たけうちさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

哀れなるものたち(2023年製作の映画)

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成人女性の身体に赤ん坊の脳を移植し、甦らされたひとが何を感じて、考えて、生きる意味、喜びを見つけたのか
その軌跡を余すところなく見せてくれる映画

冒頭に登場した“彼女”は、まだ乳幼児のような話し方と
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未知との遭遇(1977年製作の映画)

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古典SF作品ですが、通しで鑑賞をするのは初めてでした
昔は何度かテレビで放送していたと思うのですが、観る度にUFOを観ておかしくなる父親や、民家に迫る未確認飛行物体が起こすポルターガイストのような現象
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Bi Gan | A SHORT STORY/ビー・ガン | ショートストーリー/壊れた太陽の心(2022年製作の映画)

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約12分の短編の映画で、ワンコイン(500円)で鑑賞ができる、とても面白い企画です
荒れ地を彷徨う黒猫が、カカシ、ロボット、記憶を失くしたい女、悪魔、と、次々と出会った相手と問答を交わし“一番大切なも
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WEEKEND ウィークエンド(2011年製作の映画)

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一晩限りの相手を探して、ワンナイトラブを満喫したけど、明けてみたらどうしてもそのままで終わりたくなくなる話
写る光景はごく淡々としてるけど、惹かれあってることは手に取るように分かる
ふたりが寄り添って
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シン・ゴジラ(2016年製作の映画)

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ゴジラ映画に触れてこなかった人間なので、的はずれな感想かも知れないのですが、この映画においてゴジラに対処しようと奮闘する人たちは、みんな“仕事”をしてる人たちだという事が、とても異色なゴジラ映画なので>>続きを読む

ムーミンパパの思い出(2021年製作の映画)

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ムーミンの原作小説も、コミックも、絵本も、ほとんど読んだことはなく、かつてあったアニメのシリーズも拝見したことはなかったのですが
この映画における声優さんのキャスティングと演技は、正解! 完璧! と唸
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ペルリンプスと秘密の森(2022年製作の映画)

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ブラジルのアニメーション映画です
深い森の中で、キツネ(のように見える動物)とクマ(のように見える動物)が出会い、どちらも危機に瀕した森を守るため、“ペルリンプス”と呼ばれる何かを探す話
キツネは太陽
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オアシス(2002年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

刑務所から出所したばかりの青年(とはもう呼びにくい年頃)のジョンドゥが、やらかした交通事故で死亡させた相手の家族に挨拶に出かけ、そこで出会った被害者の娘のコンジュと出会う
そして2人は吸い寄せられるよ
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別れる決心(2022年製作の映画)

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直接的なシーンがまったく無いにも関わらず、とんでもなく官能的な映画で、人と一緒に観たら、気恥ずかしくてもじもじしてしまった
彼女の修羅な発想は、憧れるような気もするし、ワケわからん気もする
でも、彼に
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メタモルフォーゼの縁側(2022年製作の映画)

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原作の漫画がとても好きなので観たのですが
完璧と言える映像化で、少し漫画と違う箇所もありつつ微細な違いなので、イメージが崩れない、崩さない映画です
映画になるなら、漫画のそのまま過ぎなくても良いのでは
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メトロポリス(2001年製作の映画)

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『火の鳥・エデンの宙』を観ていたら観たくなったので、20年ぶりくらいに鑑賞しました
やはり面白かった! アニメーションは手塚治虫の漫画がそのまま生き生きと活動するようだし、漫画の『メトロポリス』から大
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スカーフェイス(1983年製作の映画)

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以前にも観てる映画ですが、久しぶりに観ました
前回の鑑賞はおそらく10年以上前で
『ゴッドファーザー』と比べて方向性の違うマフィア像で新鮮でいいな~とか、
『グランド・セフト・オート』みたいで面白いな
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65/シックスティ・ファイブ(2023年製作の映画)

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新年はじめての鑑賞映画でしたが、残念ながらピンと来ませんでした
主人公と言葉の通じない少女の避難の道行きと冒険、そこにめちゃくちゃ恐竜と災害! の物語ですが、色んな作品の要素が混ざりすぎちゃってると感
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キャロル(2015年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

美しく甘やかな女性同士の恋愛の映画なのだろうと思って鑑賞したら、なかなかの辛い話で驚いた
この映画の舞台となる時代もあり同性愛が異常な行為で離婚調停にも不利になるシーンなど、彼女に感情移入して怒りに震
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パトリシア・ハイスミスに恋して(2022年製作の映画)

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『キャロル』や『リプリー』や『見知らぬ乗客』などの原作小説を手がけた、パトリシア・ハイスミスの生涯をたどるドキュメンタリー映画
パトリシア・ハイスミスの様々な年代のポートレイトがどれも印象的で美しい
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VORTEX ヴォルテックス(2021年製作の映画)

