スーパーエイプマンさんの映画レビュー・感想・評価 - 13ページ目

ジーンズブルース 明日なき無頼派(1974年製作の映画)

4.5

後半で強盗やら何やらに手を染めるようになってからは確かにアメリカン・ニューシネマ的でもあるのだが、個人的には渡瀬恒彦と梶芽衣子がひたすら逃げ続ける前半が圧倒的に好きだ。
開始直後の殺人シーンやコンテナ
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アマチュア(1979年製作の映画)

4.0

娘を撮るために買ったカメラにのめり込んでいくアマチュアの話。カメラを持ってしまったことで目の前にいる人間ではなく、カメラを通してでしか対象を愛せなくなってしまった人間の話ということで『めまい』の系譜に>>続きを読む

捜索者(1956年製作の映画)

5.0

全編面白い上に涙腺崩壊の神映画。最近孤独死したらどうしようとか考えることが多くなったのでラストショットはより刺さった。

レ・ミゼラブル(2019年製作の映画)

3.0

パリ郊外の少年ギャングvs高圧的な警官の話。
少年ギャングと団地内で闘う展開や全体的なタッチに『ディーパンの闘い』を想起しつつ、しかしながら選択を迫られる主人公の内省と脅迫的なまでに狭まっていくカメラ
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山の焚火(1985年製作の映画)

4.0

アルプスの山腹で暮らす家族の、聾唖の弟と姉が近親相姦する話。と言ったらいくらでも観念的・抽象的に描けそうでもあるのだか、この映画の凄いところは神話のように悲劇を描いていながら大仰なそれっぽさに頼ること>>続きを読む

ゆきゆきて、神軍(1987年製作の映画)

4.5

語られる白豚・黒豚というワードやそれが意味するもの、ひいては戦時中に行われていた行為が霞むほど異様な奥崎謙三の執着と詰め。映ってる人間自体が常軌を逸しているなかで、彼含む被写体がどこまでカメラを意識し>>続きを読む

果てなき船路(1940年製作の映画)

4.0

船乗りたちの話。舞台のほとんどが海上もしくは港の酒場ということで、画面がフォードという名前から想像される雄大さとはかなりかけ離れていて驚く。むしろ、陰影の鋭さや嵐の中の労働描写の苛烈さも相まってエイゼ>>続きを読む

極道戦国志 不動(1996年製作の映画)

2.5

ギャグと暴力に全振りした悪ノリVシネ。
子「もう親の犠牲に……子どもがなる時代はもう終わりたい」→父「まだまだ……これからたい!(逆上して斬りかかる)」の流れで笑った。どういう会話だ。

リオ・ロボ(1970年製作の映画)

4.5

北軍のジョン・ウェインと南軍の将校が終戦後に裏切り者とその一派を追い詰める話。
全編面白すぎるのだが、開始20分の南北戦争シークエンスが破壊的で最高。列車強盗とそれを追うジョン・ウェインという構図なの
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ミッドサマー(2019年製作の映画)

2.0

恐怖が暗闇じゃなくて光の奥にあるっていう着想は面白いし、その舞台をアフリカやアジアに求めるのではなく北欧の奥地に見出してるのは確かに謎の今日的な説得力がある。このモンド映画的着想を光景として立ち上げて>>続きを読む

ミステリー・トレイン(1989年製作の映画)

3.0

『Far from Yokohama』が飛び抜けて良いと感じるのは俺が日本人だからだろうか。

ブラッド・イン ブラッド・アウト(1993年製作の映画)

4.5

め、めちゃくちゃおもしろかった……。"Blood in Blood out"はギャング団における血の盟約を意味するが、まさに血が噴き出てきそうにシリアスで濃厚な3時間だった。
話としては地元の3人組が
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サイドウェイ(2004年製作の映画)

3.5

周到な会話劇。『アバウト・シュミット』に比べるとシニカルなノリは後退した分苦さが強調されていてたまらない。
車が他人の敷地に突っ込んでいくシーンと全裸で車を殴りにくるオッサンに泣くほど笑った。

ウォーク・ザ・ライン/君につづく道(2005年製作の映画)

