TOTさんの映画レビュー・感想・評価 - 24ページ目

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オトトキ(2017年製作の映画)

2.1

再結成の一年間に密着したドキュメンタリー。
2001年の活動停止から2004年の解散、2016年の再結成まで途切れたかに見えた時間に、個人とバンドとファンの人生はあって、点が線になって一枚の絵になる。
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密偵(2016年製作の映画)

3.7

オールスター大作の面白さ!
個人と祖国、歴史の中で翻弄される二重スパイ。
ガンホさんは韓国の至宝で、鶴見さん普段あんなに柔和なのにスクリーンではきっちりヤダみ出すし、少ない登場でも強烈なインパクトを残
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ナショナル・シアター・ライヴ 2017 「一人の男と二人の主人」(2011年製作の映画)

4.0

笑った〜めためた笑った!
今までのNTLiveのイメージを覆して、体も言葉もおしゃべりな、抱腹絶倒コメディ。
オーバーアクション、揶揄、階段落ち、歌の楽しさ、観客も巻き込んで、ドリフか新喜劇みたいなパ
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アンティーク 〜西洋骨董洋菓子店〜(2008年製作の映画)

3.4

チュ・ジフン出演作品を観よう!というわけでNetflixにあったこちら。
よしながふみ原作4巻をギュッと2時間に凝縮。
もうちょい端折れば?ってエピソードの詰め込み方だし、映画単体として観ると厳しい部
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グッド・タイム(2017年製作の映画)

4.3

社会の底辺で生きる兄弟。
劇中の殆どを、兄ニックが弟コニーを助けるための一晩の犯罪描写に費やし、どんどん悪化する状況に耐え難くなった頃、コニーのニックに対する気持ちを映し出す。
よくできた脚本だな〜っ
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KOKORO(2016年製作の映画)

3.1

ミドルエイジクライシスに陥っていたフランス人主婦アリスが、弟の死をきっかけに日本を訪れ、生を見つめ直す。
死ぬより生きるがいいよってことを畳み掛けてくるロケ地隠岐の美しさ、袖振り合うも多少の縁と思わせ
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CODE46(2003年製作の映画)

3.2

設定は面白い近未来ディストピアSF。
しかしながらティム・ロビンスの取る行動は、てめぇこんにゃろーであり、それが物語とシステム的なものに回収されて無効化され、更に、てめぇこんにゃろーとなる。
サマンサ
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コンフェッション 友の告白(2014年製作の映画)

3.6

読める展開なのに魅せる配役と演出。
ちょっと長いけど、それが必要なように思わせるのに長けているのも韓国映画。
本当の友達ってなんだろう。
誰がいつ、どこから、思いを違えていたんだろう。
言わずに飲み込
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ゴッホ~最期の手紙~(2017年製作の映画)

3.7

ゴッホの死と最期の手紙を巡る物語。
125人の画家62,450枚の油絵で作られた、ゴッホへのラブレター。
ミステリーとしては緩いけど油絵アニメとしては興奮して、ゴッホの作品の力と死生観、そして制作陣の
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ノクターナル・アニマルズ(2016年製作の映画)

3.8

才能など無いと捨てた相手から送られてきた小説。
読み進めるたびに暴力的に思い知らされる自分の裏切り、夜ごとの後悔。復讐のように感じる自責。抜けない棘。
豪奢な邸宅、華美な装い、見るだけで触れることなく
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IT/イット “それ”が見えたら、終わり。(2017年製作の映画)

3.7

なるほどホラー版スタンドバイミー。
オリジナルと比べて物語をホラーからジュブナイルに寄せたのは良い選択。
27年ぶりのペニーワイズ、怖がらせの芸域が広がっていた。
皆んなの恐怖にキメ細やかにご奉仕しす
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マイティ・ソー バトルロイヤル(2017年製作の映画)

3.9

‪シリーズ3作目のコメディ大ホームラン!!!
ギャグの間にシリアスが進行する楽しさで、歴代MCU作品で一番笑った。
ツェッペリンの移民の歌をしょって戦って違和感ないなんて、さすが神話の世界の住人でしょ
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リーナ・ラブ(2017年製作の映画)

