tjZeroさんの映画レビュー・感想・評価 - 38ページ目

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仁義なき戦い 代理戦争(1973年製作の映画)

4.3

1作目は第2次大戦後、2作目は朝鮮戦争中、そして今3作目は冷戦下…と時局とうまく絡めてストーリーに迫真性を加えている。
米ソの対立が地球規模で拡大するのに呼応するかのように、広島ヤクザ戦争も拡大し、九
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独裁者(1940年製作の映画)

4.6

チャールズ・チャップリンが強烈なブラック・ジョークを効かせて、ヒトラーを思わせる独裁者を演じる。
第2次大戦直前にこんな作品を作った勇気に敬服。ナチスに対する怒りが、笑いのパワーも増幅させている感じが
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仁義なき戦い 広島死闘篇(1973年製作の映画)

3.7

シリーズ2作目。前作は集団劇だったが、今回は北大路欣也扮する若き鉄砲玉のような若きヤクザが生き急ぐ様を描く、青春ドラマのような趣。対立する組の若頭・千葉真一の陽性の極悪非道ぶりが強烈なコントラストとな>>続きを読む

あなたは私の婿になる(2009年製作の映画)

4.5

ヒロインはカナダ人の敏腕編集者。ビザの不具合で国外退去されそうになり、部下のアシスタントとの偽装結婚で乗り切ろうとする。
偽りの婚姻によるドタバタ…という意味では『ベガスの恋に勝つルール』と重なるモノ
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仁義なき戦い(1973年製作の映画)

4.2

(年も押し迫り、改めて菅原文太さんを追悼する気持ちが強くなってきた為、既存のレビューの後に追加しました)

(既存分)原爆を落とされた、戦後の広島が物語の始まり。
ワルになりたくてなったというよりは、
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ケイン号の叛乱(1954年製作の映画)

4.2

第2次大戦下。老朽化した掃海艦に、老練な艦長(ハンフリー・ボガート)が赴任してくる。
この男、細かい規則にこだわり、すぐに罰則を設ける偏屈な軍人。部下の小さなミスにはこだわるくせに、自らの大きな失策に
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E.T.(1982年製作の映画)

4.4

勝因は、序盤から中盤にかけて徹底的に低いキャメラ・アングルを貫いたこと。それにより、観客は独り地球に残された異星人の不安感や、E.T.に出会えた子どもたちのワクワクする気持ちを、同じ目線で追体験するこ>>続きを読む

Kids Return キッズ・リターン(1996年製作の映画)

4.6

兄弟のように仲のよい、ふたりの不良少年…ボクシングとヤクザ、それぞれの道へと分かれていく。
わざわざ説明するまでもない事だが、この監督は長年、コメディアンとしてヒトを笑わせることに心血を注ぎこんできた
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ナッシュビル(1975年製作の映画)

4.2

カントリー・ミュージックの聖地、テネシー州ナッシュビル。大統領選と音楽フェスを控えた街は浮かれ気味。ミュージシャン、マスコミ、普通の人々…そんなザワザワした街中を右往左往する多数の登場人物たちを、ロバ>>続きを読む

八日目の蝉(2011年製作の映画)

3.9

女と子ども、の物語である。大人の男も何人か出てくるが、いずれも影が薄い。戦争映画における女性のような扱い。
それはおそらく、子育てが女性にとっての戦場のようなモノだからなのではないか。子を産み、慈しむ
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ロング・グッドバイ(1973年製作の映画)

4.4

原作者(レイモンド・チャンドラー)も監督(ロバート・アルトマン)も大好物なので、自分にとってこの映画は牛丼にカレーをぶっかけちゃったようなモン(笑)。原作の大長編をバッサリと斬りこんじゃったみたいな快>>続きを読む

サニー 永遠の仲間たち(2011年製作の映画)

4.2

『スタンド・バイ・ミー』が好きなヒトは絶対に観た方がいい。あれと同じくらい(高いレベルの)なつかしさと胸キュン感にあふれてる。
40代の主婦が、病院で偶然再会した旧友(末期ガン)のために、女子高時代の
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評決(1982年製作の映画)

