towakoさんの映画レビュー・感想・評価

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ルビー・ギルマン、ティーンエイジ・クラーケン(2023年製作の映画)

3.5

日本では配信スルーされた今作が、今ならアマプラレンタルセールで100円で観れます(回し者?)
クラーケン=ヴィラン、マーメイド=皆に愛される人気者というパブリックイメージを逆手にとった、等身大のティー
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帰れない山(2022年製作の映画)

3.9

「焚き火、美しい山々、そしてお前 一生これで満足だ」
生涯の友情を育むことになる対照的な2人の少年の出会い、再会、別れまでを描く。
イタリアの壮麗で雄大な山々をはじめとする自然を堪能でき、彼らの人生に
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パリタクシー(2022年製作の映画)

3.7

華やかなパリの街並みと、壮絶な人生をめぐる美しき旅路。
悩める無愛想なタクシー運転手と一日を共にする乗客マダム、マドレーヌがとにかく魅力的。「人生って想像力が必要ね」と語りながら、今は無き住んでいた家
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カラーパープル(2023年製作の映画)

3.4

各々の歌唱はすばらしいし、食卓でNoをつきつけるセリーとかいいシーンもあるんだけど、舞台のほうが映えるのでは?となる部分が多々あり、せっかく映画にしたのにもったいない……と思ってしまった。あと繋ぎもち>>続きを読む

コンペティション(2021年製作の映画)

3.7

この世に自分の名を残したいという大富豪の老人の空虚な欲からはじまった映画制作に、それぞれ強烈な自我と個性をもつ監督と俳優がそろう。
地味なセリフの読み合わせやリハーサルのシーンが延々と続くけど、まるで
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キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

4.2

最後にアーネストとモーリーが対峙するシーン、リリー・グラッドストーンの静かな演技に身体中に鳥肌がたち、瞳に吸い込まれそうになった。こんな風に息を呑む衝撃に出会えたとき、映画を好きでよかったと心から思う>>続きを読む

アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)

4.0

軽薄なエンタメ業界の人々、内包された人種差別を皮肉たっぷりに描きながら、中年に気づけばのしかかってくるリアルな家族の問題が下地にあり、そのバランスと構成がうますぎる。おもしろかった〜
親の介護、兄弟の
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コンパートメントNo.6(2021年製作の映画)

3.8

ここではないどこかへ連れて行ってくれる列車、思いがけない出会いを与えてくれる旅。見ると無性に旅がしたくなる。
彼がついぞ覚えられなかった「ペトログリフ」より、そこに至るまでの過程と、紙切れに描かれた不
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ゴールデンカムイ(2024年製作の映画)

3.5

冒頭の二〇三高地と、大迫力のヒグマとの闘いは大いに実写化の魅力を堪能できた。
北海道の一面真っ白の雪景色はスクリーンに映えるなあ。
内容は原作の序盤で、これからというところで幕を閉じる。続編はいつ、ど
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カラオケ行こ!(2024年製作の映画)

3.4

劇場は老若男女さまざまな客層が入っていて、笑い声も漏れるあたたかい雰囲気。
メインキャスト2人も想像していたよりよかった。
原作からさらに岡先輩への思いをこじらせにこじらせてめちゃくちゃ青春映画をして
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ミツバチのささやき(1973年製作の映画)

3.8

素朴でものさびしいスペインの小さな村の風景に、アナの澄んだ瞳が美しく映える。
少女とフランケンシュタインはなぜ殺されてしまったのか。無垢な問いに呼応するように漂う死の匂い。踏みつけられる毒キノコ。姉の
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ゲット・アウト(2017年製作の映画)

3.9

「だから行くなって言ったんだ」のBecauseがあまりにもこわすぎた。
積もりゆく不気味な違和感と押し寄せる恐怖。根強い白人至上主義と黒人差別をこの角度で表現した発想がすごい。
オバマ支持をアピールす
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アフター・ヤン(2021年製作の映画)

