お望月さんさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

お望月さん

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最後まで行く(2014年製作の映画)

4.1

まあ面白い。ロケットスタートで完全に詰んだと思ったら、底が抜けて広大な奈落へ真っ逆さまという展開。

主人公も開き直って悪さをするぜ!みたいなノリではなく、さらにスケールの大きな奈落を見て唖然としてお
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イーディ、83歳 はじめての山登り(2017年製作の映画)

3.9

まだ大人になっていない83歳が、通過儀礼として山に登る物語。人生のメタファーとしてもあまりにも遅すぎるが「何事も遅すぎることはない」のだ。

イディさんは大人になる前に子供を産み育て夫を看取り‥‥何者
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ガンパウダー・ミルクシェイク(2021年製作の映画)

2.7

実写版の『合法都市』
場面単位で切り取ると面白い気がするけど、なんか雰囲気に騙されている気がする。一方的にボコられる三バカがかわいそう。

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

4.5

優しさに包まれて泣いてしまったので負け。それはそれとしてアカデミー協会に壇上で「コラッ」って怒られてほしい。アカデミーしかられ賞。

ムーンシャーク(2022年製作の映画)

2.9

意外なことに可食部が多かった。ムーンサメのフォルムも多彩で中年女性シャークやメガロドッグ等も出てきてなんか得した気分。
シャークサイドオブザムーンという原題もオシャレでよい。
あからさまにテラフォーマ
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初恋ロスタイム(2019年製作の映画)

3.6

い、意外と面白い。この物語は「前半ロスタイム」と「後半ロスタイム」が並行して語られるのが特徴で、前半のキラキラした運命の果てに待つものは、後半の「おまけの日々」であるというホロ苦い描写が作品をキリッと>>続きを読む

サイコ・ゴアマン(2020年製作の映画)

3.6

目が死んでいるお父さんの存在感がすごい。食人行為や破壊暴動等の「この世が壊れゆく様」から目をそらさず、むしろ興味深く覗きこんでいく演技がつけられており、おそろしい。

一見家族向け作品に見えるが、気合
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シークレット・マツシタ/怨霊屋敷(2014年製作の映画)

4.2

恐怖に慄く女性の額に「死」という文字が浮かんだとき、爆笑していたのだよ私は。

マツシタの良いところとして映像が適切で見やすいという点が挙げられる。屋敷POVホラーとしての基礎体力が高く安心して鑑賞す
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灼熱の魂 デジタル・リマスター版(2010年製作の映画)

4.4

中東のキリスト教国で離れ離れになった母子の軌跡を追う物語。砕いていない焼けた石を突っ込まれるような鑑賞体験だが不思議なことに鑑賞後はスッキリしている、ような気がする。
作品の総合パワーが強く目を逸らし
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天空の孤高(2021年製作の映画)

3.9

現世では誰にも理解されず埋められるであろう欲求が誰も手が届かない天空クレーンで解き放たれる。予想を超えたスケール感と鮮烈さがあり、仕事もちゃんとしてたのでとてもえらい。

ペントハウス(2022年製作の映画)

2.4

短編にしては鮮烈さが弱い。浸水世界のアダムとアダム。ひとりは鳩を倒し続ける。

白いトリュフの宿る森(2020年製作の映画)

4.2

あまりにも過剰に美しい構図で描かれる老トリュフ堀り達のドキュメンタリー。当初は鼻についた美麗映像も、やがて「過剰に高騰し消費される白トリュフ」のカリカチュアであることに気がつくと、今度は深い悲しみが押>>続きを読む

迷子の警察音楽隊(2007年製作の映画)

4.8

バスを乗り間違えて知らない砂漠の街に降り立った音楽団の話。なんということだ。感極まって泣いてしまった。

失くした体(2019年製作の映画)

4.3

すっごく良かった。肉体を失った手首が指先の「感触」の記憶を取り戻しながら何処かへ向かうという物語。並行して持ち主の過去が描かれていき、そこでは「音触」が重点的に描かれる。
飛躍的なアクションの手首パー
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ポゼッサー(2020年製作の映画)

3.8

自我の溶解再構成と彼我被膜。ビジュアルがストーリーを凌駕していた。アウトします。

ザ・トリップ(2021年製作の映画)

3.2

ストレスなく気軽に見れる昼下りの惨事。お互いを殺しそうとしている夫婦だから「彼女だけは助けてくれ!」みたいな愁嘆場もないしとにかくテンポが良い。サクサク進みつつ、たまにギョッとするようなリッチな破壊を>>続きを読む

でっかくなっちゃった赤い子犬 僕はクリフォード(2021年製作の映画)

2.2

老若男女関係なく家族でご覧ください!(PG12 犯罪/バイオ生命倫理軽視が含まれます)食用双頭バイオ山羊は大量脱走したのでご安心ください。

パーフェクト・ノーマル・ファミリー(2020年製作の映画)