5.0

オープニング・ショット、昼間からウィスキー片手にピンボールをプレイする主人公の姿が印象的。それに続くムダのない描写…新聞の訃報欄を頼りに依頼人(遺族)を探し回る彼の落ちぶれた境遇がよく伝わってくる。そ>>続きを読む

アポロ13(1995年製作の映画)

4.5

月へのフライトの途中、NASA史上最悪の爆発事故から地球への帰還を目指す宇宙飛行士たちの物語。
肝心の発射前に、主人公の妻が見る不吉な夢、愛車のエンスト、同乗クルーの発症、結婚指輪の紛失…といった小さ
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マーサの幸せレシピ(2001年製作の映画)

4.1

料理に関する映画でフランスかイタリア産かと思っていたら、意外なドイツ製。"(独映画)らしいな"と感じるのは冒頭、精神分析のシーンから始まるトコロ。料理そのものというよりも、ヒロインであるシェフの心移り>>続きを読む

誰かがあなたを愛してる(1987年製作の映画)

4.3

演劇を学ぶため香港からニューヨークに留学してきたヒロイン。頼りにしていた恋人との破局に悲しむ彼女を支える、いとこ役のチョウ・ユンファがいい。傷心の彼女を見守る暖かなまなざし、くわえタバコでギャンブルに>>続きを読む

Love Letter(1995年製作の映画)

4.3

亡くした恋人に手紙を出したら、同名の同性から返信が来た…という心ひかれる幕開けから始まるレンアイ映画。映像も登場人物たちのたたずまいも、澄んでいるというか、透明というか、凛としているというか…とにかく>>続きを読む

ものすごくうるさくて、ありえないほど近い(2011年製作の映画)

3.6

9・11のN.Y.テロで父を亡くした少年が、遺品の中にあった1本の鍵の謎を探って大都会を歩き回る…。
最初の内は、彼が聡明で弁もたつのでなんか小賢しく、生意気な印象すらあるのだが、次第にそれが父の死に
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ザ・ローリング・ストーンズ シャイン・ア・ライト(2008年製作の映画)

4.6

結成50周年を迎えたローリング・ストーンズの'06年N.Y.でのライヴ・ステージ。彼らにあまり興味がない映画ファンでも、監督がマーティン・スコセッシ(『タクシードライバー』、『レイジング・ブル』等)と>>続きを読む

第十七捕虜収容所(1953年製作の映画)

4.3

第2次大戦下のドイツ軍捕虜収容所、アメリカ兵たちの喜怒哀楽。不自由な悪環境の中、目一杯”捕虜生活”を楽しむ彼らの様子が朗らかに描かれる。まるで、やんちゃ坊主たちが集う部室のよう。喜劇的な彼らの生活を横>>続きを読む

ツイスター(1996年製作の映画)

3.8

『ダイ・ハード』で見事なキャメラ・ワークを披露したヤン・デ・ボン(撮影監督)。監督に進出した『スピード』でも斬新な空間の切りとり方とダイナミックなアクション描写で魅了してくれた。
彼が次にメガホンをと
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ムーンライズ・キングダム(2012年製作の映画)

4.8

ブルース・ウィリス、エドワード・ノートン、フランシス・マクドーマンド、ビル・マーレイにハーヴェイ・カイテル…曲者役者たちが、才人ウェス・アンダーソン監督作に集結した。ただしメインではなく、サポートする>>続きを読む

ライフ・イズ・ビューティフル(1997年製作の映画)

4.4

前半の、主人公夫婦の馴れ初めを描いたラヴ・コメディ場面は、喜劇役者であるロベルト・ベニーニ(主演兼監督)の面目躍如。くり返しとベタなギャグのサイレント風喜劇で大いに笑わせる。
前フリとオチの感覚が身に
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知りすぎていた男(1956年製作の映画)

4.2

アフリカに観光で訪れたアメリカ人医師一家。知り合った謎の男の死をきっかけに、国際的陰謀に巻きこまれていく…。
歌や音楽が効果的に使われている本作、作品自体が巧みな構成の協奏曲みたい。
観光気分の序盤か
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アンストッパブル(2010年製作の映画)

