Siosさんの映画レビュー・感想・評価 - 11ページ目

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レミニセンティア(2016年製作の映画)

4.1

記憶の移ろい、
物語の想像、
真実の在りか。

不思議な感覚の展開に引き込まれる。

ロシアの街に娘と住む男は、人々に頼まれて記憶を消す代わりに、その内容を小説にする。
どことなくダーレン・アロノフス
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ダゲレオタイプの女(2016年製作の映画)

3.3

開いた扉の向こうが気になって仕方がない。

電車やら工事現場の雑音から、古風な洋館へ。
大掛かりな機材も監督らしい。

狂った親父さんと迫る奥さんから目が離せなかった。

みかんの丘(2013年製作の映画)

4.3

戦争の敵同士は、負傷したら人間同士に戻れるのか。

グルジアの紛争が激化。みかんを育てる友人とともに帰国しないで残り、みかんの木箱を作るエストニア人の老人。
老人の小さな家の中に敵同士の負傷兵が居合わ
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われらが背きし者(2015年製作の映画)

3.6

巻き込まれていくユアン・マクレガー、というか、途中から首の突っ込み方もすごい。

ルカレ原作のロシアンマフィア、MI6もの。
モロッコ、ロシア、ロンドン…と欧州周辺を巡るのが楽しい。
エミレーツスタジ
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ブルックリン(2015年製作の映画)

3.9

新しい生活を見つけるまでのビクビクドキドキ。
そのあと昔の生活とどう付き合うか。

素直な少女が、海を渡った都会で洗練されていくのは気持ち良い!
知らない人と話してみるのもいい、というのが素敵なアドバ
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サーミの血(2016年製作の映画)

4.0

えてして人間というのは異質なものを蔑視してしまう。
トナカイを遊牧して暮らすスウェーデンの少数民族のこと、知りませんでした。

寄宿学校に入れさせて、劣等民族だからと部族の言語を使わせないようにしたり
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ブルカの中の口紅(2016年製作の映画)

4.4

インドの女性の性への思い。押さえつけても欲望はそこに在る。
4人それぞれのエピソードが、つぶさで鮮明で、すごく興味深い!

夢みるおばさんから、鼻歌がツェッペリンの少女まで、親近感と違和感が絶妙で引き
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三人姉妹(2016年製作の映画)

3.3

長女のハスキーな歌声がとても素敵。
次女、三女もそれぞれキャラが出ていてキュート。
そして来月80歳とは思えない、元気なおばあちゃん!

インドネシアのラブコメミュージカル。名作を現代にアレンジしたと
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ビッグ・ビッグ・ワールド(2016年製作の映画)

3.4

木、水、生き物。くっきりと神秘的に耳に入ってくる、森の中の音。
トルコに豊かな森があることを再発見。

施設育ちの美しい兄妹。
不審な里親から妹を救い出し、都会から離れ、森の奥へ。
ルーツを持たない若
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サラワク(2016年製作の映画)

3.8

最初から最後までどこを切り取っても、画面いっぱい美しい景色。
インドネシアのジャカルタから飛行機を使っても8時間かかる場所にある、島と海。

少年サラワクは、村から消えた姉を探しに小舟を漕いで旅立つ。
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永い言い訳(2016年製作の映画)

4.2

取り返す機会のない過ち、人。
やり直しのきかない言葉、時間。

幸夫の上辺男ぶりが、自分の弱さを見せつけられてるようで、まあ痛々しい。
限りある人生の分かち合い方って大事ですホント。
それから灯ちゃん
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高慢と偏見とゾンビ(2016年製作の映画)

3.1

名台詞の雑な使い方が笑える。
文芸のつまみ食い。それだけ浸透しているということなんでしょう。

ドレスに潜ませる武器。この画が美しい!
ゾンビだけじゃなく少林寺拳法やら武者鎧までぶちこんでる。

大好
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ハリウッドがひれ伏した銀行マン(2014年製作の映画)

3.6

独立系映画の資金調達の仕組み“プリセール”を始めたオランダ人の銀行員。驚きました!

