アノさんの映画レビュー・感想・評価 - 34ページ目

秘密殺人計画書(1963年製作の映画)

3.6

ジョー・マクドナルドの撮影がバチバチに決まっていて至福のルックスが拝める(車椅子の男を始末するシーンがすんばらしい)が、大俳優たちに怪人みたいな特殊メイクをさせる小ネタが全く意味不明でわけわからん映画>>続きを読む

家路(2001年製作の映画)

4.3

ショーウインドウ越しに映されるカフェでの過ごし方が可笑しくてたまらないし、ミシェル・ピコリが撮影現場から立ち去ってしまった時の最悪な空気の張り詰め方は尋常ではないし、何だこれは。
キアロスタミ『コーラ
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刑事ベラミー(2009年製作の映画)

3.8

今この場所にいられるのは運が良かっただけで誰しも踏み外す可能性がある…という話をジワジワ匂わせるように語っていく。妻がノーパンじゃなかった時のほんとにちょっとしたざわめきの重ね方が上手い。
落ちたじょ
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ウエディング(1978年製作の映画)

3.5

リリアン・ギッシュの死に顔に賭けてる感じが良い。喧騒をまとめるには人が死んだり生き返らないといけない。
ミア・ファローが寝た男を数え始めたときのポール・ドゥーリーのしかめ面で爆笑。

遺体安置室 -死霊のめざめ-(2005年製作の映画)

2.1

墓地で不良(信じられないくらい頭が悪くて良い)がセックスしてるときに怪物が現れる極めてオーソドックスなシーンが、全く効果的に撮れていない。これが晩年のフーパーかと悲しくなった。

赤い砦(1955年製作の映画)

3.5

カーク・ダグラスとエルザ・マルティネリのメロドラマとして質が高い。
シネスコを活かした馬群の横移動などダイナミックな画面が多くて眼福。火矢を撃たれたウォルター・マッソーも勿論画面端で事切れる。

勇者の汚名(1954年製作の映画)

2.7

籠城に対処しようとする外部だけで話をもたせようとする後半がなかなかしんどい

アメリカの友人 4K レストア版(1977年製作の映画)

4.7

4Kで再見。大変眼福でありました。
列車での暗殺シーンでトンネル通るたびに強調されるオレンジ色の照明の美しさ!
ギャングが階段を転がり落ちるときもこれほど美しい画面だったとはなあ。

謎めいた前半の不
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ダブルチーム(1997年製作の映画)

2.5

ハリウッド進出でなんとなく派手になっているけど、銃撃戦がカット割りすぎでロケーションを活かせていないのが勿体ない。そもそも遊園地の銃撃戦で死ぬべきなのはミッキー・ロークの家族じゃなくてヴァンダムの家族>>続きを読む

愛のそよ風(1973年製作の映画)

3.4

ギャルといちゃつきたいおっさんの欲望がん漏れで笑う。ベッドイン後の朝の会話の胡散臭すぎるハッピーな会話で吹きだてしまった。
なんてニヤニヤしてたらサウナでの友人の羨望の語りが切実すぎて泣いた。この会話
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許されざる者(1992年製作の映画)

3.8

再見。
ジーン・ハックマンがリチャード・ハリスの心も体も痛めつける「伝説壊し」のくだりといい見事な演出がおこなわれているとは思うが、構造にこだわり過ぎている。文筆家には大ウケしそうなのでアカデミー賞撮
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絶壁の彼方に(1950年製作の映画)

3.6

言葉が通じない異国での逃走劇とあって、キレた小技のオンパレード。
落ちたコートで我に返るとダグラス・フェアバンクス・jrはもういない。この呼吸の見事なこと。
ロープウェイの時限サスペンスも緩慢な運動を
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土竜の唄 香港狂騒曲(2016年製作の映画)

2.1

狙い過ぎな雑さが薄ら寒くてやっぱり面白くない。どうせならオリ展開やれとは言ったがこの瑛太はクソキャラすぎるだろ。
「お天道様侮辱罪で逮捕」の後に「…なんてな」と言わせるのが本当にクソ。照れるくらいなら
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土竜の唄 潜入捜査官 REIJI(2014年製作の映画)

1.7

原作初期のスピーディーな無法ぶりとクドカンの理屈っぽいギャグが交通事故起こしてる。三池も取り持つ気がなさそうなテキトーな作りでやっててもう全然だめ。
下手にダイジェストじみたパッチワークにするくらいな
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ガントレット(1977年製作の映画)

4.3

再見。何故初見時ピンとこなかったのか全くわからない。傑作じゃん!
家も車もバスだって過剰な銃撃だけでぶち壊す!
下品な保安官の車に乗って州境に差し掛かるシーン、ソンドラ・ロックの提言で疑念が深まってい
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ど根性一代(1963年製作の映画)

2.6

途中3回我慢が効かずに揉め事起こしてるので根性モンでもなんでもない。なので討ち入り前の高千穂ひづるの「もうあなたの思うようにしてください」も燃えきれない。
汽車に乗って討ち入りするのは笑った。杉田康が
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指導物語(1941年製作の映画)

3.2

闇の中から燃料用に燃える角材が現れるファーストショットがイカす。

トゥモロー・ウォー(2021年製作の映画)

2.1

制空圏は保ててるし空爆も効いてるのになんでこんな負けてんだろうとずっと不思議に思いながら見た。
現代に帰ってから生存組でエイリアンの発生地を調べるパートが何もかも酷くて笑う。ここでプロフェッショナルの
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御誂次郎吉格子(1931年製作の映画)

