やっちゃんさんの映画レビュー・感想・評価

やっちゃん

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夜の浜辺でひとり(2016年製作の映画)

3.8

監督自身の恋愛模様をそのまま題材にしてしまう自信と大胆さに恐れ入った。海辺に寝そべる主人公ヨンヒの姿は構図的に美しくも、ギョッとする感じもあり、ホン・サンスってとてもとても大胆な監督だと確信。
煙草に
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それから(2017年製作の映画)

3.8

不倫が絡んだ些細な日常を、哲学的且つユーモラスに描く。
ホン・サンス、初鑑賞。日本人の私から観て、随分と羨ましいくらいの「洗礼されたアジア映画」でした。
エスプリやヨーロッパ映画の洒落っ気を散りばめな
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鉄道員(ぽっぽや)(1999年製作の映画)

3.5

健さんに会いたくなって鑑賞。大竹しのぶさんの演技も可愛らしい。健さんをはじめ稔侍さんら俳優勢の演技は文句なしだけど、現在と過去が入り混じる割に、メリハリがなく平面的で残念。けど、やはり健さんはいい男。

仕立て屋の恋(1989年製作の映画)

3.6

変態を平然と語るタイプの映画。タイトルの「仕立て屋の恋」は予想以上に叶いつつ、最終的には美女が頑として放つ権力のようなものを感じます。若くて美しくて惚れられてるって、普遍的に強いもののひとつなんだな。

ファントム・スレッド(2017年製作の映画)

3.8

魅せ方が美しい分、油断していると火傷する。そんな映画でした。
アルマとレイノルズの愛を理解するにはある種の変態性が必要かと思うけど、個人的に嫌いではありません。
オートクチュールの仕立て屋の話だけに、
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ウィンストン・チャーチル /ヒトラーから世界を救った男(2017年製作の映画)

4.0

新作レンタルで鑑賞。イギリスのドラマや映画ってどうしてこんなに面白いんだろ。「ダウントン」や「シャーロック」にハマった口だけど、それらと同じくらい(史実だから上まわる?)面白い!

時折、pig首相か
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ラヴィ・ド・ボエーム(1992年製作の映画)

3.9

カウリスマキのモノクロ2作目。なんともない物語なのだけど、楽しくて儚いところがさすがカウリスマキ・マジック。

芸術の都、パリ。おじさんに差し掛かった芸術家の卵達の生活と、そのうちの一人画家のロドルフ
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椿三十郎(1962年製作の映画)

3.9

風来坊な椿三十郎のかっこよさが限りない。役者ひとりひとりの巧さに魅せらたし、ユーモアのセンスに笑かされた。
日本のサムライ映画に、こんなにも潔さとユーモアが伴う作品があったかと思うと嬉しくなる。今まで
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ボヘミアン・ラプソディ(2018年製作の映画)

4.1

ラストの圧倒的なライブパフォーマンスに魅せられる。Queenの名曲とフレディマーキュリーの人生ドラマに胸が打ちふるえ、感動しきって、すぐさまリピート鑑賞してしまった。

才能の影に繊細さや孤独を持ちな
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レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ(1989年製作の映画)

3.8

ロードムービーにしてコメディ。しかも控えめな笑い。シュール寄り。こんなのが80年代(ギリギリ)に生まれてたなんて、、良い。

レニングラードボーイズが、どんどん音楽に適応していくし、日本の昔の不良にペ
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秋刀魚の味(1962年製作の映画)

3.9

東京オリンピックを目前に控えた日本は、こんなにも明るく敗戦に未練を感じる隙さえなかったものかと驚く。
あまりにもズケズケと物言いする人が多くて苦笑してしまうけど、対照的な笠智衆さん演じるお父さん像がし
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愛しのタチアナ(1994年製作の映画)

4.3

見知らぬ男女が道中を共にするロードムービー。舞台は1960年代のフィンランド。カーレコードプレイヤーやロックンロールなど昔の雰囲気満載です。

カウリスマキ7作目にして、初のモノクロ。カウリスマキ作品
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浮き雲(1996年製作の映画)

3.8

成瀬の浮雲が痴情ベースだとしたら、こっちの浮雲は生活ベース。改めてカウリスマキ映画における生活感の重要性に気付く。

最後に吸うたばこは、最高に美味しそう。

街のあかり(2006年製作の映画)

3.9

好きな女性には不器用、好いてくれる女性にはぶっきらぼうなコイスティネンに女性目線で「あぁっ、もう‼︎」ってなる。

とは言っても玉山鉄二さんに憂鬱さと無骨さを足したようなコイスティネン役ヤンネ・フーテ
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早春(1970年製作の映画)

3.9

マイクの恋(否、執着か)する疾走感と、妙にリアリティがあるあれやこれやの人物像。ものすごく「未熟な者」を描くのに、洞察力とか映画の造り方としては完璧に近く、ものすごいバランス感覚の上に成り立つ作品だな>>続きを読む

暗殺のオペラ(1970年製作の映画)

3.9

タイトルバックの絵から心を鷲掴みにされてしまった。お盆にライオン‥の画はなかなかエキセントリックです。

英雄とされる父と父が暗殺されたTARAという田舎町。
現実と過去が入り交じる幻想感と緑豊かな牧
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汚れた血(1986年製作の映画)

4.0

架空の伝染病STBOが蔓延する近未来のパリ。とある計画に加わることになった孤独な青年アレックスは計画の主マルクの恋人アンナに恋をして‥。

哲学的なエスプリとハードボイルドにSF‥恋愛ドラマには収まり
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過去のない男(2002年製作の映画)