数多くの映画に関わっていて、知ってる映像がたくさん出てきて楽しい。
有名な監督や俳優も、感謝の証言。
映画製作の事
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シアター・プノンペン(2014年製作の映画)

3.3

主役のマー・リネットの表情に惹き付けられる。
なんだか仏像がよく出てきて、その度に奔放な女子大生が合掌する姿というのも印象に残った。

古びた映画館の木の座席。いい雰囲気です。
偶然目にした、最終巻が
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君の名は。(2016年製作の映画)

4.0

目が覚めると、入れ替わってたり、元に戻っていたり。
毎度起こしにくる四葉がお気に入り!

離れていても感性が一致するところと、ズレが生じる展開が、緻密に作り込まれている印象。
魂の半分が足りないような
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とうもろこしの島(2014年製作の映画)

4.0

ほとんど喋らない老農夫。
その傍で兵士の目に晒される少女は、少しずつ大人びてゆく。

僅かな実りを得るために、グルジアのエングリ川の中州に一夏の畑と住み処をこしらえ、とうもろこしを育てて過ごす。

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クリーピー 偽りの隣人(2016年製作の映画)

3.6

人間味の無い笑顔。最高に薄気味悪い!
そういうの、嫌いじゃないですよ~
背筋にきた。

日本の戸建てに、あの無機質な空間。
見たことのない間取りでした。

しかし犯罪の匂いがわかるなら、もっと早く気付
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ロイヤル・ナイト 英国王女の秘密の外出(2015年製作の映画)

3.4

稀に見る爽やかでステキな王女。
育ちの良さを隠しきれない感じがまた愛らしい!

宮殿を抜け出すワクワクからドタバタ。終盤にかけていい話に。
護衛の2人が適当すぎて、ちょっと心配になるくらいの失態ぶり。
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海よりもまだ深く(2016年製作の映画)

3.4

思い通りじゃなくても派手じゃなくても、人生は人生。
味のしみた煮しめのようだったり、出汁のきいたカレーうどんだったり。

宝くじとギャンブルには違いがある。確かに。
私はギャンブル派ですけど。

今年
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ライト/オフ(2016年製作の映画)

2.7

スッキリ、ビックリ。
闇に浮かび、迫ってくる凶暴な奴。

ストーリーはあってないようなもの。
折角ならラストに、もう一捻りというか、しぶとさがあれば。

お母さん、才女です。

奇跡の教室 受け継ぐ者たちへ(2014年製作の映画)

4.6

計画的に効果的に絶滅させる。
体系立てて考えると改めておぞましい。

多人種の落ちこぼれ高校生たちの目線から理解し直すホロコースト。
このアプローチがとても新鮮。

若者を信じるゲゲン先生の人柄が素敵
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歩いても 歩いても(2007年製作の映画)

4.0

どこか見覚えのある生活感。
雑然とした部屋に木の匂いがしそうな廊下、何と言っても使い古した風呂場。

演技も皆、自然で素晴らしいです。
しみったれた阿部寛も、引きつった夏川結衣もYOUもいい。
樹木希
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トランボ ハリウッドに最も嫌われた男(2015年製作の映画)

3.7

クレジットに名を残す意味を、自ずと考えてしまう。
特定の思想を危険だと排除する。その傲慢さがまた危険。

世を忍んで生きる男の、娘への思いが熱くてグッときました。
ジョングッドマンのいつも通りな感じが
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団地(2015年製作の映画)

3.9

関西人のアバウトさに、
なんか元気もらえる!

