ソウキチさんの映画レビュー・感想・評価 - 8ページ目

  • List view
  • Grid view

ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット(2021年製作の映画)

5.0

本編時間の半分はあるのではと思うほどの偏執狂的スローモーで送るヒーローオペラ。四時間キマりっぱなしの映像の異常な圧はさしずめ観るエナドリである。これが1000%観たかった神話です。ザックと全てのファン>>続きを読む

アーミー・オブ・ザ・デッド(2021年製作の映画)

-

冒頭から心を鷲掴みにする命の無価値を極めたポップヴァイオレンス。ビジュアルの為だけに積み上げられる死屍累々と、申し訳程度に添えられる父と娘の対話。その不器用さに監督から亡き娘への想いが込められてるよう>>続きを読む

ビルとテッドの大冒険(1989年製作の映画)

-

「何も考えずに観られる映画」というジャンルがあるが、今作ほど相応しい作品もないおバカ版BTTF。結局シェキナベイビーで乗り切ってしまう全く何も成長しない物語が妙にチルい気分にさせてくれます。演技なのか>>続きを読む

ミッチェル家とマシンの反乱(2020年製作の映画)

-

ノンストップでめちゃ楽しい笑あり涙ありアクション・コメディ・ファミリーロードムービー。スパイダーバースの信頼の製作陣だけあり、秒でこのバラバラ家族の虜にさせるシンプルで卓抜した脚本力と、視覚がハイにな>>続きを読む

BLUE/ブルー(2021年製作の映画)

-

目に焼き付くのは、敗残者にくれてやるには鮮やかすぎる挑戦者の色。黄昏を知らぬ青空の色。誰もが王者にはなれないが、望みさえすればいつまででも青コーナーに立ち続ける事はできる。才能の残酷さの更にその先の、>>続きを読む

VIDEOPHOBIA(2019年製作の映画)

-

虚実の均衡が崩れた現代。膜の下の反転世界では、もはや「顔」すらアイをIたらしめる根拠として脆弱であり、それはもう他人を演じる事と大差ない。実存が脅かされるスマホ時代ならではのサイバー不条理ホラーと、モ>>続きを読む

あの頃。(2021年製作の映画)

-

"好き"。闇の中の光明であり、用法を間違えば危険な劇薬。"好き"に堕ちる演出が見事。今を生きる男と、あの頃に囚われた中毒者の対比が痛い。全て笑いとして消費する悪辣なホモソノリを一歩引いて見ながらも、し>>続きを読む

シン・エヴァンゲリオン劇場版(2020年製作の映画)

5.0

初見は涙も引っ込むほどの衝撃で引きつり笑いしかできなかったけど、2回目でようやっと泣けました。

これに関しては実人生すぎて、作品単体での評価は不可能です。

カード付きのエヴァンゲリオンチップスきっ
>>続きを読む

ヤクザと家族 The Family(2021年製作の映画)

-

生態系の変化と共に淘汰され、絶滅危惧種となったヤクザの20年に及ぶ栄枯盛衰のクロニクル。異なる三つの時代を描いた構成は平成日本版ゴッドファーザーという感じで新鮮で中盤まではかなり面白い。終盤は些かウェ>>続きを読む

香港画(2020年製作の映画)

-

情報は規制されマスコミが茶を濁す中、今起ってる歴史を捉える意義深さと体を張った凄味。籠城するデモ隊にバンドが奏でるイマジン、無力な言葉を捨て暴力を行使するティーンエイジャー。そして現実と呼ぶには不謹慎>>続きを読む

すばらしき世界(2021年製作の映画)

-

不寛容蔓延る国で、前科者が社会復帰する難しさ…を意外に滑稽な要素も交えて描く重喜劇。意思疎通のギアチェンジが下手で、感情のアクセルを踏み過る男が、ニンゲン免許を取得する為に四苦八苦する姿に動悸がする。>>続きを読む

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)

5.0

冒頭のサブカル仕草全開のモノローグから「こいつはくせえッー!」と同族アレルギーで蕁麻疹を出しつつ、共感性羞恥と同時に押し寄せてくるキュンに心臓を壊されました。きっと多くの落武者が「自分の物語」として咀>>続きを読む

