アノさんの映画レビュー・感想・評価 - 32ページ目

ブラッド・ワーク(2002年製作の映画)

3.5

暗号だとか犯人との陰陽関係だとかは全く機能しているとは思えないが、ところどころ骨太の活劇センスが現れていて十分面白い。時間の遅れた監視カメラで犯人の挙動の真意を察するとこから俄然面白くなる。
イースト
>>続きを読む

真夜中のサバナ(1997年製作の映画)

3.1

イーストウッドで群像劇となると面白くなりそうなもんだけど、どうにも跳ねない。
後半の法廷劇パートが全然スリリングでないのが痛いのか?
しかし死体が動くことの異様さを十全に演出するばかりか艶めかしさすら
>>続きを読む

目撃(1997年製作の映画)

3.2

序盤のマジックミラーからの犯行目撃シーンがずば抜けて良いし、警官隊や暗殺者が娘との逢瀬を見張るくだりの緊迫感は大したもの。何よりこのプロットでイーストウッドが全然逃げない(追い詰められない)のが面白い>>続きを読む

ダーティハリー5(1988年製作の映画)

3.3

なるほど確かに結構良い。繋ぎがかったるいのはいただけないがアクションアイデアは中々。特に降下中のエレベーター襲撃とラジコンカーとのカーチェイスが白眉。
銛にはすげー笑った。『テキサスの死闘』じゃん。

ハリウッド玉手箱(1944年製作の映画)

3.5

豪華キャストがダラーっと出てきてダラーっと歌が流れるだけで正直緩すぎると思うが、まあお祭り企画だからこれで良いのでしょう。俺は断然ジョーン・レスリーよりバーバラ・スタンウィックだけどな!
フラメンコの
>>続きを読む

独身者と女学生(1947年製作の映画)

2.9

運動会でどろんこになってくれるからケーリー・グラントは偉い。
空気最悪のまま終わる誕生会が面白かった。

恋文騒動(1947年製作の映画)

2.5

舞台原作そのままの会話一辺倒であんまり。オチがすげーコントっぽい。

少佐と少女(1942年製作の映画)

2.6

「ジンジャー・ロジャースが11歳の少女として振る舞う」という荒唐無稽な設定もなんだかしみったれた会話に囚われてあまり跳ねない。『モンキー・ビジネス』とまでは行かなくとも、もっと子供らしいギャグアクショ>>続きを読む

冬物語(1992年製作の映画)

3.9

なんと言ってもバスでの再会シーンが素晴らしい。あの何も過剰に纏っていない、衝撃の瞬間をそのまま捉えたような、困惑と決意が匂わされる間の取り方。ロメールのドキュメンタルな作風の中でも屈指の名演出。
その
>>続きを読む

青ひげ(1901年製作の映画)

3.0

いかにも舞台的で平面的なのだが、吊るされた女達の存在感だとか屋上から地上まで髪を掴んで引きずっていく動作だとかの暴力性がやけに真に迫っている。

サンダーバード55/GOGO(2020年製作の映画)

3.0

「雪男の恐怖」はひっくり返るくらいつまらないが、「大豪邸、襲撃」は中々。小さな人形では表現できないパートを人体の吹き替えでおこなうのが、かえってサスペンス性を高めている。
でも一番アガるのは幕間のスー
>>続きを読む

私は逃亡者(1947年製作の映画)

4.0

3ヶ月くらい前に申請したから細かいところ忘れちまった。
道中で殺人依頼をしてくる人妻とか全くいらない挿話が病的に奇形的。

春のソナタ(1989年製作の映画)

4.1

ロメールの中でもワンシーンの切り取り方が卓抜している。アンヌ・ティセードルがフロランス・ダレルに「もうすぐ破局するだろう」ことを告げられたときの画面の質の切り替わり。オフにダレルが消えて静かに狼狽する>>続きを読む

恐怖分子(1986年製作の映画)

4.0

再見。
研ぎ澄まされ過ぎて現実感が吹っ飛んでいる恐るべき画面。

リミッツ・オブ・コントロール(2009年製作の映画)

3.9

ここまで緩慢さが基本になるとちょっとついていけなくなる節もあるのだが、『デッドマン』よりはよほど真摯なので好ましい。
地図燃やすときにカット割るのは笑った。『石の微笑み』みたい。

永遠と一日(1998年製作の映画)

4.5

何度時空を越えたのか分からなくなる、絶え間なく流麗であり続ける映画。
金網に人影がへばりついている国境のおぞましさよ!

特別な一日(1977年製作の映画)

4.2

100分「うおっそこにカメラ置くのか」と驚きっぱなし。媒介となる巨大アパートが舞台装置として魅力的。屋上の洗濯物の干場でおこなわれる逢瀬のスリリングなこと!あのシーツ越しの切り返しやここぞというときに>>続きを読む

カスパー・ハウザーの謎(1974年製作の映画)

3.3

ブルーノ・Sの知恵遅れ演技が定型的な挙動に収まらずサイレント喜劇を思わせるおかしさと切なさを含んでいるのが素晴らしい。

愛の地獄(1994年製作の映画)

3.4

ホームビデオ上映会でいよいよ爆発するフランソワ・クリュゼ。完全にイカれたクリュゼが精神病院で持論をぶちあげるときのカメラワークが素晴らしい。妄想で人を殴りつける勢いが見事に画面に表れている。
しかし、
>>続きを読む

コンボイ(1978年製作の映画)