3.2

親友、不倫、ネットいじめ。鬱展開に不気味さを加味するゴスなグラフィティ(思春期ってなぜ暗めなものに惹かれるの)。
ドイツ工業地帯?の風景もいい。
青春ものを観てたはずがいつのまにか殆どホラーになり、最
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ハウス・オブ・トゥモロー(2017年製作の映画)

4.0

好きなもんが詰まってる王道ジュブナイルもの。
祖母と二人暮らしで外の世界に触れてこなかったセバスチャンと、心臓移植を受けたばかりのジャレッド。
二人の出会いとパンク、淡い初恋。
そりゃまだあるなら教会
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ポリーナ、私を踊る(2016年製作の映画)

3.9

とても良かった。
ダンスとフェミニズムを結ぶ、プレルジョガージュ振付の詩情。
ロシアから南仏そしてベルギーへ。
クラッシックからコンテンポラリーに憧れ、ストリートを経て、ダンサーからクリエイターに、挫
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マカラ(2017年製作の映画)

4.0

木を切って炭を焼き自転車に積んで50kg先の町まで歩く歩く。
昼は砂埃が、夜は暗闇が道を包み、人は概ね無情で、永遠に続くかのように思える苦しみ。
劇伴もナレーションもなく主人公に寄り添うカメラが最後に
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アケラット-ロヒンギャの祈り(2017年製作の映画)

3.4

ロヒンギャ難民に関わる女性を軸に、前半と後半で雰囲気が変わる。
前半はナラティブ、後半は観念的に。
面白いけど、構成と人物を繋ぐものがあればいいのか、何か少し物足りない。
ダフネ・ローとホン・カーホウ
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セブン・シスターズ(2017年製作の映画)

3.5

ノオミ・ラパスの素晴らしい一人七役!
気弱な子も優等生もパーティガールも皆んな一人のカレン。
ディストピアSFとしてはちょいちょい設定甘いけど、ノオミの圧倒的な筋肉美、かっこいいアクションが楽しい。
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ブレードランナー 2049(2017年製作の映画)

3.4

均一化されて冗長な夢。空っぽなゴズリングの夢。
82年版の設定を下地にしたぶん、拘ることができたのかと思うくらい止め絵は工夫されてるが、じゃあもういっそ止め絵で2時間にしてくださいってくらい、編集が緩
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ブレードランナー ファイナル・カット(2007年製作の映画)

3.8

2049前の復習に。
他のバージョンのが良かった気がするけど定かではない。
我思う、故に我あり。デカンショデカンショ。
電影都市の中で、雨と血に濡れて匂うように蠢くレプリカントと人間と。
同じ地平にい
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ローガン・ラッキー(2017年製作の映画)

3.9

面白かった〜。
加速も減速も自由自在、脚本・演者・カメラ・編集・音楽どれも如才なく2時間あっという間のクライムコメディ。
ダニクレ、テイタム、アダム、ライリー、大人も子どもも皆んなチャーミング。
やり
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田園の守り人たち(2017年製作の映画)

3.2

第一次世界大戦下のフランス、出征中の男たちに代わり農園を守る女たち。
ミレーの落ち穂拾いを思い出す農作業のロングショットが印象的。
ナタリー・バイ、ローラ・スメット、アイリス・ブリーの表情も美しい。
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ヤスミンさん(2017年製作の映画)

3.3

昨年のTIFFJP上映作品『鳩』のドキュメンタリーのはずが、いつしか同作出演シャリファ・アマニの役名に由来するヤスミン・アフマド監督を追う旅に。
成り行きと運命の、うまいことやろうとしない(実際うまく
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4月の終わりに霧雨が降る(2017年製作の映画)

3.5

帰郷した青年が友や家族と語らいながら映画作りを始める。虚構と現実が交錯し、ユルくポップな歌謡曲が流れる。
監督の私エピソードも思わせて実験的でチャーミングな作品。
眠気成分も高め、だがそれも良い。
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迫り来る嵐(2017年製作の映画)

