空の落下地点さんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

私の居場所の見つけかた(2016年製作の映画)

3.0

人と人が液体のように混ざり合っていく様が楽しい映画。
母親が聖人ではないこと、母親という建物にも土台となる基礎が必要なこと。
歯が抜けるのは大人になる為の通過儀礼。前に進まない車はきっと、ここに留まれ
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オール・アバウト・マイ・マザー(1999年製作の映画)

3.0

娼婦疑惑、料理人、看護婦、移植コーディネーター、アマチュア女優。
色んな顔を持っているマヌエラ。

俳優は臓器で、どんな舞台や映像の上でも機能しなければならない。

エステバンの心臓が移植されるのは、
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流浪の月(2022年製作の映画)

3.1

このレビューはネタバレを含みます

文の病気は類宦官症でしょうか、宦官、彼女が中国旅行の話題を持ち出すシーンがありますね。月、かぐや姫、文は更紗の従者のようでもあります。きっと二人の帰る場所は月にあるんだ。小説を読んだ時は解らなかったけ>>続きを読む

恋人たちのアパルトマン(1992年製作の映画)

2.9

すぐ終わる現実か、終わらない神格化か。神格化は何も残さない。
女性は現実の生き物だ。現実には臭いがあり、所得差があり、欲求がある。
人間はペットのように観賞用じゃない。
孤独は物理的なもので、神格化さ
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エル・スール(1982年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

この指輪は…❕自分の信仰や誰を愛してるかを、世界に向けて誰もが発信できたらいい。

「あの場所」ってメシア的王国のことなのかな。
結婚式みたいな聖体拝受、父にとってキリストは間男。妻でも元カノでもなく
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リトル・ガール(2020年製作の映画)

3.1

ダンス教室では自由に踊れない、家の庭では自由に踊れる。映画監督の役割それは、光を当てること。女の子はスカートとズボンから選べて、男の子は選択肢なし。服を選べないことは、生き方を選べないこと。
友だちの
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コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

3.1

コンサートのシーンからエンドロールまで涙が止まらなくなったし、隣の人も急に鼻炎になってた。長い人生の内の二時間を共有して、ほぼ同じような感情を抱いて涙を流してるって凄いね。

内容としては、リメイク元
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さようなら、コダクローム(2017年製作の映画)

3.0

実在のラボと知って、エモかった。
叔父さんとハグしたりキスしたりする息子を眺めてる眼差しが悲しくて、写真家の原動力は参加できない世界に対しての憧れなのかなと思いました。
孤独な死だって言ってたけど、沢
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PURE ピュア(2002年製作の映画)

3.0

誰の心にもピュアがあって、お母さんのピュアを覚醒させたのは息子。ピュア同士は引き合う。

ルイーズの外見が好きだった少年は、子供の為に努力しない内面を知って恋も冷める。赤ちゃんは「奪られて」いるのでは
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ライムライト(1952年製作の映画)

3.0

「精神的愛情だけで満足できる」という台詞があり、テリーがちょっとアセクシャルっぽいなと思いました。

支え合うとは、応援し合うこと。ネヴィルは一方的にテリーから応援されてただけ。愛するなら、時に嘘を吐
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猫が行方不明(1996年製作の映画)

3.0

差別と非差別、自分事と他人事、親友距離と恋人距離の境界線。
国境とか、線路とか、高速道路とか、目に見える線は法律で決まってる線。
だけど、コミュニケーションにおける〈ライン〉って決まったものじゃないか
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愛しのタチアナ(1994年製作の映画)

3.2

西加奈子の『夜が明ける』にアキ・マケライネンという架空のフィンランド人俳優が出てくるが、マト・ヴァルトネンの特徴がかなりアキ・マケライネンだった。アキ・マケライネンはゲイだけど、この映画の最後も、なん>>続きを読む

バッド・シード(2018年製作の映画)

3.0

雑草が子ども、農夫が親。でも、農夫は自分の畑だけで手いっぱいだから、ワエルみたいな人が必要。誰でも植わってていい畑が必要。

親の選んだ宗教のせいで生まれつき敵同士とか、辛い。親はムスリムだったけど、
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クワイエット・プレイス(2018年製作の映画)

3.0

恐怖を感知してキーンって鳴る原理なのかな。防音室は滝の要領でやろうとしたけど、漏れて浸水した?クリーチャーは仲間の血に反応して集まる習性がある。・・・と、説明が無いので推し測らないといけない、結構頭使>>続きを読む

ピアニストを撃て(1960年製作の映画)

3.0

現実離れした物語だけど、女は愛の為に命を懸けられるという映画になってる。戦友になるのに性別は関係ない、勇気さえあればね。

トリュフォーが親に捨てられたという過去を踏まえて観ると、フィドが除け者になっ
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4ヶ月、3週と2日(2007年製作の映画)

3.3

どんな濃い日々を過ごしたらここまでの友情が芽生えるの。命の恩人なの、或いは逆に弱みでも握られてるの。レズビアンなわけでもない、バイセクシャルの可能性はあるけどそれを示唆するシーンは無い。中絶ではなく殺>>続きを読む

岸辺の旅(2015年製作の映画)

3.1

このレビューはネタバレを含みます

しらたま、餃子、新聞にチラシを挟むなど包む行為が多い。おにぎりやどらやき、食べ物の他にも風呂敷など、包むって日本の独特な文化。
祈願書を燃やすのは火葬を連想させる。日本文化への敬意が見える。
手先に力
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サンドラの小さな家(2020年製作の映画)

3.0

展開は読めるけど好い話。これは児童書にして図書館に置いた方がいい。
文字通り、〈生活〉を建て直す。ドールハウスじゃ生活出来ないことを、大人は知ってる。
痣を晒すのは泣き落としの為じゃない、生身で生きる
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余命10年(2022年製作の映画)