ダニエル(2019年製作の映画)

-

「仮面/ペルソナ」「ファイト・クラブ」をベースに、エルム街シリーズや「ヘレディタリー/継承」までぶち込んで隠し味にクローネンバーグをトッピングしたら当たり前のように珍味になりました。って感じのイマジナ>>続きを読む

野球少女(2019年製作の映画)

-

体格や力で男に劣るという理由で、女性は土俵にすら立てない球界。貧困とジェンダーバイアスの逆境でプロを目指す少女…でも重さを感じさせない、爽やかで今風な青春スポ根の傑作。「夢を絶対に諦めない」という直球>>続きを読む

Mank/マンク(2020年製作の映画)

-

映画史の革命たる傑作は如何にして生まれたか。そのドラマを天才ウェルズではなく、その陰にいた脚本家の視点で描く。この男が人間臭くて魅力的。美しい感情と渦巻く欲望、想像を超える軋轢の中で権力にケンカふっか>>続きを読む

ソウルフル・ワールド(2020年製作の映画)

-

‪"生きる意味"に焦燥し、"役割"に窒息しそうな名も無き大人達に贈る魂のデトックスムービー。圧巻の技術で描くニューヨークのリアルな質感とコミカルなアストラル界の対比が美しい。大それたことはなくても、キ>>続きを読む

ワンダーウーマン 1984(2020年製作の映画)

-

‪極彩色が彩る欲望の時代VS我らが女神。ヴィランすら救われるG.ガドットのウインクの圧倒的正しさよ。作品評価は一旦脇に置いて、C.リーヴリスペクトな曇天や黄昏より晴天が似合う新たな女性ヒーローの凱旋と>>続きを読む

燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)

-

絵画の映画であり、絵画のような映画だった。時に力強く、時に繊細な筆致でキャンバスに封じ込めた燃えあがる刹那と愛しい日々。叶わなかった恋はいつだって記憶の中で絵画の様に美しく、たしかに捉えていた輪郭と陰>>続きを読む

M★A★S★H マッシュ(1970年製作の映画)

-

(コンプラ的に)絶対に笑ってはいけない野戦病院24時。今だと完全アウトな差別と不謹慎ジョークの連べ打ちでおくる狂気すれすれ風刺劇。モラルを逸脱した極端な登場人物に嫌悪感?戦争ってそういうもんでしょう。>>続きを読む

マチネの終わりに(2019年製作の映画)

-

邦画の海外ロケってチープに見えがちだけど、今作は洋画と並べて遜色ない程に画面が高品質。パリ→NYという浮世離れなシチュエーションで、只でさえ現実味が希薄な福山雅治の、異物感そのものの様な演技から目が離>>続きを読む

泣く子はいねぇが(2020年製作の映画)

-

地方都市の若者。その虚無感と持て余したエネルギーとの摩擦で発射された子種で授かった子。"そして"のステージにすら立たせてもらえない男の"父になる"為の無様な悪あがきを鬼が笑う。12Rボディーブロー貰い>>続きを読む

ウェイキング・ライフ(2001年製作の映画)

-

‪日曜の真っ昼間から遮光カーテンを閉め切った部屋で、毛布にくるまり何度も寝落ちしかけながら半日かけて鑑賞。普通なら不誠実な鑑賞態度も、この作品においては御誂え向きかもしれない。こうして映画を観てること>>続きを読む

ニューヨーク東8番街の奇跡(1987年製作の映画)

-

立ち退き要請が出てるボロアパートの不器用な住人達と、突如あらわれた史上最小の未知との遭遇。まさにアンブリンテイストな優しくて心温まるSFファンタジーで、安心して鑑賞した後の枕ではきっといい夢が見られそ>>続きを読む

仮面ライダーZO(1992年製作の映画)

-

玩具玩具してない怪奇路線のライダーかっこいい。90年代ハード特撮特有の、予算では遠く及ばないながらハリウッドにも負けない気概が感じられる画が最高。世代的にトラウマな今作の雨宮慶太氏の怪人デザイン、今見>>続きを読む