安堵霊タラコフスキーさんの映画レビュー・感想・評価 - 6ページ目

安堵霊タラコフスキー

安堵霊タラコフスキー

アダムス・ファミリー2(1993年製作の映画)

3.8

そういえば赤ちゃん泥棒にもこの作品によくあるようなコミカルで躍動感のある撮影が多かったから、こういうのがバリー・ソネンフェルドの得意とするところだったのかもしれない。は

秘密の森の、その向こう(2021年製作の映画)

4.3

女性の淡い感情の機微を主に描いてきたセリーヌ・シアマの、実にらしさが出ていながらも後味の悪さは感じられない作品。

親子の時を越えた交流を描いた不思議なこの作品、生命力を感じる描写や演出にほっこりする
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ビルとテッドの地獄旅行(1991年製作の映画)

3.9

スタントダブルや照明が仕事し過ぎなクライマックスとか色々と馬鹿らしくも愉快な映画ではあったけど、マックス・フォン・シドーが出てくるからってマジに第七の封印のパロみたいなシーンをやつたのには驚いた。

アダムス・ファミリー(1991年製作の映画)

3.8

それまで撮影監督として活躍していたバリー・ソネンフェルドの監督デビュー作で、この作品の成功により娯楽映画の監督として手腕を振るうこととなる。(でも個人的にはもっと撮影監督として活動してほしかった)>>続きを読む

セントラル・ステーション(1998年製作の映画)

4.9

アカデミー賞を逃した作品には、最有力視されていながらも何故か受賞に至らなかったという映画があるものだが、この作品もそんな力作の一つ。

代筆業の女と母を亡くした少年の父親探しの旅を描いたこのロードムー
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親愛なる日記 レストア版(1993年製作の映画)

4.3

以前の記憶が朧気なので、折角レストア版が公開中ってことで再鑑賞してみたが、記憶の中以上に面白かったので少し困惑もした。

ナンニ・モレッティがスクーターで街を徘徊したり友人と旅をしたり痒みを治す為に方
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湖のランスロ(1974年製作の映画)

4.5

最初の印象は戦闘シーンとか雑に思えてしまい今一つだったけど、改めて鑑賞するとその淡々としたブレッソンらしさに生々しさが感じられて好印象と転じた。

というかこの映画、中世を舞台にしただけあって後期ブレ
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リヴァー・ライツ(2011年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

Vimeoに監督自身がアップロードしている短編映画の一つ。

謎に川での遊びを逆再生した映像を10分程度流した作品ながら、水の動きや途中の奇妙な音楽も相まって不思議な空間を目の当たりにした感覚となるの
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マーラー(1974年製作の映画)

3.8

稀代の作曲家マーラーについてこんな狂った描写で映画に出来る人間なんてケン・ラッセルくらいなものだから、その意味でかなりケン・ラッセルらしい作品ではある。(純粋なマーラーの伝記映画を期待した人間は失望す>>続きを読む

JLG/自画像(1995年製作の映画)

4.3

ゴダールが自身に焦点を当てた映画だけあり、遺作となってしまった(であろう)イメージの本以上に遺作的な趣のある作品。

言葉と映像にいつも以上に重きを置いたスタイル、いつまでも眺めていられそうだけど途中
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異教徒の旗印(1954年製作の映画)

3.4

言ってしまえばダグラス・サークが撮った歴史物という、本当にそれだけの異色作。

ダグラス・サークらしくないジャンルながらもらしい演出が散見されるところに面白さがあるかなと思ったが、結局はそのくらいの良
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A New Life(原題)(2002年製作の映画)

3.7

Sombreと同様かそれ以上に奇妙で不気味な作風に軽く引きつつも惹かれてもしまう作品。

ウォーター・アンド・パワー(1989年製作の映画)

4.5

倍速撮影を駆使して不気味な映像に仕上げていた、鮮烈なヤバさの作品。

Scar Tissue(原題)(1979年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

タイトルはどうやら薬物中毒者にできる傷跡のことらしいけど、なるほど日常的な場面において人間の身体の一部を細かく黒点挟んでひたすら映す様子は薬物中毒的だったかもしれん。

Nostos: Il ritorno(原題)(1989年製作の映画)

4.3

古代ギリシャの長編叙事詩として知られるオデュッセイアを映画化したという作品。

原作に対してざっくりとした内容しか知らないので、この映画についてもなんとなくの理解となってしまったが、語られている内容を
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マスク(1994年製作の映画)

4.2

小さい頃は普通に楽しんでた作品でも、CGを有効活用したコミカルでブラックな描写とか犯罪も面白可笑しく行うダークヒーローっぷりとかが中々に革新的なことに気付かされるから良いものだね。

鑑賞するとき声優
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アルタード・ステーツ/未知への挑戦(1979年製作の映画)

4.0

ケン・ラッセルらしいヤバさ爆発の映画。

ウィリアム・ハートらが行う実験の過程で描写される、良くも悪くもとてもそうとは思えない人間の原初の記憶を再現した映像が凶悪な薬の賜物のように感じられ、その度し難
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ボディ・ダブル(1984年製作の映画)

3.8

ヒッチコックの裏窓とめまいに丸わかりなレベルでオマージュを捧げたデ・パルマ作品。

そのオマージュ要素において結構野暮ったいところも目立ってしまったけれど、ヒッチコック信者感を露骨に出した映像とかが好
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水の話(1958年製作の映画)

