痴話喧嘩モノ。
脚本の構成は正直言って最後色々なものが有耶無耶になってて微妙なんだが、しかしスーパーおもしろい。闊達に喋りまくる男と女たち、豪華なセットとぐるぐる回るカメラワークと、洗練されたコメディ>>続きを読む
現代における不条理とは警察権力の監視と資本主義なのだ……とでも言いたげなのだが、そんなことよりも構図と美術がむっちゃカッコいい。
主人公の職場の退勤シーンなんて『工場の出口』みたいだったなー。
狂人をテレビに出せば視聴率が上がることに気付いたメディア人たちによる資本主義暴走モノ。今となっては現実が追い越してしまっている感も。
部屋の中で延々喋ってるシーンが多すぎるのだが、役者陣の濃密な演技だ>>続きを読む
さすが名作、面白すぎた。面白すぎて見終わってすぐ、普段見ない監督コメンタリーも見た。背景にベトナム戦争やLGBTQという問題意識を盛り込みつつ、圧倒的にサスペンス映画として優れている、まさにこれこそア>>続きを読む
エゴイスト監督が自分の復帰のために踊り子を映画スターに仕立て上げる話。
サーク全盛期のエモーション全振りではなく、全てが洗練されたラブコメディだがこれがまあ面白い。特に気品ありまくりのカメラワークがす>>続きを読む
語り口が鈍重すぎるしイーストウッドの行動が支離滅裂なのでただただつまらん。
異世界漂白ドキュメンタリー+小津安二郎。
言ってしまえば80年代半ばの『ロスト・イン・トランスレーション』で、しかもこの映画で日本は徹頭徹尾「かつて何かがあったのだが、既に失われてしまった場所」として>>続きを読む
静かな傑作。好みで言えば『罪の手ざわり』よりも上かもしれない。
画面はアンビエント調に受け止められかねないような薄靄がかかっているようなトーンで大きな起伏もなく淡々と進行していくのだが、被写体となって>>続きを読む
面白いなー、ヴァーホーヴェンの映画は。ルトガー・ハウアー指揮する傭兵軍団に攫われた貴族の娘を貴族の息子が取り戻す話。
貴族と傭兵のドツき合いなのだが、もちろん騎士道精神なんていうものは一切存在せず、圧>>続きを読む
アフリカン・アメリカン運動史や英米法を勉強したことがある人間なら誰でも知っているであろう、サーグッド・マーシャルを主人公にした法廷劇。
これがなかなか堅実な作りで素晴らしかった。
舞台は40年代。>>続きを読む
アマチュアの脚本を繋ぎ合わせて一本のストーリーにするという、『真昼の不思議な物体』のヴァーホーヴェン版。
流石に真面目に見ていられはしないものの、セックス中心に世界が動いていく荒唐無稽な展開と不謹慎>>続きを読む
『ミスティック・リバー』と並んで、何故こんなものを作ってしまったのかと思わせるあまりにも陰鬱な呪われた映画。
勇気ある市民たちの手で正義が為されていくにも関わらず、それが何にもなってない事が恐ろしすぎ>>続きを読む
ハーマン・J・マンキーウィッツにフォーカスを当て、彼が『市民ケーン』の脚本を書き上げるまでの時間について回想を交えながら語っていくハリウッド黄金期撮影所内幕モノ。
洗練された台詞回しはハリウッド映画>>続きを読む
トムソーヤや透明人間やジキル博士が悪の軍団と戦う話。世界名作文学版アベンジャーズ、というよりダークでオカルティックな雰囲気は1作で打ち切られたダーク・ユニバースのノリに近いかも。
いかようにも面白くな>>続きを読む
無意味であることに意味が生じてしまっていて、その確かめ作業みたいな映画。
はいはい、虚無つらいですね、みたいな……。
ただ、これより劇的でもつまらない映画はいくらでもある。
『ウルフ・オブ・ウォール・ストリート』でのデカプリオもそうだったが、何か卓越したビジョンというものが無くとも、起業精神と欲望のみで信じがたい"成功"をしてしまうバケモンがアメリカでは定期的に生まれてい>>続きを読む
劇場内マナー啓発映画。
続々と現れるマナー違反人間の天丼にも笑えるが、アナーキーな重機登場でぶっ飛ばされる。
リメイク元と同内容であるにも関わらず20分も長くなっている……。室内をゆらゆら動き回るカメラもあまり好みではない。
が、人を法の名の下で裁くことは薄氷の上を渡るように慎重でなくてはならない、ということ>>続きを読む
土塊を投げるムシェットを見て最高の映画だと思った。ゴーカートでどつき合いまくるシーンはブレッソン映画史上一番笑える。
動物がカワイそうな目に遭うの苦手なんだよな。まあこの作品は動物に限らず登場してる人間ももれなく悲惨な目に遭っているのですが……。
ヴィアゼムスキーの神経症的な女性像にイラつきつつ、月を見上げて呆気な>>続きを読む
どう映画にしても良いに決まってる題材を脚本家監督的な堅実さで撮り上げた、この普通によく出来たアメリカ映画の佇まいがたまらない。
こういう映画は作られ続けてほしいな。
ナチ・サスペンスの超傑作。
非ハリウッド映画ゆえなのもあってか、どことなく画調がアーティスティックに決まっている。それでいながら退屈とは無縁の巧みなサスペンス演出と痛い暴力は間違いなくポール・ヴァーホ>>続きを読む
なんだこの70年代感は…。
無骨で誤魔化しのない、重々しい暴力とジョニー・キャッシュ。そして一発の殴打や切り傷の痛いこと痛いこと。魅力的な人物描写とかは特に無く、完全に主演2人の顔とアクションで説明す>>続きを読む
これはなかなか。
時間というテーマとドラえもんの相性の良さ。
最悪のワンナイト物。こんなん絶対うまくいかないだろ……というぼんやりとした不安が時間経過と共に案の定実現していき、どんどん身動きが取れなくなっていくという映画。
こういう題材にはどうしても夜景の美しさ>>続きを読む
ラシダ・ジョーンズが物憂げな表情でため息を吐きながら窓を眺めるショットを見て、ああ、ソフィア・コッポラの映画だなと思った。空虚でただぼんやりとした奥行きの無い憂鬱。
気に入ったのは、どこかオールドスク>>続きを読む
すげー金かかってるなぁ。デカい音とデカい画面で爆発したりしてるのが楽しかった。なんかカッコいい力を敵が持ってるんだけどこっちもそのカッコいい力を使って世界を救う話。めちゃくちゃスケールのデカい舞台であ>>続きを読む
藤子・F・不二雄先生の原作が持つパワーを見事に映画化した傑作。何せ冒険活劇と"王の帰還"とタイムリープを1本の物語で展開するのだからたまらない。
オリジナル要素も的確で、特に、いかようにもウェットに飾>>続きを読む
気合の入った作画はともすればバランスが崩れているようにも見えるのだが、絵が動くということのワンダーにベットしており、見てて爽快だ。特にその効果が存分に発揮される中盤での恐竜たちとの生活描写やタケコプタ>>続きを読む