雨宮はなさんの映画レビュー・感想・評価 - 14ページ目

ベアリー・リーサル(2014年製作の映画)

2.0

年頃の「おんなのこ」を一番変化させるのは「恋」でしょ!という鉄板な感じなので、主人公が戦う女の子とはいえどフェミニストには向いてないかも。

設定も物語もシンプルなので気軽に観られる。
がっつりアクシ
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半狂乱(2021年製作の映画)

3.0

やられた!ってなる重ね方と巻き込み方をしてくる。
「前作とだいぶ違うなー」と油断していると危ない。

正直言うと終盤までだいぶ油断していて、「監督らしくないというか、うーん…」とゆったり観ていました。
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牛久(2021年製作の映画)

5.0

恥ずかしさと申し訳なさと悲しさで涙が出た。
感動ポルノなんぞ観なくとも、感情がどうにもならなかったときに涙は流れてしまうものだ。

のさばる”社会的弱者”に代わって助けたい命を観た。
ずうずうしく求め
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マイ・プレシャス・リスト(2016年製作の映画)

3.0

主人公のような考えを持ったことは天才でなくてもあるはず。
人付き合いに躓いた人のためのリセットスイッチ。

天才であるがゆえに…みたいな設定とスタートだけど、描かれているものは「こどもにとって必要なも
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シラノ(2021年製作の映画)

3.0

安心して観られる『ザ・ミュージカル映画』。
ダンスシーンはなくとも、ちゃんとしたミュージカル作品を観たいならスピ版WSSよりだんぜんこちら。

中世のロマンスなので、男女観や恋愛観が古く、そこのウケは
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上流社会(1956年製作の映画)

2.0

ルイ・アームストロングが本人役で出演されていて、彼の演奏と演技を観ることに価値のある作品。
物語と設定が好みでなく、好きになれなかった・刺さらなかった作品。

「グレース・ケリーとフランク・シナトラと
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ビクター/ビクトリア(1982年製作の映画)

3.0

見事なショウシーンと「性」とは何かをこの時代に考える作品であったことに評価点が置かれる作品。

個人的にはミュージカルらしくないミュージカル映画でした。
音楽の作りやミュージカルシーンの作り方はばっち
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ウエスト・サイド・ストーリー(2021年製作の映画)

1.0

これはひどい。ミュージカルとミュージカル映画を馬鹿にしている。
まごうことなき駄作。2019年の実写版『CATS』と同列。
ミュージカルを観ない人間のオナニー作品。

ミュージカルの魅力を徹底的に失く
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ビッグ・フィッシュ(2003年製作の映画)

4.0

何を選ぶか、どう伝えるか、ひとを知るには何が必要かを考えるきっかけになる、自然と心を開くつくりに拍手。

誰もが違和感を覚えられるように、「こういうことなのだろう」という推測と「こうだったのだ」と結論
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マーズ・アタック!(1996年製作の映画)

4.0

こんなにもバカバカしく、しっかりとお手本通りな演出をした、皮肉でいっぱいの映画を観ていなかったなんて!

豪華すぎる出演陣なうえ、「そんな扱い方する?!」とびっくりな扱いと展開を用意している。俳優の贅
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ハンナ・アーレント(2012年製作の映画)

3.0

彼女が現代に生き、SNSを活用しようものなら炎上に次ぐ炎上を巻き起こしたことでしょう。
彼女の思想・思考の成立を見届けるのではなく、あくまでアイヒマン裁判を軸に彼女の思想・思考を提示するもの。

ハン
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リメンバー・ミー(2017年製作の映画)

2.0

家族神話洗脳素材。
宗教レベルで気持ち悪いし、毒にもほどがある。
ディズニー作品のなかでトップレベルのホラー作品。

段々ディズニーらしくなったけど、冒頭で特に描かれた”家族”の呪いと洗脳教育がマジで
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余命10年(2022年製作の映画)

2.0

私がいちばん寄り添えたのは和人だ。
「生きる意味とかわかんない」を自覚している人と自覚していないけど飲み込まれている人であふれる現代に、この作品はどう作用するのだろう。

自分を生かしてくれた人がゆっ
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ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

4.0

感情や思考の表し方が、うっかり見落としてしまいそうなほど自然に小さく静かなのにしっかりと伝わってくるものがある不思議な温度の作品だった。

「みてほしい」
「みたくない」
「みせつけたい」
「みてみた
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東京物語(1953年製作の映画)

4.0

「家族」というシステムが変化するのを描いたものだよと教えてもらって鑑賞。
「家族」というものを捉え、構成するものは何なのかを考えるきっかけになるし、立場やキャラクターへの印象でその人の人となりや価値観
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アド・アストラ(2019年製作の映画)

2.0

宇宙がどうこうよりも、精神を自分自身がコントロールしきることの難しさと、数値化したシステムによって他者にコントロールさせる隙を与えてしまう恐ろしさを感じた。

限られた環境と使命感でやっと自我を保って
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悪い男(2001年製作の映画)

2.0

歪んでるねぇ、自分勝手だねぇ、ただの所有欲だねぇ。
主人公の男性がこうなってしまった背景を知りたい。

ヒロインは自業自得なので可哀そうともなんとも思わない。
ただ、一度落ちてしまうとそれがどんな理由
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毛皮のヴィーナス(2013年製作の映画)

3.0

一種のSMなのでは、と思った。
「不思議な踊り」のせいでいっきにコメディになってしまって、ぶち壊しになって残念。

結局これは幻想というか、トマの精神世界での対話ということなのだろうか?