3.8

記憶を無くし、ホームレスのコミュニティに紛れ込んだ男が主人公。素朴で哀愁あるブルースが、ホームレス達に妙にマッチしていた。
難民といいホームレスといい、簡素で質素で手放しの喜びからかけ離れた人々を映画
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ル・アーヴルの靴みがき(2011年製作の映画)

4.1

市井の人々の善意にほっこりする良作。
格差社会でいえば下辺にあたる靴みがきのマルセルが、彷徨えるイドリッサに手を差し伸べる姿にふと良心を突かれる。はたと間違えば美談にしてしまいそうな話だけど、一切洒落
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日日是好日(2018年製作の映画)

3.9

毎週土曜日に茶道を習う典子の20代から40代を綴った物語。瓜実顔が美しい黒木華さんと、先日亡くなられた樹木希林さんの共演が胸にしんと残りました。

タイトルバックは川のせせらぎ。澄んだ水が静々と流れて
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エンジェル、見えない恋人(2016年製作の映画)

3.4

透明人間として生まれてしまった少年と、盲目の少女の恋物語。登場人物は少なく、限られた場所でひっそりと展開していきます。閉塞的な雰囲気のなか、可愛らしいフランス語の響きが耳をくすぐる。
正直、観ている時
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否定と肯定(2016年製作の映画)

4.0

スピルバーグの「ペンタゴンペーパーズ」と名画座で二本立てしてほしいくらい、社会派ドラマとして興味深く面白かった。
イギリスの格式高い雰囲気も楽しめましたし、登場人物のキャラクターもメリハリがあって人間
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ヴァージン・スーサイズ(1999年製作の映画)

4.0

金髪少女の儚さ。「17歳のカルテ」と並んで自分的「悩める少女映画」の2トップ。
十代の女の子特有の透明感と自然光を掛け合わせた見せ方に、観るたびにドキドキしてしまいます。

男子禁制を匂わせる思春期ア
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ラースと、その彼女(2007年製作の映画)

3.5

人間不信に陥りそう‥な時ふいに観たくなる映画。ラースを見守り回復を待つ家族や街の人々が温かくてほっこりします。ラースと同じ教会に集う人々が信仰に基づいた善意のもと、心を広くして彼を受け入れる姿が素敵。>>続きを読む

希望のかなた(2017年製作の映画)

4.3

シリアのアレッポを逃れ、難民としてフィンランドに辿り着いた青年カーリドとフィンランド人老年男性の交流を描く。
「ヨーロッパにおける難民問題」を念頭に観たものの、それだけに留まらず映画としての滋味が溢れ
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犬ヶ島(2018年製作の映画)

3.9

日本のエキゾチックさ満開のアンダーソン監督のモフモフ作品。東京オリンピックを目前に、世界の注目を集める将来的巨匠が「よく撮ってくれたなー」と感激してしまいました。
太鼓や相撲はいいんだけど‥草叢の枯山
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わたしは、ダニエル・ブレイク(2016年製作の映画)

4.1

社会的弱者を淡々と語るヒューマンドラマ。格差や難民問題が噴出する社会情勢の混沌のなか、どうしても必要だった作品だと思う。ケイティが缶詰を‥のシーンからは涙が溢れた。

ダニエルは40年大工として真っ当
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ブリグズビー・ベア(2017年製作の映画)

3.9

新作レンタルで鑑賞。インタビューやNGシーンも満載で、若手作家の勢いとユーモアを感じた。
正直、見終わってから「如何にしてテッドとエイプリルはブリグズビーを作ったの?」という興味がとめどない。スピンオ
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空海 ーKU-KAIー 美しき王妃の謎(2017年製作の映画)

3.8

チェンカイコーこだわりの長安のオープンセットだけでも一見の価値あり。もっと映していいんじゃない(゚o゚;;ってくらいな贅沢な使い方。染谷翔太さん、いい俳優ですね!世界に出ても全然引けを取らない。中国語>>続きを読む

レディ・プレイヤー1(2018年製作の映画)

3.6

はじめて「E. T. 」を観たときのような真新しさと高揚感。ワーナーやサンリオetcのキャラクターたちにクスっとなったり。
「ペンタゴンペーパーズ」や「シンドラーのリスト」等社会派が好きだけど、こうい
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殺しの烙印(1967年製作の映画)

3.9

どこまでもハードボイルド。宍戸錠さんがカッコいい。もし自分が男の子だったら殺し屋に憧れてたかも。

60年代の実験的映像は刺激的でカッコいい。ニヒルな殺し屋がだんだんと追い詰められ怯える様も良い。
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女の中にいる他人(1966年製作の映画)

3.7

成瀬監督のサスペンス映画と期待して観たが、やや平坦な仕上がり。しかし昭和の生活感が彼是と楽しめ、新珠三千代さんの妖精のような可愛らしさが華があって結果として観てよかった。後半の花火が始まった頃からが見>>続きを読む

羅生門(1950年製作の映画)

4.2

芥川龍之介の『藪の中』『羅生門』を原作にした黒澤明監督の代表作にして日本映画の傑作。

乱世の京。羅生門を舞台に据え『藪の中』をほぼ踏襲する展開。練られた脚本の妙に加え発せられる作品の力強さ。役者の眼
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ゴーン・ガール(2014年製作の映画)

3.2

旦那さんとうまくいってない主婦が午後ローのかわりにこっそり見るには痛快かな。

ロスト・ハイウェイ(1997年製作の映画)

3.7

音楽といい死に方といいカッコいい。狂気の沙汰。気が変になりそう。

あの頃ペニー・レインと(2000年製作の映画)

4.3

ペニーの不滅の可愛さとウィリアムの初恋の余韻が胸に残るロードムービー。

母親役のフランシスマクドーマンドの演技が秀逸。昔はペニー(ケイトハドソン)のキュートさにクギづけだったけど、最近はウィリアム(
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