オドラデクさんの映画レビュー・感想・評価

オドラデク

オドラデク

映画(523)
ドラマ(14)
アニメ(0)

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.9

究極の反戦映画。「原爆の父」としての苦悩、「殉教者」としての苦悩、「預言者」としての苦悩、色男としての苦悩、それぞれの苦悩を丹念に描くことによりオッペンハイマーという史上類を見ない人物に光と闇と奥行き>>続きを読む

ARGYLLE/アーガイル(2024年製作の映画)

4.2

記入漏れ。振り返ると、あれもこれものちに明らかになる「ほのめかし」であったことに気がつかされる。ちゃかりユニバース化しているところも如才ない。いや、褒めてるんですけどね。

哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.6

記入漏れ。内容はさることながら、とにかく衣装の素晴らしさが際立っていたように思う。僕が女の子だったら──というのはひと昔まえの感覚で、「誰彼問わず」というのが当世の向きなのかもしれないが、それでもどこ>>続きを読む

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.2

記入漏れ。序盤と終盤とでがらりと印象が変わる作品。たった数日間の出来事が、否応なくその人の「人生」を浮かび上がらせてしまう。そのことに、あらためて身につまされるような思いがした。

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.9

前作とは打って変わり、勇ましく成長を遂げたポール。その圧倒的なまでの豹変ぶりにはただただ息を呑むばかり。3年まえに抱いたそこはかとない消化不良感を見事に打破してくれた。
まるで映像そのものが絶えず思考
>>続きを読む

マダム・ウェブ(2024年製作の映画)

3.8

発売日未定の商品のコマーシャルを長尺で見せられたような気分。で、製品版はいつ手に入るの、と。

ボーはおそれている(2023年製作の映画)

4.7

アリ・アスター版『トゥルーマン・ショー』。どう転んでもバッドエンドなのはもはやお家芸。おのおのの手つかずの記憶(あるいは存在しないはずの記憶)に巣くうトラウマよりも根深い何かを容赦なく暴き立てる。お馴>>続きを読む

ザ・キラー(2023年製作の映画)

4.5

モダンクラシカルなサンペンスコメディ。冒頭からしっかり笑わせてくれます。真面目くさって仕損じるなよ、と。あの一連のマントラ、前振りにしかなってないんだよね。

アクアマン/失われた王国(2023年製作の映画)

4.2

いや、そこは人思いに……と思わないではなかったが、引導を渡すという意味では、あの場面で手を差し伸べるのはむしろ最適解だったのかもしれない。そう考えると、あの「ナメんな」には一筋縄ではいかない思いが込め>>続きを読む

コンパートメントNo.6(2021年製作の映画)

4.6

タイトルが秀逸。「彼女の課外授業」なんていかにもな感じだったら鼻白む。台無しになっちゃう。言葉にすると月並みだけど、旅は自分を見つめ直すのにうってつけの機会。踏切のシーンは地元あるあるなのかな。凄まじ>>続きを読む

女と男のいる舗道(1962年製作の映画)

4.2

記入漏れ。各所に創意なり美学なりが光る逸品。印象的な文言もいくつか。ささる人にはめっぽうささるだろうな、という印象。

屋根裏のラジャー(2023年製作の映画)

4.2

記入漏れ。存在自体あやふやな面も含め、極めて悪役らしい最期といえよう。

あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。(2023年製作の映画)

4.2

記入漏れ。多少の脚色はみられるものの、大筋は原作と大差なし。原理主義者も納得の出来かと。

(2023年製作の映画)

4.0

記入漏れ。作風として踏襲されるべきものは踏襲され、一新されるべきものは一新されたという印象。戦乱の世を題材にとった作品につけるべき注文ではないが、やはり個人的にはもっと静かで凄みのある「キタノ」を拝み>>続きを読む

ナポレオン(2023年製作の映画)

4.2

映画の日。教科書から受ける印象とは一線を画する、ちょっと情けない(でも憎めない)ナポレオン。『JOKER』での怪演ぶりあってのキャスティングだろう、なんてふと臆測してみたり。

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

4.5

記入漏れ。終始、日本の良いところと悪いところとをかわるがわる見せられているような、いかんともしがたいもやもやに包まれていた。個々の戦争にピリオドを打つための代替として機能するゴジラ。その存在が今日では>>続きを読む

マーベルズ(2023年製作の映画)

4.0

つまらなくはない。それだけのものを築いてきたシリーズだから。にもかかわらず、後進が育っていないというか、現状では主体となるべきユニットさえ存在していないように感じる。こんな調子で来たる決戦に臨めるのだ>>続きを読む

ザ・クリエイター/創造者(2023年製作の映画)

