towakoさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

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ヴェラは海の夢を見る(2021年製作の映画)

3.8

夫を自殺で亡くした妻が、家の相続問題に巻き込まれていく。夫の親類の村の男たちとの対立から、根強い家父長制社会が浮かび上がる。
中年女性が主人公というのがまず良い。娘との衝突から気づく、自身に染みついた
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天才スピヴェット(2013年製作の映画)

3.7

"水滴がすばらしいのは、最も抵抗の少ない経路をたどること。人間は、まったくもってその逆だ。"
天才少年の主人公がとにかくかわいい。子どもの瑞々しい感性が表れたモノローグ、ユニークな空想、美しい映像。子
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355(2022年製作の映画)

3.0

真面目にスパイ映画をやっているけど、ご都合主義的展開で中身はちょっと大雑把な感じ。それはまあそんなもんかだけど、思ってたよりあんまり好きじゃない異性愛、男女描写が多かったな。
主要キャスト陣はみんなさ
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ザ・ロストシティ(2022年製作の映画)

3.4

ブラッド・ピット演じるCIA工作員のトレーナーが咽せ返るほどの濃度1000%の超絶ホットな男で興奮してしまった。この役柄を楽しそうに演じているブラピ、本当にいい。初登場シーン、キラキラのエフェクトが見>>続きを読む

シチリアを征服したクマ王国の物語(2019年製作の映画)

3.7

ゆったり流れるあたたかい色の雲、魔法でふくらむたくさんのクマ、光る魚を吐き出す謎の植物、踊り出すクマたち、化け猫クリーチャー、自然に還っていく魂。色彩とデザインと劇伴すべてが最高で、いいバランス。好き>>続きを読む

HUSTLE ハッスル(2022年製作の映画)

3.6

とあるバスケ映画を観てから鑑賞しよう、と個人的にあたためていた作品。
かつてはNBAの選手で、今も純粋にバスケを愛し、それゆえの不器用さと不運で逆境に立たされる中年スカウトマンを演じるアダム・サンドラ
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THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)

4.3

ロングランをしてくれていることにかこつけて後回しにしていたけどやっと観に行けた。
原作未読、バスケは5人vs5人でやる、という初歩的なことすら知らない状態でも、かっこよすぎるOPから最後までずっと頭痺
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ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー(2023年製作の映画)

3.5

はるか昔に人ん家でマリパをやった記憶が微かにあるくらいでほとんどまっさらの状態で観た(知識レベル:へ〜ドンキーコングってマリオシリーズに出てくるキャラクターなんだ!)けど、まっすぐなエンターテイメント>>続きを読む

ピーター・パン&ウェンディ(2023年製作の映画)

3.0

色彩があまりなく、画面も陰気な雰囲気なので子どもたちにはあまりウケないかも。嫌いではないトーン。
フック船長の背景に奥行きを持たせることでピーターパンとの関係性にも深みが生まれている。ただとにかくジュ
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アンネ・フランクと旅する日記(2021年製作の映画)

3.8

アンネの日記の最後のモノローグが彼女の終わりではなく、それから7ヶ月間収容所で苦しみながら生き続けていたことを知ってもらいたいという監督の想いが、親友の死を知ったキティーの涙とともに刺さる。
アンネ、
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キル・ボクスン(2023年製作の映画)

3.4

ソル・ギョング演じる殺し屋組織のボス、孤独をたたえた瞳を眼鏡で覆い、スーツを着こなし、妹に執着されているが、自身はキル・ボクスンへの愛憎を募らせている。おまけに吹き替えは郷田ほづみ氏。盛りすぎぃ!(大>>続きを読む

ライ・レーン(2023年製作の映画)

3.5

舞台となった南ロンドンにあるペッカムのヴィヴィッドでスタイリッシュな街並みが観ていて飽きず最高〜
そんな通りを、ひどい失恋をしたばかりの偶然出会った男女が歩きながら会話を紡いでいく。軽快なやり取りから
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林檎とポラロイド(2020年製作の映画)

3.6

突然記憶喪失になる謎の奇病が蔓延する世界で記憶を失くした主人公の男が、新たな人生を歩むための「プログラム」に参加し、様々なミッションに取り組んでいく。
淡々と課題をこなしていく寡黙で無表情な男が、光の
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FLEE フリー(2021年製作の映画)

4.2

ドキュメンタリーでありながら、匿名性を保つためのアニメーション。
元アフガニスタン難民で同性愛者のアミンが、友人である監督に固く封印してきた自身の家族について、半生について語る。
日常の素朴でやさしい
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ブレッドウィナー/生きのびるために(2017年製作の映画)

3.8

女性の教育、就労が認められず、男性同伴でなければ外出もできない。
そんなアフガニスタンで暮らす主人公の少女パヴァーナは、教師だった父から文字の読み書きを教わっており、物語を語るのがとてもうまい。辛く過
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search/#サーチ2(2023年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

この手の作品の続編は難しいだろうに、飽きることなく楽しめた。
前作同様親子のすれ違いからの和解あり、社会問題も絡めつつ、デバイスを利用したミステリーの出来もよくて感心する。
Google先生、お前そん
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search/サーチ(2018年製作の映画)

3.9

記録と新作公開のため再鑑賞。
パソコンの画面上のみで展開する斬新さと極上のミステリーはもちろん、ヒューマンドラマとしてもシンプルで胸を打つ。
また序盤から泣きつつ、XPの映像に私のなかのインターネット
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ウエスト・エンド殺人事件(2022年製作の映画)

3.4

終始ゆるい空気が漂っていてあまり盛り上がりはないものの、くたびれ警部のサム・ロックウェルと生真面目巡査シアーシャ・ローナンのいい意味で気の抜けた演技とやり取りはどこか心地いい。
クリスティーの戯曲『ね
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AIR/エア(2023年製作の映画)

