雨宮はなさんの映画レビュー・感想・評価 - 10ページ目

あなたの顔の前に(2020年製作の映画)

3.0

仕事の話と男女の話は酔っているときがいちばん輝いて見えるものです。
これだけ家族意識の強いのは個人的には勘弁。

すでに死んでしまった主人公の記憶のライブラリを覗かせてもらっているような映像だった。
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ホーリー・モーターズ(2012年製作の映画)

3.0

人間は人間のフリをしているから人間なのであって、猿に戻れるのが家で猿同士でいられるのが家族なのかもあしれない。
全く理解が追いつかない、だけどそれが嬉しい。

主人公がスケジュールに追われ働きづめなの
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女と男の観覧車(2017年製作の映画)

1.0

育児放棄の成果物をとくとご覧あれ!
現実と自分の責任から目を背けた結果がこれだ。

ケイト・ウィンスレット出演作品という情報だけで鑑賞をきめてしまい、反省している。
やはりウディ・アレン作品は嫌いだ。
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ヘアー(1979年製作の映画)

2.0

歌唱力の高い役者がちらほらいるだけで、ミュージカル作品としては弱いヤク漬け若者たちによる反戦映画。

クスリでハイになってセックスして、社会人として親としての責任を放置していることがヒッピーだと言って
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映画 すみっコぐらし 青い月夜のまほうのコ(2021年製作の映画)

5.0

“親”をはき違えている日本人たちよ、これが“親”というものだと示してくれるのがこの作品だ。

前作に引き続き、突拍子もないファンタジーのようでしっかりしたエピソード。
わざとらしいお涙頂戴のない、本物
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映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ(2019年製作の映画)

5.0

感動ポルノに汚染された日本人たちよ、感動したければここにある作品こそ涙をよぶ作品だ。

シナリオの落ち着かせ方の完璧さたるや。
「自分のいるべき世界がある」ことに自分で気づき、己を抑えることのできる“
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ドラッグストア・カウボーイ(1989年製作の映画)

1.0

大したことない人間の話は盛られてる。
たいていの人間は一瞬の過ごし方で悩んでる。

ただのドラッグムービー。
観ている間、苦痛でしかなかった。

窓辺にて(2022年製作の映画)

4.0

これを観たら、きっと自分の「窓辺」が欲しくなる。
そんでもって、パフェを食べたくなることだろう。

いつから愛情ってはかるものになったんだろうか。
正しい感情の示し方って、いつ決められたんだろうか。
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モリのいる場所(2018年製作の映画)

3.0

まさかのファンタジーだった。
デジタルを眺めることにかわりはないのだけれど、デジタルデトックスになるような不思議な映画だった。

長年寄り添った夫婦だからこそできる会話や、距離の取り方を眺めるのが面白
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夜明けまでバス停で(2022年製作の映画)

4.0

ラストシーンに「この映像が優れた映画である」理由が詰まっている。
日本の社会福祉の敗北も明確に表現されている

“女性”であることの社会的不利益を主人公はじめ、様々な女性キャラクターが表現し、提示して
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ヴィーガンズ・ハム(2021年製作の映画)

4.0

最っ高に爽快で愉快なマン・ハント映画。
「男」「女」の嫌な部分も、思想の押し付けもマウンティングも、全部代わりに「狩り」をして憂さを晴らしてくれる!

ストレス値の少ない状態で締められたヴィーガンはそ
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ヒューマン・ボイス(2020年製作の映画)

2.0

90分にも感じた30分は、ティルダ・スウィントンと張り切ったセットと衣装で初めて実現可能になる。

元の戯曲がどんなものかを知らないが、個人的には退屈な内容だった。
失恋した女が見栄を張って見たり、キ
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アフター・ヤン(2021年製作の映画)

2.0

合わなかったけど、人類が近いうちに実体験する出来事のように感じる。
OPの家族ダンスで見所は終わってる。

家族の誰もが自分にしか興味がなく、ネガティブな「個人」主義を感じる。
ヤンというロボットに関
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瀉血(2022年製作の映画)

4.0

日本には、法制度にさえ「家族割り」があるし、迷惑をかけた人間が「普通である」努力をしただけで褒めたたえられるという異常性がはびこっている。

どんなに声をあげても「そんなことないよ」「親は平等に子ども
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トッツィー(1982年製作の映画)

4.0

これのどこがコメディだって?ちっとも笑えないぞ!
「人は見たいものだけを見る」「見たいものにするために力を加える」というのが良くわかる。

今から40年前に、こんなにも性加害を表した作品があったなんて
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ずっと独身でいるつもり?(2021年製作の映画)

5.0

ラスト15分を観て幸せになるために、早送りも倍速もしてはいけない。
“ありがたい”アドバイスをしてくださるみなさんに、「うるせぇよ。あたしが、いちばん考えてます」を伝えるための93分。

現代人女性(
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ファニー・ピープル/素敵な人生の終り方(2009年製作の映画)

2.0

私には「ファニー」じゃなかったし、「素敵な人生の終り方」でもなかった。
でも、「娘の歌で泣ける人」かどうかは家族としてやっていくのに重要なラインだというのはわかる。

ルームメイトたちとの距離がリアリ
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ファイブ・デビルズ(2021年製作の映画)

3.0

考察捗る系ジャンルごった煮フランス映画。
SNSやブログで考察が行きかうんじゃないかと予想される。
誰かと観て「あれはどういうこと?」「こうじゃない?」が楽しくなると思われる。