4.3

これは唸った。傑作。
「父さんは女性として生きていくことになりました」という宣言に揺れる家族を描く。固定されたカメラは空虚な中心である「家族」に据えられており、空気に耐えきれずにフレームアウトしたりフ
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ストーリー・オブ・フィルム 111の映画旅行(2021年製作の映画)

4.0

「映画の外殻を拡張する作品」について多くの時間が割かれている。様々なジャンルの最先端や異端が2010年代の作品を引用しながら語られていく。そのような作品によって映画の輪郭はどんどん拡張し、たまに破綻し>>続きを読む

知らなすぎた男(1998年製作の映画)

3.3

とぼけたおっさんと国際スパイの立場が入れ替わってしまうというポリティカルコメディ。胃もたれせずに、様子のおかしい目の泳いだ人たちがたくさん鑑賞できるのでお買い得だ。

ボブという名の猫2 幸せのギフト(2020年製作の映画)

2.2

「ボブは無事です」から物語がスタートするので心理的安全性が高い。内容はインドの道徳の教科書みたいな話なので安心できるが、悪のスクルージさんみたいな人の顛末を投げ捨てたので何の話かよくわからない。

永遠の831(2022年製作の映画)

1.9

監督・脚本の人は自分の話が面白いかどうか、ちゃんと家族とかに相談してみた方が良いと思う。

レディ・アロー(2022年製作の映画)

2.7

映像はプロレベル。話は人が死ぬスカッとジャパンレベルでしかありません。

どこへ出しても恥かしい人(2019年製作の映画)

3.5

一文無しの競輪場で「俺は最低だけど下には下がいる」とほざいてニッと笑う。こんなオヤジだけにはなりたくない。だけどこんなオヤジの歌声に魂を引き込まれるのはなぜだ。

タンポポ(1985年製作の映画)

2.5

トータルとしてかなり良く臨終チャーハンは壮絶。ラーメン屋を出るときは笑顔で一服したいものだ。

それはそれとして目と気持ちのやり場に困る白服パートの処理に困る。性と食を混ぜ過ぎで業が深い。どうしよう。

GUNDA/グンダ(2020年製作の映画)

3.5

豚、鶏、牛。家畜にも家族があり生活があり個性があるということをたっぷり時間をかけて理解るまでお見舞いをする作品。GUNDAの日常に「一区切り」がついた後、彼女が彷徨するラストが観客の親心に突き刺さる。

エスケープ・ルーム2:決勝戦(2021年製作の映画)

3.1

若者の倍速視聴への対策=本編の速度を4倍にする。
エスケープルームの勝者のみを集めた2回戦のはずが、そんなに強者感がないのは残念。通常レベルのルームを参加者のスキルで一蹴するくらいの展開を入れても損は
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たちあがる女(2018年製作の映画)

4.3

スタート地点の位置エネルギーが高く、BGM演奏団の存在が面白おかしいため、特に何も起こらない場面も含め全シーンがおもしろくなっている。それでいて画面はピシッとしており品格がある。まいった。
なお、ジャ
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きさらぎ駅(2022年製作の映画)

4.0

ふわっとした怪異を暴力と爆破でアレするのは最高にスカッとするね!
元の話は1ミリも知らないけど、たぶん知らない方が殴り心地が良いと思う。物語の構成とカメラワークが見事。クライマックスのひとひねりも加速
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地下室のヘンな穴(2022年製作の映画)

4.8

わかりやすく普遍的なテーマ、大胆な省略と変な間の両立、ずるずると先延ばしにされる結論、サイバーパンクとオカルトパンクの並列、電子ペニス工房インジャパン、チープで愛らしいピアノ、爆発と炎上、ネコカワイイ>>続きを読む

ただ悪より救いたまえ(2019年製作の映画)

3.8

引退暗殺者がワープを繰り返して出現する“どこでもヤクザ”に追いかけられる景気の良いアクション作品。暗殺や人身売買の描写は陰惨ながら、激しいアクションによって(いまなんの話だっけ?)となり、深く考えすぎ>>続きを読む

ルック・オブ・サイレンス(2014年製作の映画)

3.6

新年に見るものではない。『アクト・オブ・キリング』にあった鑑賞者を覗き返すようなカタルシスもなく、どよーんとして終わる。

暗い部屋で小さなモニターを覗き込む彼の姿の救いのなさが圧倒的である。

裏『
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REVENGE リベンジ(2017年製作の映画)

2.2

ヒロインの損壊度が一線を越えているのが好印象。それ以外は妙に間延びした尺稼ぎが目立ちテンポの悪さが際立つ。たぶん2倍速ならもっと楽しめると思う。

ディストラクション・ベイビーズ(2016年製作の映画)

1.3

行動ルールがよくわからん怪異なのでホラーとして成立していない。