3.0

高架下の河川敷で遺体が見つかる連続殺人事件、工場から線路への追走劇、雨と雪。
とにかくルックが良くて『殺人の追憶』や『薄氷の殺人』も想起するけど、そこまでは及ばない。
主演のドアン・イーホンが現場を見
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スウィート・カントリー(2017年製作の映画)

3.9

冒頭からおつらみ展開するオーストラリア版西部劇。
粗暴な退役軍人と白人社会、アボリジニへの差別、キリスト教。
神がいないかのような悲劇を、未来予知のように挿入される数々のシーンが予感させて、まるで神の
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スヴェタ(2017年製作の映画)

3.6

困難を前に一歩も引かず、怒りと不機嫌を露わにし、反省せず、不道徳な行いを重ねるろうあ者のスヴェタ。
彼女の悪事は暴かれるのか、罪に問われるのか。
他者と観客の憐憫、勧善懲悪への期待を蹴飛ばして清々しく
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ライフ・アンド・ナッシング・モア(2017年製作の映画)

3.6

淡々と積み重なる日常描写で、人物アップや説明はなくとも、各人物の生きづらさが見えてくる。
『ムーンライト』でもハッとしたけど、ここでも主人公の14歳少年が「何にも知らないくせに」って言う。
何にも知ら
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ビオスコープおじさん(2017年製作の映画)

3.8

ボリウッドらしい歌の楽しさに、アフガニスタン情勢や移民の悲劇、人情と外連味に軽妙なラストの組み合わせが新鮮。
映画館やビオスコープの描写の映画愛に涙する。
アフガニスタンで馴染み深いというメロディをベ
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MR.LONG/ミスター・ロン(2017年製作の映画)

3.7

殺し屋子連れ狼チャン・チェンの静と動。
守るものを得て変わる男の物語。
ナイフを包丁に持ち変えて生まれる小さな日常が、まるで御伽噺みたいに幸せで、任侠の激しさと対比させる。
その狭間に落ちてしまう存在
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殺人の権利(2017年製作の映画)

3.0

ミンダナオ島の反政府組織と軍の対立、軍による先住民への暴虐、決死の逃走を前景に、生気溢れて豊かな自然の風景、詩的なナレーションと情感ある音楽が重なる。
上映後Q&Aで、監督が演奏してくださったクブロン
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女神の見えざる手(2016年製作の映画)

3.7

ジェシカ・チャスティンの熱演が光る手堅いエンターテイメント。
銃規制法案の行方、ロビイストのスローンの人物像。
2軸を交錯させて引っ張る脚本には期待させられたけど、スローンの見せ方が甘いと思ってしまい
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動くな、死ね、甦れ!(1989年製作の映画)

4.0

20年ぶりくらいに観た。
スーチャンに響き渡る哀愁の日本歌、泥だらけの荒れた大地、線路を渡る少年と少女。
前半の騒がしい生命感、後半の衝撃。
悲しいことはいつもテロリストみたいに不意に日常を壊す。
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ソニータ(2015年製作の映画)

4.0

16歳の少女についた値段は9000ドル、人身売買のような強制婚。
自身の言葉、ラップではり裂けそうな心を歌うソニータ。
背景にあるアフガニスタンの貧困と慣習、タリバンの恐怖、不法移民として逃れたイラン
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ソウル・ステーション パンデミック(2016年製作の映画)

3.6

アニメでも怖いゾンビと、やっぱり怖い生きてる人間のパニックムービー。
ゾンビの動きと、人物の表情の作画が前作
『我は神なり』より豊か。
スピード感は『新感染』に軍配だろうけど、韓国社会のヤダみをうまく
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我は神なり(2013年製作の映画)

3.5

文明と貧困、父権社会で初めは女性が、やがて男性も苦しめられる暴力。
韓国実写映画でよく見るそれらがカリカチュアライズされてわかりやすく、写実的作画とよく合っていた。
よくまとまって、ノイズが少ない悲劇
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