4.2

家庭用AIロボットのヤンの故障をきっかけに、彼の知られざる過去が明らかになり、静かに家族を喪う悲しみと死を受け入れていく過程を描く。
特筆すべきは、ヤンのメモリに残されていた、家族と過ごした日々の数秒
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ジョン・ウィック:コンセクエンス(2023年製作の映画)

3.7

途中ダレるところはあるものの長い上映時間でよくぞここまでアクションで魅せてくれるなと感心する。
腹ごしらえをすませた盲目のドニーさんが満を持してお仕事モードに切り替わったときマジでテンションが上がった
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ジョン・ウィック:パラベラム(2019年製作の映画)

3.6

豊富なバリエーションの暴力と死屍累々。
ハル・ベリー様と犬との共闘、乗馬もこなすジョン・ウィック、ナイフの投げ合い。
シノビアサシン2人との闘いはリスペクトに溢れていたし相手も強くて見どころ満載で興奮
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ジョン・ウィック:チャプター2(2016年製作の映画)

3.4

奪い返した愛車をためらいなく使って敵を殲滅していくシーン、すごすぎる。修理可能でよかったね。
とにかくどんどん人が死に、ジョン・ウィックの不憫度も増している。前作よりインパクトはないものの、独特な裏社
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ジョン・ウィック(2014年製作の映画)

3.5

シンプルな素材のストーリーに、濃厚で豊かな味付けのアクション。おいしくいただいた。
満身創痍でフラフラになるけどとにかくタフで死なない最強の殺し屋、良い〜
終盤、車に乗って現れたジョン・ウィックにマフ
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名探偵ポアロ:ベネチアの亡霊(2023年製作の映画)

3.5

原作から大幅な改変がなされているけどなんだかんだ楽しめたし、シリーズ公開間隔のスピードを鑑みてもブラナーの意欲とクリスティ愛が感じられて、彼が楽しんで作っているなら何よりである。
今作は、作中で少年が
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エリザベート 1878(2022年製作の映画)

3.6

40歳を迎えた皇后エリザベートの1年間を斬新な解釈で描いた本作。
類まれなる美貌を持ち、羨望を集め、若いときから象徴として生きてきた彼女。きつく締め上げられるコルセットのように観ていて息苦しい。
高慢
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ミュータント・タートルズ ミュータント・パニック!(2023年製作の映画)

3.9

タートルズの魅力のひとつでもある"ティーンエイジャー"っぷりが存分に発揮されているうえ、また新たなアニメーション表現が見れたことへのワクワクが90'sヒップホップのサントラと相まって最高潮に達してしま>>続きを読む

赤と白とロイヤルブルー(2023年製作の映画)

3.8

2人のユーモアとかわいいに溢れたメッセージのやり取り、ラブがだだ漏れの肌の触れ合い、一方を見つめるやさしいまなざし、一方が塞ぎ込んですれ違うのも含めてとにかく最高。クィアの王道ラブコメ娯楽大作……HA>>続きを読む

ニモーナ(2023年製作の映画)

3.7

古典的なおとぎ話の導入から中世と近未来が融合した世界観のはじまりにワクワクしたし、次々と変身するニモーナのアクションに興奮しながら楽しんでいたら、あの美しく悲しい回想のなかでの変身シーンには切なくなり>>続きを読む

ガールフッド(2014年製作の映画)

3.8

"フランスには黒人俳優が少なく、パリの街に貼られるポスターは白人ばかり。わたしたちは街中に存在しているのに。"
主人公を演じるトゥーレの当時のインタビューを読んでハッとした。
貧困。妹たちの世話。兄
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ナイル殺人事件(2022年製作の映画)

3.4

わかりやすくCGではあるけど、セットとともに作られたエジプトの少し埃っぽい空気感と壮大な史跡、まばゆいほどの白とガラスが目を引く豪華客船カルナック号の美しい映像は大きいスクリーンで観たかったなあと思う>>続きを読む

