アノさんの映画レビュー・感想・評価 - 115ページ目

ハナ子さん(1943年製作の映画)

4.5

テンション高すぎて狂気を感じる
プロパガンダを逆手に取ったかのような演出

白昼の決闘(1946年製作の映画)

4.5

ラストの血生臭さが衝撃的すぎる
グレゴリー・ペックはこれベストアクトなんじゃないの

偽大学生(1960年製作の映画)

4.8

監禁シーンの糞尿の臭いの辛さが画面から伝わりづらいとこ以外は完璧

妻は告白する(1961年製作の映画)

4.8

川口浩を訪ねてくる虚ろな若尾文子が最強
この恐ろしさ!完璧だ。

赤い天使(1966年製作の映画)

4.9

増村の最高傑作な気がする。
死が迫っているあの極限状態でやることが衣装交換の寸劇ってのは神懸かりすぎて怖い。

婦系図(おんなけいず)(1962年製作の映画)

4.9

ほとんど完璧な映画だ…。
冷たさは相変わらず圧倒的な三隅研次だが、温かさもまたここまで演出できる監督とは思わなかった。
アングルやカットの刻み方も目を剥く一級品なれど、この温かさが特に素晴らしい。
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ゴールド・ディガース(1933年製作の映画)

3.1

バークレイ演出のミュージカル劇パートは物凄い(ラストカットの迫力!)のに、日常パートのダルさが酷い。
作曲家が金持ってきたシーンなんてもっと劇的にやってほしかった。
繋ぎもいまいちセンスを感じない。

でっかく生きる(1947年製作の映画)

4.1

ケリーによる「ヤンキードゥードゥル」の器械体操が素晴らしすぎて泣く。
それでも主役は犬のクリス。

秋日和(1960年製作の映画)

3.0

小津にしてはイマイチ。
世紀の大傑作である『晩春』と比べてしまうのは仕方ないにしても、どうも司葉子が弱すぎる。
散々指摘されている中年トリオの下品さより遙かに問題だと思う。
後半の岡田茉莉子による物語
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(1964年製作の映画)

3.5

すんごい三島なんだけど三隅らしさもしっかりある。
ユリの花で血をぬぐうエロさがすごい。
オープニングクレジットの格好良さは異常。
雷蔵の童貞くささも必見。

秋津温泉(1962年製作の映画)

4.3

究極の岡田茉莉子と究極の橋。
依存関係が逆転していく二人の男女を恐ろしく緊張感のある画面がじくじくと映す。

これを20代で撮った吉田喜重はウェルズよりすごい。

天はすべて許し給う/天が許し給うすべて(1955年製作の映画)

4.5

鹿で締めるセンスに脱帽。
これほど暗所が際立つカラー撮影も中々無いと思う。

千姫御殿(1960年製作の映画)

4.5

『斬る』に勝るとも劣らないファーストシーン。
山本富士子の美しさ、山田五十鈴の圧力どちらも圧倒的

町奉行日記 鉄火牡丹(1959年製作の映画)

3.6

勝新の柔らかさが絶品。
クライマックスの大立ち回りは伊藤大輔ばりの移動撮影が素晴らしい。
喜八が仲代達矢で撮ったドラマも良かったが、こちらの方が数段上。

仮面ライダー×仮面ライダー ゴースト&ドライブ 超MOVIE大戦ジェネシス(2015年製作の映画)

1.1

ケンコバが巨大化してからの採石場での爆発は演出もカメラもチープすぎて目眩がした。

ランジュ氏の犯罪(1936年製作の映画)

4.0

妊娠をつげられた恋人のあっけらかんとした態度の幸福感がなあ。
悪とされる元社長にも救いがある幸せ。

ヨシワラ(1936年製作の映画)

3.0

言われてるほどの愚作でも珍作でもない。
腐ってもオフュルス。
人力車を引っ張って疾走する早川雪舟は『無法松の一生』の阪妻を連想させる。

田中路子が入浴中の芸者と歌うシーンがある120分版があるらしく
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関東緋桜一家(1972年製作の映画)

3.0

マキノ本人もぼやいているようだけど、スターが多すぎて焦点がぶれてる。
見せ場も若山富三郎以外は然程だし…。
藤純子が組を継ぐ場面の画面の空気なんかは流石マキノと思わせる。

(1948年製作の映画)

2.3

木下恵介は感情表現が安直すぎると思う。
火事が起きてからのパニックは確かに良いが、それまでがいくら何でも押し付けがましい

緋色の街/スカーレット・ストリート(1945年製作の映画)