3.2

確かにペキンパーのキレのある編集は見る影もないしコンボイのド迫力もあまり伝わらない、アルドリッチやろうとしてしくじった趣きなのだが、それでも元気があって大変よろしい。
「法もお前もクソくらえだ」、元旦
>>続きを読む

奇傑パンチョ(1934年製作の映画)

3.5

ウォーレス・ビアリーのベストアクトではないかと思うほどパンチョ・ヴィラのキャラクターが魅力的に作られている。ヘンリー・B・ウォルソールの聡明さ、ジョセフ・シルドクラウトの憎々しさ、どれも素晴らしいディ>>続きを読む

顔のない眼(1959年製作の映画)

3.6

新しい顔を貼り付けられたエディット・スコブが目だけで作り物の顔であることを表現しているのが物凄い。彼女に限らず俳優陣の誰もが目で語る異色作。
凄惨なクライマックスを儚く美しい形で締めるゴシックホラーの
>>続きを読む

ザ・ミッション 非情の掟(1999年製作の映画)

3.8

やっと見れた。
かなりソリッドに仕立て上げてる割には筋が甘すぎる(トーはいつもそうかもしれない)と思うが、名高いジャスコでの銃撃戦が想像以上に良くて満足。どう見ても怪しいヘッドホンつけてる店員がやっぱ
>>続きを読む

狼と豚と人間(1964年製作の映画)

3.8

血の通った三兄弟の壮絶な蹴落とし合い。
いよいよ三國連太郎が合流してきて始まる籠城戦が圧巻の血生臭さ。
女は殴り弟でも拷問にかける高倉健、おどおどしているようで窮地の目線の強さが尋常でない三國に引けを
>>続きを読む

君が若者なら(1970年製作の映画)

3.6

東宝とかでやってそうな貧困層の青春映画だが、深作らしい荒々しいカッティングがあり面白い。
脱獄した河原崎長一郎との問答からトラックをぶっ飛ばす前田吟までのくだりが特に気合が乗っていて良い。

ゴールキーパーの不安(1971年製作の映画)

3.5

上昇するエレベーターや列車、歩行といった移動の緩慢さが心地よい。
バーで唐突に暴れて静かに担ぎ出されるとこ最高。

遊星よりの物体X(1951年製作の映画)

3.8

ホークスと言われたら信じ込んでしまうほどホークス的職人映画。軽快な会話と迅速に行われるチームワークに派手な火力。
物体の影がかかってから発砲!脱出!の流れが物凄くスピーディー。通路の木箱をぶっ倒すのも
>>続きを読む

生活の設計(1933年製作の映画)

3.7

放り投げられたミリアム・ホプキンスの足で始まるオープニングから抜群なルビッチ。洗練されすぎていてちょっと嫌味ですらある(もう少し暴れてくれてもね)

農園の寵児(1938年製作の映画)

3.5

シャーリー・テンプル以外の脇役たちがとにかく肉体派ギャグをやってくれて嬉しい。落とし穴ギャグってホント時代と場所を問わず面白いな。
悪党夫婦がテンプルを取り返すためにやってくると跳ね上がる床に尻を叩か
>>続きを読む

劇場版 呪術廻戦 0(2021年製作の映画)

2.8

「うわーこの頃の芥見ネーム全然練れてねえな〜」という発見があった。いやそこはアニメ化にあたってブラッシュアップしろよと思うが。
とにかく大げさにカメラ動かして無理にクネクネとダンスさせるのを神作画!神
>>続きを読む

レイジング・ファイア(2021年製作の映画)

3.6

100%逆恨みで襲ってくるニコラス・ツェーを社会の被害者のように撮っているのは心底どうかと思うが、濃い闇・銃声・鈍い打撃音と香港映画の伝統モリモリで楽しめる。電話ボックスを蹴り飛ばして対角線上の男を押>>続きを読む

映画 えんとつ町のプペル(2020年製作の映画)

2.3

モニッとした動きがアニメーションの快楽を殺してると思う。キッズアニメのガワでありながら運動が疎かになってるのはかなり痛い。プペルの母親が官憲に夫の死の真相を知らされたときのアワアワした動きと横ショット>>続きを読む

私は殺される(1948年製作の映画)

3.5

バート・ランカスターが部下を誘って秘密基地を訪れると待ち伏せしていたギャングがぞくぞく現れるワンショットがキレていて大変良い。
回想頼りの謎解き構成とバーバラ・スタンウィックがひどく老けて見えるのは難
>>続きを読む

バトル・ロワイアル(2000年製作の映画)

3.9

再見。
圧縮展開により殺人の軽さと獰猛さが跳ね上がる。挿話やセリフの安さすら中学生っぽくて良い。桐山和雄の背景を極限まで割いて理解不能な暴力装置に徹させたのが正解。マシンガン→日本刀→生首手榴弾の流れ
>>続きを読む

魔界転生(1981年製作の映画)

2.6

魔人衆を仲間にするくだり丸々いらないなあ。真田広之以外は最初から怪人でも全然良かった。その真田広之もロマンスをベタベタやったわりにあっさり死ぬし、長い割にバランスが悪い。
若山富三郎vs千葉真一も映画
>>続きを読む

ちはやふる ー結びー(2018年製作の映画)

3.3

くさいセリフが少ないからか三部作で一番良かった。最強の賀来賢人を話の外においてしまうのは肩透かしでもあるが。
清原果耶は昔から良い役者だなー。