スーパーエイプマンさんの映画レビュー・感想・評価 - 11ページ目

ブルータル・ジャスティス(2018年製作の映画)

4.5

違法捜査警官が悪人から金塊を強奪しようとする話。
S・クレイグ・ザラーの名前を初めて認知したが、この男は只者ではない。プロットとしてはタランティーノ的と言ってもいいかもしれない、会話と銃撃戦なんだが、
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暗黒街(1927年製作の映画)

4.5

クソな人生を最後に輝かせる男との友情。
泣いた。
Nasのあの曲の元ネタの映画の元ネタの映画の元ネタの映画。

最後の人(1924年製作の映画)

4.0

「凄え顔だな、これが表現主義かあ」と思いながら見てた。話自体はカバンを持てなくなった老ドアマンがトイレ係に左遷されて死ぬというだけのどうでも良すぎるものなのだが、カメラワークがいちいち秀逸すぎて異常に>>続きを読む

ビッグ(1988年製作の映画)

3.0

子どものまま身体だけ大人になってしまう、逆なろう系かと思いきや、おもちゃ会社で無双して女もGETという異常な話。
切り返しでの別れと思いきや次のショットでトム・ハンクスが子どもに戻ってるの、泣けますわ
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mid90s ミッドナインティーズ(2018年製作の映画)

3.5

スタンダード画面で90年代ヒップホップを多用したスケボー映画……という前情報から思ってた単なるノスタルジーに浸る類の青春映画ではなく、愉しさと同時に痛みに思いを馳せるメタ青春映画だった。

ジョナ・ヒ
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嵐を呼ぶ十八人(1963年製作の映画)

4.0

ギラついた18人の青少年労働者と彼らを取り仕切る青年の話。
今村昌平の初期作品にも共鳴する粗暴な若者たちが主人公だが、画面がシャープで猥雑な土臭さとは一線を画しているところが面白い。18人が現れるパン
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秋刀魚の味(1962年製作の映画)

4.5

固定された精緻な画面とアグファカラーの美しい色彩に彩られているがめちゃくちゃな諦念に満ちた映画だ。話としても誰も幸せになっていない、こんな哀しい話があるだろうか……。
純化されたスタイルに導かれ、人の
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恋はデジャ・ブ(1993年製作の映画)

3.5

異世界転生モノの先駆けかもしれない。
明日が来ないってなったらそりゃケーキ食べまくるよな。
エンドレスな1日を繰り返し続けるビル・マーレイが絶望して自殺しまくる辺りはブラックで良かった。

都会の女(1930年製作の映画)

4.5

そもそも都会のすれっからし女が田舎の童貞に惚れる話なんだから嫌いなわけがない。
名高い一面の麦畑の横移動や収穫シーンは言うまでもなく素晴らしい。フォードやホークスなら魅力的に描いてたであろう田舎特有の
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ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q(2012年製作の映画)

3.0

あまりにひどく、とてもじゃないが諸手を挙げて称賛することは出来ないとはいえ、よく出来すぎた『破』よりもこの無様さの方が好きかもしれない。ラストカットはいい。

スプラッシュ(1984年製作の映画)

3.5

童貞が恋に落ちたら相手が人外でした映画。ジャケットの通り、(ロウアー)マンハッタン映画でもある。
若き日のトムハンクスダリルハンナの可愛さと水中撮影の美しさが印象的。
大した役じゃない兄貴とか科学者が
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溶岩の家(1994年製作の映画)

5.0

クソかっこいい。
この時点でペドロ・コスタはヤバい映画を撮る術を完全に心得ているとしか思えない。
砂嵐の中看護師を置き去りにするヘリパイロットのデタラメさから始まり山の岩肌、激しい波、村人の顔の陰影、
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(1997年製作の映画)

4.5

プレ『ヴァンダの部屋』だが、あそこまでドキュメンタリーに肉薄してるわけでなく真っ当に劇映画。『ヴァンダの部屋』ってただ家が破壊されてってヤバいみたいな話だったし。

映画的に気持ちいい瞬間は『溶岩の家
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LIFE!(2013年製作の映画)

3.5

こういうノリの映画好きだな。
旅がしたくなった。

東京裁判(1983年製作の映画)

4.0

とにかく東京裁判に対して客観的であろうとするスタンスが感じられた。もちろん作成者は日本人であり鑑賞した自分も日本人であるため、真に客観的なのかどうかはわからないが…。

ワイズマンの対象への対象への厳
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真珠のボタン(2015年製作の映画)

4.0

ビッグバンから虐殺まで。
厳粛な態度をもって独裁政権を告発するのでなく、流れ続ける水と人々の記憶とをエモーショナルに接続し、歴史が過去に埋まることなどあり得ないのだと静かに主張する。

光のノスタルジア(2010年製作の映画)

4.5

起源を求める天文学者と過去の痕跡を探す女性たち、長大な時間と情念を強引に結び付けるモンタージュが家族の遺骨を探し続ける女性たちの尊厳を強調する。ラストのおばあちゃん達が望遠鏡を覗き込むシーンはちょっと>>続きを読む