4.0

映画の中でこれから何か重大なことを起こそうとする人間がまず準備をするシーンが大好きで、これがある映画は無条件で好きになってしまう。例えば戦闘に臨む人間が銃を装填したり、防弾服を着込んだり、シンプルなア>>続きを読む

ゴースト・ドッグ(1999年製作の映画)

4.5

全部素晴らしい。ヒップホップ映画でありギャングスタ映画でありながら、とんでもなく静かな映画であるところが良い。
何回か繰り返される夜の街を車で走る場面、撮影が何か凄いわけでもないんだけれど滑らかでめち
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サムサッカー(2005年製作の映画)

3.5

綺麗な画面と音楽でゆるゆる見れるんだけど、主人公に都合が良くない登場人物たちの存在感にやられてしまう。
痛切なエリオット・スミスに涙。

アバウト・シュミット(2002年製作の映画)

3.0

老人ロードムービー。
シニカルなユーモアは辛辣だしアメリカのロードサイド風景も良いんだけど何よりジャック・ニコルソンから目が離せない。
娘の夫の実家の居心地の悪さに笑った。

1917 命をかけた伝令(2019年製作の映画)

4.0

ワンカット長回し(ではないとしても)ということで、こんな制約の中できちんと話を進めながら同時に詩的な映像を撮ってしまうロジャー・ディーキンス及びそれを実現させる美術の設計に圧倒された。夜中にドイツ兵と>>続きを読む

ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)

4.0

これはもう映画としてどうこうと言うより普通に好きなやつでした。
散りばめられたポップミュージックやフィクションへの言及もそうですが、吉田健一の有名な言葉を引用するまでもなく、戦時中や前線で美しく着飾る
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ハスラーズ(2019年製作の映画)

2.5

短いカットを次々と繋げていく編集のテンポ感は確かに『グッドフェローズ』的でクール。ただしMVみたいなぼんやりしたカットが多くて微妙。
それとスコセッシがハスリングに付きものの金、薬、暴力や裏切りという
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ソーシャル・ネットワーク(2010年製作の映画)

4.5

何度見てもストーリーで泣く。
人の心がわからない人間にも心はあるって話を書かせたらアーロン・ソーキンは全米一。

バッドボーイズ フォー・ライフ(2020年製作の映画)

3.0

ストレスも破綻も無い、笑えて楽しめるウェルメイドなプロダクション制作大作映画。『バッドボーイズ』感=マイケル・ベイイズムが薄まってよく出来た商品って感じの映画なんだけど、こういうのを深夜に1人で映画館>>続きを読む

バッドボーイズ2バッド(2003年製作の映画)

1.5

映画としてはともかく、必要ない悪趣味シーンや金が掛かってそうなカーチェイスなど、マイケル・ベイ感が満載……と今となっては言えますが、サントラは中学時代めちゃくちゃ聞いてたし当時は普通に好きでした。

フォードvsフェラーリ(2019年製作の映画)

4.5

レーザーIMAXで見て良かった。
走ってる車を向かいから超スピードのローアングルで撮るやつがロン・ハワードっぽく変態的で力強く最高。凄まじいスピードと視点に笑ってしまった。車の外からも中からも聞こえる
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リチャード・ジュエル(2019年製作の映画)

4.0

『ハドソン川の奇跡』に次ぐ疑われる英雄モノ。
ただし事件自体の記録/記憶が執拗に繰り返されることによってある種のパラノイア的錯覚すら感じさせる前作と異なり、事件自体にフォーカスするのでなく、その後に起
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オクジャ okja(2017年製作の映画)

2.5

退屈はしないけど結局なんだったんですかね、という妙なテイスト。

パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

『下女』かと思いきや『トウキョウソナタ』かと思いきや『ホステル』でした、的な(あのシーンのソン・ガンホの顔な)。それにしても見ながら色んな作品が頭に思い浮かんではしかし形を変えていきそのどれでもないと>>続きを読む

グエムル -漢江の怪物-(2006年製作の映画)

3.0

誰もが認めるだろうグエムル初登場シークエンスの奇妙な危機感だったり多用される横移動撮影の気持ち良さだったりと映画としてめっちゃ良いシーンは多々あるんだけど、あまりに全体がチグハグすぎて上手くノれない…>>続きを読む