4.3

便秘薬みたいなタイトルだが(笑)、内容はメチャクチャ面白く、トイレに行くヒマもない。冒頭のわずか数分、クレジットタイトルが終わるまでの間に、主人公の置かれている状況と事件の予兆が過不足なく描かれる。そ>>続きを読む

ストリート・オブ・ファイヤー(1984年製作の映画)

4.4

快作ぞろいのウォルター・ヒル監督作の中でも、ピカイチの出来だと思う。
ホームタウンに戻った風来坊がさらわれた元恋人の奪還に向かう…という、西部劇をそのまんま現代に持ってきた、水で割らないバーボンのよう
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隠し砦の三悪人(1958年製作の映画)

4.8

『スター・ウォーズ』ファンとしては、元ネタ(の一つ)である今作を見逃すわけにはいかない。しかも、SWシリーズ6本よりもこちらの方が面白い! 没落した大名家の勝気な姫、腕の立つ侍、強欲な百姓コンビ…凸凹>>続きを読む

裏切りのサーカス(2011年製作の映画)

4.5

陰影深く、重厚な画面作りにシビレる。ソファに深く座り直し、ハードカバーの単行本をじっくりと読み進むかのような味わい深さ。原作はジョン・ル・カレの'74年作。冷戦時代の古いスパイものを現代に映画化する意>>続きを読む

マッチポイント(2005年製作の映画)

4.1

ネットに当たったテニスボールがどっちに落ちる?、というショットが白眉。運命のいたずらで人生はどちらにも転ぶ、という主題を見事に映像化しているし、ラストの”証拠の品はどっちに落ちる?”とも正確に呼応して>>続きを読む

ナバロンの要塞(1961年製作の映画)

4.8

アリステア・マクリーンの傑作冒険(戦争)小説の映画化。ギリシャの孤島にとり残された2000の兵を救うべく送りこまれた、6人の精鋭の活躍。登山家、爆薬通、殺し屋、メカニック…といった各々の個性を活かした>>続きを読む

十二人の怒れる男(1957年製作の映画)

5.0

父親殺しで裁かれた少年の罪状について、12名の陪審員たちが議論する。たったそれだけを描く映画が、こんなにも面白いとは!
民主主義の精神のカタマリのような作品である。腕力も暴力も使わず、コトバだけで意見
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大脱走(1963年製作の映画)

5.0

実話をこんなにも面白く脚色し、超A級のエンターテインメントに仕上げたスタッフ&キャストに敬意を表したい。
脱走癖のある兵士たちをまとめて管理するため、一ヶ所の収容所に閉じこめたナチスの思惑が裏目に出て
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狼たちの午後(1975年製作の映画)

4.2

シドニー・ルメット監督は、『十二人の怒れる男』でもそうだったけど、限られた空間内でのセリフの応酬を演出するのが巧い。
本作でも、狭い銀行内で強盗と人質との会話、外の警官隊とのやりとりなどが緊迫感あふれ
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ファンタスティック Mr.FOX(2009年製作の映画)

4.7

自分はウディ・アレンやクリント・イーストウッド監督作を好む者ですが、おふたりとももう80代、この先多くの新作を期待するのはムズかしいかもしれない…。
…そんな訳で、「もっと若い世代でも”お気に入りの監
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北国の帝王(1973年製作の映画)

4.4

1930年代の大恐慌時代、貨物列車にタダ乗りして全米をさまよう”ホーボー”と名づけられた放浪者たちと、彼らを列車から放り出そうとする鬼車掌との激闘。
この車掌、ただ者ではなく、ホーボーに対してハンマー
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ヤング≒アダルト(2011年製作の映画)

4.6

『JUNO』⇒『マイレージ、マイライフ』と佳作を連発しているジェイソン・ライトマン監督。今回も快調♪ どこかクセのある主人公たちが、現実生活とうまくフィットできなくてバタバタする様を、軽やかに描く。音>>続きを読む