田島屋君さんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

羅生門(1950年製作の映画)

4.0

お話としての完成度がシンプルに高い。
ただ人の罪深さ、弱さ、業を嘆くだけではなく、最後には希望も描かれているため後味も良い。
構成含め特にケチのつけようがない。
黒澤明すごい。。。
チャンバラがスター
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水の中のナイフ(1962年製作の映画)

3.8

『戦場のピアニスト』ぶりのポランスキー作品。
後に『反撥』を観て分かったが、白黒時代のポランスキーはかなり芸術的・技巧的な作風と言えそうである。
水面を歩くシーンや頭上からの撮影など、魅力的なカットが
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暗殺の森(1970年製作の映画)

3.8

ベルナルド・ベルトルッチ監督初鑑賞。
開幕からイタリア・ドイツ映画にみられるような独特の癖のある空気感で満たされている。
しかし、空間の捉え方や演出には細部まで拘りが感じられ、そんなこんなで気付いたら
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ミナリ(2020年製作の映画)

3.9

終盤に半ば無理矢理オチまで漕ぎつけた感は否めない。
しかし、タイトルの回収や家族がまとまっていく流れの描写は見事という他ない。
作中にも表現としてあるが、映像はまさに現代の"エデンの園"的であり見惚れ
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ボーイ・ミーツ・ガール(1983年製作の映画)

3.9

レオス・カラックスの長編処女作。
アレックスとミレーユの邂逅のシーンで奏でられるピアノの曲がお気に入り。
"恋に落ちている状態"を表す演出も見どころ。
そして、捻りの加えられたラストによってただのロマ
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野いちご(1957年製作の映画)

4.1

『仮面/ペルソナ』ぶりのイングマール・ベルイマン。
効果音、カメラワーク、カット割による空気感の作り方がうますぎる。妙な引力をもっている。
様々な出来事を通して導かれる最終的な落とし所は普遍的なテーマ
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魔女の宅急便(1989年製作の映画)

4.0

トトロに続いてはこちら。
恐らく初鑑賞です。
すっきりまとまっていて観やすかった印象。
音楽も街の雰囲気も良い。
ジジが可愛いな。
次はナウシカを観るぞ。

タイム・オブ・ザ・ウルフ(2003年製作の映画)

4.0

ジャケがカッコよくてずっと気になっていた作品。
ショッキングな映像が含まれてはいるが、かなり好みな作品だった。
画面が横長であるせいか、終末の世界を遠くに感じる。世界観に入り込むというよりは、冷静な視
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ライフ・イズ・ミラクル(2004年製作の映画)

4.6

好みだけで言えば、『アンダーグラウンド』を超えた。
とにかく世界観の構築が圧倒的。カメラの存在を感じさせず、生き生きとした物語が画面いっぱいに広がっている。
観る中で多くの感情を味わうが、小さなラスト
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M(1931年製作の映画)

3.9

場面を交差させるような凝った演出がみられたり、ピーター・ローレによる怪演がみられたりと見所が多かった作品。
ちょっとトンチが利いたようなラストも魅力的で、同監督の『メトロポリス』よりも作風は好みだった
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セルピコ(1973年製作の映画)

3.9

シドニー・ルメットらしさ溢れる骨太刑事ドラマ。
どちらかと言うと単調な演出ではあるが、それでも演出含め脚本・演技も無駄がなく且つ洗練されているため最後まで釘付けで観ていられる。『十二人の怒れる男』や『
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桜桃の味(1997年製作の映画)

4.0

本作の主人公から読み取れるのは、死にたくても自らの手では命を絶つことができないという人間の精神的な脆弱性である。
また、「思い詰めた人間ほど"生"が目に留まる」ことが演出からは伺える。
キアロスタミ監
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アメリカン・グラフィティ(1973年製作の映画)

3.8

ジョージ・ルーカス監督がスターウォーズシリーズを手掛ける前に制作した作品。
恐らく、この作品において話の中身は重要じゃない。現に、本作では音楽が多用されており、会話や物語が重視されているようには思えな
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となりのトトロ(1988年製作の映画)

