スーパーエイプマンさんの映画レビュー・感想・評価 - 9ページ目

SELF AND OTHERS(2000年製作の映画)

4.5

写真家牛腸茂雄のドキュメンタリー……なのだが、この生々しさといったらなんなのか。牛腸茂雄の撮った写真が持つ、こちらに対峙しているような視線の厳しさだけではない何かがある。
死者の存在/不在といった抽象
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ランペイジ 巨獣大乱闘(2018年製作の映画)

3.5

スーパーおもしろすぎる。
前作の全方位的に脅威が迫ってくるゴチャついた感覚に比べると、格段にスマートでわかりやすい。
死のバリエーションも豊かでCG満載の途方もない死に方をたくさんしてくれる。

これがロシヤだ/カメラを持った男(1929年製作の映画)

3.5

半端ないイメージの洪水と超スピードのモンタージュ。エネルギーの塊みたいな映画だ。ぶっ飛ばされた。

ニースについて(1930年製作の映画)

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ドキュメンタリー?なのか、ただ南仏のリゾート地で起きていることを捉えているだけではあるのだが、無茶苦茶に奔放で楽しい。
路上を俯瞰撮影したカットかと思いきやグイとカメラが動いて海を捉えたかと思うとプロ
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競泳選手ジャン・タリス(1931年製作の映画)

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アナーキー、というよりかわいいな。
自由自在な奔放さと水中撮影。

シン・エヴァンゲリオン劇場版(2020年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

いやはや。
あまりに陳腐で保守的なテーマとアクション。
まさにエヴァを終わらせるためだけのエヴァ以上の何物でもないのだが、これで良かったのだということもわかる。泣きました。

カリフォルニア・ダウン(2015年製作の映画)

2.5

アレクサンドラ・ダダリオの巨乳とか、ドウェイン・ジョンソンが別居中の妻と娘の信頼を再び勝ち取る(妻の現パートナーは惨めに死ぬ)という男の夢を叶えてくれるとか、その辺は良いんだけど、如何せん画面が緩すぎ>>続きを読む

スカイスクレイパー(2018年製作の映画)

3.5

くそおもしろい。
超高層ビルが舞台なだけあって落ちるか落ちないかのド派手アクションが楽しいけど、その合間に義足を直したり、怪我部分を粘着テープで補強したりの地味な一手間がちゃんと描かれてるのよ。テンポ
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その男、凶暴につき(1989年製作の映画)

4.5

画面の美しさや編集の鋭さで言えば『ソナチネ』にかなわないが、とにかく暴力が際立っている。トイレで過剰なまでに連発される平手打ちを捉えた長回しは尋常じゃないし、家に来たリーマンを送って行くと言い、玄関を>>続きを読む

コミック雑誌なんかいらない!(1986年製作の映画)

3.0

映画としては特段面白くもなんともないのだが、ただただ内田裕也がいい。
常に空虚で心ここに在らずな表情で、歩き回ってるだけで画面になる。『餌食』でもそうだったけど、飄々としてるが心の中に何かを持った役が
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ザ・ファン(1996年製作の映画)

4.0

野球狂人と言うほかないデニーロが推し選手のウェズリー・スナイプスを活躍させるために暴走していく話。
主人公がまさにデニーロアプローチなサイコパスキャラで、最初はちょっとしたボタンの掛け違いなのかと思い
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不知火檢校(1960年製作の映画)

3.5

とにかく悪徳の限りを尽くす畜生検校の映画。映画史的には勝新が演技に開眼した作品として知られている。
実際勝新の演技は魅力的。
主人公・杉の市の内面描写は一切なくコイツは単純に外道なだけなのだが、息遣い
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宝島(2018年製作の映画)

5.0

これ、ホントに凄かったです。
序盤、水場に侵入しようと川を渡る子どもたちを後ろから捉えたかと思うと、次のカットは彼らがまさに水場に辿り着いた瞬間を待ち受けていたかのように前方からパンで捉えていく。
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竜二(1983年製作の映画)

4.0

じめっとした映像の質感と何より、金子正次の佇まい・声が素晴らしい。俳優の存在感にオールベットした映画。
特にやくざをやめて束の間、小市民的に生きる喜びを味わってる辺りがめちゃくちゃいい。昼間っから仕事
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ドラフト・デイ(2014年製作の映画)