オリエント急行殺人事件(2017年製作の映画)

3.4

電子書籍セールでアガサ・クリスティの小説を爆買いしたら、話題作が次々公開するなか気づいたら映画を1ヶ月近く観ずにここまできていた。怖い。
ミステリー小説の映画化は難しいよなあと思う。冬の寒々しい雪景色
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The Most Dangerous Year(原題)(2018年製作の映画)

4.5

トランスジェンダー映画祭2023夏にてオンライン鑑賞。
2016年、ワシントン州。トランスジェンダーの権利を制限する法案が議論されるなか、当事者の子どもたちとその親たちを追ったドキュメンタリー。
映画
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聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア(2017年製作の映画)

3.7

しばらくパスタを食べるたびにこの作品を思い出してしまうよ。
人間の嫌な部分をずっと見せられ、不穏なカメラワークも相まって胸がざらつく気持ち悪さが続き、暗い沼地に沈んでいく心地。登場人物ほとんどがエッ?
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ぼくの名前はズッキーニ(2016年製作の映画)

3.8

カラフルな世界観とあたたかい光、かわいらしいストップモーションアニメで表現される、親からの愛を知らない、児童養護施設で暮らす子どもたちの物語。
「お母さんが、お父さんは若いメンドリが好きだって言ってた
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スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース(2023年製作の映画)

4.2

みんな言ってるけどパート1って書いといてくれ案件すぎた。あと1年は何がなんでも生き抜かねばならない。
"スパイダーマン"というヒーローの、孤独さと抱えるものの重さがずっしりのしかかる。グウェン、好きだ
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バッドガイズ(2022年製作の映画)

4.0

金曜ロードショーみたいな地上波のゴールデンタイムで絶対に流してほしい〜!!
ヴィランや嫌われ者のイメージが強い動物たちを主役に据え、彼らは悪党である自分と、自分のなかにある善の狭間で葛藤する。深いテー
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燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)

4.5

描く人と描かれる人、見る・見られるの関係性から、芽生えた想いが結び合うまでの過程が美しくてたまらなくなった。
映画を観終わった後に思い返す好きなシーンが、この作品には数多くある。崖の上まで走ってふいに
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怪物(2023年製作の映画)

3.4

うわ〜〜〜言語化が難しい……
脚本は完成度が高いし、役者たちの演技も見事。何気なくテレビに出てくるミス・トシオの存在、メディアでの扱われ方とマイノリティへの影響力の示唆も、あまり描かれてこなかったよう
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雄獅少年/ライオン少年(2021年製作の映画)

3.8

アニメと王道エンタメが好きなら観て損なし!
貧困・格差という社会問題を背景に、競技としての獅子舞を通して夢を諦めた大人、現状を変えたいともがく子どもの成長を熱く描いていてすばらしい。ただ、女性の描き方
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ミュータント・ニンジャ・タートルズ:影<シャドウズ>(2015年製作の映画)

3.3

前作よりティーンなタートルズたちの微笑ましい絡みが増えていて頬が緩む。
基本的に猪突猛進だけど、肝心なところで一歩踏み出せない繊細さと誰よりも兄弟想いなところを併せ持つラファ、やっぱりかわいい〜
シュ
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ミュータント・タートルズ(2014年製作の映画)

3.2

今夏公開のアニメ映画が楽しみすぎて未見だった実写リブートを摂取。
全体的に大味な展開なのはご愛嬌。雪山のアクションシーンはワクワクした。1作目だから導入的な部分が多くて、亀たちのわちゃわちゃ成分が物足
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別れる決心(2022年製作の映画)

4.0

終始なんだこれ、と思いながら見終り、またすぐに再生ボタンを押した。なんだこれ……
刑事の男と容疑者の女のロマンスという素材が、冴え渡る演出と緻密に計算された構成でこんなにも美味しくなるんだ。ひどく複雑
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