3.8

「ジブリをしっかり観ておこうキャンペーン」を密かに開催。
改めて観てみると、思っていたよりスピリチュアルな香りの漂う作品だなと感じた。
お見舞いとその後の帰り道までの一連のシーンが好きだった。
ジブリ
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ジプシーのとき(1989年製作の映画)

3.8

『アンダーグラウンド』と比べて、カオスの様相を呈しているシーンも多く、よりお伽話色が強い印象。
とはいえ、『アンダーグラウンド』程の衝撃はなくどうしても物足りなさを感じた。

告発(1995年製作の映画)

3.7

確かに、噂通りケヴィン・ベーコンの演技は見応え十分だし、クリスチャン・スレーターはカッコいい。
けれど、脚本が何とも言えないクオリティで演出もどこかしっくりとこなかった。
大衆向けなのか、そうではない
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オアシス:スーパーソニック(2016年製作の映画)

3.7

お恥ずかしいことに今まで聴き込んできていなかったバンド、、Oasis。
こんなにイカしてるとは、、!!!
ボーンヘッドも頭のネジが外れていたということはこの作品で初めて知った。
にしても、こんなに大勢
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マンハッタン(1979年製作の映画)

3.8

会話が理屈っぽくて重たいが故に、観ていて少々疲れる作品ではあった。
ただ、それと対比されるように最後のラスト10分では登場人物が感情に突き動かされるような行動を取っていたのはオチとしてグッとくるものだ
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デッドマン(1995年製作の映画)

3.9

今まで観たことのあるジャームッシュ作品と違って、ストーリーテリング的というか、圧倒的に"物語"の存在する作品だった。
また、映像もただカッコいいだけでなく、圧を感じるようなインパクトのある仕上がりにな
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バーバー(2001年製作の映画)

4.2

かなり好きな作品。
因果応報を感じさせるし、どうみても悲しい物語なのであるが、ラストでは妙な爽快感・広がり・明るさのようなものも感じる。
そして、何より演出全般が自分好みだった。
"消えること"と"タ
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博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか(1964年製作の映画)

4.0

これぞブラックユーモア。
キューブリック作品はまだ十分に観れていないが、話自体の面白さを素直に感じられたのは初めてかもしれない。
"右手"を抑制できない、という発想には軽い感動さえ覚えた。
攻撃性も秘
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お熱いのがお好き(1959年製作の映画)

4.1

初めて作品の中で生きているマリリン・モンローを観た。
こんなにも魅惑的な女性だったとは。。。
そしてこんなにもあどけない女性だったとは。
"アパート"と同じく、脚本は予想通り素晴らしかった。60年前と
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岸辺の旅(2015年製作の映画)

3.5

どことなく舞台っぽい雰囲気のある作品。
稀にみる、本編が予告編を上回らないという事態、、、。
二人が出逢う前の思い出話とか、好きなシーンはちらほら。

リトル・ダンサー(2000年製作の映画)

4.3

もっと底抜けに明るい映画だと思っていたが、蓋を開けてみたら全体的に哀愁の漂うドラマであった。
そんな空気感を払拭するような穏やかで突き抜けるようなラストが絶妙だった。
同じ系統の『遠い空の向こうに』の
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アパートの鍵貸します(1960年製作の映画)

4.5

ここ最近観た中ではトップ!素晴らしい映画。
余計なものは一切ない、ユーモアとトキメキが凝縮された作品。
ジャンルは違うが、『トゥルーロマンス』を観た時と近い感覚を味わえた。
可愛いらしいヒロインと、お
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恐怖分子(1986年製作の映画)

4.2

良作。それぞれのカットにいちいちセンスを感じる。それでいて変な癖はない。
ストーリーはどうかと言うと、こちらもまた詰まっていて物足りなさを感じることもない。
日常に潜む恐怖分子。
タイトルも文句なし。
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クラッシュ 4K無修正版(1996年製作の映画)

3.7

人間の心は必ずしもモラルの範囲の中に収まるものではないし、人の数だけ欲求のパターンは存在する。
バンジージャンプであったり、ジェットコースターであったり、死に限りなく近い瞬間を経験することへの興奮。本
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