3.3

冒頭の船上での大河内傳次郎と伏見直江の絡みがベストシーン。
プロットの二本軸があまり機能しているとは思えないので中盤気が乗らなかったが、ラストの大捕物の提灯の群れは圧巻。飛び込みからの字幕と提灯のクロ
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忠次旅日記 御用篇(1927年製作の映画)

3.7

大河内傳次郎のスター性がほとばしる。若旦那の金を奪い返しに行った屋敷での冷徹さすら感じる貫禄が素晴らしい。
フィルムの欠損か規制によるカットか演出なのか、その辺の判断はつかないが人が死ぬ瞬間を描写せず
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マリグナント 狂暴な悪夢(2021年製作の映画)

4.8

あと半世紀はリスペクトされるであろう、ホラー映画史に残る超絶大傑作!!!!
警察署の大虐殺を見るとガブリエルはフレディ、ジェイソン、レザーフェイスに並ぶ新たなダークヒーローたりうると確信する。

古典
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レッド・ノーティス(2021年製作の映画)

1.5

大して細やかでも真新しくもないアクションをこなすたびに一々ドヤ顔かましてくるライアン・レイノルズが死ぬほどムカつく。ドウェイン・ジョンソンにぶん殴られて10mくらい吹っ飛んでほしかった。
こんなに魅力
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約束の宇宙(そら)(2019年製作の映画)

3.5

母親が訓練のために湖の中へ入っていくのを少し煽り気味に見つめたりとか、ロケット発射前にホテルで母親との抱擁を終えて自室に戻るときの画面奥への進み方とか、少し異様なショットが散見されてザワザワさせる。

カポネ(2020年製作の映画)

3.6

まじでゾンビ映画になっていってワロタ。
劇場で人が死にまくってる回想(妄想)が市街戦みたいでアガる。異常なようで極めて平穏に終わるのも含めて変な映画だ。

ドアマン(2020年製作の映画)

3.5

『壁の中に誰かがいる』『ツールボックスマーダー』に連なる室内徘徊系アクション。序盤はカット割り過ぎで見辛え〜と思ったが放水バルブを壊した辺りからアクションがぐっと良くなる。最後の敵を燃やして磔にするの>>続きを読む

ジャスト 6.5 闘いの証(2019年製作の映画)

3.8

開幕の猛ダッシュ逃走劇からもうビンビン来る。
ひたすら冷酷な警察と温情が見えてくる麻薬王の対比。死刑台の踏み場の恐怖演出が見事。
ラストに警察が折れて腑抜けたことを言うのは現実(社会批判)に映画が折れ
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県庁の星(2006年製作の映画)

3.5

きめ細かいというよりは頭の良い人が一生懸命撮ってんだろうなという印象。少し記号的すぎるし何より凄みに欠ける。
織田裕二の改革によってバックヤードが片付く→和田聰宏がいつもタバコを吸っていた場所に火災報
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ワザリング・ハイツ ~嵐が丘~/嵐が丘(2011年製作の映画)

3.8

ヒースクリフを黒人にしたことで差別構造をより明瞭にする…のは安易な策のようにも思うが、しかし視覚的にはこれがバッチリ決まっている。イギリスの寒々しい片田舎にいることの疎外感の表出が見事。
接写で強調さ
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エスケープ・フロム・L.A.(1996年製作の映画)

3.5

カート・ラッセルの立ち姿が全然様になってない(まだランドルフ・スコットの方がマシ)のはともかく、バイクチェイスからトラックの荷台に乗り込み騎馬と戦うまでの淀みないアクションが極上。
治安が完全に終わっ
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喧嘩屋一代 どでかい奴(1970年製作の映画)

3.0

藤田弓子に真相を告げられたときのカツシンのアップの間の取り方など安定して良い。ヤクザ側の描写の弱さは食い足りない。

殺しの分け前/ポイント・ブランク(1967年製作の映画)

4.5

プロットが崩壊してるとしか思えない矢継ぎ早なゴール設定に心躍る。ジョン・ヴァーノンがあっさり死ぬとアンジー・ディキンソンがさっさと帰っていくのには笑った。別れてから電話かけてたらぬっと協力者が出てくる>>続きを読む

血を吸うカメラ(1960年製作の映画)

3.5

カールハインツ・ベームと盲目の夫人が映写室で対決するシーンがスリリング。
映画を撮る行為の苛虐性に向き合うかのような過去の自分の音源をアンナ・マッセイに聴かせるシーンは泣かせる。
カラーがかなり良いけ
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黒い牡牛(1956年製作の映画)

2.7

牧場のオーナーが新聞記事であっさり死ぬのワロタ。この辺B級上がりの監督って感じがする。
闘牛の観客ってこんなに入るんだ…。

白馬城の花嫁(1961年製作の映画)

3.5

妄想の中で美空ひばりと鶴田浩二が駆け寄っていくシーンの美しさに涙する。
夢から覚めて現実の汚い小屋で一人泣きじゃくる美空ひばり。この追い込み方も中々の迫力だが、全体的には「沢島ならこのくらい撮れるよね
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ルーキー(1990年製作の映画)

3.5

暗闇でカーチェイスするときにあり得ないほど火花を散らさせるのが素晴らしいじゃないですか。全然好き。
イーストウッドを苛めるためだけにソニア・ブラガがクソ強いのは笑う。

エクソシスト3(1990年製作の映画)

3.4

何か不穏なことが起きていそうな雰囲気の作りは上手いのだが、無駄な間が多すぎる。プロの映画監督の仕事ではないから仕方ないかもしれんが、死んだ神父の血が抜かれていることを知ってからジョージ・C・スコットが>>続きを読む