shuさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

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沈黙/ある沈黙(2016年製作の映画)

3.3

妊娠した女性たちが入居する施設。
入居というより、隔離が正しいか。
不安と、苦しみと、生まれくる我が子への愛情。
或いは、この先どう生きていいか分からない人生で、すがる対象としての我が子。

女性同士
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スター・ウォーズ/最後のジェダイ(2017年製作の映画)

3.6

フォースの覚醒で気になってしまったカイロ・レンの小物感も、完全なるダークサイドではなく揺れ動く善悪、という立場におけば逆に葛藤が感じられて良い。
終盤のルークは渋くて良い。
ところどころ、良くも悪くも
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トータル・リコール(2012年製作の映画)

3.7

何が現実なのか分からなくなる、という意味ではインセプション辺りにも通ずるものがある。
この手の心理的に錯綜する類は好物。
サイバーパンクな映像と、アクションもかっこいい。
シュワちゃんver.もそのう
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ニュー・シネマ・パラダイス(1989年製作の映画)

3.8

今では考えられない、お祭り騒ぎしながらの映画鑑賞。
でも娯楽も限られる時代に、そうやって老若男女問わずみんなで楽しめるって、素敵だ。
過去に想いを馳せてノスタルジーに浸るのではなく、今を生きろ、やりた
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グランド・ブダペスト・ホテル(2014年製作の映画)

3.8

映像美。
カット割りやカメラワークが冴える。

テンポも良く、シュールでコミカル。
ほろ苦い後味も残しつつ、そうとは感じさせないくらいさらっと終わる。
伝聞の伝聞、という構成も面白い。

イエスタデイ(2019年製作の映画)

3.8

ビートルズの良さ、音楽の良さを再確認できる作品。
にとどまらず、テンポは良いし、感動する要素もあるし、笑えるシーンもあって、重過ぎなくて、後味が良い。
ハートフルな良作。

第七の封印(1956年製作の映画)

3.5

死はいつだって側にいる。
漂う終末感。
疫病が蔓延し、願いを聞き入れてくれる神は一向に現れない。
死神と取引をし、チェスをすることで延命を図る。
その間に出会う人々。
滑稽にも映る、男女の問題で悩みも
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めまい(1958年製作の映画)

3.8

比較的展開が分かりやすい。
古くささもかえって良い。
サイケなエフェクト、偏執的な精神の異常、二転三転する展開。
終わり方の唐突さも含めて強烈な余韻が残る。

愛の小さな歴史 誰でもない恋人たちの風景vol.1(2019年製作の映画)

3.3

歪な愛。喪失。
きっとみんな少しずつ欠けていて、少しずつ異常で、けれどそれは案外ありふれたことだったりする。私にもあなたにもある歪さ。
主演の瀬戸かほの吸い込まれるような虚ろな表情が魅力。
言葉以上に
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ミステリー・トレイン(1989年製作の映画)

3.7

メンフィスの安ホテルを利用する三組の物語。
それぞれの物語は大げさに交わることもなく、一瞬掠めて過ぎ去って行く。
話の緩急のつけ方もまるで違う三つの物語だが、雰囲気を楽しみながらずっと観ていられる。
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ニキータ(1990年製作の映画)

3.8

「巻き込まれても、どんな困難が来ても良いからずっと一緒に」
というタイプの愛もあるとは思うけれど、そっと幸せを願うような愛の形もまた美しい。
ニキータは、美しくなるのと人間らしくなるのが比例していて、
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ミツバチのささやき(1973年製作の映画)

3.8

死に対する憧れと畏怖は幼さ故か?
自分の死も、他者の死も、先に好奇心が来る。
恐れを抱くのは、物理的に身の危険を感じた時にやっと。
ガラス製の巣箱。炎。
その揺らめきに目を奪われたら、その囁きに耳を傾
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ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー(2016年製作の映画)

3.5

ジェダイとシスのフォース、ライトセーバー、それぞれの思惑。
そういった点に焦点が当たりやすいナンバリングタイトルに対し、特殊な力を持つわけでもない、人知れず歴史の闇に消えていった、知られざる英雄譚、と
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ロスト・イン・トランスレーション(2003年製作の映画)

3.6

行き場のない退屈、やり場のない孤独、居場所のない二人。
言語や文化の違いに振り回され、疲弊していた二人が異国の地で出会って、打ち解けるまでにそう時間はかからなかった。

挿入される音楽と、ボケ感のある
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ジョーカー(2019年製作の映画)

4.0

純粋にエンターテイメントとして楽しめる人、過剰に感じ入ってしまう人、様々いそう。

後にジョーカーとなるアーサーを、常識の通用しない狂気の男と見るのも、凄惨な過去を持つ悲劇の男と見るのも簡単だが、
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春なれや(2016年製作の映画)

3.5

とても静かで、穏やかで、優しい春の温もりを感じる作品。

老人ホームの閉塞感と、死を待つ日々、という運命の残酷さ。
年老いて、ただでさえ生きるモチベーションを保てないところにこの環境は実際のところ相当
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わさび(2016年製作の映画)

3.7

何かを諦めた、達観したような態度で上辺だけ取り繕いながら過ごす日々。
「人生詰んでんだよ」と、重い話をする時に変に明るく振舞ってしまう道化っぷりが、大袈裟に悲劇ぶるよりもよっぽど痛々しくてリアル。
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なみぎわ(2018年製作の映画)

3.0

20分をワンカットで、それもiPhoneで撮るという意欲作。
もちろん画面のブレや微妙に感じる間の取り方もあったりするのだけど、どうしようもないような田舎町の閉塞感漂う日常を、まさしく誰かの視点で切り
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コラテラル(2004年製作の映画)

3.0

トム・クルーズにしては珍しい、冷徹で無関心な殺し屋という役柄の渋さと、ジェイミー・フォックスが「適応」した瞬間のかっこよさ、それに尽きる映画。
クライマックスのオチのつけ方は伏線回収で良いものの、映画
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ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 - 永遠と自動手記人形 -(2019年製作の映画)

4.8

感動の演出のために登場人物を悲惨な目に合わせることも極端に落とすこともせず、ただそれぞれの成長や変化を丁寧に描くことで、これだけ感動できるのかとため息。
最高のデトックス映画。
アニメ本編未視聴でも問
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