学園青春コメディってなんでどれも音楽の使い方が
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最後の決闘裁判(2021年製作の映画)

4.4

ひとつの事件について3人それぞれの視点で、3人それぞれの真実を見せる作品。

羅生門構造を採用したことで、性暴力や女性の生き辛さへの視線が非常に鋭利になっています。
示唆に富んだ決闘からラストまでの流
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羅生門(1950年製作の映画)

4.7

「最後の決闘裁判」を見る前に鑑賞。「最後の~」でも参照された「羅生門アプローチ」はあまりに有名。

ある藪の中で起こった殺人事件を複数人の視点で描くことで、人間という生き物の本質を見せる作品。
自分の
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スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム(2021年製作の映画)

4.3

もうね、エンドゲーム見たときと気持ちはおんなじですよ。よくぞこの三部作と、前の2つのシリーズを本当の意味でかつ良い意味で綺麗に終わらせてくれたなと。

青春ムービーに徹してきた三部作の最後、甘酸っぱい
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アメイジング・スパイダーマン2(2014年製作の映画)

2.6

NWHに向けて復習中。復習と言いつつ初見です。
全然面白くはないけど思ってたほど酷くはなかった。エレクトロとの戦闘シーンとか視覚的に単純にかっこいいしね。

やっぱりドラマパートが雑なんですよね~。特
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アメイジング・スパイダーマン(2012年製作の映画)

2.8

NWHに向けて復習中。
サム・ライミ版の1と2がいかに綺麗にスッキリまとまってたかがよくわかる作品。雑な脚本でテンポも非常に悪いです。

とにかくピーターのドラマパートが全然面白くない。というか大事な
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スパイダーマン3(2007年製作の映画)

3.0

NWHに向けて復習中。
もう散々言われてることだけど、話があっちこっち行き過ぎてもうグチャグチャ。ラストのまとめ方もやや無理があるでしょう。

あとそれ以上に、ロマンスが安っぽい痴話喧嘩に成り下がって
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スパイダーマン2(2004年製作の映画)

4.1

NWHに向けて復習中。
MCU版もかなり好きですが、単体の作品で言うと結局これが1番好きかなぁ。

ピーターがスパイダーマンをどう受け入れるか、その落とし所が素晴らしいですよね。
最近の、特にMCUの
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スパイダーマン(2002年製作の映画)

3.8

NWHに向けて復習。なんだかんだで久しぶりに見たけどやっぱ面白いですね~。
濃密な人間ドラマがありながらスッキリまとまってて見やすいし、内省的なヒーロー映画としても優秀。
アクションやコスチュームの安
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ジギー・スターダスト 2002年サウンドリミックス・デジタルレストア版(1973年製作の映画)

3.7

ジギー・スターダスト最後のライブに相応しく、グラムロック期のボウイの集大成的なライブフィルム。若輩者につき完全初見です。

セクシーで挑発的なボウイのステージングが最高にかっこいいのはもちろん、ミック
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フェンス(2016年製作の映画)

3.6

2021年ラスト鑑賞は心暖まる1作を、ということで心暖まりそうなこちら。
結果はまあ心暖まるって感じではなかったけど(笑)、グッとくる良いお話でした。

監督も務めてるだけあって、デンゼルの気合い十分
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WEEKEND ウィークエンド(2011年製作の映画)

3.6

ポスタービジュアルが綺麗っていうのだけで気になって見てみた。

たまたまゲイバーで出会った2人の忘れがたいある週末の2日間。
2日間に2人に起こるあれこれを、時には淡々と、時には官能的に、ありありと映
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勝手にしやがれ!! 英雄計画(1996年製作の映画)

3.8

シリーズ6作目にして最終作。
ここまでドタバタコメディとホッコリ人情話に徹してきたこのシリーズだけど、最後にしてかなりシリアスな話、フィルムノワールみたいな退廃的な世界観で驚いた。
一般市民に対して綺
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勝手にしやがれ!! 成金計画(1996年製作の映画)

4.0

シリーズ5作目。グラム1万のヘロインを巡るいつも通りのドタバタ劇。

ここに来て荒唐無稽度が爆上がりしてませんかねこれ。道徳と常識が著しく欠如した世界。だいぶ笑わせてもらいました。
そんな無茶苦茶な話
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ドント・ルック・アップ(2021年製作の映画)

3.7

Filmarksのオンライン試写会で鑑賞。
主役級の豪華キャストがズラリと並ぶ、社会派超絶ブラックコメディ。

科学的で論理的で冷静なデータの重要性と、データでは計れない大切なこと。

バカなゴシップ
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PASSING -白い黒人-(2021年製作の映画)

4.1

黒人として黒人社会で生きるアイリーンと、黒人としての自分を隠して白人として生きるクレア。
黒人にも白人にもなり切れない人々、という着眼点がまず興味深いですよね。

そんな2人を中心とするこの作品は、
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浅草キッド(2021年製作の映画)