4.0

権謀術数渦巻くNFLのドラフト会議を舞台に、情報収集と戦略を駆使するGMの話。あまりにおもしろかったので、見終わった後適当なアメフトの試合を見てしまった(YouTubeにフルである)。

主人公のGM
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クリムゾン・タイド(1995年製作の映画)

4.0

現場叩き上げの白人タカ派艦長とエリートインテリ黒人副長が潜水艦内で核ミサイル発射を巡って対立する話。今となってはこの両者の対立もよりアクチュアルなものとして迫ってくる。艦長が赤のキャップを、副長が青の>>続きを読む

デッドマン(1995年製作の映画)

4.5

ウイリアム・ブレイクの名を持つ白人が博識なネイティブ・アメリカンに詩人と間違えられ、深淵に連れて行かれる話。ド頭の機関車のド迫力からして最高だし、追われる原因となる殺人シーンもマジで見事。かばって死ぬ>>続きを読む

ゾンビコップ(1988年製作の映画)

4.5

こんな映画ばっかりだったらもっと幸せなんだろうな。ゾンビ化システムを捜査中にゾンビになってしまう刑事のバディ・ムービー。

まずゾンビになっても理性は保持しているので銃が撃てるのだがゾンビゆえに弾をど
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花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)

4.0

おもしろかった、というか正直なところ、見てる間中気が気でない気分にさせられた……。でも久しぶりに満員の劇場で、男女2人組に囲まれながら見るのはなかなか悪くない体験だった。
確かにポップカルチャーの名前
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ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ(2018年製作の映画)

3.5

『ボーダーライン』は「一線」を際立たせる厳粛なスタイルが流石だったけれども、続編にあたる今作では暴力解禁というか、最初から最後まで振り切っていて、エゲツない暴力の連鎖がすばらしい。そんな殺すか?ってい>>続きを読む

夜霧のマンハッタン(1986年製作の映画)

3.5

マンハッタンの検事補が事件に巻き込まれていく話。
幕の内弁当のようにミステリとラブコメに爆発やカーチェイス、市街戦が盛り込まれててで、これ何の話だったん?っていう軽快さが心地良い。
ジャコメッティの細
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LA 92(2017年製作の映画)

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92年のLA暴動を実際の映像のみで構成したドキュメンタリー。

ロドニー・キング事件、ラターシャ・ハーリンズ事件での量刑不当を機に(法廷にカメラが入ってるのはやっぱりすごい)、多くの抗議集会が発生する
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彼女の権利、彼らの決断(2018年製作の映画)

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アメリカにおける中絶が法で認められるべきか、規制されるべきかという議論を追ったドキュメンタリー。

中絶は歴史上常に行われ続けておりアメリカでも例外ではない。
多くの州で禁止されていた時代には非合法、
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ブロンクス物語/愛につつまれた街(1993年製作の映画)

4.5

最高。
『グッドフェローズ』+『ボーイズ・オン・ザ・フッド』もしくは『good kid, m.A.A.d city』。
ブロンクスのイタリア移民街を舞台に、バス運転手の父とギャングの2人に育てられた少
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ミシシッピー・バーニング(1988年製作の映画)

3.5

ミシシッピーで起こった公民権運動家の殺害事件を捜査するため派遣された連邦捜査官の話。

主軸となっているのは正義の白人連邦捜査官と悪の南部白人の対立で、黒人は基本的に暴力の被害者としてのみ描かれている
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マルコムX(1992年製作の映画)

3.0

伝記モノとしてはかなりオーソドックスな作りで、幼少期・青年期→ムショでの回心→NOIから宥和政策へ、というマルコムXの生涯を過不足無く描いている。
スパイク・リーの生真面目な面が全開の3時間20分で正
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キラー・スナイパー(2011年製作の映画)

4.0

母親にコカインを盗まれてギャングに殺されそうになってる息子が母親の保険金目当てで殺し屋を雇う話。
暗算のできないバカと変態(マコノヒー!)しか出てこない南部異常犯罪映画で、最初から「それは無理があるだ
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ビー・バッド・ボーイズ(2000年製作の映画)

3.5

MethとRedmanがマリファナを吸ってハーバードに入学する話。
マリファナ・コメディだがストーナーなノリというよりは、死体ギャグや差別ギャグなど良く言えば00年代初頭ヒップホップの空気感、悪く言え
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