麻菜さんの映画レビュー・感想・評価 - 7ページ目

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まともじゃないのは君も一緒(2020年製作の映画)

3.8

普通とは何かを諦めるための口実か
普通はこうだよね、普通はこうなんだからさ、なんかそれ普通だね
他の人と寝たのに平気な顔で恋人のところに戻るのが普通の人もいれば、遅刻していても階段でベビーカーを降ろし
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悪魔のいけにえ レザーフェイス・リターンズ(2022年製作の映画)

3.3

レザーフェイスシリーズの現代版などそもそも必要ない
どうしてレザーフェイスのホラーアイコンとしての価値を下げるのか
シリーズオタクとしては、サリーの復讐というプロットをもっと重厚なものにしてほしかった
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クルーレス(1995年製作の映画)

4.5

ファッションアイコンというよりもはや、ティーンの女の子たちのバイブル
イギーアゼリアもアリアナグランデも、みんながこの映画に憧れた
家族や友達を大切にして、パーティーでは誰よりも目立つ
クルーレスでも
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運命のイタズラ(2022年製作の映画)

2.5

何を伝えたいのか1ミリも分からない作品で、あまりにも無駄な時間だった
これが映画として成立しているという事実が恐ろしい

メランコリック(2018年製作の映画)

4.9

営業後の銭湯という、完璧な舞台設定のサスペンスコメディ
そこらの邦画では体感したことのない引き込まれかたをしてしまった
低予算でこのクオリティだなんて、大金をはたいた中身のないNetflix作品たちが
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クイーン&スリム(2019年製作の映画)

4.9

赤子は互いに何かを求め合うふたりから生まれる
何かというのは生きること、愛されること
赤子は神の賜物、そうやって神は人を生かし続ける
BLMを主軸としたロードムービー
アメリカにおける黒人差別と銃規制
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グレイテスト・サマー(2018年製作の映画)

4.5

夏のことはあまりよく覚えていない、ハッピーな思い出が色々あるから
夏休みに入る前日に学校から帰るときの気持ち、コーンから落ちたアイスでベタべタになった手
特別なことが起こらなければ日々はただ、流れの遅
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タイトル、拒絶(2019年製作の映画)

3.3

電車を降りるとすっかり東京で、相変わらず人が多くて歩きにくい
ぶつかられて舌打ち、改札を出る
わたしたちはここで、人の幸せを喜べる人間になれただろうか
誰が痛い思いをするかなんてどうでもよくて、軽蔑し
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アダム&アダム(2022年製作の映画)

4.0

SFをシンプルで今どきな感じにしたらこうなるのか
もしかすると今の子供たちは、ここからバックトゥザフューチャーやE.T.を知るのかもしれない
金曜ロードショーではなくNetflixで
あのワクワクを初
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ボクたちはみんな大人になれなかった(2021年製作の映画)

3.5

東京はまるで、沈みゆくタイタニック号のようだった
渋谷の円山町の坂の途中、神泉のそばにあるラブホテルに宇宙の壁紙の部屋がある
そこは、あの頃の僕らにとって唯一の安全地帯だった
タワーレコードでエルマロ
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ドント・ルック・アップ(2021年製作の映画)

4.9

人類は、裸のままソロモンの神殿を抜けて黄金時代の栄光を迎える
海を渡って行こうとも山を越えて行こうとも、何かを得ればなにかを失う
天にまします創造主よ、愚かな我らに恵みを与えたまえ
我らの罪を許したま
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たかが世界の終わり(2016年製作の映画)

4.5

しばらく前に、世界のどこかで
私の家にはドアも屋根も窓もない、家は救いの港じゃない
時がどんな変化をもたらし、荒廃させるのかを分かっている
横にも、そして縦にも知りすぎたのだと
人生は続く、いつもと同
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スウィート・ノベンバー(2001年製作の映画)

4.5

家に帰ってテレビをつけ飽き、仕事をして飽き、わたしを思い出す
B.ダーリン、P.コモ、T.ベネットのドーナツ盤を聴きながら
人にはままならないこともある、自分の意思でも心でもないところで
それでも、街
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ダゲール街の人々(1976年製作の映画)

4.7

パリ14区ダゲール街、シャルドンブリュにて
優しい人だと思い一緒に出かけるようになった、お芝居や映画や音楽に
ダンスホールには一度も行かなかった
妻は愛らしい少女だ、今も
普通の大人にとって夢は病か
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スパイラル:ソウ オールリセット(2021年製作の映画)

3.0

ソウシリーズを名乗らないでほしい、怒りさえ覚えるほどの作品だった
ジグソウの模倣犯として捜査を進めているのにその表面さえなぞることもなく、犯人のシンプルなメッセージにも気付かない
犯人もすぐに分かる上
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エヴァの匂い(1962年製作の映画)

4.9

映画祭のためにヴェネツィアに行った、あの夏のこと
もうぼんやりとしか覚えていないが彼は大酒のみの世話焼きで、教会を愛していた
男女には、裸になるよりもよっぽど難しいことがある
酒をのまなくても笑えるし
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パワーズ・オブ・テン(1968年製作の映画)

4.9

この空虚さはむしろ正常で、たくさんのものに囲まれた我々の世界が例外である
10の24乗から10の−16乗で見せる森羅万象
太陽系が現れるのは10の14乗、衛星写真で都市が見えるのは10の5乗、10のマ
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俺たちは天使じゃない(1989年製作の映画)

4.7

一人で危険な目に遭ったとき、ポケットの中には何がある?
ポケットの中には何もない、あるのは希望だけだ
1955年同名映画のリメイク版
普通のコメディかと思いきや、宗教的なしっかりとした軸を持つ良質なロ
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オールド(2021年製作の映画)