3.8

80年代を生きておらず、NBAにもエア・ジョーダンにも明るくない私が観ても楽しめたんだから、好きなひとは本当にたまらないだろうな……
個性的なナイキ社の面々をキャスト皆が生き生き演じていて、物語は分か
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テトリス(2023年製作の映画)

3.7

ゲームに馴染みのない私でも一度はプレイしたことのあるテトリス。
ソ連の政府機関で働く男が開発し最初は仲間内だけで楽しまれていたゲームが、携帯用ゲーム機とともに普及し世界中の人々に親しまれるようになる。
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マーダー・ミステリー2(2023年製作の映画)

3.3

続編もお家でつまみながらまったりダラダラ観るのにちょうどいい映画だった。
前より派手なアクションが増えて華やかだったけど、ミステリ要素がさらに弱まっていてこれはいいのか…?と思いつつ、相変わらず絶妙な
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ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り(2023年製作の映画)

3.9

想像以上のたのしさ!
TRPGの知識がなくても全く問題なく楽しめるしどっぷり世界観に浸かれる。
美術、モンスターデザインもいい。ごろごろ転がる肥えたレッドドラゴンに笑った。かわいい。
主人公エドガンと
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逆転のトライアングル(2022年製作の映画)

3.7

船に乗るまでと、漂流するまでがちょっと長いな〜と思いながら観ていたけどラストシーンの強烈な"Triangle of Sadness"とヤヤの後ろ姿の対比に痺れてすべてが逆転した。
傲慢なセレブたちがや
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ザ・メニュー(2022年製作の映画)

3.5

多様な恐怖と絶望を提供してくれる地獄のレストラン。
序盤のじわじわ浸透していく違和感と緊張感から狂気が一気に爆発したとき、次はどんなまずそうな料理が、絶望が出てくるのかワクワクした。「男の過ち」にジャ
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夜の来訪者(2015年製作の映画)

3.9

突然現れた警部を名乗る男、どこか怪しく、この世ならざるものを醸し出していて、この男の尋問に、言葉にじわじわ追い詰められていく……この存在感、この切れ味のデヴィッド・シューリス、本当に最高で大好き。
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思いやりのススメ(2016年製作の映画)

3.5

離婚を迫られている新米介護士と、難病を抱える捻くれ者の車椅子の青年のロードムービー。
2人とも、心に深い傷を負っている。
旅先での出会い、初恋、残酷な真実、心の再生、成長。押し付けがましくなく、さわや
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スターリンの葬送狂騒曲(2017年製作の映画)

3.8

絶対的権力を誇ったスターリンの急死を受け、側近たちによる後継争いの火蓋が切られる。
おじさんたちのひたすらに醜い権力闘争を滑稽に描いていて笑える。
ただ邪魔者の徹底的な粛清、拷問、人の命を軽く扱う人間
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ピーターと魔法の象(2023年製作の映画)

3.2

孤児のピーターは、占い師に妹が生きていること、象が妹のもとへ連れて行ってくれることを告げられる。その頃、街では魔術師が魔法の失敗により象を出現させていた。
児童文学が原作。信じることの大切さを描いてい
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レイモンド&レイ(2022年製作の映画)

3.6

疎遠だった父の死をきっかけに再会した異母兄弟。遺言は、2人に墓を掘ってほしいというものだった。
生前の父を知る人たちに行く先々で会うたび、彼らが語るユーモアがあって人のいい父と自分たちの記憶にある最低
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ボストン・キラー:消えた絞殺魔(2023年製作の映画)

3.7

1960年代に実際に起こったボストン絞殺魔事件をいち早く報じ、真相究明に奔走する女性記者を描く。
事件のことは知らなかったので観る前に調べて臨んだ。惨い犯行の直接的な描写はないものの、被害を受ける女性
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長ぐつをはいたネコと9つの命(2022年製作の映画)

3.9

9つあった命が残りひとつになったとき、どう生きる?
ドリームワークスのオープニングロゴ映像から興奮してしまった。3Dアニメーションと2Dコミックスの作画が融合したアクション、たまらん〜!!ずっと観てい
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手紙は憶えている(2015年製作の映画)

3.8

アウシュビッツを生き残った認知症の老人が、家族を殺された復讐を遂げるため、4人に絞られたナチの仇を探す旅に出る。
多くの映画のテーマとなっているホロコーストを、新たな角度で描いていて地味ながら見応えが
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長ぐつをはいたネコ(2011年製作の映画)

3.5

新作公開前に。
シュレックシリーズおなじみの童話モチーフが随所にある。ネコバディのセクシーでキュートなラテンのダンスたまらん。
ハンプティの裏切りや身勝手さには呆れるけど、英雄になったプスへの妬み、唯
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ギレルモ・デル・トロのピノッキオ(2022年製作の映画)

4.6

大傑作。
ストップモーションアニメとは思えない動き、映像。ぬくもりが伝わってきて、ものすごく命を感じた。
ゼペットとピノッキオという父と息子の物語でもあり、市長とキャンドルウィックというもうひとつの父
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スランバーランド(2022年製作の映画)

3.4

ジェイソン・モモアの大きな体躯とワイルドなビジュアルに、立派な角とぴょこぴょこ動く小さな耳、もふもふの毛に覆われた足。これだけでお腹いっぱいなのに、彼が本来持つ人懐っこい笑顔と、子どもを飽きさせない身>>続きを読む

アメリカン・アニマルズ(2018年製作の映画)

4.2

田舎町で生まれた何者でもない自分。
"向こう側"には何があるのか。
実際にあった大学図書館での盗難事件の話を、刑期を終えた本人たちのインタビューを交えて描いていておもしろい構成。
盗みのシーンはワクワ
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