ルーク大佐さんの映画レビュー・感想・評価 - 6ページ目

バスターズ(2012年製作の映画)

3.7

『ボーダーライン2』『暗黒街』のステファノ・ソッリマ監督作品。
フーリガン暴動に立ち向かう機動隊員の立場からイタリアに蔓延る社会問題をえぐったもの。

それぞれの隊員が夫婦、家庭などに個人的な問題を抱
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MEG ザ・モンスターズ2(2023年製作の映画)

3.0

チャイナマネーが大量投資されている映画なため、当然中国共産党宣伝部門の検閲を通過している。主要な中国人キャラは地球の平和に尽くし、自然破壊も行わず、他人を助ける善人にしなければならない。これはマストだ>>続きを読む

65/シックスティ・ファイブ(2023年製作の映画)

3.1

2023年「映画館で見たら後悔したで賞」ランキングがあれば、上位入りは期待できる作品だ。映画館で予告で見たときは面白そうだったが、意外な展開がまったくない。

6500万年の地球に小惑星が墜落したとい
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カンダハル 突破せよ(2023年製作の映画)

3.4

ドラマティックなヒーロー物語にまとめたいのだろうが、いかんせん事実ベースの体験をもとにしているので、こじんまりした話になっている。戦地からの脱出劇は、ファクトベースの話にするとメリハリがなく、運頼みの>>続きを読む

ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ(2018年製作の映画)

4.0

ステファノ・ソッリマ監督『暗黒街』を見たついでに、何年かぶりに見直した。どちらもバイオレンスシーンの前振りに遠景のロングショットを用いて場面を盛り立てていた。好みの手法なのだろう。

『暗黒街』はロー
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暗黒街(2015年製作の映画)

3.9

『ボーダーライン2』の監督が直前に撮った作品だからちょっと期待した。イタリア政界、裏世界、バチカンまで巻き込む骨太クライムストーリーだ。後半の展開に意外性があった。

ベルルスコーニ首相退陣発表日をア
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トジコメ(2022年製作の映画)

3.3

冒頭朽ちたリンゴから白い幼虫がぬけだしてくるカットはこれから起こるストーリーのメタファーなのだろう。腐ったリンゴが室内に転がるオンボロの家から傷だらけの母親が粗暴なゴミ男らの攻撃をしのいで幼女を連れ出>>続きを読む

グランツーリスモ(2023年製作の映画)

4.0

スポコンサクセスストーリーの王道通りにストーリーが展開するが、実話にもとづくことに驚いた。映画館でみたらもっと高評価になるだろう。画面と音の臨場感が全く違うはず。

1時間くらいのところで「まさかこの
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オペレーション・フォーチュン(2023年製作の映画)

3.3

映画業界裏話系自己満ストーリーなので、マジョリティにはウケないんじゃないかな。いままで何度も見たことがあるような場面展開が続くため、新しさが感じられない。翌日には忘れそうな映画だ。

最近悪役が似合う
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スピード(1994年製作の映画)

4.3

アマプラでリリースされたのでかれこれ20年ぶりくらいになるが見直した。当時映画館では面白すぎて2回観にいった記憶がある。映画館で見た予告だけでワクワクしたものだ。

サイコ系爆弾魔の怪人キャラと呼べる
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ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り(2023年製作の映画)

3.8

善玉悪玉キャラとキャストがそれぞれ似合ってるし、化け物や魔法の使い方も奇抜なものではないし、ファンタジーに満ちた良作。
下衆なネタは封じ込まれているし、ファミリーでも安心。

ラストでホロっとさせる点
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スクリーム6(2023年製作の映画)

3.5

犯人当てって観点から最後まで楽しめる。
シリーズの過去作にも触れるので、ある程度は把握している方が楽しいかもしれないが、そこまで復習しなくても及第点の楽しみ方ができる。

毎度このシリーズは犯人や脚本
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エクソダス:神と王(2014年製作の映画)

3.5

史実、創作、民族自決のHistoryでもある旧約聖書にちなんだ歴史スペクタル。聖書に関心や深いゆかりのある人以外は、映画が長く退屈に感じるかもしれない。淡々とストーリーが進み、大げさな場面展開を次々に>>続きを読む

シャザム!(2019年製作の映画)

3.5

可もなく不可もなく。長い。
映画館まで見に行くほどの映画ではないかな。
『ウォーキング・デッド』の人柄の良い太っちょが養父役で出てた。

#マンホール(2023年製作の映画)

3.5

昭和っぽいご都合主義のストーリーなので、脚本の落とし穴が気になるところは多々あるが、アラさがしをするよりはそういう部分をすべて含んだうえでワイガヤ鑑賞するのがいいのかな、と。

国産ワンシチュエーショ
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終わらない週末(2023年製作の映画)

4.2

お花畑のノンポリ人間、または意識高い系リベラリスト、あるいは国連中心平和主義者などを自認するような、緩んだメンタルの日本人は、必見の映画だ。

2021年末公開『ドント・ルック・アップ』的なブラックユ
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マーベラス(2021年製作の映画)

3.3

感傷的なアクションノワールをめざしているのか、非常に微妙な立ち位置の映画だ。暗殺者の美学を訴えたいのかわからんが、あまりこなれていない。

演者はプロぞろいなんだが、やはりマギーQの演技だけがつくりも
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お!バカんす家族(2015年製作の映画)

3.7

米国産ファミコメロードムービーは、ドタバタのトラブル続きで家族の危機が描かれるのが王道である。

結果的に最後はいい感じで一件落着し、家族のすばらしさをアピールする。作中でどんだけきわどいバイオレンス
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最後まで行く(2023年製作の映画)