3.8

芸人・ビートたけしがどうやって生まれたのかを描く伝記映画。
「芸人」という職業への深い洞察とリスペクトは、劇団ひとり監督だからこそって感じ。

売れっ子へと駆け上がっていくたけしと、時代の波に乗れなか
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パワー・オブ・ザ・ドッグ(2021年製作の映画)

4.9

Netflix映画はそこまで数見てるわけじゃないですが、今まで見た中では1番良かった。素晴らしいです。

一切の説明を省き、美しくて静謐な映像、だけど嵐のように渦巻くキャラクターたちの感情にドキドキし
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ハードエイト(1996年製作の映画)

3.4

PTA監督の長編デビュー作。この渋さと抜群のセンス、ちょっと早熟すぎません?
さすがに後の傑作群と比べちゃうと物足りない部分も少なくないものの、監督の独特な親子観が既に垣間見えるし、ラストシーンは超カ
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ザ・ビートルズ:Get Back(2021年製作の映画)

4.8

音楽史に残る超貴重な映像記録としても、終わりが近づくビートルズの一瞬を捉えたセッションとしても、4人の若者の人間ドラマとしても興味深い作品。
見応え抜群でした。

特にビートルマニアでもないので単純に
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ラストナイト・イン・ソーホー(2021年製作の映画)

4.2

#MeToo 運動の流れを汲むような、性的搾取が蔓延するショービジネスの暗部を描くサスペンスホラー。

このテーマにしてこの妖艶な映像表現とはなかなか挑戦的。で、女性映画としては他にも問題点が少なくな
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勝手にしやがれ!! 逆転計画(1996年製作の映画)

3.7

お金に振り回されるおバカな人々。
これまでの3作とは異なって、随分と地に足のついた人生哲学をやってた印象。
賛否分かれるのも理解はできるけど、個人的にはこれもこれでアリ。
作中で何度もある「負けた」瞬
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勝手にしやがれ!! 黄金計画(1996年製作の映画)

4.2

じいさんが遺したお宝の5000万を探すお話。
特に終盤で、後の映画に見られる黒沢イズムを多く見ることができますね。シュールな笑いと恐怖がグチャグチャになった異様な感じというか。
まだ全部見てないですが
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勝手にしやがれ!! 脱出計画(1995年製作の映画)

3.5

基本的なプロットはほとんど前作とおんなじ。主人公のバディがイカれた人々に振り回されるお話。
映像に躍動感があった分、前作の方が好きではあるけど、これもまあ楽しい作品です。
あと、「バディもの」って感じ
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勝手にしやがれ!! 強奪計画(1995年製作の映画)

3.8

B級感の漂うドタバタコメディ。
CUREや回路以降の黒沢清作品とはかなりテンションが違いますが、低予算ながらさすがのクオリティと映像のセンス。
むしろ低予算だからこそのスピード感と、ユル~い笑いが超絶
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ソナチネ(1993年製作の映画)

5.0

北野映画初体験。ロングショットで映した画の美しい構図や、銃撃戦のかっこよさなど、画作りのセンスは抜群ですね。

オープニングの不思議すぎるカメラの動きに始まって、カウンターの連続で常に心がざわついてひ
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ユダ&ブラック・メシア 裏切りの代償(2020年製作の映画)

4.6

ブラックパンサー党の指導者、フレッド・ハンプトンと、彼に近づいてFBIに党の情報を売るビル・オニールの、実話を元にした話。

自分らに都合の悪い連中を黙らせるために平気でこういうことするんだなぁと単純
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止められるか、俺たちを(2018年製作の映画)

3.8

若松孝二の伝記映画というよりは、若松プロで助監督を務めた吉積めぐみから見た若松孝二と若松プロ、といった趣。

映画に対するほとばしる情熱を、穏やかな愛情で繊細に包み込んだような作品。
やっぱり、という
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花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)

4.1

坂元裕二脚本は「最高の離婚」しか見たことないんですが、この人は愚かで愛おしい人間の機微を描くのがほんと上手いです。

きっかけとして固有名詞がいっぱい出てくるわけですが、2人が決定的に惹かれ合うのは.
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フリー・ガイ(2021年製作の映画)

4.0

シリーズ物や原作のある物を除けば、今年最大の話題作ですかねこれ。
ポスターだけ見て、ある日突然NPCが意思を持つっていうアイデアは斬新だけど、それだけなんじゃない?って正直思ってた。全然そんなことなか
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君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)

4.5

イタリアの避暑地でのひと夏のロマンス。イタリアの街並み、夏、自然、そこで過ごす人々が実に美しく映ります。

人間のありのままの姿や感情を、美しくて尊いものとして肯定し、そのひとつの形として同性愛を取り
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サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)(2021年製作の映画)

4.0

スライとスティーヴィーだけかじる程度に聴いたぐらいだったのでどうかなと思いながら見ましたが、そんなことどうでも良くなるぐらいの圧倒的な音楽のエネルギー。

時代背景を丁寧に説明しながらライブシーンを
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