牛丼狂さんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

あの頃ペニー・レインと(2000年製作の映画)

3.5

ジャケット写真とタイトルだけは知っててラブストーリーかと思ってたけどローリングストーン誌の音楽批評少年の物語で驚いた。ペニー・レインが主人公かと思いきや重要な人物ではあるがタイトルにするほどでもないよ>>続きを読む

ロスト・イン・トランスレーション(2003年製作の映画)

3.0

再鑑賞してみた。
外資系ホテルで滞在させられているふたりのアメリカ人男女の言葉にするのが難しい感情の機微と別れを、東京の情景を織り交ぜながら描く。
こういうのにありがちな体の関係に結びつけずにあくまで
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アネット(2021年製作の映画)

2.5

レオス・カラックス監督の最新作。
アレックス三部作やホーリー・モーターズが好きな身からすると必見だった。予告を見ると想像とは違うものっぽいと感じたけどまさにそう。
イメージしていたカラックスらしさみた
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劇場版 おうちでキャノンボール2020(2022年製作の映画)

3.5

アイドルキャノンボールなど亜種はあれど、純系のキャノンボールシリーズとしては7年ぶりの撮影となる。といってもこれもスピンオフ的にとらえられるが。
コロナ禍まっただなか、ネットを駆使してナンパ、ルールを
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春原さんのうた(2021年製作の映画)

1.0

登場人物たちの人物像や脚本に嫌悪感を抱いたため楽しむことができなかった。
たとえば会話がゆっくりで間合いがあるが、それは相手との信頼関係がないと現実ではあり得ない。劇中では初対面の人とさえリアリティの
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20世紀ノスタルジア(1997年製作の映画)

3.5

広末涼子の初主演映画として鑑賞したものの作家性が強くて驚いた。放送部に属する広末涼子のもとに宇宙人を名乗る男が現れ、映画撮影なのか日常を切り取っているだけなのか境目の曖昧な映像を撮りながら片想いを示し>>続きを読む

べイビーわるきゅーれ(2021年製作の映画)

3.0

高校を卒業したばかりの、共同生活をしている殺し屋の女2人の物語。片方はメイド喫茶のバイトすらできる社交性のある人で、もうひとりは社会不適合者。
ふたりの気の抜けた会話やあるあるネタに共感して居心地のよ
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茄子 アンダルシアの夏(2003年製作の映画)

4.0

主人公の自転車ロードレースを中心に、その家族、および街の人々のようすをカットバックしながら、主人公がどのような気持ちで走っているのかを感じ取る映画。
純粋なロードレースとしての面白さはあるが、正直とく
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若おかみは小学生!(2018年製作の映画)

4.0

タイトルからして児童向けアニメみたいだけど内容はビジュアルに反して大人向けな内容。
ようするに主人公であり若女将となるおっこの成長物語なのだが一筋縄ではいかない。幽霊という児童向けファンタジー要素もあ
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ベティ・ブルー/インテグラル 完全版(1992年製作の映画)

2.0

ベティという短気な女と、過去にひとつだけ小説を書いたことがある男のラブストーリー。
ペンキを塗るシーンまでは楽しめたが、ベティの友人の家に行ってからはあまり彼らの生活が楽しそうに思えずに飽きてしまった
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三月のライオン(1992年製作の映画)

4.0

記憶をなくした兄と、その彼女のフリをする妹アイスの物語。
といっても劇的なストーリー展開があるわけでもなく、映像そのもので感動を呼び起こすという映画本来の魅力を十分に感じさせてくれる。
カットひとつひ
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この世界の片隅に(2016年製作の映画)

3.5

広島で生まれ育ち呉へ嫁ぎ、軍に勤める夫とその家族との戦時中の生活と戦争後を主人公の女性すずを主人公に描く。
設定考証が緻密でリアリティが高い。当時の食糧危機やそれを乗り越える工夫、時限爆弾の性質や原爆
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GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊 4Kリマスター版(1995年製作の映画)

4.5

この作品そのものを鑑賞するのはもう10回目くらいだと思うのでレビューは割愛する。4K、IMAXで見られて貴重な体験だった。

三度目の殺人(2017年製作の映画)

2.0

殺したのか殺してないのかわからない囚人と弁護士、被害者の家族らを中心としたサスペンス。
なにが真実か最後までわからないけれどそれに面白みを感じなかった。
司法制度の批判なのかもしれないけど、作中で描か
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ハッピーアワー(2015年製作の映画)

4.0

30代の女性4人とその周辺人物を登場人物とした群像劇。
ドラマチックでないといえば違う気がするが、とはいえ決してドラマチックとは言えないような小さな設定の積みかさねを余すことなく描ききることで浮き彫り
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東京自転車節(2021年製作の映画)

3.0

Uber Eatsの配達員である監督の、配達のさまを撮ったセルフドキュメンタリー映画。
それだけでどう構成するのか疑問だったが、東京に来る前や東京の友人たちとの会話などで奥行きを見せていた。
コロナ禍
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ビューティフル ドリーマー(2020年製作の映画)

2.5

うる星2は何度も鑑賞しているので元ネタを理解したうえでの鑑賞。
文化祭前日を映画制作になぞらえて、発掘した脚本を完成させていく。なぞに協力者が多くオーディションなんかも開催できてしまったり、素人のわり
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フレンチ・カンカン(1954年製作の映画)

2.5

ムーラン・ルージュの誕生までの物語。
いろんな登場人物を巻きこんでいって最後の圧巻のショーで集大成を魅せる。シンプルなストーリーで多幸感あふれる内容だ。
セットで撮影されており、フィルムの色彩などもあ
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名探偵コナン 異次元の狙撃手(スナイパー)(2014年製作の映画)