ワンダ役の
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ジェラシー(2013年製作の映画)

2.0

愛なんて全くないです、嫉妬だけ。あるとしても、自己愛だけ。

最初から最後まで、自分が大事なだけなのに「自分は愛してるんだ」と主張する奴ばかりで観ていてしんどかったです。

そんな人間が子供をつくらな
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モスラ(1961年製作の映画)

3.0

怪獣映画はこども向け作品だと思っていた時期が私にもありました。
めちゃくちゃ大人向け作品でびっくりした。

ドラマパートを子供は理解するのだろうか?
モスラがなかなか出てこないことにしびれを切らしたり
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ARIA The BENEDIZIONE(2021年製作の映画)

2.0

以前の良さはどこへやら、安コンテンツに成り下がった作品。
ゴンドラと晃さんへの敬意をこめたスコア。

商業はシリーズを通してどんどん悪くなり、今回は最悪だった。
本編だけなら3~4で考えたいけど、商業
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ハウス・ジャック・ビルト(2018年製作の映画)

4.0

とても教科書のような正しい「サイコパス」のお話だと考える。
脳科学者の中野信子先生に観て、解説してほしい。

殺していくシーンも、狙いのつけ方も非常に不気味で良い。
色々部屋糞で危ういシーンがあるのが
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モリーズ・ゲーム(2017年製作の映画)

3.0

頭の良いアダルトチルドレンの行く末のお手本という感じ。
父親と和解したように描いているけど、「ああ、まだ支配から抜けられないのか」と可哀そうになった。

母親神話的なものに近い、父親からの支配が描かれ
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みぽりん(2019年製作の映画)

3.0

こんなに笑えるホラー、観たことないwwwwww
怖いのはみぽりんが演技に見えないことと、歌がうますぎるところ。

ヒロインは「年の割に」脳みそが幼くて、それはそれで怖かったかも。
ホラー映画のあるある
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A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリー(2017年製作の映画)

4.0

静かな、大人のための「ゆうれいのはなし」。
もし、幽霊がこんなふうにうまれたり消えたりしているなら、とても切ないことだなぁと感じる。

日本とは違い、だいぶファンタジーな幽霊。
作品ジャンル的にもそう
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ダニー・ザ・ドッグ(2005年製作の映画)

3.0

アクションとキャラクターと物語のバランスが最高に良い。
ジェット・リーの演じるピュアは、まじで良い。

見ごたえのあるアクションと、様々な陰陽の混ざりあいが興味深い。
アクションをあまり観ない人、苦手
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アバウト・ア・ボーイ(2002年製作の映画)

2.0

子ども時代のニコラス・ホルトとヒュー・グラントの共演と知って鑑賞した作品。

ヒュー・グラントがダメ男orクズ男なのはいつものことだけど、今回はがっつり「クズ男」。
ただ、ウィル(演:ヒュー・グラント
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アキラ AKIRA(1988年製作の映画)

3.0

「”さん”をつけろよ!デコスケやろぉお!」の元ネタ。
時代背景がわかっていないと感情移入も共感もできない、けれど、SF的な設定が面白いため最後まで観られてしまう作品。

バイクを止める「あのシーン」と
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アナザーラウンド(2020年製作の映画)

5.0

#マッツ・ミケルセン を好きになったきっかけの作品。
映画として十分面白いのに、最後の最後で惚れさせてくるずるいやつ。

そんなに大きくない町の高校の中年教師たち…それも、人気でない授業で生徒にナメら
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MINAMATAーミナマター(2020年製作の映画)

4.0

日本の恥を海外が暴いてくれた、といえる良作。
公開当時にスクリーンで観られなかったのを後悔した。

「水俣病」を社会科で勉強する際、「公害」に絡めて「こんなことになりますよ、怖いですね、ダメですよ」と
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ブラックボックス:音声分析捜査(2021年製作の映画)

3.0

フランス映画だからこそ、特殊な環境とドラマを共存させた作品として成立させられたのだと思わされる面白さがある。

日本の映画やドラマだと全部説明台詞やテロップが入るんだろうなぁと思った。その分ドラマに台
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tick, tick...BOOM!:チック、チック…ブーン!(2021年製作の映画)

4.0

久しぶりに良質なミュージカル映画を観た。
ダンスはあまり多くないが、シーンを彩ったり心情を綴ったりする「音楽」が強い。

この作品に大きく影響を受けたであろう舞台作品があり、そちらも懐かしくなった。
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猿ノ王国(2021年製作の映画)

5.0

手放しに「ブラボー!」と叫ばせていただく。
これぞまさしく「日本社会の寓話」とはよくいったもので、海外用タイトルをつけるなら「This is JAPAN」あたりがぴったりなのではなかろうか。

試写会
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アンネ・フランクと旅する日記(2021年製作の映画)

2.0

アンネがイマジナリーフレンドとしてつくったキティを主人公にアンネ・フランクのメッセージを再度読みとこうとする構造というか着想は面白かった。アンネたちの避難と難民をつなげて問題提起したのは現代的だった。>>続きを読む

宇宙戦争(2005年製作の映画)

3.0

モンスターパニック作品だと思っていたが、家族を基盤にみる人格形成の話という印象になった。

避難先の地下でのかくれんぼ状態のシーンをテレビで観た覚えがあったが「こんなに長かったか」と驚いた。
息子が「
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バリー・シール/アメリカをはめた男(2016年製作の映画)

3.0

操舵技術で荒稼ぎするってだけでもすごいのに、荒稼ぎがすぎて隠せなくなるっていうのがすごすぎた。

操縦する必要があるせいか、薬と酒に覚える…という海外おきまりルートに入らないのが興味深かった。
主人公
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