4.2

ゴダールたとトリュフォーの共作って話だけど、少しトリュフォーっぽい演出があるだけで編集とかがゴダールのそれだからほぼほぼゴダールの作品って言える気がする短編。

でも洪水を好機と見て勢いのある映像を遺
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ゴダールのマリア(1984年製作の映画)

4.2

訃報に触れてゴダール作品しか映画は見たくなくなってしまったので(我ながら単純)、久々にこの作品を鑑賞。

毎度の如く不可解な内容ながらもバッハ等の力も相俟って何か俗的かつ神聖なことが行われている感はゴ
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Ashes(原題)(2012年製作の映画)

4.3

コマ撮りにしたジョナス・メカス作品とも形容できる短編。

カクカクとした映像と朝焼けのように眩しい光が追憶的効果を齎していて良い。

アリア(1987年製作の映画)

3.8

アリアを取り扱った実験的短編映画集としか言えない内容だったけど、ゴダールとかケン・ラッセルとかの強烈な作品が拝める点が良い。

死霊のはらわた II(1987年製作の映画)

4.2

1作目のヒットにより多くの予算が使えることとなったからか作られた、セルフリメイク的な色の強い2作目。

最早ホラーと言うよりグロいアクションスリラーって感じだけど、終盤の攻撃的な主人公とか色々とパワー
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フォーエヴァー・モーツアルト(1996年製作の映画)

4.1

音楽や戦争を主題とした、世紀末のゴダール作品。

いつもの如く全容があまりよくわからない作りではあったものの、映っている物事だったり構図だったり音だったりに純粋な面白さが感じられるから鑑賞していて全く
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La tour(原題)(1928年製作の映画)

4.2

実験的な手法も取りつつエッフェル塔をひたすら撮った短編記録映画。

上下運動を駆使して色んな角度から映したエッフェル塔の姿に気持ち良さを覚える。

彼女のいない部屋(2021年製作の映画)

4.0

マチュー・アマルリックの敬愛するアラン・レネの幾つかの作品を髣髴とさせるような(あと質感としては彼が主演の潜水服は蝶の夢を見るにも似ていたか)、ざっくりとした内容はわかりつつも少し腑に落ちない点も多く>>続きを読む

ブレット・トレイン(2022年製作の映画)

3.8

同じ日本が舞台のキルビルVol.1や日本企業のビルを舞台としたダイハード、あとブラピも少し出演してた群像劇スナッチとかを混ぜたような作りのアクション映画。(あと街やネオンの感じは若干ブレードランナー風>>続きを読む

ビルとテッドの時空旅行 音楽で世界を救え!(2020年製作の映画)

3.7

キアヌの誕生日っつうことでついつい見てしまったSF?コメディ映画。

色々と演出とか安っぽいところに何とも言えない気持ちになったけれども、偉大な音楽家同士の熱いセッションに説得力があったというその一点
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みんなのヴァカンス(2020年製作の映画)

4.5

野郎のフィーチャー度合いが強い21世紀のロメールチックと言える作風は流石と感嘆するばかりで、自然な演出で若者がしっかり成長する様子を描いていて結構グッときた。

しかし終盤のカラオケパーティーで服とか
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NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

4.7

予告編を見てもどんな映画になっているのかよくわからなかったので気になり鑑賞したのだけど、あのゲットアウトの監督らしい仕掛けと驚きのある作品で軽く放心状態となった。

というのも系統としてはシェイプオブ
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珍しい花の歌(1959年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

一人の老人以外の登場人物がいなく、とにかく色んな花を音楽に合わせてこれでもかと映した実写版ファンタジア的な短編。

初期の作品らしく後のイオセリアーニらしさは殆ど感じられないのでだけれど、最後の最後に
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無法の王者ジェシイ・ジェイムス(1957年製作の映画)

4.0

相変わらずクラシカルな作風してるニコラス・レイ作品で、True Storyなんてタイトルで言ってるのもどうかと思ったけれども、良い構図だったりダイナミックな映像(崖から着水するシーンとか凄すぎて馬が死>>続きを読む

砂の惑星(1984年製作の映画)

3.2

デヴィッド・リンチ最大の失敗作と言われる、ある意味で伝説の作品。

ブルーベルベットやツインピークスを経た後だと容易にわかることだけど、どう考えてもSFが向いていない監督の手によるSF映画なんでわかり
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恐怖と欲望(1953年製作の映画)

3.8

キューブリックのこの初期作品、後年の作品と比べると当然の如く拙さを感じる箇所もかなりあるけれども、元々がカメラマンだけあってこの頃から構図が良いシーンもそこそこあったし同時期の日本映画やヨーロッパ映画>>続きを読む

この世界を覗く――戦争の資料から/世界の映像と戦争の刻銘/世界の映像と戦争の刻印(1988年製作の映画)

4.3

少しゴダールにも似ているけど、ゴダールよりも率直というか捻くれた感じのしない表現が特徴的な芸術的記録映画。

ナレーションの部分は全然意味わかんなかったけど、雰囲気が映像とマッチしていたから良し。

アヴェティック(1993年製作の映画)

4.5

内容はちょっと理解しにくいところはあるものの、タルコフスキーのオマージュとかが入っていたり芸術性がかなり強い作風となっていたので(好みの人間にとっては)眺めているだけでも満足感を覚える映画だった。