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一組の老夫婦が亡くなるまでの話を
画面を分割して夫婦ひとりひとりを写すという手法で見せる、恐ろしい映画
その映像の作り方も、夫婦それぞれの生々しい演技も、部屋のすみで目撃してしまっているような感覚にな
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ロスト・キング 500年越しの運命(2022年製作の映画)

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リチャードⅢ世を強火で推す歴女の主人公が、イングランドにおける歴史的大発見を成し遂げる話
胸くそ悪い中盤の展開も、後の事を思えばすごくよくできてます
実際にあったことを元にした話ですが、アレンジされた
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理想郷(2022年製作の映画)

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失礼ながらポスターのキャッチコピーがあまり良くない気がする
【理想郷だとおもったその土地は地獄でした】【田舎VS都会】
と書かれてますが、ここは地獄のような土地で、田舎に住む人間と都会の人間との対立を
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福田村事件(2023年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

実際の事件『福田村事件』を元にした映画ですが、その惨劇のシーンは映画の終盤になるまで起きず、しかしそれが起きることは観てる側は知っているので、丹念に“なぜ起きてしまったのか”を考える背景となる、福田村>>続きを読む

ナポレオン(2023年製作の映画)

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ホアキン・フェニックスの演技はやはり凄い
でも、映画全体として見ると淡々とした史実通りの話で、戦場の描写もフランスの宮廷や社交界の描写も見ごたえはありましたが、きっとこうだったんだな、と感じるばかりで
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バービー(2023年製作の映画)

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ピンク色のキラキラで清潔な、ユートピアのバービーランドで暮らすバービーが、ある日おかしな思考に取り付かれてしまい、それを何とかするために人間の暮らすリアル世界に旅をする…というトンデモ世界観の導入なの>>続きを読む

インターステラー(2014年製作の映画)

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宇宙SFの傑作映画だと知っていたものの、鑑賞までに時間がかかってしまった作品
確かな傑作だった
鑑賞する少し前にたまたまボルヘスの『伝奇集』を読んでいたので、“あらゆる場面と時間に通じる”図書館のビジ
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メッセージ(2016年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

先に原作の小説を読めていたので、この映画の語るところがより分かりやすく、また映画らしい大きな話への変更点なども合わせて、とても楽しく鑑賞ができた
娘との記憶とセプタポットの言語の解読が交互に現れる展開
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

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鑑賞していて、ひたすらに苦しかった作品
難しい、何が描かれているのか掴めない
不気味さが不安や不快をかきたてる描写
考えたり解釈したりすることを、あまりにこちらに求めすぎているし、それと同時に分からな
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イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

おっさんとおじいさんがケンカする話
本当にそれだけの映画で、何でケンカになってるのか、なぜ片方は片方を拒絶してしまうのか、まったく分からない映画なのに
分からなくても見ごたえがあって、目が離せない面白
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金星ロケット発進す(1959年製作の映画)

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すごく古い作品が、まさかアマプラにあるとはびっくり
スタニスワフ・レムの原作は未読なのですが、とても楽しく鑑賞しました
今の視点で見ても、金星行きの宇宙船クルーが多国籍に分かれていてポリコレばっちりな
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アラビアのロレンス(1962年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

『午前10時の映画祭』で鑑賞
アラブ諸国の独立のために戦ったロレンス将軍の軍記もの映画なのかと思ってたのですが、ロレンスはとても柔和で優しくふわふわした不思議ちゃん系美青年でした
その魅力でアラブ諸国
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最後にして最初の人類(2020年製作の映画)

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冴え冴えとした、彼方から響く“声”に酔いしれるように、映像を眺めていると脳ミソが気持ちよくなって寝ちゃう映画でした

私はいま……あなたのこころに……直接……語りかけています…

の、ほんとの起源の物
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シェイプ・オブ・ウォーター(2017年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

冒頭で主人公女子の浴槽内での自慰シーンが、あくまで日常の中のさりげないルーティンの一部として描かれているのが、何とも好きです 朝食を作って隣の友人に届けるところも、職場の仲良しの同僚との会話も、主人公>>続きを読む

M3GAN/ミーガン(2023年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

観る前はミーガンとケイディとの関係性が主体の物語で、怖くも切ない、百合心が満たされる話だとばかり思ってました
始まると程なく、ミーガンがケイディのためにわりと短気に殺しをしまくるので、びっくりしました
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2001年宇宙の旅(1968年製作の映画)

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何回も観ている作品ですが、ついつい観たくなります
初見の時の気持ちはもう思い出せないくらい、つい好きなシーンだけ注目して、あとは流れていると心地よいなあ~という気持ちで観ています
2001年に製作され
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