アノさんの映画レビュー・感想・評価 - 31ページ目

夏物語(1996年製作の映画)

3.8

アマンダ・ラングレの健康的エロスがヤバい。前半はずっとムラムラして困った。
オーレリア・ノレンがヒス起こして海岸を走り去っていく一連のシーン、カメラが生きているとしか言えない。

虎鮫(1932年製作の映画)

3.5

またも女に袖にされるEGロビンソン…と思いきや『大雷雨』の元ネタらしく、そもそもこれが不遇のEGロビンソン映画の元のよう。不倫現場を見つけてプッツンきた時の目の座り方が物凄い。
ジタ・ヨハンに会いに行
>>続きを読む

殺すな(2021年製作の映画)

3.6

テレビ時代劇なので照明は弱いしチープな箇所も散見されるが、負けないくらい意欲的なショットがいくつもある。
特に柄本佑が初めて現れるときに60年代大映感あふれるフォーカスを絞ったクローズアップが用いられ
>>続きを読む

歌うつぐみがおりました(1970年製作の映画)

4.1

遅刻魔でスケコマシの音楽家が人に追われて追いかけてただただ歩くだけの映画!これだけで映画になってしまうなんて!
植木等もびっくりの無責任男。超パンク。

ZOMBIO(ゾンバイオ)/死霊のしたたり(1985年製作の映画)

3.5

デヴィッド・ゲイルが研究を乗っ取ってから俄然面白くなってきた…と思いきやゾンビの動きに合わせて展開もかったるいものになっているのが惜しい。ゴードンはこれで3本目だけど、どれもアイデア不足で上映時間保た>>続きを読む

落葉(1966年製作の映画)

3.6

出勤間もなく女とカフェ行って逃げられるくだりが超絶素晴らしい。スクリーンのオンオフと多重フレーミングを役者が動き回って別々の話を見事に転がしていく。映像の快楽がここにある!
手すりをさっと滑り降りてい
>>続きを読む

ジョージアの古い歌(1969年製作の映画)

2.5

合唱をさらっと撮って高揚感がまるでないのが全然好きじゃない。

四月(1962年製作の映画)

3.8

面白い。途中3回くらい「ここで終わろうよ!」と思ったが。
特に冒頭の逢瀬の場を求めて街中を駆け回るシークエンスが絶品。ここからアパートでのファンタジックな合奏まではベスト級に好き。
後半はモノの音が打
>>続きを読む

インフィニット 無限の記憶(2021年製作の映画)

2.6

こんなんノーランに撮らせてりゃ良いだろってくらいのSF指向。世界観の深刻さは『ビルとテッド』シリーズと大差ないレベルなのがBになりきれないダルさ(興味の沸かなさ)を生む。
それに釣られてか、マーク・ウ
>>続きを読む

ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語(2019年製作の映画)

2.5

めちゃめちゃ教育的でビミョー。
姉妹のぶつかり合いが大人しすぎる。原稿を燃やした妹が謝っても姉は許さないくだり、妹こそ謝る(姉の行動を許す)なよ。仲直りのための水ポチャ救出劇がスリル0なのも予定調和感
>>続きを読む

音楽(1972年製作の映画)

2.3

つまんねー精神分析を大仰にウダウダ考察してるのは苦痛でしかないし、人物の異様なテンションも今作に限ってはダダ滑りしてるので全然面白いとは思わないが、これが『曽根崎心中』に繋がるのならまあ…。

Gメン(1935年製作の映画)

3.7

終盤30分でド派手な籠城戦が始まるのでクライマックスなのかと思いきやそこからまだ2度銃撃戦が始まるのに驚く。なんちゅー詰め方だ!
アン・ドヴォラックが密告して射殺されるまでの息もつかせぬ速度には参った
>>続きを読む

悪魔の金(1941年製作の映画)

3.9

暖炉から過剰に湧く煙と光に照らされて登場するシモーヌ・シモンが圧巻。
ジェームズ・クレイグとジョン・クォーレンが死後の魂のあり方を話すときの迫力の出し方も素晴らしい。クォーレンの死体の上をはためく影の
>>続きを読む

運び屋(2018年製作の映画)

3.0

イーストウッド主演でも実話シリーズの構成の弱さは拭えず。
前半の伸びやかさとコメディタッチは楽しめる(黒人をニグロ呼ばわりしたり、ギャングの喧嘩をリップクリーム塗りながら眺めてる等)が、後半の湿っぽい
>>続きを読む

ジャック・ドゥミの少年期(1991年製作の映画)

3.5

かなり変で面白い。既存作品のシーンによるモンタージュが上手い。

アラヴェルディの祭(1962年製作の映画)

3.5

馬の暴走→落馬してそのまま逃走劇へ入る繋ぎが物凄く良い。

エリソー(1928年製作の映画)

3.0

軍の司令室で緩々なチャンバラ始まるのワロタ。
小屋の燃やし具合が気合入ってるのも良い。

白いキャラバン(1964年製作の映画)