大脱走(1963年製作の映画)

3.5

いかにも官僚的ではあるけれど、抗えないおもしろさ。
スティーヴ・マックィーンはカッコ良すぎる、、ドデカいスクリーンでまた観たい。

斬人斬馬剣(1929年製作の映画)

4.5

ヤバすぎ。
伊藤大輔監督・唐沢宏光撮影による「移動大好き」神話にまさに合致した本作が短縮版とはいえ、良好な状態で現存していることに感謝したい。
現存は30分ほどだが、体感25分くらいはチャンバラもしく
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一殺多生剣(1929年製作の映画)

-

現存している短縮版は加水分解寸前だったフィルムをなんとか修復したものとのことで、状態はかなり劣悪で短縮版故の強引な話運びと相まって終盤は何をやってるかわからなくなってしまった。
とはいえ、20年代末期
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特別な一日(1977年製作の映画)

4.5

いやー素晴らしい映画を見てしまった。
充実した撮影と演出の密度が半端ないし、それに応じるマストロヤンニとソフィア・ローレンの円熟としか言いようがない存在感。

特に部屋を出てテラスに上がってからの一連
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ソナチネ(1993年製作の映画)

5.0

改めて見ると記憶していたよりさらに青い。
ヤバいシーンばかりだが、女を強姦している男を銃殺した後、クローズアップされる女の顔と武の顔とが鋭利に切り返されるシーンの暴力性に鳥肌が立った。

はちどり(2018年製作の映画)

3.0

よい。
計算高いアビチャッポンみたいな印象だったのは中盤で流れるチャカポコした韓国歌謡に引っ張られすぎか。
被写体深度の浅いぼやけたカットで内面に入り込むのかと思いきや意外とそうでもないのがおもしろい
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エネミー・オブ・アメリカ(1998年製作の映画)

4.0

最初の政治家暗殺シーンは超リッチな演出で最高。完全なる偶然で主人公が巻き込まれてくのも良い。
監視カメラがあって困るのは犯罪者くらい、などと本気で思ってるバカはこの映画を2兆回見るべきだろう。

女渡世人 おたの申します(1971年製作の映画)

4.0

任侠映画最後期の傑作、なんではないだろうか。前作同様母娘モノテイストが織り込まれている。
平坦なストーリーラインだが、強烈なエモーションを見せるシーンがいくつもある。特に港町が舞台だけあって、水辺にお
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ビバリーヒルズ・コップ2(1987年製作の映画)

4.0

最高!!!!
全然緩くない。相棒2人のキャラ付けもいい感じでめちゃくちゃ笑える上にキメる所はめちゃくちゃキマってる。最初の宝石店強盗からオープニングクレジットの流れといい、ラストの工場襲撃といい、トニ
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ビバリーヒルズ・コップ(1984年製作の映画)

3.0

緩いが、そこにむしろいい感じの仲良しバイブスを感じてしまうのは『ミッドナイト・ラン』と同様。超有名な80'sシンセが能天気さに拍車をかける……そして小気味良く喋るエディ・マーフィー……。

令状無しで
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安城家の舞踏會(1947年製作の映画)

4.0

華族制度の終焉を背景に、没落する一家が最後に開く舞踏会での話。マジでおもしろかった。
家族のプライドを捨てきれなかった長女が遂に庶民の男を追い掛けるシーンや、長男が最後に感情を露わにするシーンの鋭くエ
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アンストッパブル(2010年製作の映画)

5.0

最高の映画。
演出が素晴らしいのは言うまでもないのだが、撮影もアートっぽく撮ろうみたいな色気が一切無く、質実剛健に列車と雲空の湿った温度感を上手く映していて非常に良い。
クビ回避!妻と復縁!部長は解雇
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マイ・ボディガード(2004年製作の映画)

3.5

『デ・ジャヴ』や『ドミノ』の崇高な高みには至っていないし若干タルい部分もあるが、それでも当たり前に楽しめる。
メキシコ語に英語字幕が付いてるんだけど、デンゼルがヒートアップすると英語に英語の字幕が付く
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和製喧嘩友達(1929年製作の映画)

-

14分短縮版(これしか現存してない)。
初期の小津らしく、同時代のアメリカ映画の舞台を日本に置き換えたような作品。
ラストの汽車に乗って去っていく夫婦を送るため、タクシーで並走するショットがハッピーで
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狼よ落日を斬れ 風雲篇・激情篇・怒濤篇(1974年製作の映画)

4.5

三隅の遺作にして堂々たる傑作。
撮影所システムの高度な技術に支えられた60年代初頭の、美的であり複雑なニュアンスを持ったショットは既にここでは見られない。明るすぎる照明や大味なセットは人物たちの陰影を
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風雲三条河原(1955年製作の映画)

3.0

異常なまでに救いの無い幕末モノ。
功労者なのに冷や飯を食わされるところからスタートし、困窮して仲間をスニッチした結果、後悔しながら死んでいくという。