2.5

赤井秀一が暗躍する回。
アメリカ海軍の特殊部隊ネイビーシールズを交戦規程違反で脱退したスナイパーの容疑者を追う。しかしその容疑者が撃たれるなどしてサイコロの暗号を解かざるをえなくなる。
犯人がリスクを
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名探偵コナン ゼロの執行人(2018年製作の映画)

2.5

喫茶店のウェイター、公安警察、黒の組織のスパイの3足のわらじを履いている安室透が活躍する回。
サミット会場の爆破を機に事件性を持たせたほうが都合のいい公安は毛利小五郎を犯人にでっち上げる。IoTテロで
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僕たちの嘘と真実 Documentary of 欅坂46(2020年製作の映画)

2.5

欅坂46のドキュメンタリー。
振付師のTAKAHIROさんに「大人の責任」を問うシーンがあるが、これを主題とするならもっと他に問うべきスタッフがいるだろうと思う。紅白のあと平手がメンバーへ卒業を打ち明
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3年目のデビュー(2020年製作の映画)

2.0

日向坂46というアイドルグループのドキュメンタリー。
日向坂46のファンであるがそれ以上に映像作品としてのドキュメンタリーに関心のある身としては、贔屓目に見ても良質な映画とは思えなかった。
全体的にナ
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シン・エヴァンゲリオン劇場版(2020年製作の映画)

3.0

エヴァンゲリオンシリーズ最後の作品。テレビアニメシリーズ、旧劇場版、新劇場版前3作は鑑賞している。
もとよりテレビアニメシリーズ、旧劇場版にあった哲学性が薄れ、アクションやファンサービスといった側面の
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新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に(1997年製作の映画)

4.0

何度も鑑賞している。
テレビシリーズの最終2話をリメイクしたような位置付けとなる作品。
他者との心の壁(ATフィールド)を恐れたシンジは皆が同一化した世界(人類補完計画)をほんとうに望むのかという哲学
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郵便配達は二度ベルを鳴らす(1942年製作の映画)

2.5

ヴィスコンティの処女作。
夫に不満をもつ食堂女がぷらっと現れた男と不倫する。二人は愛し合うけれど夫がいるのでそう簡単にはいかない。だから事故を装い殺人する。しかし生命保険がかけられていたことから男は不
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揺れる大地(1948年製作の映画)

3.0

ネオリアリズモの代表作。全編シチリア島かつ演者も島民で撮影されている。
漁業を営む一家の長男が仲買人にピンハネされているのに疑問を持ち、だったら自分でやろうと躍起になる。しかし不運なことに借金を抱える
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花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)

3.0

サブカル好きの男女が出逢ってから別れるまでの話。
固有名詞で意気投合し瞬く間に仲良くなるさまにこそ恋愛における興奮がある。こんな日々が永遠に続けばいいと思わせる幸福な時間で映画の半分が埋め尽くされてい
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HOUSE ハウス(1977年製作の映画)

2.0

オシャレ、ファンタ、クンフーなどのあだ名だけで個性を示す女子高生たちが親戚の住む家へ合宿に行くも、そこでひとりひとりと怪奇現象の起こる家で姿を消していく。
いまとなってはチープな特殊技術を用いてサイケ
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さびしんぼう(1985年製作の映画)

4.0

望遠レンズごしに惚れていた、放課後に「別れの曲」を弾く女子高生を「さびしんぼう」と勝手に読んでいるという気色悪いシチュエーションがおもしろい。かつての母親らしき白塗りの自称さびしんぼうが登場するなどフ>>続きを読む

地下水道(1956年製作の映画)

4.0

抵抗三部作の二作目。ワルシャワ蜂起のまっただなかの地下水道がおもな舞台となる。
レジスタンスの抵抗むなしく地下迷宮に逃げこむほかない状況になる。しかし暗闇や汚物、疲労、傷、さらにドイツ軍からの毒ガスに
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世代(1954年製作の映画)

3.5

抵抗三部作の一作目。
遊び半分でナチスから石炭を盗もうとするも失敗するところからはじまる。貧困だが資本家たちはぼろ儲けしているのに不信感を抱いているところでレジスタンスに加わる機会が来る。女性への恋心
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スタンド・バイ・ミー(1986年製作の映画)

3.5

数年ぶりに再鑑賞。
薄味な作品だと思う。少年たちの死体探しの旅やそんな過去を想うノスタルジーは強烈には刺さらない。野放しに楽しめる青春ロードムービーではなく、むしろその青春と表裏一体にある「影」が目立
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王国(あるいはその家について)(2018年製作の映画)

2.0

ある映画の本読みをそのまま映画としたもの。役者たちの身体や発話の変化を捉えるという趣旨がある。
この映画における脚本とはまさに本読みをしている、なぜ友達の娘を殺すことになってしまったのか、というもので
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ある夏の記録(1961年製作の映画)

2.5

シネマ・ヴェリテの代表作とされている。街ゆく人々に「幸せですか?」と問うなどキャッチーな要素はあれど、それは実験に過ぎず根幹は「カメラさん真実を映し出すのか」というメタなテーマにあり硬派な作品である。>>続きを読む

リップヴァンウィンクルの花嫁(2016年製作の映画)

2.0

黒木華が、結婚したり離婚したり仕事したり同姓と暮らしたりする物語。
綾野剛演じるなんでも屋にすべてハンドリングされているが最後まで気づかない。映画としてもここを過剰に主張してこずに設定程度に留めている
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