観た直後は「どういう
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恋人はアンバー(2020年製作の映画)

3.0

主人公は1995年のアイルランドおける“碇シンジ”。
ヒロインは綾波よりはアスカ寄りといったところ。

1995年における様々な差別の資料集といった印象の映画。
人を勇気づけるものや開放するものが結局
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トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

3.0

トム・クルーズが示す、「ザ・アメリカ映画」!
デジタルとアナログ、老いと若きの対比が面白い。

この作品と『NOPE』は「IMAXカメラで撮った作品はIMAXで観ることが大切だ」と教えてくれた。
あり
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ビルマの竪琴 総集編(1956年製作の映画)

3.0

「使命」って結局ただの「やりたいこと」なんだなと。
公文式(国語)で読んだあの作品を初めて鑑賞した。

日本軍を描く戦争映画は基本的に嫌いなのだが、これはその嫌いな部分が一部しか描かれなかったため楽し
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レッド・ファミリー(2013年製作の映画)

3.0

クライマックスは「なるほど、そのために!」と高まったのに、ラストで台無しになる残念な作品。

「工作員」が洗脳と脅迫によって仕込まれただけの一般人という認識になった。
それとも彼らがポンコツすぎるだけ
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恋におちたシェイクスピア(1998年製作の映画)

3.0

私小説はウケるという鉄則、美女の男装、大岡の裁き…素晴らしい!
貴族の「結婚」や脳内お花畑状態の恋愛が好きじゃないのでスコアは3。

ジュディ・デンチを出しておけば、美や若さに甘くない正当な裁きが行わ
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アナベル 死霊博物館(2019年製作の映画)

2.0

「そりゃあそうなるよなあ」しかない、大人の認識の甘さにより起こる悲劇。
主人公である少女が両親、ベビーシッターとその友人からただ加害されるだけの作品。

このシリーズはしっかり怖いから好きだったのだけ
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キッド(2000年製作の映画)

4.0

ブルース・ウィリスの確かな演技力を楽しむのに、これほどうってつけの作品があるだろうか。

設定も物語もいかにもお手本なものでありながら、それを退屈にさせないのはブルース・ウィリスの演技力とディズニーら
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ダンサー・イン・ザ・ダーク(2000年製作の映画)

1.0

ミュージカルシーンがあるだけでミュージカル映画ではない。
胸糞映画の理由は主人公がクズだから。

病気なのは視神経だけじゃないとしか思えない。
「想像でうっかり」ですまされないレベルの注意欠陥。
子供
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神様メール(2015年製作の映画)

4.0

なにがどう「福音」なのかはわからないけど、面白かった。
「神」を「男」とする、「女」を「足りない」とすることの皮肉な描き方がとても良い。

人間が「神を信じなくなった」ことの表れ方が、神様を人間の生活
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近距離恋愛(2008年製作の映画)

3.0

ワンナイトする奴、勢いで結婚まで突っ走る奴に男も女も関係ない。
なのに、男が改める様子を描くと誠実に見えるのはなんでだろう。

役者のビジュアル、演技力、設定もろもろこんなに「ちょうどよく素晴らしいの
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パルプ・フィクション(1994年製作の映画)

2.0

好みじゃなかった。
アメリカ映画における「しょーもない」を集めて突き詰めるとこうなるんだと思う。
それを演じる俳優陣や演技派すばらしいものだった。

聖書の引用があって「なんだかいいもののように感じる
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スターダスト(2007年製作の映画)

3.0

大人が深夜に何も考えずに観られる、絵本のような作品。
ミシェル・ファイファーとロバート・デ・ニーロが作品を支えてくれている。

グリムっぽい要素が盛りだくさんな物語だった。
王族の血がまじっていながら
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マリー・ミー(2022年製作の映画)

4.0

ありがたいくらいほど良い娯楽ロペス映画。
予告編から逸れることなく、かといって失速するわけではない。

J・ロペスがJ・ロペスなだけなので、演技ではないかなとは思う。
ただ、J・ロペスだからこそ実現で
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カモン カモン(2021年製作の映画)

4.0

子供嫌いが観られる、子供を知るための映画。
母親神話を崩し、両親が揃っていることが良しとされる幻想を打ち砕く!

今後増えていくであろう主人公のようなタイプの人間に、とても現実的な「親子」を見せてくれ
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死刑にいたる病(2022年製作の映画)

3.0

言われるほどグロさは無いが、やられていることはしっかり痛そうなのでニッコリしてしまう。
原作小説を読もうと思えた作品。

キーワードは「親子関係」。
疑問なのは、果たしてこれは「病」なのかということ。
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PLAN 75(2022年製作の映画)

1.0

「自己責任」でいたくない「他人任せ」を望む人間の無責任な話。
理想を超えた幻想世界に生きる人の「こうなって欲しくない」が駄々洩れな甘々映画。
尊厳死を認めない暴力が表れている。

せっかく「尊厳死」を
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LAMB/ラム(2021年製作の映画)

2.0

誘拐&殺人(?)犯が反省の機会を自ら手放し、けじめをつけるまでの物語。
マリアの身勝手さがただ気持ち悪く、愛情を注いでいるつもりの様子に虫唾が走り体が痒くなった。

「アダちゃん、かわいい~」で済ませ
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