2.9

原作を支える掟の部分を破ってしまったら、有象無象に埋没する。
「私、間違ってなかったよね?」 茉莉は、間違ってない。
問題は和人。「死ぬのが怖くなる」って言ってるんだから、自転車飛ばさないで。居酒屋の
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ビルド・ア・ガール(2019年製作の映画)

3.0

敗者にリスペクトが無い世界は、女性にもリスペクトが無い。
ジョアンナは魂を売る前からセクハラにユーモアで抗って笑いに変えてきた。こういうセクハラ対応が巧い子のせいで、口下手な子までつけ込まれる。そして
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50回目のファースト・キス(2004年製作の映画)

3.0

バイの同僚の扱いは今の時代だと問題かも。

どんなに好きな趣味・作業に対しても、体調によって気分が乗らない時ってある。それと同じように、毎朝、すんなり自分を洗脳できる日もあれば、そうじゃない日もあると
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ゴーストワールド(2001年製作の映画)

3.4

男性のオタクをイーニド&レベッカと同格として登場させたのはポイント高い。十代が簡単に買える価格じゃないとこまで値上がりしてる映画を、アラサーで観ても遅くなかったと思えるのは彼のおかげ。シーモアのおかげ>>続きを読む

ピッチ・パーフェクト(2012年製作の映画)

3.0

理想の青春すぎてオーディションの段階から号泣してるんだけど、太っちょとオタクが中心に来た時が一番泣いた。音を合わすには心も合わさないとね。独裁者と差別主義者が居なくなったら、均等にスポットが当たる皆が>>続きを読む

カルタヘナ〜陽だまりの絆〜(2009年製作の映画)

2.9

このレビューはネタバレを含みます

まず介護職の女性が要介護者に恋をしているという設定のせいで、介護職の辛さを描き切れてない。
そして貧困女性がボクシングを頑張る理由がコーチに恋をしているから、というのも女性が純粋にスポーツと向き合うの
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ウエスト・サイド・ストーリー(2021年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

チノ、後ろからはマジで卑怯。これからのアメリカに必要のない人はトニーの遺体に触れません。
リフが死んだのは弾み、トニーがベルナルドを殺したのは家族の為、アニータの嘘は憎しみから、チノの犯行は嫉妬から。
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シャーロットのおくりもの(2006年製作の映画)

2.9

人間並みの知能を持たないと尊重されない。パディントンと同じ。
人々は肉食を止めないし、命を頂くと教えながら屠殺場の社会科見学は絶対に実施しない。
蝿の扱いは闇が深いし、他の豚はどうなった?という。
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マザー/アンドロイド(2021年製作の映画)

3.0

「家族がいるんだ」「だから?」
人間の中にもアンドロイドっぽい人はいるけど、アンドロイドの中に人間っぽい者はいないっぽい。

下働きとして造られたアンドロイドたちは生まれた時から大人なので、子どもや母
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殺しのドレス(1980年製作の映画)

3.2

このレビューはネタバレを含みます

娼婦、子ども、黒人、精神障害者、トランスジェンダー、性病患者など様々な社会的マイノリティが出てくる。
最後、娼婦が裁判に出廷することに意欲を示してるのが、なんか闇深かった。確かに殺人犯なんだけど、やり
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スキン~あなたに触らせて~(2017年製作の映画)

2.9

このテーマで、ソフィア・コッポラみたいな視覚に訴える画作りにするのはどうかと思う。っていうか、狙ってるのかな❓深刻さをファッションみたいにして誤魔化さないと、誰も観てくれないの❓
人権や尊厳を当たり前
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ナオミ・ワッツ プレイズ エリー・パーカー/ハリウッド女優になる方法、教えます!!(2005年製作の映画)

3.0

エリーが引退を決意して事務所を去る時、過去の宣材や出演作が詰め込まれた小さな段ボール箱を抱えてるんだけど、それが女優エリー・パーカーの遺骨を納めた骨壺みたいだった。人ひとりの夢ってあんなに小さく纏まっ>>続きを読む

毛皮のビーナス(1969年製作の映画)

2.8

彼が欲しかったのは真実ではなく、嘘の戯れ。
心と関係を良好に保つ為には、頻繁に役割を交代すること。
死なない為の、サディズム開眼。

いちごの唄(2019年製作の映画)

3.0

〈ちか〉と〈こうた〉で、せんにちこう。

誰かを救った音楽が、また別の誰かを救っていく。
多分、歌詞が不謹慎とか、そういう問題を全部、帳消しにできるぐらい主人公が優しい。優しい気持ちで差しだされた不謹
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サイレント・ハウス(2011年製作の映画)

3.0

おじさんと父親が頑なに写真を見せようとしないのと、少女が写真を撮られているので何となく解りましたが、まぁ面白いと思います。
滴り落ちる血って、血縁を排泄したいっていう気持ちの表れかな?

ラスト・ソング(2010年製作の映画)

2.7

謝罪できる人はきっと、やり直せます。
少年法の手前で若者の未来を守ること。
善悪は判んないけど、支持する。

シークレット・チルドレン 禁じられた力(2015年製作の映画)

2.7

このレビューはネタバレを含みます

目視できる場所にしか移動できないから家の周りを高い壁で囲って、目隠しされたり、閉じ込められたりする。終盤、冒険に出た女の子の方は、念じるだけで帰り道が解ったり、壁を抜けられたりする。

父親は神様で、
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アンビリーバブル・トゥルース(1989年製作の映画)

3.5

愛を与えるから愛を与えてもらう、という取り引きだけでいいのにね、世界。

オードリーとジョシュは他の人たちより高い次元にいて、それが自然体で、凄く格好いい。セックスアピールが通じる次元じゃない。
でも
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