前作に対し、敵がハッキリとしている。それにより、前作に比べあらゆる人に没入できるようになっている。
役者陣が素晴らしく、全ての配役がハマっている。監督自身が役者であるということも、そこに作用しているの>>続きを読む
役者・横山やすしは素晴らしい。助演の西川のりおもいいし、他の役者陣もいい。しかし、全体ににじみ出る安っぽさが……。
安っぽさと言っても、予算がないという意味ではない。山口監督お得意の「マンガ映画」であ>>続きを読む
脚本が凄く残念。絶対にもっと面白くなる話しなのである。それがどうも……。
コメディとして押すのか、恋愛映画として押すのかが、ハッキリとしないのだ。個人的にはコメディ要素をもう少し押し出した方が良かった>>続きを読む
テーマ的には、自分の趣味ではある。しかし、どうも脚本が……。
いや、構成はいいのだ。問題は台詞。いちいち口に出して話す。そういうことは、芝居で説明すればいいのに……と思うところまで、独り言として口から>>続きを読む
序盤、前作の『はりぼて』とつい比較してしまい、すこし不安になる。人間関係を中心に描いた作品なのかな?と思っていたら、グイグイとテーマがにじみ出てきて……ラストは拍手したくなる。
3つの被写体が交錯する>>続きを読む
ジャパニーズホラーならぬ、ジャパニーズSFの傑作が生まれた。
海外のSF映画をまねして作っては失敗している日本映画界であるが、本作はホラー要素とSF要素を足して見事に日本独自のSF映画を作ることに成功>>続きを読む
2022年の邦画第1位が決まった感じがする。完全濃縮・高橋伴明という感じである。
映画を作る人間として、いまの政治……というか政権をどのように批判すればいいのか?いろんな方法があるであろうが、大半はド>>続きを読む
おもわずニヤついてしまった。
結論としては、B級ホラーなのである。それをカンヌ好みの文芸映画調に撮ったら、本当に高尚なテーマを描いた文芸ホラーのように観られてしまうという……これは勉強になる。
ただ、>>続きを読む
予想以上の傑作であった。
途中でラストの予想が出来てしまう部分はある。でも、それがマイナスになっていない。映画は予想外のラストが来ればいいというものではない。予想通りであったとしても、それが綺麗にハマ>>続きを読む
脚本はいいと思うのです。無茶なシーンもあるんですよ。それも、力業で乗り切る勢いがある。もちろんそれは演出の力もあるのだが……。
これは個人的なところなのですが、どうもカッコ付けた演出が苦手なんです。「>>続きを読む
予想外の傑作。
前作から無理矢理に持ってきた和田アキ子の登場シーンは失笑してしまったが、作品全体に漂うアメリカン・ニューシネマを意識しているのかと思われる空気感は、見事に青春の無常観を表現している。特>>続きを読む
脚本はいいとしよう。問題は、演出である。
鈴木監督が、観客の頭の中にある鈴木清順像に忠実になろうとしたのか、『ツィゴイネルワイゼン』を経てこのような演出しか出来なくなってしまったのか、狙いすぎの演出が>>続きを読む
和製ハードボイルと映画の大傑作。崔洋一監督作品の中でも、かなり上位に入る作品であろう。
とにかく、藤竜也のカッコよさ!そのカッコよさが、作品全体の魅力になり、ハードボイルドさをより高めている。
けだる>>続きを読む
横山やすしの役者ぶりを観るための映画。
出だしの脚本はいいのだが、そこから先がどうも良くない。ふざけたいのか真面目にやりたいのかが胃のひとつ分からない。確かに、顔見せに芸人が出ているシーンがあるので、>>続きを読む
時代の映画というのがある。その時代の持つ空気感を映画にした、その時代の青春映画。もちろん、その空気感の中には今の時代にも普遍的に流れているものはあり、そのような作品は今の時代であっても楽しめる。
さて>>続きを読む
和田アキ子のアイドル映画としては、非常によくできた作品といえなくもない。ただ、あくまでもそこ止まりなのだ。
長谷部安春監督は、当時の日活アクションで魅せていたキレキレの演出を本作でも魅せている。その点>>続きを読む
ファーストショット。雨が降る夜の町。道は雨に濡れ、照明によりギラギラと反射する光を放っている……そこだけで「よっ!工藤栄一!」と拍手したくなってしまった(笑)
本作の素晴らしさを支えるのは、その配役で>>続きを読む
加藤泰監督作品の中では、キワモノとかカルトとか言われているようだが、実のところユーモアの中に時代性を描き、夢見る者たちの悲しみと挫折を描いたて大傑作である。
おそらく、この脚本を加藤監督以外が撮っても>>続きを読む