4.5

記入漏れ。SFものはとりわけ当たり外れの振れ幅が大きいというのが定説(自分調べ)だけど、今作は一当事者として、最後まで緊張の糸を切らさずに観終えることができた。AIなしには立ち行かぬ世界が目前にまで迫>>続きを読む

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

4.2

記入漏れ。何によらず時代背景には疎いので、アーネストとモーリーの関係性に注力して観ていた。夫婦としては曲がりなりにもうまくいっていたように見えたのだが、なにぶん叔父さんがあのざまなので、遅かれ早かれ破>>続きを読む

ドミノ(2023年製作の映画)

4.2

自由でありたいと願うこと、それ自体がある種の催眠なのではなかろうか。

レオン 完全版(1994年製作の映画)

4.0

特別興行にて。あらためて観ると、あらゆる意味でわりにきつく感じられてしまうのは、あれから社会が変わってしまったせいなのか、あるいは僕が変わってしまったせいなのか。いずれにしても、それが避けがたい変化な>>続きを読む

イコライザー THE FINAL(2023年製作の映画)

4.5

「こちらも綺麗に終わったな」というのが、『ジョン・ウィック』と本作とを続けて観た感想。とにかく容赦しないというのがモットーらしく、まるで既出の未来をなぞっていくようにいとも簡単に相手をなぎ倒していく。>>続きを読む

白鳥(2023年製作の映画)

4.2

序盤で「27年まえの出来事だ(うろ覚え)」とピーター本人を自称する語り手が前置きしてくれたおかげで、それほど心を乱さずに観終えることができた。圧倒的な暴力に対し知恵で渡り合うのには限界がある。理の当然>>続きを読む

(2023年製作の映画)

4.2

「結構だ(うろ覚え)」。だろうとも、あれほどの苦労を強いられた直後に受ける言葉としてはあまりに品がない。タイトルが「蛇」ではなく、「毒」なのも大いにうなずける気がした。

ジョン・ウィック:コンセクエンス(2023年製作の映画)

4.5

これ以上はないという幕切れだったのではなかろうか。まして、あれだけ殺しておいてただですむという法はない。それでなくても、唯一の抜け道(自由をえる方法、と言われていたかな)は文字どおり「死」しかないと作>>続きを読む

ヘンリー・シュガーのワンダフルな物語(2023年製作の映画)

4.8

「死期を知りながら安らかだった(うろ覚え)」とのことだが、それはそうだろうなと思う。10億人につき1人の才能を世のため人のために役立てられたのなら、誰しも本望だと感じるはずだ。

伯爵(2023年製作の映画)

4.5

しかし、これまではよかったにしても、いま・これからの時代を吸血鬼として生き永らえるのってかなり窮屈そう。

グリーン・ナイト(2021年製作の映画)

4.5

死は避けがたく訪れるもの。そこにはたった今か、少し先の今かの違いしかない。「1年も100年も同じ」。しかしそれでもなお、我々は生き長らえなければならぬのだろう。

ベネデッタ(2021年製作の映画)

4.3

事実は小説より奇なり。神託まがいのデマが、結果としてひとつの町を病魔の長い手から救うことになったのだ。

TAR/ター(2022年製作の映画)

4.5

立場を追われ、フィリピンに渡り、キャリアを形成しなおす。私的な意見だけれど、彼女はもうかつてのような表舞台を必要としないのではあるまいか。第一線で活躍し続けることだけが音楽のよろこびをえるための絶対条>>続きを読む

逆転のトライアングル(2022年製作の映画)

4.6

皮肉屋の、皮肉屋による、皮肉屋のための作品。
僕は、自分では──いくらかそのけはあるにしても──ニヒリストでもシニシストでもペシミストでもないと考えているのだけど、この作品には妙にうならされてしまうと
>>続きを読む

ドリームランド(2019年製作の映画)

4.0

話の筋にそって考えれば、物語の大部分は妹のフィービーの想像力によって補われているとすべきなのだろう。成長した彼女のまなざしは、若く向こう見ずだった兄に対する憐憫によって貫かれている。

あしたの少女(2022年製作の映画)

4.5

行き過ぎた競争社会の成れの果て。数字が文字どおり人を死に追いやる。これが「寓話」として、なかば冗談まじりに語られる日が訪れんことを切に願う。

Swallow/スワロウ(2019年製作の映画)

4.2

なんのかのと視聴を先送りにしてしまった一本。
いい意味で裏切られた。玉の輿系女子のきらびやかで物憂い生活なんて今さら見せられてもね。吹っ切れた女性の顔にしか宿らないある種の美(「女性を美しさでしか語れ
>>続きを読む

>|