3.8

過酷な羊飼いたちの生活を画く。あからさまな斜めショットとか表現主義的な影絵などしつこいとこもあるが、相当に面白い。羊の大群が逐一見事な画になっている。
馬と自動車が並走するシーンの多幸感が凄い。どうし
>>続きを読む

スペードの女王(1949年製作の映画)

3.6

いかにもイギリス映画って風情の固さだが、イーディス・エヴァンスが死んでからのテンションは目を見張るものがある。老婆の眼光、室内に吹きすさぶ狂ったような風。

最後の命令(1928年製作の映画)

4.1

映画の映画。妄執に囚われた男の映画。
やはりサイレント期のスタンバーグは一級。ショットのキレと役者の荒々しさがたまらん。
エミール・ヤニングスを襲撃する民衆を率いるイブリン・プレントが物凄い勇ましさで
>>続きを読む

恋は特ダネ(1937年製作の映画)

3.6

ロレッタ・ヤングは全然好みじゃないが、クラシックで快活なロマコメなので好ましい。
拘置所での格子が崩れるギャグの天丼も笑える。ラストの新聞社から電話がある店までのワンカット行進、窓の外から逢瀬を見て歓
>>続きを読む

終わり(1992年製作の映画)

3.7

前半が最高。子供が寝落ちするとこ素晴らしすぎ。列車音のリズムが良いだけに海に出てからの劇伴で萎えてしまった。
終盤のトンネルの暗闇は間をもててない。

ロボコン(2003年製作の映画)

4.5

基本的に被写体への距離感が抜群なので、ヌルっと良いショットが放り込まれていく快感がある。小栗旬のいる小屋の外でうろつく長澤まさみが窓を越えてお辞儀をするこの瞬間!大会前夜に作業中のメンバーを見つめる塚>>続きを読む

クライ・マッチョ(2021年製作の映画)

3.1

撮影もディレクション(鶏を除く)も全然良くないけど、省略とスカしで構築された緩さが中々の心地よさ。緩さの極みのような終わり方はちょっと並じゃないし、偽りのようであった父子のハグは力強く撮られるのも面白>>続きを読む

大いなる罪びと(1949年製作の映画)

3.5

ギャンブル墜ちして粗野になってからのグレゴリー・ペックが良い。やっぱペックはこうじゃなきゃね。メルヴィン・ダグラスを罵倒すると部屋の奥からエヴァ・ガードナーが現れるショットと切り返しもグー。
二回こっ
>>続きを読む

その男を逃すな(1951年製作の映画)

4.0

これは物凄い映画。
70分しかないのに更衣室でカバン開けようとしたら他の奴が入ってきそうになったり、ロッカーを間違えてカバンを盗まれたと慌てたりと小ネタの豊かさが並でない。
母親を傷つけられたと勘違い
>>続きを読む

卵と私(1947年製作の映画)

3.0

夫婦で農家きりもり奮闘記。まぁまぁ面白かった。困難があってもあんまりくよくよしないで次に行くスタイルが良い。
もう少し狂騒があったらフォードかヴィダーになれたと思う。

僕を育ててくれたテンダー・バー(2021年製作の映画)

2.0

ひたすらインテリが田舎モンを小馬鹿にしていく話が臆面もなく語られていてマジでビビった。
リベラルでなくともここまでいけ好かないドラマには欠片も共感できないと思うんだが、良いのか…?
なんとなく雰囲気だ
>>続きを読む

奥様武勇伝(1948年製作の映画)

3.4

ラスト10分くらいで喧嘩しだすのでどうするのかと思ったら唐突に嵐の中で泥んこになる。豪腕過ぎて参った。

オラシオ(2019年製作の映画)

3.5

『地元最高!』読んでから見たので中々響いた。
糸の粘着質な音。

各駅停車(1992年製作の映画)

3.8

声出してワロタ。
乗客が窓を見て数秒歓声を上げるのが効いてる。

アメリカン・スナイパー(2014年製作の映画)

2.9

普通すぎてビビる。
スコープ越しの視線も砂塵も全然サスペンスを生まない。

人生の特等席(2012年製作の映画)

3.5

父娘で野球やったりクロッキングしたりの微笑ましい多幸感が良き。ツボを抑えている。イーストウッドが若いもん見て軽やかに去る…というEDも爽やかだ。

エイミー・アダムスとジャスティン・ティンバーレイクが
>>続きを読む

ヒア アフター(2010年製作の映画)

4.0

再見。
マット・デイモンに過去を暴かれたブライス・ダラス・ハワードの泣き方(泣かせ方)が物凄い。あのとんでもなくエチエチな料理教室での触れ合いから急転直下ながら深く納得させられてしまう悲劇のあんまりな
>>続きを読む

グラン・トリノ(2008年製作の映画)

4.2

再見。
息子夫婦にクソみたいな説教されてプルプル震えながら顔面アップになっていくイーストウッド、完全にギャグ。終盤の展開からかなりシリアスな印象をもたれる映画だが、全体的に80年代のイーストウッド的緩
>>続きを読む