3.7

最初からオチまで見どころが多い。適度に笑いもある。
綾野剛は私生活で暴力行動が暴露されて以来、演技と私生活のバイオレンスが重なって見えるため、妙にシラケてしまう。

前半は綾野のほうがサイコ、狂人度が
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すばらしき世界(2021年製作の映画)

4.3

2年まえに見て以来の再見。名作。

真っ正直でド直球の元ヤクザ三上の生きざまと中途半端で小細工好きなテレビディレクターの日常を交差させる。社会の異分子たる三上は周囲の善良な人々に支えながら再出発に努力
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カード・カウンター(2021年製作の映画)

3.7

売れない歌手やプロレスラーやコメディアンなどが国内巡業で生計を立てるように、本作は贖罪意識を抱える元米軍兵のギャンブラーが若者、相棒女性と国内カジノを巡るロードムービーだ。

といっても、カジノが舞台
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極主夫道 ザ・シネマ(2022年製作の映画)

2.0

ドタバタにそこそこ笑えたがうるさすぎるべた演出を60分がまん。
あえなく途中離脱。。無理でしょ。

ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)

3.8

絶対悪ナチスをユーモア交じりに批判する話だが、右派ポピュリズムが進行するヨーロッパではどう理解されているのかと感じた。ヒトラーをこする映画やドラマを通じ、人種差別や弱者いじめを非難する作品は世にあまた>>続きを読む

劇場版TOKYO MER 走る緊急救命室(2023年製作の映画)

4.2

彼ら医療従事者の勇気に胸が震え、泣かせられ、ストーリーに前のめりになるシーンがオンパレードで次々とやってくる。ひとつのシークエンスがそれぞれ意味を持ち、次の展開につながっていく。

こういってはなんだ
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海賊とよばれた男(2016年製作の映画)

4.0

『ゴジラ-1.0』に続いて、山崎作品の過去作を見た。
原作小説は発売日に買って読んだが、映画はスルーしていた。

「店主の戦争はようやく終わったかもしれない」
後半にこのセリフを聞き、ゴジラ-1.0と
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シン・ゴジラ(2016年製作の映画)

4.2

『ゴジラ-1.0』を見終えたのであらためてこっちの映画を見直した。
公開当時映画館で見たときの記憶が蘇ってきた。
画角や会話やらキャラ設定やら画期的な作品だった。

『ゴジラ-1.0』とは兄弟のような
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ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

4.2

デフレ日本と東北大震災。
デフレ低迷と流行り病。
そして「戦後混迷期とゴジラ来襲」

ひとつの問題や危機をクリアするのは、困難ではあるけれども時間をかけて集中すればなんとか解決法が見えてくることがある
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スライ:スタローンの物語(2023年製作の映画)

4.2

ハリウッドスター、スタローンの栄光の裏に隠された苦悩や悲劇を赤裸々に描いた傑作ドキュメント。

ロッキーやランボーには常に重い影がつきまとう。
スタローンはプライベートでもその影が拭いきれない。
笑っ
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ザ・キラー(2023年製作の映画)

3.7

仕事の依頼をうけた殺し屋がミスり、返り討ちに遭う。
古今東西、過去何度も映画や小説で見聞きしてきたような陳腐な話だ。

あまりにもありふれた話のため、フィンチャーはそこにヒネリを加える脚本にしているの
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ハロウィン THE END(2022年製作の映画)

3.4

一応ジェイミー・リー・カーティス登場版ハロウィンはシリーズ終了(らしい)だが、最後の最後までスン止めで続編を匂わせるようなアンフェアなことをやらかすのではと疑っていた。

ターンテーブルの舌とか細かい
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非常宣言(2020年製作の映画)

3.6

音楽の使い方はうまかった。ハラハラ、しんみり、ワーワー、ほっこりシーンに合わせて多様な音楽をかぶせてきた。
客の心情を操ってやろうという魂胆なんでしょう。

最後のドビュッシー『月の光』は効果的なんだ
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フェリー(2021年製作の映画)

3.6

90年代のドラッグディーラー話をみるような感覚。
主役フェリーは安岡力也と雰囲気がかぶり、悪人でありながらも男気があり、どこか憎めないキャラだ。多動児のように常にそわそわしていて落ち着かないが、常時ヤ
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オペレーション・ミンスミート ーナチを欺いた死体-(2021年製作の映画)

3.7

陰謀国家イギリスが第二次大戦中に仕込んだ対ナチ極秘工作をもとに描いたもの。作品全体の空気感は戦時中であるため、派手なエンタメ演出や浮世離れした人間関係の描写はない。淡々とオペレーションの経過をたどって>>続きを読む

最後の決闘裁判(2021年製作の映画)

4.2

2年前に観たときの感想。

外道男の演出が得意のリドスコ『最後の決闘裁判』は傑作だ。男はほぼ外道。ベンアフレックのチャラ男っぷりは高く評価されてもいいのではないかと。決闘時にハエがたかるシーンには笑っ
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バーバリアン(2022年製作の映画)

3.9

アマプラ無料視聴に新作で入ったので満を持して観た。
ストーリーと脚本を考えた作り手はかなり良いセンスをしている。
ホラーに社会風刺を織り込み、単なる恐怖映画では終わらせていない。

最初ビル・スカルス
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沈黙のパレード(2022年製作の映画)

3.5

たぶん勘のいい人ならばキャスティングの段階で〝真犯人〟の目星が付くと思う。その通りに進んでいくため、最後の種明かしにあまり意外性が感じられなかった。椎名と被害者が男女の関係になり・・・という流れかなと>>続きを読む