3.3

シャマラン監督とは相性が合うときと合わないときの差が激しいので、気になっていたけどレンタル待ちしてやっと観た
序盤での、あからさますぎる製薬会社と暗号のメモの伏線
こういうワンシチュエーション系は自分
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ジャッリカットゥ 牛の怒り(2019年製作の映画)

4.0

全ての人間がその偽りの皮を脱ぎ、思いがけずその下にある動物性を露わにする
インド映画なのに踊らず、モチーフはキリスト教とシンプルに型破りな作品だった
終始どうやって撮っているんだろうというカメラワーク
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トゥルー・ストーリー(2015年製作の映画)

4.3

事実は小説よりも奇なり
二人は今も第一日曜日に話を続けている
実話ベースでジャーナリズムの正義やメタファーを用いた心理的葛藤、そして法廷ドラマという重複したプロット
監督の経験の浅さが、制作のプランB
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ナイト・オン・ザ・プラネット(1991年製作の映画)

4.9

映画にもならない美しい日常
ナイトオンザプラネット、17歳からもう何度観ただろう
なんて事のない、無駄にさえ思える日々の出来事すべてが愛おしい
ジャームッシュの映画、原田宗典の小説でしか感じられない感
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ビーチ・バム まじめに不真面目(2019年製作の映画)

4.9

夕べ、ハバナで君を思いながら眠りについた
午前四時に目が覚めて、今日君の中に2回入ったムスコを見る
とても美しい気分だった
創造と破壊、この繰り返しだとしても一途な人生への憧れに勝るものはない
ローで
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DAGON(2001年製作の映画)

3.5

スチュアートゴードンの手腕が冴える
ホラーには、エロティシズムが内包されるということを知った
主演のフランシスコに眼鏡をかけさせ、画の湿度を視覚化させたのには感服してしまう
シェイプオブウォーターなん
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テルマ&ルイーズ(1991年製作の映画)

4.9

37歳になって女は気づく
花のパリを見ていないことを
白いシーツに包まれながら、過去の恋人たちを夢に見て
あの人がモーテルで目を覚まし、書いたラブレター
たまには俺を忘れて、愛していると
リブート版セ
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トト・ザ・ヒーロー(1991年製作の映画)

4.9

この世の中で絶対に埋もれるべきではない名作、言葉もない
こんな映画を今まで観たことがなかった
三十歳、五十歳、八十歳になったとき、自分がまたこれを観てなにを思うのか
人生は、夢と後悔にまみれている
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ホーム・スイート・ホーム・アローン(2021年製作の映画)

3.3

オリジナルが一番なのにどうしてリメイク版なんて作るんだろうねという台詞、わたしには悪い方に作用してしまった
ホームアローンの主軸が雑に扱われていた上にクリスマス感もない
ギミックがメントスコーラやVR
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マイ・ビューティフル・デイズ(2016年製作の映画)

3.2

人生に必要なのは、ベッドの上で飛び跳ねながらdon't be sadと励ましてくれる素直さで、たまに自分を少女のように無邪気にしてくれる相手だ
身体が震える前に上着を貸してくれる人ならなおさら
悲しみ
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よい子の殺人犯(2018年製作の映画)

4.0

噛み砕きやすい社会派の作品で、テーマがそのまま現代の台湾の社会問題に投影されている
ここに映るものは、現代の台湾の縮図
救いのない人生だったように見えたけどあのラスト、何か自分が読み違えたのだろうかと
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水の中のナイフ(1962年製作の映画)

4.3

ポランスキー初期白黒三部作、一作目
初期の作品にも関わらず、巨匠の風格漂う確実性
森では茂みを切り拓いて進む、それに比べたら水の上を走るのは簡単だ
歩いて進むのは楽じゃない、ナイフが必要
昼と夜を間違
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コンフィデンスマンJP プリンセス編(2020年製作の映画)

4.0

コンフィデンスマンシリーズやっぱりおもろいなーーー
毎回オチのオチまであるの分かっていても騙されるので、めちゃくちゃ笑顔になってしまう
ダー子の言葉一つひとつが響いてきて、ラストはすごく感動した
こっ
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愛の痛み(2020年製作の映画)

3.5

どこにでも行ける青年期にこそ、自分はどこにも行けないと思ってしまう
わざと汚した日々は美しいと、みんな確信していた
好きなものを好きだと言い、気に入らなければ怒るのが子供だと、いつ誰に諭されたのか
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トラジディ・ガールズ(2017年製作の映画)

4.0

タッカーとデイルぐらいのラッキー作品
そこまで期待せずに観たけど、めちゃくちゃおもろい
スプラッターシーンが派手で、往年のホラー映画のオマージュや言及もあってかなり沸いた
セリーナとブレアのような、戦
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スーパーバッド 童貞ウォーズ(2007年製作の映画)

4.7

エミネムが200回観たらしいけど、これは納得
青春というぼんやりとしたものを思い出した
若さ故の気持ち悪さが愛おしい
大人になるってこういうことだよなーーー
ジョナヒルが授業中に書いていた絵、狂気じみ
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上流社会(1956年製作の映画)

4.0

崇められるよりも、愛されたいの
この作品を最後にモナコ公国に嫁ぐグレースケリー、死に際の一言のような説得力
夫がなくとも女の誇りは守り通すこと
わたしは素晴らしいと自分に言い聞かせ、甘い生活を手に入れ
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アナザーラウンド(2020年製作の映画)

4.9

亡き愛娘、イダに捧ぐ
ヴィンター版、失われた週末を
女神フレイヤが愛した国の退廃的な美しさと、青年たちの希望の幻影について
マッツが赤ワインを呑み泣くシーン、バッファローでギャロがデニーズのトイレで泣
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