なんといっても、加藤泰監督の映像美である。
刑務所の中が中心の話しなので、その美学も限られたものになるかと思いきや、要所要所でバシッと魅せてくれる。それを入れることで、通り一遍の任侠映画の感覚から一歩>>続きを読む
アイデア勝利の作品。
事務所の設定がまずはいい。この不可思議な物語を誘うに相応しい事務所ではないか。そして、マルコヴィッチ本人が出演して演じているのも良い。本人が出演しなければ、絶対に本作は成功しなか>>続きを読む
どこまで本気で作っているのか?と考えてしまう。それが独特の雰囲気を醸しだし、結果としてカルト映画となった感じか。
脚本の軸自体は、意外としっかりしている。その軸から枝を伸ばしていく過程でヘンな方向へと>>続きを読む
素晴らしいキャスティングであり、とてもフジテレビ社員監督とは思えない五社英雄監督の演出も凄い。しかし、どうも脚本がいまひとつ……。
脚本が典型的な東映作品のそれなのである。各監督はそれら自らの作品とす>>続きを読む
よく知られた四谷怪談の物語である。それを加藤泰監督の見事な映像演出で描き出している。
四谷怪談は数回映画化されている。その中でも本作は、モノクロの画面がその景色を美しく描き出しており、脚本の盛り上げ方>>続きを読む
上手い!殺し屋の日常というのを派手に描くのではなく、なにか自然に職業として存在するかのように描きつつ、間違いなくアクション映画としての面白さを見事に追求しきっている。
このような突拍子のない作品に大切>>続きを読む
脚本の弱さと1作目以来の音楽ベタ付けが気にはなる。しかし、このシリーズはそこを気にしてはならない。観るべきところは、拳と拳のぶつかり合いである!
とにかく、殴り合いになった途端に破顔する。ニヤニヤしっ>>続きを読む
久しぶりに観たが、前衛・芸術映画路線のATGが娯楽路線へていく流れの中の1本として、非常に娯楽優先で描かれている。
原発建設という背景はあるものの、それ以上に夫を亡くした妻の復習がメインであり、ラスト>>続きを読む
まいった!このような作品こそが、今の時代には必要なのである。
2017年に撮影したとのことだが、撮影時のテーマはおそらく違ったであろう。それが今の時代になったとき、非常にタイムリーな問題を内包すること>>続きを読む
オーソドックスな、観ていて先が読めるほどの映画。それが悪いというわけではない。そのような内容であったとしても、描き方によっては面白くなるものである。
しかし、本作はオーソドックスで先が読める展開から抜>>続きを読む
素晴らしい国家論映画。
喜劇としてきっちりと作劇しながら、そこに国家の姿のバカバカしさを描いてはいるのだが、実際には逆であり国家こそが喜劇ではなかろうか。
この作品が作れたのは、岡本喜八監督だからであ>>続きを読む
ラストの展開を強く打ち出した宣伝をしているが、それを抜きにしても大変に面白い映画であり、ラストが加わることにより飛び抜けた作品になっている。
セットや衣装に対して実際のそれを知っている人間としては、う>>続きを読む
物語がテーマに引っ張られてしまっている部分を強く感じる。テーマ主導の作品だから仕方が無いのかもしれないが、そのために物語の展開が狭まってしまっている感じもする。
その一方で、テーマは問題提起として大変>>続きを読む
感心するのは、登場するドール愛好者たちが非常に冷静に自らを見つめているということである。自己分析を開陳してくれる。そのため、ドキュメンタリーにありがちな取材対象者の発言から真意を探るということをしない>>続きを読む
『仁義なき戦い』調の群像抗争劇を時代劇に持ってきたかのような内容。
問題は、『仁義~』では何作にもわたり描いていた抗争劇を、1作の長編に全て収めようとしたがためか、脚本にゆとりが全くないのである。抗争>>続きを読む
物語として特筆するほどの何かがあるわけではない。ただ、ヤクザ映画の用紙と機微のひとつである台詞回しに関しては、思いっきり堪能できる。
脚本構成は、ヤクザ映画の基本的なラインに多少の色づけをした程度であ>>続きを読む
端々に、その後開花していく神代辰巳演出の片鱗が観られる。ラストなど、もはや完成していると言っていい。しかし、脚本がどうも……。
初めてのポルノ作品ということもあってか、どのように展開をすればいいのか考>>続きを読む
長谷部安春監督の暴力性と、桂千穂脚本の変態性が見事にマッチした、ロマンポルノで最も血糊を使ったのでは?と思われる作品。
とにかく暴力であり、猟奇殺人の映画である。ポルノ的な要素はあるが、それが少し盛り>>続きを読む