4.8

最後まで善人であったがゆえの悲劇。

レコードの使い方が素晴らしい。
アトリエの構造(特に玄関から寝室までの廊下)をふんだんに活用したアングルショットも最高。

男装(1935年製作の映画)

4.2

ケーリー・グラントもキャサリン・ヘプバーンもホントに良く動く。
脱いだグラントに慌てて逃げるヘプバーンが小屋から飛び出す場面、結構な高さだったのに転がり落ちて驚いた。
ヘプバーンは「男装した女」である
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百萬圓貰ったら(1932年製作の映画)

2.3

ダントツでルビッチのパートが面白い。
扉の連続からワンアクションで綺麗にオチをつける才気。
次点で、危険運転車を壊しまくる老夫婦の話が楽しかった。

沓掛時次郎 遊侠一匹(1966年製作の映画)

4.9

液体の表現が素晴らしい。
川、井戸、そして血。
池内敦子が逃げてからの桜吹雪、暗転、「あれから1年か…」の流れは鳥肌が立った。
最後の大立ち回りは、敵を歩きながら切り捨てていく中村錦之助が素晴らしく怖
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近松物語(1954年製作の映画)

4.5

長谷川一夫を求めながら峠を下る香川京子を映す長回しがたまらない…
これでも水面と山が圧倒的に美しい画面になってる

他者のエゴに苦しめられた2人が今度はエゴで周囲をどん底にたたき落とす、ある意味復讐譚
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肉弾(1968年製作の映画)

3.5

「貴様は一体」を繰り返す田中邦衛の台詞の省略を、レコードから針を外すカットを差込むことで表現するのには笑った。
「インテリ面した豚の一匹や二匹、牛の中では目立つまい」など凶悪な台詞が切れまくりの区隊長
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江分利満氏の優雅な生活(1963年製作の映画)

3.5

こういう話って大体最後は失敗するもんだと思っていたので、ちゃんと直木賞を取れたことに驚き。
その朗報を聞いて泣く妻子がたまらなく良い。

非常にテンポの良い人情劇として話は進むが、江分利が直木賞祝いの
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殺人狂時代(1967年製作の映画)

4.8

このレビューはネタバレを含みます

びっくりギミックの殺し屋たちを運と工夫で切り抜ける喜劇風サスペンス、と思いきや仲代達也がどんどんシリアスな雰囲気を出してくるのがすごい。
ギャグだと思っていたシーンがドラマの伏線だったときの驚きときた
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座頭市と用心棒(1970年製作の映画)

4.0

勝新・三船に若尾文子で岸田森とまあお祭り映画ですよね。
互いに「化け物」「けだもの」と罵りあいながらも、根っこのお人良しなところが通じてて面白い関係だった。
酒瓶を落として高さを測ろうとする市に対して
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シャーロック・ホームズの素敵な挑戦(1976年製作の映画)

3.0

ホームズというかコカイン中毒の話。
あまりホームズである意味を感じなかったが、フロイトの魅力的な人物造詣、走る機関車の上での決闘など、中々見所のある映画だった。
ホームズがコカイン中毒に陥った原因であ
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英霊たちの応援歌/最後の早慶戦(1979年製作の映画)

3.4

「最後の早慶戦」がメインの映画だと思っていたので、試合が丸々カットされたのには面食らった。
登場人物がほぼ厭戦感を出していないにも関わらず(かといって軍部や世間に洗脳されているなどの描写もない)、戦争
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月給泥棒(1962年製作の映画)

4.0

とにかくテンポが良い。
人の間を巧みに渡り歩く宝田明のコミカルな動きが素晴らしい。
その人物の配置や関係も過不足なく気を配られている、楽しい映画。
(惚れ薬は小道具の使い方としては些か目立ちすぎとは思
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妻よ薔薇のやうに(1935年製作の映画)

4.2

夫からの手紙を見てうなだれる伊藤智子の仕草にサイレントの残り香を感じる。

「なぜ父は家を出たのか」という疑問を家族三人でのお出かけの間にじっくりと映すのが非常に辛い。
突拍子もないような話ではなく至
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さらば、愛の言葉よ(2014年製作の映画)

1.3

3Dの限界を探ろうとしているかのような画面構成はすごいが、内容は全く頭に入らなかった。面白いとかつまらないとかそういう次元ではない。
『コンドル』の1シーンが一番印象的だった。

最高殊勲夫人(1959年製作の映画)

4.9

この映画のテンポのよさときたらもう!劇的な展開があるわけでもないのに、90分間画面から目を離すことが出来ない。
同僚を結婚させるためにトンカツ屋でビールを飲ませるくだりなんて、豪快すぎて不条理に片足を
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