ロング・グッドバイのtjZeroのレビュー・感想・評価

原作者（レイモンド・チャンドラー）も監督（ロバート・アルトマン）も大好物なので、自分にとってこの映画は牛丼にカレーをぶっかけちゃったようなモン（笑）。原作の大長編をバッサリと斬りこんじゃったみたいな快作。原作のような香気はないが、都会の片隅でうごめく、クセのある登場人物たちを生き生きと描いた風俗ドラマとしての面白さがある。主人公の探偵マーロウは、スーパーヒーローではなくタフガイでもなく、無色透明の風のように関係者たちの間を泳いでいる内に、いつの間にか事件を解決してしまうのが魅力的。