日焼け対策しながらの井戸端会議、
虚弱体質な一族、、
心地よいユルユル加減でした。

漢方薬を大量生産するところ、
初めて見た。
力がじんわりこもる。

神様の思し召し(2015年製作の映画)

4.0

清々しい変わり方。
表面的でなく、人の気持ちに気づけるようになるって、なかなか難しい。

腕は良くても、性格は痛烈にひん曲がってる外科医のオヤジ。
息子を無意味な神の道に引き入れたと決めつけて、神父に
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カルテル・ランド(2015年製作の映画)

3.7

まず残酷な死が日常の近くにある映像にビビる。
そして麻薬カルテルと、メキシコ側/アメリカ側の自警団。
それぞれの立場の言い分が、それぞれに過激。

自警団ができて1年ほどで、この抗争激化というのが凄い
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ビヘイビア(2014年製作の映画)

4.3

脱け出せない逆境の中で、子供たちは精一杯生きている。
ドラッグ漬けの母と暮らす少年チャラ、不法労働の父と暮らす少女イェニ・・・
屋上からみたハバナの街は、雑然として印象深い。

慕っていたベテラン教師
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神のゆらぎ(2014年製作の映画)

3.6

信仰にどう向き合うか。
エホバの証人では、不浄とされる行いは排斥の対象に。
しかし熱心な信者でも、状況によっては疑いを持つこともあるのかと。

様々な問題を抱える複数の男女が登場する。
それぞれの選択
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シング・ストリート 未来へのうた(2016年製作の映画)

3.7

兄貴がコナーの音楽センスを引っ張り上げる感じが熱い‼
密林を切り開いたってのも、なんかいい。

兄から投げかけられる課題を、コナーは自分なりにインスピレーションに変換し、エイモンたちと一緒に形にしてい
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キャロル(2015年製作の映画)

3.6

小鳥のようなテレーズ。
とにかくシックなキャロル。

対照的な二人が出会う場面の距離感が絶妙。

写真を通じて触れあっていく様子も印象に残りました。
男たちは無粋…
ラストもいい。

シン・ゴジラ(2016年製作の映画)

4.1

容赦ない最凶の災厄ぶり!
絶望的なほど荒ぶるゴジラが帰ってきた。

東京にはゴジラが似合う。馴染みの街を蹂躙してゆく。
近所の空にも現れるんじゃないか、という感覚になりました。

それにしても大勢のキ
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ペレ 伝説の誕生(2014年製作の映画)

3.5

スラムの路地裏で、仲間たちと、空気の抜けたボールを裸足で蹴っていた少年。
ペレの気弱なところが意外!両親もとてもいい人。

自国開催のワールドカップでの“マラカナンの悲劇”以降、自信を失っていたブラジ
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ケンとカズ(2015年製作の映画)

3.6

ワルたちが抱える思いが交錯する。
暴力的で、悲痛で。

ヤク密売人の2人組が、さらに危ない取引に手を出していく。
俳優陣の演技が、相当に尖ってる。

舞台挨拶では、長編に仕上げるまで長い時間を費やした
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最高の花婿/ヴェルヌイユ家の結婚狂騒曲(2014年製作の映画)

3.8

どぎついジョークを浴びるうちに、不思議と馴染んでくる。

異なる人種、宗教、文化・・・
移民の多いフランスならではの結婚模様。
特に、結婚に反対したい親父2人の小競り合いが面白い!

ラ・マルセイエー
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死霊館 エンフィールド事件(2016年製作の映画)

3.3

ウォーレン夫妻、相変わらず息が合っています!!
悪霊とのファイトがしっくりくる。

1作目と比べると、アトラクション的な楽しさ。
そうくるか、という意外な展開もありました。

美少女ジャネットの豹変が
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エクス・マキナ(2015年製作の映画)

3.9

ネイサンの創造性と、精力の注ぎ方。
倫理の問題はあるんだろうけど、むしろ凄いと感じた。

エヴァの洗練されたフォルムが、とても気に入りました。
時々、ドキッとする言動。

ラストも好み。必然なのかどう
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